ある殺意 (ハヤカワ・ミステリ文庫 シ 1-10)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150766108

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  • アダム・ダルグリッシュ警視シリーズ第2作。

    精神科診療所の地下室で、事務長の他殺体が発見された。現場の状況から、犯人は事件があったときに診療所内にいた人間にであることがわかる。

    訳者が替わり格段に読みやすくなった。また、1作目ではほとんど言及されなかったダルグリッシュ警視に関する記述が増えて、より親しみを感じる。今回も人間心理の描き方がすばらしい。言葉を連ねるのではなく、さりげないひと言やなにげない情景描写によって読み手をドキリとさせる手法が心憎い。

  • 渋い。
    前作同様、派手なアクションも、カーチェイスも、ガンファイトもない。
    さらに今回は、社交的夕食も、プロポーズも、園遊会もなく、精神科外来診療所と地味なと舞台とあっては渋いばかりだ。

    しかし、その狭い人間関係での、
    ひとりひとりの人物の手抜きのない描き方が
    きっちりしていて良かった。

    あとは、ダルグリッシュ警視が詩人という設定と、LSD療法という精神療法が存在したのに驚いた。
    前作の登場人物、カントリーハウスの娘と警視がうまくいくと良いのだが。

  • ロンドンの精神科診療所の地下で事務長が殺された。犯人は外部の者とは考えられない状況でダルグリッシュ警視が捜査していく。

    新刊かと思ったけど昔に読んだことがあったかもしれない。初期の作品らしい。ストーリー的にはとってもシンプルで犯人もお金目当てということだけの話。でも犯人を含めて登場人物の心理を描くのがとってもうまいと感じた。

  • 世に名探偵は数あれど。
    わたしの理想は身長180センチ 黒髪の 詩人にして警視、ダルグリッシュその人です。

  • 最初病院内での診察と殺しの場面がちょっと読み進めにくかったが、ダルグリッシュ警視が現場に来て1人1人聴取を行いだしてからがぜんおもしろくなった。

    ロンドンのある精神科病院の独身の女性事務長が地下のカルテ保存庫で殺された。状況から察すると院内の者が犯人らしい。院長、医師、看護婦、ソーシャルワーカー、タイピスト、速記主任、雑用係、用務員 それぞれの立場からの病院内の人間関係と思惑、私生活での状況がおもしろい。

    クリスティの子供世代の人にあたり、殺意はクリスティでよく出てきた遺言書。イギリスで資産をもっている人は書くものなのか。

    P.D.ジェイムズは1920年(大正11年)生まれ。1963年、42歳の時の作品。


    1963発表
    1998.8.31発行 図書館

  • よく出来た小説だと思う。何一つ過不足無く終末へと向かうし、文章も格調高い。
    しかし、目くらましのために容疑者を増やしすぎたのではなかろうか?

    以前に比べると登場人物の特性がそのために希薄になってしまっている。未だにどんな人物だったのか区別がつかない人物が3~4人いる。

    また、読書とは関係ない部分、つまり私事に於いて想い煩う事があり、時折、文字を追うだけになってしまったことも付け加えておこう。

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