エッジウェア卿の死 (ハヤカワ文庫)

  • 早川書房 (2004年7月15日発売)
3.50
  • (42)
  • (126)
  • (181)
  • (16)
  • (4)
本棚登録 : 1237
感想 : 119
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784151300073

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【ポアロ】
    今回は登場人物にあまり魅力を感じないと思っていたら、犯人の手記で一気に忘れられない犯人になった。
    こういう終わり方は今までにはなくて、最後にグッと面白みが増してさすがクリスティだった。
    犯罪がバレたきっかけが犯人の生き様を見事に表していて本当に上手い。クリスティのこういう人間の描き方が好きで、また次の作品を読みたくなってしまう。
    ★3.5
    Audibleにて。

    あらすじ
    ポアロはある女優から貴族の夫との離婚を手助けしてほしいと頼まれるが、その夫はまもなく殺されてしまう…

  • またBSドラマで結末知ってて読む。ポアロシリーズ初期の物なのかジャップ警部とはまだしっくりきてない様子。謎が謎を呼びポアロの推理も一転二転する。どっしり感ある読み応え。14章のポアロがヘイスティングズを褒める場面が一番心に残った。

  • ポワロのもったいぶったセリフが、いかにせん多くて長い。
    なんか、ポワロあんまり優秀とも思えなくなってきた。
    読むの、疲れた。

    しかし一番しょうもないのは、解説だかあとがきだかの代わりのつもりの、巻末の「『エッジウェア卿の死』配役」という(翻訳者でも作家でもなく、何故か漫画家が書いた)文章だ。
    漫画家だから悪いのではなく、とにかくこの文章は酷い。


    ちょっとアガサクリスティ作品を読むのは小休止。
    先に積ん読本の消化を少し進めようと思う。

  • Audible利用。
    微妙な読み心地の小説だなと思って読み進める。ストーリーにものすごく引き込まれるわけではない。登場人物も相変わらず多くて、人間関係も話が進むほどにごちゃごちゃしてくる。でも気持ちが離れることもなく、何となく聞いていられる。
    ヘイスティングズいくらなんでも阿呆すぎるやろと思ったり、カーロッタが気の毒でしんみりしたり、殺害の描写に唸ったり(映画を観ているみたいに、悲しい映像が頭に浮かんだ)してるうちに、少しずつ少しずつ作品の中に浸かっていく。

    最後の犯人の手記が素晴らしい。それまでのストーリーは全て、この手記をじっくり味わうための下準備、助走だったのかな。
    この手記を読みながら、何度も笑った。犯人の邪悪さと幼稚さのアンバランスが可笑しくて。才能も美貌も機転も、彼女の魅力は全て邪悪さの養分だ。自分が世界の真ん中にいる、自分の道理が世の中の道理と信じて疑わない陽気な振る舞い。幼い子供のように何のためらいもなく奇妙な主張を披露する純粋さ。彼女の行いは人間社会ではもちろん否定され罰を受けるべきだし、実際に自分の所属するコミュニティにこんな人がいたらすごく困る。ただ、こうして物語として読んでいる分には、彼女のような命のありようにもまた美しさがあるなと感じたり、あまりの身勝手な生き方にどこか爽快感を感じたりする。
    誰の人生もみな無意味、そしてどんな人生もみな美しい。ポアロシリーズを何冊か読んでみて、アガサ・クリスティーはそんな感性を持っていた人なんだろうか、と思う。

  • 月1でポアロ。今回も人物が激しく入り乱れる。エッジウェア卿が殺害される。容疑者は複数。卿の妻ジェーン、卿の甥マーシュ、女優カーロッタ。怪しい登場人物が次々現れ、推理を邪魔する。次に女優のカーロッタも殺される。さらに第三の殺人も。今回もポアロとヘイスティングズが後手に回る。卿・カーロッタを殺害したのは誰か?怪しい奴のアリバイは崩せるのか?共犯は誰か?カーロッタが死の直前に妹に送った手紙のトリック。今回も高級感を感じながらミスリードにまんまと引っかかった。このスピード感とポアロの潔さに乾杯!いえいえ完敗。

