マルタの鷹 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ハ 6-1)

  • 早川書房
3.49
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本棚登録 : 322
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150773014

感想・レビュー・書評

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  • ハードボイルドの始祖たるダーシル・ハミットの『ガラスの鍵』があまりに面白かったので 、もう一つの代表作も早速読んでみましたが、読んだことありましたー

    そりゃあそうよ、この私が『マルタの鷹』読んでないわけないでしょうが!ほんと失礼しちゃう

    それにしてもハードボイルドですよ
    ほんと余計なこと書かないので、クライマックスで一旦スピードにのると、速い速い、たたみかけるってこういうのを言うんやね

    そしてこちらの主人公の探偵スペード、かっこいかったねー
    最後の最後で愛と自分の信念と どっちとるの?みたいなところで あっさり信念とっちゃうあたりが、うーんボイルド

    このスペードって後のハードボイルド系私立探偵にめちゃくちゃ影響与えてるってのがすごいよくわかる
    ハードボイルド好きって人は呼んでほうがいいね

    ってハードボイルド好きな人はお前に言われる前にとっくに既読だわ!って? 失礼しましたー

    • 土瓶さん
      既読は既読だけど、タイトル以外何一つ覚えていない私はどうしよう。
      既読は既読だけど、タイトル以外何一つ覚えていない私はどうしよう。
      2023/03/19
    • ひまわりめろんさん
      一Qさん
      えと、4月から本格復活の予定っす
      カリスマの帰還に狂喜するがよい

      土瓶さん
      うん、頭の中がゆで卵だからね(うまいこと 言った顔)
      一Qさん
      えと、4月から本格復活の予定っす
      カリスマの帰還に狂喜するがよい

      土瓶さん
      うん、頭の中がゆで卵だからね(うまいこと 言った顔)
      2023/03/20
    • 1Q84O1さん
      おぉーーっ!
      いよいよカリスマ完全復活が目の前に!
      またブクログ内が大騒ぎw
      こりゃ、荒れますねぇ〜www
      おぉーーっ!
      いよいよカリスマ完全復活が目の前に!
      またブクログ内が大騒ぎw
      こりゃ、荒れますねぇ〜www
      2023/03/20
  • ブラックバードよ、おまえはどこへ飛んでいった?


     殺人もなれっこになっちゃったな~★ と言うとお叱りを受けそうですが、探偵小説ってある程度パターン化してるから……。なんてボヤいてた読書倦怠期に、殴り込みをかけてきた作家がいました。
     その名はダシール・ハメット! 名探偵がインテリくさい古典ミステリと較べ、悪党と渡り合うためなら手荒な真似もする、タフでスーパードライな作風です★ 非情な文体が小気味いい!

    『マルタの鷹』は、最初で最後の真正ハードボイルド作家・ハメットの代表作☆

     探偵スペード&アーチャーのもとにやってきた依頼人は、とびっきりの美女♡ 彼女から家出した妹とワルい男を別れさせたいと依頼を受け、単純な追跡調査に出たはずのアーチャーは、なぜか命を落とします。
     最初の話と全く違う話を聞かされたスペードは、かつてスペイン皇帝に献上された逸品<マルタの鷹>像を巡る、危険な争奪戦に関わることにーー

     この小説、良さが分かるまでに時間がかかりました。だからこそ言うけど、入口であきらめないほうがいいと思います。
     私なんて、出てくる人物全員嫌いでした(笑)。唯一好きな秘書の子は、ほとんど出番なし☆ あとは出てくる人みんなイヤ。探偵もヒロインも全滅でした。男は相手が若い美人だというだけで振り回される、だらしない生き物みたいに書かれてます(疲)。全員嫌いっていくら何でもつらすぎた……★

     結局、暴力も辞さない野郎VS謎の美女のバトルでしたね。女の狡猾さを知りながらも、美女に誘惑されるスペード。最後は彼女を突き放して、真相を引き寄せます。犯人を糾弾するだけとは思えない、容赦ない叫びが飛び出して妙な緊迫感が。美女に弱すぎて平静を装えなかったか!?

     汚れた人間が大量に出てくるけど、読み切ってみると眺めが一変していました。秘密組織の闘争物は、苦手ではな~い♪ 本物の黒い鳥の像はいずこへ……? と思いを巡らせるのが楽しいです★

  • エラリー・クイーンやエルキュール・ポアロ、さらにHM卿が活躍していた時代にサム・スペードのようなリアルな探偵が出てきたことは正に衝撃だったろう。事件を解決して自らの何かを失う探偵なぞ当時の本格派の探偵にいただろうか?
    社会の裏側で生きる者たちに対抗するには探偵それ自身がその手を、その身を汚さなければならない。己が生きるためにはかつて愛を交わした女でさえも売らなければならない、こんな探偵は存在しなかったはずである。

    生きることのつらさと厳しさ、そして卑しさをまざまざと見せ付けた本書は、自身が探偵であったハメットでなければ描き得なかった圧倒的なまでのリアリティがある。
    故に本書の軸となる黄金の鷹像の存在が妙に浮いた感じを受けるのである。

