ダニエル・キイスの世界 (ハヤカワ文庫 13)

  • 早川書房 (2001年4月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (344ページ) / ISBN・EAN: 9784151101137

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  • 宇多田ヒカルとダニエルキイスの対談があるとの事で読みました。
    心理学に傾倒してる国語の先生という肩書きがまず自分の好みでした。そして、「心の内から聞こえてくる真実の声に耳を傾けないような作品は決して後世に伝えられることもなく、短命に終わってしまうだけ」という話に大感銘。

    あと養老孟司さんのインタビューもとっても良かった。

    個人メモ
    ・すべての感情を仕事に与えてしまったらどうなるんだと悩んだ→本当にクリエイティブな人は、銀行に貯金(感情の起こり)し続ける→大事なのは「貯金が空になってしまう」と心配しないで、経験を積み重ねる事によって、感情の貯金をすること→優れた仕事は深い感情からしか生まれないものだから
    ・日本に多重人格がいないのは→日本と欧米の社会に大きな文化的違いがある→欧米では二歳位でも拾ったものを食べるかどうかを自分で判断させる→欧米での自我は何でも自分で決めるという事につながる→日本人は追い込まれたとき「分かってもらえない」とういう反応→でも自我は本来他人には分からない→分かってもらえる=他人と共有だから、どんどん他人に分かってもうらおう=自分がゼロになる→日本社会では自我は、精神的な方向へ行ってしまう→でも自我を支えてるのは体→この考えが日本人には抜けている→多重人格の受けてとり方に欧米人との違いが絶対ある=感覚的に体で感じることと、文字でを読んで分かることには相当のずれがある
    ・脳は何かが起こると変わってしまう→例えば、ある問題を一度解くことが出来てから、新しい回路が出来る状態→記憶はそうやって変わっていこうとする脳の中で、必死に変わるまいとしている部分になる→しかし記憶自体も脳の中にあるので、他の部分が変われば一緒に変質する→子供の脳は成長によって物理的にも大きくなり変化する→幼い頃の記憶が正しくない理由でもある
    ・酔って性格が変わるのは大体において抑圧・抑制強い人→人間にとっていわゆる「正常」な状態とは、正反対の性格の真ん中である。でも人間は努力や環境によってどちらかに寄せている→酒を飲むとそれがとれてしまうから一気に片側に寄ることになる
    ・日本でも幼児虐待の110番が設立されていて、相談してくるのは主に若い親である。

  • 09044

  • ダニエル・キイス文庫の出版に伴い行われた、宇多田ヒカルとの対談、『アルジャーノンに花束を』『24人のビリー・ミリガン』等の自著に纏わる補足的資料や第一線で活躍している精神科医のコメント等、キイス氏の著作を読んだことがある人には嬉しい資料集のように思える。
    ビリー・ミリガンの中の“人々”が描いた作品のカラー写真も掲載されている。
    キイス氏がここで語った、“エンパシー(共感)”の大切さは、人間として意に留めるべきことだと改めて思う。

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