長く冷たい秋 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房 (1993年10月21日発売)
3.40
  • (2)
  • (8)
  • (8)
  • (0)
  • (2)
本棚登録 : 59
感想 : 7
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784150793012

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ロバート・B・パーカーが褒めていると知り嫌な予感がしていたのだが、物語に起伏のない凡作だった。「ハメットの初期の作品のように鮮烈で力強い」というパーカー評が、どこをどう読んだ上での感想なのか見当もつかないが、単に長いだけで深みがない。延々と2、3ページにわたり弛んだ会話が続く冗長さには辟易した。少なくともハードボイルドを意識して創作したのであれば、もっと無駄を削り文章と構成を磨くべきだろう。翻訳版のタイトルや粗筋が想起させる詩情や感傷を感じ取ることなど出来ない。
    主人公を始めとする登場人物らに精彩が無く、プロットもつまらない。そもそもこの程度の真相に辿り着くために必要な分量は半分以下であろうし、水増ししたシーンの殆どが、類型化された魅力に乏しい愛人や驚くほどに暇な警官らとの退屈なやりとりに費やしている。主人公の過去が不透明な点はいいとしても、ヤワな青年期から、いきなり警官と馴れ合い、犯罪者と渡り合うほどのタフな男に変わったのか、その過程が説明不足で釈然としない。パーカーの「初秋」的要素を組み込んではいるが明らかに失敗している。そもそも事実を確かめもせずに勝手に自分の子と信じて、他人の息子に父親ぶる主人公は滑稽としかいいようがない。

  • タクシードライバーが過去の恋人の死を知ることから物語が動いてゆく。
    男はずっと引きずっているんだと共感しながら読んだ。シリーズ化されていて、段々と何故か事件にかかわる運転手になってゆくんだけど、最初のこの一冊はじわっと心に残る感じ。スペンサーの「初秋」を思い出した。

  •  いやぁ、よかったです。
    最初の書き出しから、しっかりひきつけられました。
    大学時代に憧れた女性が自殺して、その息子と事件に巻き込まれる。
    推理的な部分は、ちょっとなって思うけど、
    主人公のかなわなかった恋に身悶えする切々さが、胸を打つ。
    全体的に暗いトーンなんだけど、ラストに息子に向かって
    「ふたたび人の善意を誰かに見つけるまで戦わなければならない」
    と、言う言葉は、明るい光を放ってる

  • 舞台はシカゴ、主人公のクーパー・マクリーシュはヴェトナム帰りのタフガイ。復員後、大学で歴史を専攻。せっかく大学を出たけれど、戦争のトラウマのせいか、人と一緒にする職業になじめず、タクシーの運転手をしている。本を読んだり、自分で書いたり、ダイアナという素敵な恋人もいて、それなりの人生を送っていた彼に、大きな変化が。それは新聞で昔、恋焦がれた女性ヴィヴィアンの自殺を知ったことから始まった。
    主人公の人物設定がいいと思った。ただのタフガイではなく、いろいろ心に葛藤を持っている。シカゴには行ったことがないのだけれど、町の描写も細かくて目にうかぶようだった。ヴィヴィアンの死をめぐる謎解きも面白かった。11/23開始、12/1読了。

  • 本当に目立っていなかったし、誰も評価していないみたいですが、この哀愁ただようハードボイルドのシリーズがとっても好きでした。タクシー運転手クーパー・シリーズ第一弾。おすすめです。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

小林宏明(こばやし・ひろあき)
金沢大学人間社会研究域学校教育系教授
1999年筑波大学大学院心身障害学研究科修了。博士(心身障害学)。1999年より筑波大学心身障害学系準研究員、2001年より同助手を経て、2002年より金沢大学教育学部助教授、現在に至る。専門分野は言語障害教育。主な研究テーマとして、吃音がある幼児から成人の評価および指導・支援法開発に取り組んでいる。
幼少から吃音があり、高校から大学院時代の前半にかけては、上手く発話ができないことに悩む時期を過ごすが、その後吃音は徐々に軽快化する。現在でも、発話の流暢性の問題が見られたりうまく話せないことに悩んだりはするものの、日常生活にあまり支障がない状態となっている。2000年から吃音者のセルフヘルプグループである茨城言友会に所属する。その後、金沢大学に赴任した2002年からは石川言友会に所属し、活動に参加している。

「2019年 『イラストでわかる子どもの吃音サポートガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小林宏明の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×