アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)

制作 : Daniel Keyes  小尾 芙佐 
  • 早川書房
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本棚登録 : 8993
レビュー : 1027
  • Amazon.co.jp ・本 (485ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151101014

感想・レビュー・書評

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  • 「アルジャーノンを他のネズミといっしょの大きな檻に戻したらどうなるであろうか。彼らもアルジャーノンに背を向けるだろうか?」 ー 183ページ

    知能にかぎらず、他人と異なるところが多いとコミュニケーションにものすごい難関を感じるというのは世界中いつでもどこでも見られることだなあとつくづく思う。

    多様性というものは全体から見ればとても大事なのかもしれないが、しかし個人視点から考えればそれは居心地の良いものではないし、まったく異なった人間を集めても、例えば仕事がうまくいくようには思えない。複雑になりすぎたものはゲームにならず、スムーズさに欠けたものは前に進めない。

    多様性の尊重というお題目を下手に信じるといろいろといらん苦労をすると思うし、基本的には自分と似たところのある人間とつるんだほうが良いのは鉄板だと思う。そのうえで、世界に多様性があることを確認するために外に出かけるのは大事かもしれないけども。

  • ある意味僕の人生をぶち壊した作品だ。最初に読んだ時何故だか主人公チャーリイと中学時代の僕が重なったように感じた。チャーリイが手術前パン屋の仕事仲間に受けていた扱いを知る時、コントロール出来ない感情、孤独感、本当は全然チャーリイと僕は違うのだろうが当時の僕は凄く心を打たれた。あまり作品を理解出来ていないのだろうが、この作品のおかげで少しは真っ当な人生を歩めたと思う。

  • 脳手術の話というと真っ先に東野圭吾の「変身」を思い出す。東野圭吾はたぶんこの小説からアイディアを貰ったんじゃないだろうか。
    チャーリーはジュン、アリスは橘助手でありメグでもある。パン屋の友達はジュンの働いていた工場の仲間とだぶる。共通の面白さがあって、違った面白さがある。
    この小説を際立たせて居るのはやっばりタイトルにもあるアルジャーノンの存在だと思う。個人的には終盤にあと何行かだけでいいから彼について多く触れて欲しかった。
    原文で読めたらもっと面白いんだろうと思う。また変身が読みたくなった。

  • 本当に素敵な小説だったので、かえって言葉が浮かばない。
    ただ言えるのは、チャーリィはどの時点の彼でも、「愛」の事を考え続けていたという事。「知性が楔を打ち込む」と言っていた時でさえも。彼はずっとそれを与え、与えられる事を心から望んでいたのだから。

    読み始める前は、「こんな誰でも読んでいる名作をこの歳で今さら読み始めるなんて……」と思っていたけれども、間違っていた。読者の年齢は関係無い、傑作だ。

  • 知識と感情。
    「大人なる」ということはこれら二つをバランス良く発達させること。
    それを生々しく示唆してくれる作品。

    ラストのニーマー教授への言葉は純粋すぎて少し辛かった。

  • 去年、女性的にすごく魅力的な方に教えていただいた本。

    読んでいて怖かったし、それでいてとっても悲しかった。

    人間って、生まれた時はみんな天使みたい。純粋で幸福でいつも笑ってて、猜疑や慢心やどろどろした気持ちを知らない。疑うことをせず、ただ純粋に善を信じる。

    大きくなって色んなことを知るにつれて、嫉妬や嫌悪、猜疑心を知る。
    それに支配されないためには、精神的に成熟しなければならない。
    精神的に成熟するというのは、心の中の自分の負の感情をなくしたり、なにかに変えたりする手段を持つこと。

    知的レベルがあがったら、心のレベルも上げなきゃいけないんだなと思った。
    それが自然にできる人もいるかもしれないけど、たいていの人はその過程で苦しさや恥ずかしさや情けなさや不甲斐なさを感じるんだよね。それで味のある大人になるんだな〜

  • 知能遅れの男性が手術によって、頭がよくなり見る世界、接する人が変わっていく様を描く。

    悲しい話、と思う。主人公の変化につれて周囲の人の変化が悲しいのか。
    でもイマイチそこまで評価される理由は掴めず。外国ものが苦手なせいか。

  • 主人公は幼児並みの知能しか持ち合わせていない32歳。ある時、偉い先生の実験によって天才に!
    すごい速さで天才になるが、実験は成功と言えず、ある日をさかいにしてどんどん衰えていく。

    天才になる過程において主人公は幸せだったか?というとそうでもなく、いろんなことができるようになるものの、周囲の反感を買ったり妬まれたりしていた。逆に衰えていく過程においてはというと、堕落していき周囲からは同情をかうありさまだった。

    この先、医学が進歩していき、不可能が可能になる時代がひょっとしたら訪れるかもしれない。でもそれは幸せにつながるかというと・・分からない。

    けど、いろんなことを考える時間を与えてくれる今のこの環境には感謝です。

  • 最近読んだノベルズ2作品の中でこの作品が登場したた為、にわかに気になり読むに至りました。知ったタイトルではありましたが、まさかこんなにも深いお話だったとは今までつゆ知らず…。
    重い…しかし一気に引き込まれました。切なくてラストはいつまでも余韻が残りました。
    人生は知性と愛情の相克で彩られているんですね。とても心に響く作品でした。

  • 以前から読んでみたかった。急に賢くなるというのにも弊害があるのだと感じた。

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