- Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150784010
感想・レビュー・書評
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「私の生物学上の父を探してほしい」と依頼してきた大富豪クリスタル家の娘、エロイーズ。
読書とオレンジジュースが好きな私立探偵アルバート・サムスンは条件付きで依頼を引き受けるが……。
記念すべきシリーズ一作目!→
最新作「父親たちにまつわる疑問」がとても好みだったので一作目から読み始めてみたら……おお!当たりだよ!サムスンのキャラにブレなし!(いや、若さ故の暴走はあるかも?)
エロイーズも良き。リューインの描く少女、良き。静かな流れながらラストはしっかり驚く展開。最後はしんみり。→
原書は1971年発行なんだけど、古臭さはほぼなし。新訳版が1991年だけど今読んでも違和感なし(常識は変わっているので、むしろその辺りは楽しめる)
ただ、タイトルがなぁ……笑。血液型の本みたいなタイトルが残念。血液型がキーワードだけど、違うんだよぉってなる。今だと違うタイトルになりそう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
お願い、わたしの生物学上の父を探して―。閑散としたオフィスに突然飛び込んできた少女にサムスンは面食らった。大富豪クリスタル家の一人娘が、血液型から自分は実の子ではないことが判明したと涙ながらに訴えるのだ。さっそくクリスタル家の系譜を探り始めたサムスンは、こころならずも名家の巨富をめぐる醜悪な争いに巻き込まれてゆく。暴力を憎む心優しき知性派探偵アルバート・サムスン、文庫初登場。改訳決定版。
約30年ぶりに再読。幕切れは記憶していた通りだった。池上冬樹氏の解説を読むと、同時代の懐かしい私立探偵たちの名前が並ぶ。今や現役はマット・スカダーぐらいか。 -
アルバートサムスンシリーズの読み始めです。続けて読む予定です。
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現代ハードボイルド作家の代表作のシリーズ1作目。
読みやすかったし、続きが気になって毎日少しずつ読み進めてしまった。
主人公の私立探偵アルバート・サムスンのキャラクターが良い。どこにでもいそうな普通のおじさん。後書きで死体が出てこない珍しい探偵ものと言われ、なるほどたしかに。
右半身6回めった刺しにされて、入院、復活は半端ない。 -
生誕80周年記念だとかで、本屋にマイクル・Z・リューインの本が並んでいた。ハードボイルドはそれほど読まないのだけれど、パラパラと眺めたアルバート・サムスンの新版がおもしろそう。が、シリーズは順番に読みたい派。ということで、図書館で借りてきたアルバート・サムスン第1作にして、リューインのデビュー作。1971年発表。
私立探偵。離婚歴あり。タバコは吸わない。酒癖も女癖も悪くない。銃をもたないし乱闘もしない。ピッキングはたしなむけれど、わりと地道に調査する。
読んでいくうちに、だんだんとサムスンの人間味にはまっていく。知的でウイットに富んだ会話がいいんだと思う。A型の女の本当の父親はだれか?が、途中ちょっとどうでもよくなるくらい、探偵の日常描写や古きアメリカを楽しんだ。 -
酒もタバコもあまり興味がなく銃を持たない私立探偵アルバート・サムスンシリーズ。
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読んでみたけど、なんかヌルイ印象が。。
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もともと話の筋を追うのが苦手なせいか、よくわからない。
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ペテロの葬列の解説にあったので読んでみた。
主人公の特に取り柄のない普通の私立探偵アルバート・サムスンが、杉村三郎に通じている。
いかにも翻訳調な点と年代が古い(文庫の初版は1991年)のが気になったが、全体としては普通の人が推理して真相にたどりつくところに面白さがある。
ただ個人的には、シリーズを続けて読むよりは、宮部作品を読む方を選ぶだろう。 -
アルバート・サムスンシリーズの1作目。
今までなんとなく気になっていたシリーズだったのだが、何故かずっと手にしていなかった作品。
アメリカの私立探偵ものの中では、実に普通の男のサムスン。
金持ちの妻と別れ、幼い娘がいるのだが妻はもう再婚して、世界中を旅してくらすような優雅な身分。
自分はドアに鍵もついておらず、バスタブがない部屋をオフィス兼自宅としている、ちょっと貧乏にシフトした生活。
拳銃も持たず、なにかトリッキーな技も持たず、実に地道に人々に話を聞いては依頼をこなしていく。
そんな彼の生活ぶりなどが鮮やかに描かれています。
この第1作目は、サムスンの元に可愛いお嬢さんが依頼人としてやってくることで始まります。「あたしの生物学上の父親を探して」。
大富豪の娘が学校で血液型の検査をしたところ、父親と母親の血液型からは自分は産まれないとわかったというのだ。自分はA型。母はO型。父はB型。ということは、自分は父と母の子ではないということだ。
大富豪の遺言にまつわる、家系の謎。陰謀。
出だしの雰囲気からするととても想像がつかないようなラストが待っています。