日の名残り (ハヤカワepi文庫)

制作 : Kazuo Ishiguro  土屋 政雄 
  • 早川書房
4.08
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本棚登録 : 4971
レビュー : 685
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151200038

感想・レビュー・書評

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  • 余韻の大きな作品。淡々と抑制が効いて、だからこそ伝わるものもある。

  • 22年ぶりに再読。今読むと、日本語が古いなと感じたけれど、最初に読んだ時点ではそうは思わなかったはず。内容としては、当時は恋愛が主軸にあったように感じてたけど、今読むと、それを含めた人生観のほうに比重が置かれてるように感じたな。当時も今も、ジョークの習得に邁進する執事の有り様が、滑稽だけど深く心に染みて涙が出たよ。英語版は2000年頃に読み切ったはずだけど、当時の英語力でどこまで理解できたのか謎。年内には英語版を読んでみよう。

  • 仕事人間が仕事しかしてこなかったことに人生の晩年で気づく。もう戻れないことに涙するが、悔いているわけではない。その選択を全うしていこうと決意する。グッとくるなこういうの。何も決めないと何も始まらないっていうのはここ2年ぐらいで感じた。

  • 執事スティーブンスの回想。主人公の勤勉でシャイな人柄は、日本人にも馴染みやすい。通勤の合間に少しずつ時間をかけて読んだ。ラスト、「日の名残り」というタイトルに感動する。名残りを惜しみつつも楽しめるような生き方をしたい。

  • 一面に広がる美しいイギリスの田園風景と、スティーブンスの哀愁漂う回顧録が相まって、どこか懐かしくも切ない世界を感じさせる1冊。自分の職業に誇りを持ち、何の疑いを抱くこともなく長年邁進してきた果てに、スティーブンスが自分の人生を振り返り、そこでようやく気付く・・・。スティーブンスの人柄には、イライラしてしまうところもあるが、まっすぐで魅力的な紳士だ。

    • まささん
      小説の情景が目に浮かぶようです。
      小説の情景が目に浮かぶようです。
      2013/10/04
  • 独白体の語りが、全編にわたって実にうまく機能している。 南イングランドの美しい田園風景を背景に、最後はドーセット州のウエイマスで幕を閉じるが、実にしみじみとせつない物語。 スティーブンスの人生を、自分が生きたかのような読後感。 本当にいい小説、これこそが小説といえるような小説だ。

  • 執事の品格な話かと思ったら、恋愛きゅんきゅん小説だったでござる。

  • 執事として、そして人間として夕暮れの時を迎えた主人公が
    陽が昇っていた頃、つまりは自分が一番輝いていた時代を
    振り返るお話。

    主人への忠誠心と揺るがない愛国心。英国紳士、素敵です。
    物語は終始単調なので途中若干飽きもありましたが、
    ラストは感動しました。これがブッカー賞かぁ。

    私も夕陽の落ちる時間がとても大好きです。
    夕暮れ時を太陽とは反対の存在として認識するか、
    それともこれから更に深く濃く熟してゆく闇の時間への
    入り口と見るか。

    私はどっちもアリだと思います。

    • だいさん
      >私はどっちもアリだと思います。

      でも、人生では一方しか選べない時があります。惜日への想いは、美しいようです。
      >私はどっちもアリだと思います。

      でも、人生では一方しか選べない時があります。惜日への想いは、美しいようです。
      2013/02/16
  • 良書でした。イギリスのダーリントン卿に仕えていた執事が主人公で、ずうっと彼のモノローグです。第一次大戦後に緊張状態にあったヨーロッパでダーリントン卿が果たそうとしていた役割を、主人公の執事は断片的に見聞きしてゆき、卿が対独迎合の汚名を着せられ亡くなったあとは、アメリカ人の富豪にお屋敷ごと買い取られます。新しいご主人にすすめられて休暇を取り小旅行に出かけながらのモノローグ。
    ちっとも主人公に感情移入ができないんですけど、そこがきっと著者の狙いなんじゃないでしょうか。すごくマジメでそつがなくて自分に厳しくて、品格と忠誠心の塊みたいな人なの。でも旅の終わりに涙を流して泣く彼のことは、抱きしめたくなります。
    映画になっているんですね。DVDさがしてみよう。

  • 世界一紳士な執事さんの話。※ただし童貞

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著者プロフィール

カズオ・イシグロ
1954年11月8日、長崎県長崎市生まれ。5歳のときに父の仕事の関係で日本を離れて帰化、現在は日系イギリス人としてロンドンに住む(日本語は聴き取ることはある程度可能だが、ほとんど話すことができない)。
ケント大学卒業後、イースト・アングリア大学大学院創作学科に進学。批評家・作家のマルカム・ブラッドリの指導を受ける。
1982年のデビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を、1986年『浮世の画家』でウィットブレッド賞、1989年『日の名残り』でブッカー賞を受賞し、これが代表作に挙げられる。映画化もされたもう一つの代表作、2005年『わたしを離さないで』は、Time誌において文学史上のオールタイムベスト100に選ばれ、日本では「キノベス!」1位を受賞。2015年発行の『忘れられた巨人』が最新作。
2017年、ノーベル文学賞を受賞。受賞理由は、「偉大な感情の力をもつ諸小説作において、世界と繋がっているわたしたちの感覚が幻想的なものでしかないという、その奥底を明らかにした」。

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