    • アールグレイさん
      こんばんは!
      読み終わりましたね!
      私も今日レビュー上げた!
      琥珀の夏、34番目になっちゃった!
      (;_;)昨日はなかったのに、今日入ったん...
      こんばんは!
      読み終わりましたね!
      私も今日レビュー上げた!
      琥珀の夏、34番目になっちゃった!
      (;_;)昨日はなかったのに、今日入ったんだと思う。今日は日曜だったし(;O;)
      2021/06/13
    • ポプラ並木さん
      ゆうママさん、辻村さんなので相当な人気本ですね。34番目とはでもラッキーですよ。少年と犬・馳星周 300人待ちですからね。。。もうすぐ読める...
      ゆうママさん、辻村さんなので相当な人気本ですね。34番目とはでもラッキーですよ。少年と犬・馳星周 300人待ちですからね。。。もうすぐ読めるんで楽しみですね。
      2021/06/14
    • アールグレイさん
      おはようございます
      300人待ち?ひぇーっ!
      50番台が最高ではないかと・・・・
      図書館マイページを昨夜みたら「元彼の遺言状」が準備中となっ...
      おはようございます
      300人待ち?ひぇーっ!
      50番台が最高ではないかと・・・・
      図書館マイページを昨夜みたら「元彼の遺言状」が準備中となっていました!今日、明日のうちに連絡があると思います!わ~い!
      明日は図書館は、お休み(-_-)zzzの日・・・
      とにかく、もうちょっとで読める!
      (o^∀^o)
      2021/06/14
  • 銀幕のスター、ジェーン・ウィルキンスンが、ポアロに、離婚調停を依頼してくる、という何だかちぐはぐなオープニングで、程なくその夫エッジウェア卿が刺殺されます。その夜、ジェーンは屋敷で姿を執事と秘書に見られているが、とある晩餐会に出席していて…。さあポアロ、トリックを見破るのか、アリバイを崩すのか? 
    ラストは、犯人からポアロへの手紙で締めくくられています。自分の計画の巧みさを自賛するその欲望と身勝手さにゾッとしますね。ギリシャ神話もろくに知らないのにね。

  • これまでのポアロシリーズ同様、全ての人の証言に疑いを持たなければならない。犯人もそうでない人も、色々な嘘をついているから誰の発言を信じていいのか分からなくて推理を難しくする。
    慎重に読み進めているつもりでもついミスリードに引っかかってしまって、ヘイスティングスを馬鹿にできない自分がいる…

    犯人の大胆さと頭の回転の速さにはビックリした。アリバイは完璧だと思ってたし、ポアロも最後の方まですっかり騙されてた。
    ポアロが得意の心理戦で後手に回ったため、裏表紙に“もっとも手ごわい敵”って書いてるのかな?
    いつもは途中で犯人に目星を付けて証拠集めしているイメージなんだけど、今回は最後の最後でようやくしっぽを掴んだ感じだった。

    すごいトリックという訳ではなかったけど、読者を騙す心理テクニックが面白い一冊。

  • 舞台女優ジェーンの夫、エッジウェア卿が屋敷で殺された。ジェーンはエッジウェア卿と別れたがっており、事件当日に屋敷で彼女の目撃情報もあったが、彼女はその時間別の場所で晩さん会に出席していたという鉄壁のアリバイがあった。真犯人は誰なのか、ポアロとヘイスティングズはこの難問にいどむ。

    主要人物であるジェーンの造形がリアルである。自分がこうと思ったことは必ずなしとげられなくてはならない、と思い、実際その通りにしてしまう。敵が多いけれど、強い引力を持ち、人を惹きつける人物である。クリスティの女性描写はやはりぴかいちである。
    エッジウェア卿を殺したのは彼女しか考えられない、と初めのうちは思うのだが、実際は彼女には犯罪は不可能なのだ。誰が犯人なのか、私は結局最後までわからなかった。

    この話の面白いところは、一見わかりやすいと思った謎が、実は二転三転する巧妙な仕掛けになっているところである。そして、最後にトリックがばれる原因がとても皮肉で、終章までくると憐れみすら覚えてしまう。詳しく書くとネタバレになるので感想が非常に書きづらいのだが、強烈な後味の残る作品である。

  • 大どんでん返し〜

    久しぶりの〈ポアロ物〉です。
    相変わらずの読みやすさで、ノンストレス。
    しかも珍しくポアロの推理に迷いが……。
    そして、大どんでん返し〜。

    アー面白がった。
    疲れたときにはコレですね。

  • ポアロもの。

    エッジウェア卿の妻で舞台女優のジェーン・ウィルキンスンから夫との離婚交渉を強引に頼まれたポアロ。
    渋々、ポアロ&ヘイスティングズがエッジウェア卿を訪ねた日の夜に、エッジウェア卿が殺害されてしまいます。
    事件当夜、邸で姿を目撃されているジェーンは、同時刻に別の場所での晩餐会に出席していたという、鉄壁のアリバイがあって・・。

    いやぁ、読み応えありました。そしてものの見事にミスリードされてしまいました。
    今回はポアロの推理も迷走したせいか、すべてが後手にまわってしまい、第二、第三の犠牲者が出てしまいます。
    犯人の“狡猾さ”に煮え湯を飲まされたような気分になりますが、この犯人に対する“なんて狡猾なんだろう”という印象がポイントといいますか、人のキャラに対する思い込みが目くらましになっていた気がします。
    終盤近くに“え?この人が犯人だったらあまり意外性はないかも・・”と思わせておいての、さらなるどんでん返しには、“そうくるか!”とまたしても降参の私です。
    そして、ラストの犯人の手記は、なんというか人間としての大事な部分が欠如している人の心理が表れていて、ちょっとゾッとしました。

全119件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アガサ・クリスティの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×