一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

制作 : 高橋和久 
  • 早川書房
4.09
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本棚登録 : 7351
レビュー : 747
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151200533

感想・レビュー・書評

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  • 題名通り、村上春樹の「1Q84」のタイトルのモデルになった本作。

    60年以上前に書かれた本とは思えない内容。
    本当に作りこまれてるなぁ・・・

    「このようなことは実際に起こりうるのではないか、あるいはすでに起こりつつあるのでは?」
    そんな風に思ってしまう。

    怖い。こわい・・・下手なホラーより怖いと思うんだよなー。


    いやぁー一読の価値あり。
    2ちゃん用語とかなんか操作されてんじゃね?ww

  • 「二分間憎悪」「二重思考」「ニュースピーク」などいちいち用語がカッコいい。
    単語を少なくすることで表現の幅を減らし、思考を画一化するという考えにはぞっとした。
    「ヤバい」の一語で良いことも悪いことも表現している自分にハッとさせられた。

  • 自由を奪うために奪われているものに注目すれば、自由であるために何が必要かがわかる

  • もしかして?と思わせておいて絶望に突き落とす

  • 舞台は1950年代に勃発した核戦争を経た1984年のロンドン。
    オセアニア、ユーラシア、イースタシアという3つの超大国により成り立つ世界。
    イギリス、ロンドンはオセアニア国に属している。

    イングソック(イングランド社会主義)と呼ばれる全体主義の元で統治された世界で、それらを志向する党の党員である主人公ウィンストン・スミスが、「党 = 党の思想」と戦う物語。

    党員達が暮らす部屋にはテレスクリーンという監視装置が設置されており、行動、言動、さらには所作、表情、寝言にまで及んで徹底監視されている。党の思想以外の思想を持つこと、その兆候が見受けられることは「思想犯罪」と呼ばれ、「思想警察」がこれを徹底的に取り締まっている。

    この様な架空の世界の中で物語りは進行する。

    こちらまで監視されているような異様な圧迫感、ストーリーがもたらす緊張感が重く圧し掛かる。
    SFとして分類されているがサスペンスとしても秀逸。

    本書の読みどころは、やはり主人公が延々と受け続ける拷問のシーンに集約されている。

    党の思想に断固として抗う主人公に、党中枢の大物オブライエンが凄惨な拷問を加えながら、徹底的に思想の教育を行っていく。

    主人公(すなわち主人公と同化した我々読者)は、オブライエンによる圧倒的な暴力と論駁に晒され、信じて疑わない我々の信念も疑念へと変わり、打ちのめされ、読後には精神的疲弊と共に本書の肝となっているオリジナル用語の一つである「思考停止」という状態に陥ってしまう。

    良薬は口に苦しとは正にこの事。本書は途方も無い思考の世界に導びいてくれる。
    必読に値する名著と断言できる。旧訳版の方も是非読みたい。

  • 深いね。
    現代でも古びない内容。

    現在の中国をみているとこの小説が妙にリアル感がある。

  • この小説が出版されたのは1949年、つまり『1984年』というのは当時はやがて来たるべき「未来」として描かれたわけですが、現在の自分からみて「過去」のはずのその時代が、今も代わらず有り得るかもしれない「未来」であることに愕然とします。完全に管理された社会、操作された記憶、淘汰されてゆく言語、そんなすべてがものすごいリアリティを持って迫ってきて、その恐怖に打ちのめされます。けしてホラーではないのに、凄まじい恐怖を感じました。

  • まずこの本が発行されたのは1949年。舞台となるのは1984年前後と曖昧だけど、当時から見たら近未来を描いてることになる。「ビッグブラザー」が支配する党による全体主義的近未来ーと書かれてるけど、全体主義の行きつく先というイメージ。テレスクリーンというモニターと街中に設けられた隠しマイクでありとあらゆるところから監視され、思想の正しさを問われる。
    主人公は体制への疑問を感じ、同じように胸の内で反体制を掲げる女性と恋に落ちる。体制に服従することの違和感と、自由意志の幸福が描かれるけど、結末は一転する。巨大な権力の暴力の前で、人間の意志はあっけなく破綻する。
    ぞっとするような拷問の描写。共産主義国家の狂気を予見する政治体制の構築力とかSF作家はすごい!夢中になって読んでしまった。

  • すばらしい小説だ。人間のこころや尊厳について、社会について。とても深く考察されていて、示唆に富んだ小説だ。
    真実と嘘、幸福と不幸、正義と悪、現在と過去、人が根底から信じて拠り所とするものがすべて今朝見た夢のようにはかないものであることが露になったとき、それでも人間が人間として生きることとは。索漠としたバッドエンドのディストピア小説であるにもかかわらず、むしろそうであるがゆえに、それが無いことによって、生きることの潤いや愛することの素晴らしさを浮き立たせる。
    いわゆるSFというのはあまり読んだことがないけれど、思考犯罪、二重思考、テレスクリーンによる完全な監視など、興味深い概念に満ちており、60年前に書かれた小説にしてなお新鮮な感覚を持って読まれることにSFというものの威力を感じた。

  • 反共産主義のバイブルとされていたという本書。
    たしかに全体主義である党の国民に対する洗脳と隷属について描かれており、とても過酷なストーリー。
    だが党側のイデオロギーもしっかり説明されている部分もあり、党なりの裏打ちされた理論があるのだという理解ができた。
    背景に唯我論があるのが面白かった。そしてその理論を含めて考えると、党側の理論に確たる反論が出来ない。
    そして全体主義を闇雲に非難するのもまたある種の洗脳とも言えるかもしれない。

    読後感が不思議な一冊。
    洗脳というものがいかにありふれており、他人事ではないということもつきつけられる。

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著者プロフィール

1903-50 インド・ベンガル生まれ。インド高等文官である父は、アヘンの栽培と販売に従事していた。1歳のときにイギリスに帰国。18歳で今度はビルマに渡る。37年、スペイン内戦に義勇兵として参加。その体験を基に『カタロニア讃歌』を記す。45年『動物農場』を発表。その後、全体主義的ディストピアの世界を描いた『1984年』の執筆に取り掛かる。50年、ロンドンにて死去。

「2018年 『アニマル・ファーム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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