スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 1)
- 早川書房 (2003年10月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151300011
感想・レビュー・書評
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エルキュール・ポアロ初登場作品。そしてアガサ・クリスティーのデビュー長編小説。
大変楽しい読書時間だった。100年前に生まれた作品なのに、全く古さを感じることなく面白いのだから、本当にびっくりする。本格ミステリがやっぱり好きだなぁと、改めて実感させてくれた謎解き小説だった。
〈旧友の招きでスタイルズ荘を訪れたヘイスティングズは、到着早々、屋敷の女主人が毒殺された事件に巻き込まれる。この難事件調査に乗り出したのは、ヘイスティングズの親友で、ベルギーから亡命して間もない、エルキュール・ポアロだった。〉
怪しすぎて逆に怪しいと言えない、特に怪しいとも言いきれない、全く怪しくない、そんな屋敷の関係者たち。さらには殺人事件が連続して起こるわけでもなく(不謹慎!)……
どちらかといえば、ストーリー展開には刺激は少ないほうだと思う。だからといって、登場人物の誰ひとりからも、一瞬たりとも目を離すことなんて出来ない。なぜって、ぼぉーと読んでたら大切な何かを見逃しそうなんだもの。もちろんポアロの意味ありげな言動も含めてだよ。
『スタイルズ荘の怪事件』は、最初から最後まで退屈だなんて思う暇が少しもない。ポアロとヘイスティングズを通じて、事件解決までの道のりを存分に楽しむことのできるミステリだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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fukayanegiさん、こんにちは。
わ〜とてもいい課題ですね!そして親子の本の選択が素晴らしい!クリスティーを読み合い感想を話すなんて...fukayanegiさん、こんにちは。
わ〜とてもいい課題ですね!そして親子の本の選択が素晴らしい!クリスティーを読み合い感想を話すなんて夢のようです。
これが「懐かしさ補正」の正体ですね?内容を覚えてないことも逆にラッキーです。
でも本当に100年前でも色褪せないんですよね。謎を解き明かすまでの過程やワトソン役のヘイスティングズのキャラクターなど読みどころ満載ですよね。
感想を語り合う時、ミステリーではネタバレなしでね!と娘さんに伝えてください♪2022/11/20 -
111108さん、こんにちは
かえって親の趣味に付き合わせてる感満載ですけど、本人も嫌ではなさそうだったので、ゴリ推しで合意にもっていきま...111108さん、こんにちは
かえって親の趣味に付き合わせてる感満載ですけど、本人も嫌ではなさそうだったので、ゴリ推しで合意にもっていきましたw
本当に読んだことあるのかというくらい、内容覚えてなかったのですが、新訳が驚くほど読み易かったのと、懐かしさの源、ヘイスティングズにやられ、楽しさ倍増(補正かかりまくり)でした。
そう、今回「ネタバレなしでの感想とは」を伝えるのも任務のひとつだと思っておりました。
どこまでがネタバレなのか難しいところなんですけどねー。2022/11/20 -
fukayanegiさん
「ゴリ推しで合意」w
もうしっかりミステリーへの道を誘導してますねwでも親子で楽しめてるからいいんです。
ネ...fukayanegiさん
「ゴリ推しで合意」w
もうしっかりミステリーへの道を誘導してますねwでも親子で楽しめてるからいいんです。
ネタバレの定義難しいですね〜とりあえず名前言ったらダメということかな?
2022/11/20
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資産家老婦人の疑惑の死。
義理の息子たち、二十も年下の夫、身寄りのない居候の娘、風変わりな毒物学者、老婦人の忠実なハウスコンパニオン……事件に関わる人物たちは10人を越える。疑惑の対象は次々変わり、その度に上辺の人間関係に隠された感情のもつれと新たな疑惑が浮かび上がってくる。
無駄のない登場人物設定や話の運びの中で、人間関係の複雑さや気持ちの揺れ動きが細やかに伝わってくるのが不思議。
犯人はあの人か?この人か?と読者を引っ張り回した上で、「そこーー!?」と意外性もあり納得感もある場所に着地させちゃうのがすごい。
ヘイスティングズの立ち回りについては、捜査面でも色恋面でも「この人ほんと何なの?」と思うけど(笑)、ポワロとのコンビは良い!
事件の舞台が英国のカントリーハウスというのも最高で、古典ミステリーの香りを堪能した。アガサ・クリスティーって、またすぐ次を読みたくなる中毒性がある。
※Audible利用(8h50m)
※読了まで2日間-
111108さん、こんにちは!
ふふふ。ヘイスティングズの言動があまりにふわふわしてるもんでついつい(^-^ゞこれがだんだん期待に変わって...111108さん、こんにちは!
