夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 (ハヤカワepi文庫)

制作 : Kazuo Ishiguro  土屋 政雄 
  • 早川書房
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本棚登録 : 1264
レビュー : 151
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151200632

感想・レビュー・書評

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  • とてもロマンチックな内容でした。
    夕暮れと音楽がテーマになっていますが、人情もののように感じました。
    消化不良気味はきっと読み手の想像力を誘うんだろうなあ。
    旅に出たくなり、次に読む時は、ジャズやクラシックを聴きながら読みたいです。
    見知らぬ土地へ放浪する音楽家たちの、優しい物語です。

  • 是非、ジム・ジャームッシュ監督による映像化キボンヌ!な短編5つ。

    日常が醸成する(多かれ少なかれの)狂気。これを伝え、あるいは理解させることに特化した言語が音楽だとしたら。
    そんなテーマのもとに綴られる、どこか寂しい人たちの優しいストーリー。

  • 夜想曲集:音楽とゆうぐれをめぐる五つの物語

  • カズオ・イシグロの短編集。音楽、夕暮れ、男と女。間違いなく傑作。

  • 音楽と色々な人生の黄昏時が淡く書かれてる。説明とか不粋な事は一切しない。イシグロブシ痺れるぜ。

  • 過ぎ去りし時代の音楽は知らない曲ばかり、YouTubeで探し聴きながら読んだ。格調高い文章は行間に時間の狭間が織り込まれる。情景を空想し登場人物に自分を重ね合わせて読む。すると今日一日疲れた体、心が癒される、不思議な文体である。

  • 2017年6月26日、再読。ケン・リュウ、テッド・チャンと続けて読んで、SF小説なので当たり前だが、どの話も必ずSFの形を取っていることに疲れを感じて、本棚をゴソゴソ探してきた。私の好きな音楽をテーマにしていることもあり、どの話も面白かった。プロどころか、今となってはアマチュア音楽家でもなくなってしまったが、それでもなお、まだ音楽に心をグッとつかまれて身悶えすることがある。それは私にとっては私だけの特別な感覚のような気がしていているのに、見事に言葉にしてしまう作者にすっと引き込まれてしまう。私にとって村上春樹と並んで特別な作家である。

  • 私は初めての作家を読む場合、短編から入るたちなので、この短編集も初めて読んだカズオ・イシグロ作品です。
    話の内容とか面白さ云々よりも、カズオ・イシグロはなんて心地良い文章を書くのだろう!と感じた記憶があります。(翻訳者のセンス良さもあると思いますが)
    中でも『老歌手』は雰囲気が良く、印象に残りましたし『夜想曲』は面白すぎで大笑いでした。

  • イシグロの作品に、病みつきになっている。いつも、いつまでも手放したくない思いだ。この短編も良い。どれも確かな手応えがある。全てにこれからがあるというのが魅力なのだ。それも予測不能なのがよい。

  • やはり、カズオ・イシグロの作品は好き!長編とはまた違った短編ならではの味わい。こんなのも書けるんだ、と感激した。長編の完成度高い傑作と比べ、力の抜けた、リラックスして書いたようなさりげない感じがまたいい。全体的にこの人らしく、淡々と穏やかで表現力豊か、的確で洗練された雰囲気。2話と4話はユーモアに溢れていて新鮮。
    どの話も何か欠けている普通の人たちが登場する。リアルで皮肉で悲しい、でも軽やかなタッチ。音楽の叙情とあいまってとてもお洒落に仕上がっている。タイトルのさりげなさもいい。

    ・「老歌手」
    一番好き。とても切ない。
    ・「降っても晴れても」
    笑わずにいられない軽妙なドタバタ話。
    ・「モールバンヒルズ」
    ・「夜想曲」
    ドタバタ系。大声あげて笑っちゃった。
    ・「チェリスト」
    これも切ない。才能があると言われ、自分でも信じながら、それを人生において開花することのないまま時を経てしまう。もう諦める?まだ今から?
    プライドがある。でもどこかでわかってる。エロイーズの今日に至る考えや行動は極端で、滑稽にさえ見えるが、時に芸術とはそういうものだ。常識や社会通念から切り離されて、自身の信念や熱意が崇高に昇華され花開く。エロイーズの正常な狂気に、どことなく感じる不気味さ。結局、少年含め結果を出せず凡人としての人生を送る哀しさ。大人になったから、この類のテーマは心にチクチク刺さります。

著者プロフィール

カズオ・イシグロ
1954年11月8日、長崎県長崎市生まれ。5歳のときに父の仕事の関係で日本を離れて帰化、現在は日系イギリス人としてロンドンに住む(日本語は聴き取ることはある程度可能だが、ほとんど話すことができない)。
ケント大学卒業後、イースト・アングリア大学大学院創作学科に進学。批評家・作家のマルカム・ブラッドリの指導を受ける。
1982年のデビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を、1986年『浮世の画家』でウィットブレッド賞、1989年『日の名残り』でブッカー賞を受賞し、これが代表作に挙げられる。映画化もされたもう一つの代表作、2005年『わたしを離さないで』は、Time誌において文学史上のオールタイムベスト100に選ばれ、日本では「キノベス!」1位を受賞。2015年発行の『忘れられた巨人』が最新作。
2017年、ノーベル文学賞を受賞。受賞理由は、「偉大な感情の力をもつ諸小説作において、世界と繋がっているわたしたちの感覚が幻想的なものでしかないという、その奥底を明らかにした」。

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