- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151200052
感想・レビュー・書評
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お取り寄せ220円也。
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気味が悪くて嫌悪感を覚える村。
でも描写される自然は時に美しい。
空っぽの精神科医は、精神分析と称し、他人の欲望や願望で空虚を埋めようとする。その行為は、どこか小説を読むことにも似てる気がした。
子供たちの創造性にとても刺激された。残酷な結末。空を奪われても、彼らはノミにだってなれるのだと思いたい。 -
"奇妙な小説。奇妙な世界に生きる奇妙な人々の生活。
(今の自分の視点からの感想)
タイトルと表紙で購入した本。
虐げられる子どもたち。
虐げられる女性たち。
虐げられる老人たち。
これらが日常であり、淡々と描かれる。
不思議な小説。時代考察を調べてみたくなる。1953年にフランスで出版されたらしい。作家に興味を持った。
奇妙な世界を覗き見したくなる、人間の不思議な心理に踊らされている気がするが・・・" -
全てのセリフ回しがカッコいい。そして登場人物全員が完全に狂っているのに、さらに加速していく狂気はほとんどの読者を置いてきぼりにすることでしょう。僕もほとんどついていけてないわけですが、そこがまたカッコいい。
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不条理で不愉快な小説世界。これがなんとも言えない。中身は滅茶苦茶なようで妙に腑に落ちるというかある気分は確かに抱くわけで。それがうまい具合に何かを言い得ているというか。結晶化していく狂気と液状化していく狂気とそこかしこにある狂気といえる本質。嫌な気分になれること必定。でも面白いという。文学ならでは。
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「北京の秋」と並行読みしていたのに、追い抜いて読了。
(前者は読み終わりたくなくてグズグスしているので当然かも)
登場人物が2人、重なっているのでまずいかもと思ったけど、後日談という雰囲気ではなく。かする程度のスピンオフかなあ。
何故か三つ子の描写が、やたらにマロセーヌシリーズを髣髴させる。ボリス・ヴィアン、おもしろいのに作品が少ない。 -
やっぱり良く分からん。ところどころできらめくが、俺の中では全くつながらない。
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うーん、あんまり意味なし系の小説だとは思っていたけれど、そうなるとあとは雰囲気がハマるか否かという問題になって、結局のところハマらなかった。「うたかたの日々」みたいな優雅さとしゃれおつユーモアの世界じゃアないんだな。
丘の上の一軒家にやってきた生まれたてほやほやの精神科医。彼は生まれたてなので人の欲望や願望を精神分析によって自分のものとしたいと企みます。でもって村人たちはこの人をバカだと思います。
後半は母親が三つ子を守ろうと偏執狂的に囲っておこうとする、そういうお話に。三つ子のお遊びにヴィアンの良心(?)というか、子供心を垣間見たくらいかな。 -
「うたかたの日々」に心臓抜きという道具が登場しますが、この小説はその道具とは関係ないです。
とにかく不思議な小説です。
精神科医の主人公ジャックモールがたどり着いた空虚な場所。そここで出会う人々。物語はあってないようなもので、不思議な情景描写や、出来事がなんとも味わい深いものになっています。かなり病んだ内容で、現代にも通じる部分はあると思うんだけど、ちょっとグロテスクなテイストが思いきって入り込めませんでした。
「うたかたの日々」とはまた違った感じがしましたが、文章に漂う幻想的な感じは通じる部分があると思います。