相棒は女刑事 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房 (1992年3月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784150786519

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  • 1990年アメリカ探偵作家クラブ賞受賞
    原題は『THE LAST BILLABLE HOUR』(最後のビラブル・アワー)

    ハワード・リコーヴァーは、シリコン・ヴァレーの多くの会社を顧客にもつトゥイードモア・アンド・スライド法律事務所に採用された。
    仕事は遺産管理プランだが、訴訟関係の仕事も手伝っている。
    ビラブル・アワー(報酬を請求しうる時間)に基づいて報酬は請求され、依頼人のため以外の仕事についてはビラブル・アワーに記録されない。
    勤務時間は1カ月ごとに合計され、すべてのパートナーへの報告書に記入される。
    事務所には新規採用者を訓練する正式のプログラムはなく、第一に実践によって、第二に観察によって仕事を覚えるように奨励されている。
    超過勤務を強いられながら、遺言検認部門や新しい法律の勉強に費やしている時間は請求できないため、ハワードのビラブル・アワーは1日に6時間程度で、皆から厄介者扱いされていた。
    弁護士のビル・マドラスから「仕事に費やした現実の時間分ではなく、その仕事に値する時間分の報酬請求しろ」と助言されるが、ハワードには判断できない。

    ハワードは上司のレオ・スライドと弁護士のコニー・ヴァレンタインがレストランで食事しているのを見かける。
    数日後、レオから遺言の受取人を妻から、遺産の半分は子どもたちに、半分はコニーに変更してほしいと言われる。

    レオの車にペイントスプレーでいたずらされるという事件が起こる。
    さらに、訴訟の原告が事務所でレオに殴りかかった。
    レオは「この仕事は10%が弁護士としての能力、90%は商売の手腕だ」と語った。

    ハワードはレオから狩猟に誘われるが、仮病で休んでしまう。
    ところが、狩猟中に弁護士のピーター・ボニファチオが谷に落ちて、彼の銃が暴発してレオの耳をかすめた。

    レオとピーターが出社した日、事務所で同僚のハネムーン送迎会が行われた。
    パーティーの最中、レオが自室で電話をもったまま死んでいた。
    外部の人が入ってこないように、エレベータはロックされていたことから内部の犯行とみられた。
    レオの秘書は彼が最後に会ったのはトゥイードモアだと話した。

    サラ・ネルソン警視は、ハワードに尋問テープを聞かせ、協力を求めた。
    ハワードはトゥイードモアの捜査協力の話を真に受けて捜査を手伝うが、仕事と両立する範囲内でということは何もしないということだと、後日知ることになる。
    凶器はアイスピック状のものだった。
    ハワードは自室の椅子の下で鉛の円盤を見つけ、それが書類差しの一部で、凶器だと気付く。
    ネルソン警視は、犯人は心膜穿刺術を使って殺害しており、医学の知識が必要だと言った。


    <解決篇>

    レオの遺言には、<妻が先だった場合にのみ適用される>という文面が足されていた。
    これはレオが遺言を残さなかったのと同じことで、全部妻が受け取ることを意味する。
    ハワードは、ワープロ係のリズがビルに頼まれてタイプしたことを突き止める。
    ビルはレオの妻に頼まれて、遺言書に細工をしたことを認めた。

    ピーターは訴訟関係の提出書類を作成する才能はあるが、法廷には立てなかった。
    レオは訴訟部門にいるとクビになると嘘を言って、ピーターを著作権と商標登録の部門に異動させた。
    しかし、仕事がなくなると彼に辞職を求めたという。

    さらに、コンピュースター社の訴訟で、発起人株の買い戻し通知状を出さなかったために、事務所は多額の損賠賠償をとられたが、レオは秘書のメアリ・ベルに罪を着せて、追い出した。

    ハワードはレオがライマン・ミンクから評価額より安く島を買ったことを知った。
    ミンクの訴訟を担当したコニーによると、レオはトリロバイト社の企業弁護士であったにもかかわらず、新製品が欠陥品であることを知ると、ミンクにだけ教えた。ミンクは発売前にトリロバイト社の株を売って利益を得た。
    そして、商品を出荷したトリロバイト社は倒産した。
    レオはその報酬として、島を手に入れたのだ。
    真相を知り、コニーはレオに会い、パートナー昇進に関し、邪魔をしないように言った。
    二人が会っているところをハワードに見られたため、レオは遺言状を書き替え、二人がつきあっていると思わせようとしたのだ。

    トゥイードモアが言ったトリアージュという言葉が、前線で傷病兵を応急手当するときに、傷病の種類によって選別する意味だと知る。
    秘書からトゥイードモアが衛生兵だったと聞き、彼の部屋で「応急心機能回復法」という本を見つける。
    そのとき、トゥイードモアが現れ、真相を語った。

    レオの貧欲が事務所を危険にさらしていることをわからせようとしたが、聞こうとしなかった。
    レオはコンピュースター社の訴訟で、故意に通知書を出さず、会社が株を買い戻すのを妨害したのだ。
    株が値上がりしたら、訴訟人とその利益を山分けする手筈だった。
    レオは自分がしたことの重大さを認めようとしなかったので、彼を殺すしかなった。
    レオを殺害したあと、凶器の柄を持ち出したとき、滑り落ちてハワードの部屋に転がり込んでしまった。
    トゥイードモアの誤りは、ハワードを見くびっていたことだった。
    「レオはものの道理を聞きわけようとしなかった。君もやはり聞きわけようとしないだろう」と彼は銃の引き金を引き、自殺した。

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