トゥモロー・ワールド (ハヤカワ・ミステリ文庫 シ 1-17)

  • 早川書房
3.06
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本棚登録 : 59
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150766177

作品紹介・あらすじ

近未来、世界中で子供が生まれなくなり時だけが過ぎていく。この悪夢は人々から希望を奪い、絶望を蔓延させた。イギリスでは国守ザンが絶対権力を握っていた。そのいとこである大学教授セオはやがて反体制組織のメンバーからザンの執政の恐ろしい裏側を知らされる。メンバーの女性と恋に落ちたセオは、国家を敵に回し、終わりのない逃亡生活の渦中へ…壮大なスケールでおくるサスペンス。

感想・レビュー・書評

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  •  力を巡る物語だと受け止めた。
     国守の指輪を手にしたセオは、ザンのような非情な絶対権力者になるのだろうか。縛り上げた老女をトイレに行かせるために縛めを解くようなセオでさえも「権力の酩酊感」を体験してしまった。
     生まれてきた子どもは世界の希望になるだろうが、同時に権力の源泉になって、それを奪い合うために今と同じ裏切りや嫉妬や暴力が繰り返されていくのだろう。

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  • 着地点のわからない話だなと思いながら読んでいたら、終わってもやっぱりわからない話でした。…結局どういう話なのかといわれると説明に困るような。
    子供が生まれない未来、という設定や、その時代の描写は非常に精緻でよく作りこまれています。ただ、それを生かしきれていないというか…彼らが反体制組織である必然性が、あまり感じられないんですよね。まるで、国主から逃げる理由を作るために、そういう設定が成されたかのようです。彼らが反体制組織である必要もなければ、国主が冷酷である必要もなく、父親がルークである必要も、ロルフが裏切る必要さえないように思えます。
    つまり、なにを描きたかったのかがまるでわからない。
    子供が生まれなくなる未来を題材にした話なら、新井素子の『チグリスとユーフラテス』の方が名作です。救いの物語です。

  • 昨年11月に封切りになった映画を観損ねたので、読んでみっか・・と手に取ったら、洋画にしては珍しく、原作と映画化に随分違いがあるらしい・・

    映画のサイト を確認したら、本には登場しない人物がキーパースンになっているじゃないの・・

    ほほぉ・・まあ、別物と思って読んでみましょう。
    私の場合、原作を読んで良かった場合、映画を観るってことが多いのだけど・・・

    舞台は2027年のイギリス、1997年ごろから始まった子どもが全く生まれなくなったと云う珍現象、街には老人と中高年だけになってしまった・・・

    不思議なことに、この珍現象が起こる前に採取していた精子バンクの精子さえも全く受精能力を持たなくなってしまった。

    本の中で、この原因が解き明かされるのかな・・とわくわくしながら読んでいたんだけど、結果はいかに・・・

    しかし、これは人類滅亡を意味しているのですよね?

    中高年と老人だけになってしまった街はどうなるのか・・・

    そして、繁殖できなくなった人間の精神状態が、どのように変化していくか・・・



    とても怖い物語です。恐竜みたいに人間も滅んでしまうわけですか?

    人類が繁殖できなくなったにも関わらず、動植物は何も変わらずに繁殖を続ける・・

    人類のいなくなった地球はどうなるのでしょう・・

    人類の建てた人造物はどうなるのでしょう・・・

    怖いですね・・



    熱帯魚の繁殖をしていた時のこと、狭い水槽下では時に同一性しか居なくなってしまうことがあります。

    そんな時に熱帯魚はどうするか・・・性転換してしまうんですね・・・

    私は何度かこの目で日々姿をオスに変えていく様を見たことがあります。

    しかし高等動物(?)の人はそうはいかない・・

    姿かたちを別性に変えても、内蔵機能まではかえられない・・

    あ、熱帯魚ですが、性転換して変わった性の性機能が機能するか迄は確認できませんでした。



    そして後半の転換は・・・・・



    恐竜の絶滅は隕石とか天変地異とか色々な説がありますが、熱帯魚のようにひょんなことから、同一性しか生まれなくなってしまって繁殖できなくなった・・とかもあるかもしれないですね・・・なんて思ったりして・・・

  • なぜ子供が生まれなくなったのか、なぜ彼には、彼女には。というところの説明(空想)は全くされないのね。そして、一時の喜びと幸せな瞬間なのか、25年前の最後の一人と一緒なのか、本当に救いがあったのか結局分からなかった。最初はそれほど次のページが待ち遠しいわけでもなかったし、私にはあわなかったのだと思う。

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