本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784151200489
感想・レビュー・書評
-
もう何年になるだろう、読みたい、読みたいと思っていた『エデンの東』を読んだ!全四巻。ハヤカワのepi文庫の新訳で、やはり文字が大きいのがありがたい。
簡単にまとめれば、父と子、兄弟、家族との葛藤。母の存在、悪女。青春の光と影。若さゆえのいらいら。善と悪。暴力と叡智。老いの哀しみ。
聖書「創世記」の「カインとアベル」の物語が基調にあり、その物語の文がそのまま出てくる。そしてそのわかりかたがこの長い物語の骨子。個人的には人間は「カインの末裔」であるという意味がわかったのが感動だった。
ケイトすなわちキャシーという毒婦がすごい、だが惹かれてもしまう。この世のわけのわからないとんでもない事件の起こるわけが、少し解ったような気がする。
リーという中国人の召使がいい、賢い。アブラという乙女が大好きになったのもうなずける。ちょっと「日の名残り」を思い出すが訳者も同じとは...。
上記の人物は脇役。物語は、トラスク家とハミルトン家の人々の壮大な人間模様。作家スタインベックの自伝的要素も含まれ、圧巻である。
帯に「この物語であなたは変る」とあり、おおげさなと思えど看板に偽りなし。ひたひたと胸打つ文章に、人間のいとなみの不思議さをあらためて考えさせられる。訳がいいのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
米国カリフォルニアを舞台に、19世紀から20世紀前半までの約100年に渡るある一族における各世代の父と子の葛藤を描いたファミリーサーガとして知られるけど、同時に兄弟、親友、そして男と女の間にある葛藤をも描いていて、米国という国の精神のあり方もここにあるのかな、などと読んでいて思った。第4部だけでなく、全部を映像で観てみたいし、その時には映画化ではスルーされたリーのこともしっかり描いてほしいと思ったけど、もうすでに実現してるか、スケールの大きさで実現不可能かのどちらかなんだろうな。
-
読了
何か 大きな物語 が 始まりそうで
始まらないまま 終わっていく
それが 人生か...
多くの学びがあった
人生の早い段階で読むべき -
人類初の殺人として聖書に書かれるカインとアベルの物語が基礎にあるというので、兄のキャルが成長途中から不穏な存在として配されていた。
けれど弟のアロンだけが愛され、自身は誰からも疎まれるため、計算高さを磨き、悪を気取るようになっても、キャルは父も弟も召使のリーも家族として愛し続けた。
その思いは悪一筋だった母キャシーにすら向けられる。
父とも理解し合い、キャシーにも見様によっては救いが訪れ、大団円に終わるかと思いきや、キャルがよかれと思ってしたことが裏目に出、噴出した彼の悪徳の情がアロンの柔らかな心を射抜いてしまう。
文学としての重みがありながら娯楽要素にも富む良作。同著者の作品では一番読みやすい。
聖書の素養があれば、より深く物語に入っていけたのかもしれない。なくても、存分に楽しめたけれど。
本巻より前の巻で詳述される聖書の用語「ティムシェル」が一番大切な場面で使われるので、その時に書かれた解釈をもっときちんと読んでおけばよかったと後悔。
図書館に返しちゃったから、読み返せず。さらっと読んでよく覚えていなかった……。難しかったし。 -
一生大切にしたい本。
何か辛いことや悲しいことがあった時、そうじゃなくても定期的にこの本を読むと思う。
1〜4巻、ページを捲る手がなかなか止められなかった。読み終わるのがとても寂しかった。 -
映画で一度見てはいたが、原作を読んで、より心に残る一冊となった。
兄弟の葛藤、大人になると言うこと、自己意思による生き方、とても共鳴させられた
-
原書名:East of Eden
著者:ジョン・スタインベック(Steinbeck, John, 1902-1968、アメリカ・カリフォルニア州、小説家)
訳者:土屋政雄(1944-、松本市、翻訳家) -
-
“いくら弱くても、穢れていても、弟を殺しても、人間には偉大な選択の権利が与えられています。人間は自分の進む道を選び、そこを戦い抜いて、勝利できるのですから。”
ティムシェル-汝能ふ、という言葉がこの光と影、選択と許しの物語を貫いていく。
最後、文庫本全4巻にわたるこの大長編を読み上げ本を閉じたとき、私を包んだのは深い祈りの気持ちでした。 -
キャシーという悪女の凄さ。ティムシェル。最後解き放たれる息子。読みやすいけれど、人間模様が今も昔も複雑なこと、などがずっしりと心に来る。
-
2014/03
読みやすい古典。町田樹の曲ってこれ? -
ティムシェルー汝能ふ。「汝は罪を治むることを能ふ」どんな人生にするかは自分自身で選択する権利がある。 4巻を通じて、いろんな人の「選択」を見ました。切ないけど、力強さを感じる読後感。ティムシェル伝道師、町田樹くんありがとう。
-
マイバイブル
-
聖書の「カインとアベル」を下敷きにした物語の完結編です。
ティムシェル。
人は自分の生きる道を自分で選びとり、困難を打ちのめし、勝利を自分の手で得ることができる。
かつて罪を犯した人間も、血筋の良くない人間も。
これはものすごい自己責任を伴うことで、自由とは苦難の連続なのかもしれないけれど、その困難に立ち向かっていく力があるのも人間なのかな…って思いました。
何度も読んでみたくなる本でした。 -
キャシーがなぜああいう最後になったのか、結局疲れてしまったということなんだろうかと思いつつ、そもそもなぜあんな人生を選んだのか、何がそうさせたのか、と思ったり(自分の能はのまま暴走してしまった感じ)だれも彼女を理解して導くことができなかったのが不幸だなと。アランはキャシーを愛していたかもしれないけどキャシーの求める愛ではなかったということかと。キャルはずっと不憫だったけどちゃんと最後アランに許してもらえて、アブラもそばにいてくれて本当によかったよね。ただアロンはかわいそうだった。
-
古典。でも予想外に面白かった。
きっかけは、アメリカ文学と言えばフィッツジェラルドとかサリンジャーと思っていたら、何言ってんの、スタインベックなどなどでしょと言ってくれた人がいたため。
旧約聖書のカインとアベル兄弟の物語をベースにしてるのはよく知られてることだけど、それに著者自身の解釈をしてる。
汝能う(なんじあたう)。
ジョン・スタインベックの作品
本棚登録 :
感想 :
