本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784150793012
感想・レビュー・書評
-
ロバート・B・パーカーが褒めていると知り嫌な予感がしていたのだが、物語に起伏のない凡作だった。「ハメットの初期の作品のように鮮烈で力強い」というパーカー評が、どこをどう読んだ上での感想なのか見当もつかないが、単に長いだけで深みがない。延々と2、3ページにわたり弛んだ会話が続く冗長さには辟易した。少なくともハードボイルドを意識して創作したのであれば、もっと無駄を削り文章と構成を磨くべきだろう。翻訳版のタイトルや粗筋が想起させる詩情や感傷を感じ取ることなど出来ない。
主人公を始めとする登場人物らに精彩が無く、プロットもつまらない。そもそもこの程度の真相に辿り着くために必要な分量は半分以下であろうし、水増ししたシーンの殆どが、類型化された魅力に乏しい愛人や驚くほどに暇な警官らとの退屈なやりとりに費やしている。主人公の過去が不透明な点はいいとしても、ヤワな青年期から、いきなり警官と馴れ合い、犯罪者と渡り合うほどのタフな男に変わったのか、その過程が説明不足で釈然としない。パーカーの「初秋」的要素を組み込んではいるが明らかに失敗している。そもそも事実を確かめもせずに勝手に自分の子と信じて、他人の息子に父親ぶる主人公は滑稽としかいいようがない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タクシードライバーが過去の恋人の死を知ることから物語が動いてゆく。
男はずっと引きずっているんだと共感しながら読んだ。シリーズ化されていて、段々と何故か事件にかかわる運転手になってゆくんだけど、最初のこの一冊はじわっと心に残る感じ。スペンサーの「初秋」を思い出した。 -
いやぁ、よかったです。
最初の書き出しから、しっかりひきつけられました。
大学時代に憧れた女性が自殺して、その息子と事件に巻き込まれる。
推理的な部分は、ちょっとなって思うけど、
主人公のかなわなかった恋に身悶えする切々さが、胸を打つ。
全体的に暗いトーンなんだけど、ラストに息子に向かって
「ふたたび人の善意を誰かに見つけるまで戦わなければならない」
と、言う言葉は、明るい光を放ってる -
舞台はシカゴ、主人公のクーパー・マクリーシュはヴェトナム帰りのタフガイ。復員後、大学で歴史を専攻。せっかく大学を出たけれど、戦争のトラウマのせいか、人と一緒にする職業になじめず、タクシーの運転手をしている。本を読んだり、自分で書いたり、ダイアナという素敵な恋人もいて、それなりの人生を送っていた彼に、大きな変化が。それは新聞で昔、恋焦がれた女性ヴィヴィアンの自殺を知ったことから始まった。
主人公の人物設定がいいと思った。ただのタフガイではなく、いろいろ心に葛藤を持っている。シカゴには行ったことがないのだけれど、町の描写も細かくて目にうかぶようだった。ヴィヴィアンの死をめぐる謎解きも面白かった。11/23開始、12/1読了。 -
本当に目立っていなかったし、誰も評価していないみたいですが、この哀愁ただようハードボイルドのシリーズがとっても好きでした。タクシー運転手クーパー・シリーズ第一弾。おすすめです。
著者プロフィール
小林宏明の作品
本棚登録 :
感想 :