ふふふ。ヘイスティングズの言動があまりにふわふわしてるもんでついつい(^-^ゞこれがだんだん期待に変わってくるのですね!笑
今日からABC殺人事件を聴き始めたのですが、頭が薄くなったならないでワーワー言ってるコンビに早速笑ってます(*´艸`)ポワロもヘイスティングズも警部も、みんな欠点もありつつ憎めないのがいいですね。
スタイルズ荘が初登場だったんですね~。そろそろ時系列などまとめたガイド本が欲しくなってきました(^-^)2023/04/15 -
ゆたこちさん
霜月蒼さんの『アガサ・クリスティー完全攻略』ですね!ぜひぜひ読んでください!隠れた名作見つけたり、自分の評価と比べたりするの...ゆたこちさん
霜月蒼さんの『アガサ・クリスティー完全攻略』ですね!ぜひぜひ読んでください!隠れた名作見つけたり、自分の評価と比べたりするのも楽しいです♪2023/04/16 -
111108さん
わ~!オススメありがとうございます!嬉しいです(人´∀`*)
ガイド本は手元にあった方がいいと思い、早速ネット注文してみ...111108さん
わ~!オススメありがとうございます!嬉しいです(人´∀`*)
ガイド本は手元にあった方がいいと思い、早速ネット注文してみました♪内容紹介やブクログの皆さんのレビューを見たらワクワクしてきました(111108さんのも!)。楽しみです(^-^)2023/04/16
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推理小説は、一番疑わしいのが犯人ではないというセオリーがあるようですね。そういったお手本のような展開や裏をかいた結末もいいですね。
途中で犯人が分かってしまう聡い読者も多いようですが、私は鈍感なので最後まで楽しめました。
相棒のヘイスティングズはポワロがちゃんと説明してくれなかったり、少しバカにされたりして苛立ったり、すぐに気を取り直したりといった場面が多くて、何やらかわいい?。ヘイスティングズはワトスンなのだね。
これは、1920年ころに発表されたアガサのデビュー作らしい。
100年前の作品が今でも世界中で愛されて読まれているなんで素晴らしいですね。 -
旧友の招きでスタイルズ荘を訪れたヘイスティングズ大尉は屋敷の女主人が毒殺される事件に巻き込まれる。調査に乗り出したのは親友のポアロだった。
アガサ・クリスティの長編デビュー作でエルキュール・ポアロが初登場する作品。
ずっとアガサ・クリスティの作品を読んでみたかったので、先ずは『スタイルズ荘の怪事件』から。
ポアロの相棒的な役割を果たすヘイスティングズ大尉の視点で話が進んでいく。
意味深な行動をするポアロにも、独自の解釈をするヘイスティングズにも見事に騙されてしまった。
遺産相続の揉め事が軸の殺人事件なのだが、恋愛の揉め事などのミスリードも多めで少し頭がゴチャゴチャしてしまった。
100年以上前に書かれた作品の中でも人間関係がややこしそうで、人の悩みや行動の動機は案外変わらないんだなぁと、クスッとさせられる場面も多かった。
登場人物の会話やポアロの何気ない行動のひとつひとつにも真犯人に結びつく伏線が張られているのは見事だなと感じた。 -
ポアロとヘイスティングスのデビュー(?)作。
数回読み返してますが、細かい所は覚えてない -
ポワロシリーズ1作目。
こういう一つ屋根の下で起こる遺産を巡るトラブルは古今東西同じなのですね。
登場人物の名前の呼び方がちょこちょこ変わるのは読みにくかったです。
ヘイスティングスは問題児だ。
法律の裏をかく発想は流石。
ミスリードもしっかりしていた。
みんな事件と関係ないことでも隠し事が多々あり、それもこちらを混乱させる。
古典的で面白かったです。 -
104年前に書かれた推理小説と思いながら読むと感慨深いです
アガサ・クリスティのデビュー作でありポアロのデビュー作でもあります
ポアロのキャラクターが可愛い紳士で大好きになりました
犯人探しは全く当たらず、え?え?え?と全員が怪しい
これはまた例の全員犯人ってやつか?と疑ってかかりましたが、真犯人はちゃんといました
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アガサ・クリスティー2作目にしてデビュー作を読了。100年前の作品だけど、今読んでもとても面白く読めるって、彼女の才能は本当にすごいなぁと思った。名探偵ポアロ、ハマりました。
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良い。
アガサクリスティーが初めて書いた小説ということで、場面展開が急で理解が追い付かないところや、少し分かり難い表現があったりして躓いてしまう箇所があるが、結果面白かった。
スタイルズ荘の女主人が毒殺された。
その事件に乗り出したのは、探偵ポワロとその助手ヘイステイングス。
2人は事件の謎を追うが、そこには複雑に絡み合った背景があり・・・、というお決まりの流れなんだが、これが良い。
物語が進むにつれ、様々な疑問が浮かんでくるわけだが、その疑問に読者は右往左往させられ、好奇心を揺さぶられる。
加えてその事件の真相に、助手より一歩も二歩も(時には数十歩も)近づいているはずの探偵が、断片的で思わせぶりなことを言うため、さらに右往左往させられ大きなストレスがかかる。
ここでは読者は助手の視点で物語を認識していくため、書き手は物語自体の謎だけでなく探偵というキャラクターを使って、助手と同格である読者に別視点の謎を投げかけ、2重の揺さぶりをかけることでストレスの増大を図る。
探偵と助手という関係が効果的に生かされている物語だなと思った。
そして最後にはそのストレスを一気に薙ぎ払う謎解きパートがあり、物語はすっきりと解決する。大団円。最高。