- Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150775520
感想・レビュー・書評
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1989年12月ハヤカワ文庫刊。英国で、シャーロック・ホームズと人気を二分するというモース警部を読んで見た。ひらめきか、または思い付きで捜査を始めて、明らかになった事実に辻褄が合わなくなると路線を変えて捜査するというスタイルは、よく考えると極めて正統とも受け取れるところがあって面白い。相棒のルイス警部もよくやってます。二転三転、最後の予想もしない解決は、やはりどんでん返しと言っていいのかと考えてしまいます。この作風がコリン・デクスターであり、この展開で、事件を解決していくのが、モースのオハコのようです。
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これがコリンデクスターの個性か。何度も何度も推理に失敗し、想像力を武器に新たな仮説を組み立てるモースがとてもいい。非常に印象深い作品。
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ミステリ。モース主任警部。
著者の本を読むのは4冊目。
3冊読んで4冊目に挑戦している訳なので、何かしらの魅力を感じてはいたが、シリーズの面白さを明確に認識できた一冊。
読んでいて連想した作家はアントニイ・バークリー。
個人的に思う作品の魅力は、モース警部の想像力を活かした捜査スタイル。
証拠からストーリーを考える論理的手法ではなく、ストーリーを考えてから証拠を集めるスタイルが特徴的。
このスタイルのおかげで、一冊を通して推理がひっくり返され続ける。
最後の最後まで、事件の輪郭が掴めず、何が起きているのかも分からない。ホワットダニットというやつか?
独特のユーモアもあり。
自分のなかではかなり印象的な作品になりそう。 -
「ウッドストック行最終バス」に続くモース警部シリーズ2作目。前作に続いてルイス部長刑事とコンビを組んで捜査にあたる。
モース警部が事故死したエインリー警部から引き継いだ仕事は、2年前に失踪した少女の捜索だった。 エインリーは何らかの調査でロンドンを訪れ、その帰りに自動車事故で亡くなったが、その直後失踪したバレリー・テイラーから両親のもとに無事を知らせる手紙が届く。 しかしモース警部の直観は、バレリーは既に死んでいると告げていた。 手紙は本物なのか。 エインリーは何かを掴んでいたのか。 モースはルイス部長刑事とともに捜査を始めた。
モースの独特の推理と、常識的なルイスとの掛け合いとともにストーリーは進んでいく。 明確な読者への挑戦はないのだけど、終盤では謎を解いてみたくなって、前の方のページに戻ったりしながら読んでしまう。 そして真相は想像を超えていて、やられた!という爽快な敗北感が残る。 これぞミステリーを読む喜び。 -
「ウッドストック行き最終バス」を読んでから、10年ぶりくらいのモース警部ではないだろうか。長いこと積んでしまった。
モースという人物にイライラしたり、早く解決しろとモヤモヤする方は、肌に合わないだろう。彼の妄想爆発推理、仮説に次ぐ仮説。これを楽しめる読者の私は、この物語を終わらせたくなかった。ずっと彼の推理に寄り添いたかった。もちろん真相は知りたかったですけども…
相棒のルイスが呆れ果てるほどの、モースの変人っぷり。偉大な探偵達に背を向けるアンチ名探偵。
何度もモースの推理に驚かされ、そして笑わせてもらった。バークリー作品にもいえますが、正統な流れから逸れて、意表をつく。これが私は愛おしい。
コロコロかわる推理から導きだされたなれの果て。この真相であって本当によかった。拍手喝采の結末をぜひとも味わってほしい。
ドラマ版モース警部?いつかみますね…
オススメマラソンその⑤
窓辺さんから紹介してもらいました。 -
◆◆ ベッドでミステリー ◆◆ 第八回
・・・ 第八回 「 キドリントンから消えた娘」 ・・・
いまCSのAXNミステリーチャンネルで、ずっとコリン・デクスターの「モース警部」をやっている。
去年の1月?
かなにかに、デクスターが亡くなったので(モース警部を演じた俳優ソウはシリーズが終わってしばらくして亡くなってしまった。新聞に、モース死す、という見出しがでたそうだ)一周忌放送までやっている(このシリーズには必ずどこかでデクスターが顔を出しているから。観光客とかでね……)。
いま簡単に手にはいるのは「キドリントンから消えた娘」か「ウッドストック行き最終バス」あたり?
イギリスでは大人気だけど、この渋さは日本人好みじゃないから、日本ではさほど受けなかったと思う。
ドラマは大成功で、見やすいので、今ならそっちを見てから本を読む、という手もありだな、と最近思うようになった。
なによりも、テレビドラマだとオックスフォードの街並みや、大学の建物、中庭、パブなんかを見ることができるので(一度ボドリー図書館がでてきてちょっと興奮!観光でいってもなかは見られないよね)見てから本を読むとかなり楽だ。
というか、活字だけ読んでてぼんやり思ってたのと、かなりイメージが違う。
ワイテムの森なんかも……。
なのでいま、あちこちの図書館の書庫にあるまだ読んでなかったデクスターを、いませっせと借りて読んでいる。
ほとんどが縁の黄色いポケットブックスなのでもう持ってるところも減ってきているけどね(新しい図書館はもう買えなくて持てないから)。
ついこの前まで、本を読んでもそこに行けるなんて夢にも思えなかった時代があった。
写真集なんてものもないし。
いまはストリートヴューでたどることすらできる。
それがいいか悪いかは別として、いまの子どもたちは、そういう皮膚感覚なんだな、というのは覚えておかないといけないな、と思います。
2018年03月27日 -
少し私には暗すぎた。モースシリーズは新米刑事モース(ドラマ)から入ったから、まだちょっと本編とうまく人物のイメージを繋げられない。
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モース警部、二作目。
モース警部の推理爆弾(?!)がいたるところで爆発。
やっぱり笑いながら読む本でした。
そう割り切って読み続ければこのシリーズも納得。
それにしても女好き、酒好きで相棒ルイスにとってはやれやれ(;一_一)な人ですね。 -
これも何年かぶりに読んでみた。
やはりストーリー展開も犯人もすっかり忘れてた。
★★★としたけどまあ★★+。 -
モースもの。二年前にキドリントンから失踪した娘――バレリーの失踪事件を調査していたエインリー主任警部がなくなる。その直後、テムズ・バレイ警察署にバレリーからの手紙が送られてくる「大丈夫、心配しないで」と――。事件を引き継ぐことになったモース主任警部は、バレリーが既に亡くなっていると推測するが――。
モースもの第二作目。私としてはモースものはやはり苦手でした。他の作品からではあるが、バトル警視がモットーとする「見たものは確証が得られるまで信じない」方式が好きな私にとって、ともかく推理して証拠もないのにそれを信じるモースの捜査手法はいただけないし、共感できないのが主な原因だと思う。
モースの捜査手法が苦手な私だけれど、この作品は楽しく読むことができました。何が面白かったんだっていわれると正直、モースの妄想推理ばかりのような気がしてこれといったものが浮かんでこないのですが、モースのとんでも推理自体が面白かった。
ストーリー的には、しっかり伏線を張られていたと思うのだけれど、実際にどうだったのかがよくわからない。少々込み入っているからなのか、はっきりした記憶もなく、これがモースものの持ち味と思うのだけれど、漠然とした印象しかない。
やっぱりモースものは一度だけでなく、二度以上読むのがいいのでしょうか。でも、一度目でも面白かったです。