    マルタの鷹は何かの象徴か?
    マルタの鷹は存在したのか?
    私にはマルタの鷹が誰もが抱く富の憧れが生み出した歪んだ幻想だと思えてならない。

  • まるでアクションミステリー映画を見ているような気分で読める。俳優の動きや人物の描写はハリウッド映画を見ているかのよう。それだけ展開も早く、トリックはあっと言わせるものばかりでどこまでもクリエイティブな作品であった。ただ、翻訳物につきものの読みにくさと歯がゆさがあった。

  • ハードボイルドの祖(米)らしい。
    ふーーーん。。
    訳の仕方で多少似通ったりするのは想定の範囲内ですが、レイモンドチャンドラー(チャンドラー?チャドラー??)と似ているような。きっと映画の印象も強くなるのかなと思いつつ。他の著作も読んで見るかと思う。
    あ、映画「男と女」が男の目で書かれた男の映画だと思っている私が、この小説はまさにそれだな、と思いました。男の目線の、男が喜ぶ話。

  •  『赤い収穫』に続いては本書『マルタの鷹』。『デイン家の呪い』はついこないだまで御茶ノ水丸善にあったのが油断して売れてしまい、以後神保町界隈からもBOOKS《深夜+1》からも姿を消してしまい、入手できなくなってしまったのである。

     さて『マルタの鷹』は中学時代に図書館から借りてちっとも粗筋がわからなくてつまらない思いをして返した作品。しかし現在読み直してみると、さほど複雑なストーリーではなく、よく「ハードボイルドの基本」として挙げられるこの作品の、シンプルでしかも濃密な魅力が味わえるのである。粗筋のわかりづらさ加減では、何と言っても登場人物が段違いに多い『赤い収穫』のほうが遥かに上を行っていると思うのだ(^^;)

     さて、主人公のサム・スペードだが、全くのポーカーフェイスで、己れの信条を守るために全力を尽くすという、これ全身タフガイの典型のような男。撫で肩なのに喧嘩が強く、推理小説の探偵より頭が鋭く、世慣れしていて滅多に他人のセリフを信用しない。まあ見事なまでに確立した一個の人格、ハードボイルドという言葉を集約すべき一個のヒーロー像なのである。ハードボイルドが馴染めない、読んだことがないという方には、チャンドラーやスペンサーやブロックよりもハメットを薦めたほうが遥かに説得力があると思う。無駄な贅肉を廃した徹底的なハードボイルドの基本形だけがここにあるのであり、後世のハメットに耽溺した作家たちがいかにそこに自分ありの肉付けを施してきたかが逆に一目瞭然としてしまうようなハードボイルド探偵小説の源泉がここにあるというわけだ。

     行動を客観的にクールに描くというヘミングウェイのやり方を、ミステリー小説に持ち込んだハメットは、チャンドラーに較べればぼくの周囲ではほとんど語られることさえなかったし、かくいうぼく自身チャンドラーから過去へと遡る作業を怠ってもいた。チャンドラー作品というのも黄金期があって、その時期の作品はとてもテンポのいい文体だし、泣けるほどの男の描写が頻出するが、ことハメットの場合泣けるシーンなんて全然ない。だいたいそれほど細かくは描写されていないのだ。敢えて三人称という視点を取っているのも主人公のなんやかんやの心理描写から大きく距離を置いておきたいハメット力学の方法故ではないかと思う。

     その淡々とした行動描写と、唯一性格を露にする会話の妙技とが、小説をきれいに最低限の部分まで削り上げシェイプアップさせているから、読者にしてみればハイテンポで能動的なリズムとともに、ストーリーの味のある面白さを堪能できると思う。その中で描かれる人間たちの、何とも実に生き生きとしていること。これが60年も前の作品なのかと俄には信じがたい鮮やかさが、この作品にはこめられているのである。

  • ハードボイルドといえばハメット。卑しい街を卑しくも哀しい男が歩いてゆく。マーロウは優し過ぎるような気がして。

  • ハードボイルドの元祖。名に恥じないくらいかっこ良さが詰まっていた
    ミステリとしてもなかなか

  • ハードボイルドってこんなにかっこいいのか。男は、誰しもサム・スペードを夢見る。

  • ラストが秀逸。

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著者プロフィール

1894 年アメリカ生まれ。1961 年没。親はポーランド系の移民で農家。フィラデルフィアとボルチモアで育つ。貧しかったので13 歳ぐらいから職を転々としたあと、とくに有名なピンカートン探偵社につとめ後年の推理作家の基盤を作った。両大戦への軍役、1920 年代の「ブラックマスク」への寄稿から始まる人気作家への道、共産主義に共鳴したことによる服役、後年は過度の飲酒や病気等で創作活動が途絶える。推理小説の世界にハードボイルドスタイルを確立した先駆者にして代表的な作家。『血の収穫』『マルタの鷹』他多数。

「2015年 『チューリップ ダシール・ハメット中短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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