ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房
3.74
  • (313)
  • (534)
  • (570)
  • (45)
  • (10)
本棚登録 : 5473
感想 : 368
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300110

作品紹介・あらすじ

注意することだ-ポアロのもとに届けられた挑戦状。その予告通り、Aで始まる地名の町で、Aの頭文字の老婆が殺された。現場には不気味にABC鉄道案内が残されていた。まもなく第二、第三の挑戦状が届き、Bの地でBの頭文字の娘が、Cの地でCの頭文字の紳士が殺され…。新訳でおくる著者全盛期の代表作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 月1のポアロシリーズ11冊目。今回のABC殺人事件、クリスティーの熱量を感じることができた。犯人から届く挑戦状、これは愉快犯なのか?本気なのか?警察・ポアロを嘲笑うかのように1人、2人と殺されていく。しかも地名、被害者のイニシャルがA(1人目)、B(2人目)。ポアロはこの犯行に驚愕する。そして計4人が殺される。自分の予想は4人の交換殺人。結果、予想した4人のうち1人が犯人だったが交換殺人は否定される。確かに犯人は怪しい奴だったが、あの動機で4人を殺害しちゃうのか。。。確かに、casual(不慮の)殺人!

    • 菜保さん
      突然すみません!ポプラ並木さんの感想、拝見するのが楽しいです。予想とても興味深かったです!この予想だけでご飯何杯でもおかわりできそうです!ポ...
      突然すみません!ポプラ並木さんの感想、拝見するのが楽しいです。予想とても興味深かったです!この予想だけでご飯何杯でもおかわりできそうです!ポアロシリーズは毎回、次こそはと思うんですが、やはり騙されてしまいますよね…コメントをありがとうございます!お返事遅れて大変すみません…
      2021/11/03
    • ポプラ並木さん
      菜保さん、いえいえ、わざわざのコメントありがとうございます。ポアロシリーズを順番に読んでいて、皆さんの感想が楽しく読んでいます。これまで1勝...
      菜保さん、いえいえ、わざわざのコメントありがとうございます。ポアロシリーズを順番に読んでいて、皆さんの感想が楽しく読んでいます。これまで1勝10敗で余裕でアガサクリスティの餌食となっています。とても興味深く読みました!!楽しい感想を見つけたらコメントしてしまうかもしれません~。次は当たるように精進します!
      2021/11/03
  • ミステリーファンではありませんでしたが、何とも言えない読了感がたまらないですね。
    この作品は途中で犯人像が大体つかめましたが、推理してゆく事で頭の刺激になりました。他の作品も読んでみたいです。

  • アガサ・クリスティーのポワロシリーズで有名な作品。
    地名と苗字がAで始まる殺人予告状がポワロ宛に届き、続けてB、Cの事件も発生する。作品の終盤には犯人は捕まり、なぜポワロに挑戦的な殺人予告をしたのかが判明せず。そして実は・・・。

    推理小説が好きで、オマージュしたものを読んだ人は、犯人が分かったりするかもしれないが、自分は犯人当てをしながら読まないようにしているのです。
    いつもながらに、単純に素晴らしいと思った。

  • 忙しくて本を読む余裕がなくなってしまった。こんな時は確実に楽しめるクリスティを読むに限る。

    ポアロの元に「ABC」と名乗る人物から突然挑戦状が届く。挑戦状にはアンドーヴァー(頭文字A)地域と日付が示され、そこで何かが起こることを予言していた。警察は単なるいたずらだと取り合わないが、指定された日、アンドーヴァーではアッシャー夫人(頭文字A)が何者かに殺害され、傍らには『ABC鉄道案内』が置かれていた。
    ポアロの不安をよそに、よくある殺人事件として処理しようとする警察だったが、第二の挑戦状で示されたベクスヒル(頭文字B)でミス・バーナード(頭文字B)が殺害され、傍らに『ABC鉄道案内』が置かれていたことにより、事件は一転、連続殺人事件の様相を帯びていく。さらに第三の挑戦状が届き、今度はチャーストン(頭文字C)が示されていた。犯人の目的は果たして何なのか、この殺人はいつまで続くのか。ポアロとヘイスティングズはかつてない難事件に挑む。

    『ABC殺人事件』は、私が初めて読んだポアロシリーズの一作で、これまで数えきれないほど読み返してきた。
    本書は『ミッシングリンク』の原点ともいうべき作品であり、以降この設定がアレンジされてさまざまなミステリに使われている。こういったミステリは、設定をすでに知ってしまっている後世の者が読むと古臭く感じてしまうことも多いのだが、本書は何度読んでもその面白さが色あせない。これはひとえに、登場人物の性格や心情をきちんと描きつつ、巧みなストーリー展開で単なるトリックの斬新さだけではなく物語として読ませるクリスティの筆力のなせる業である。

    アンドーヴァーで殺害されたアッシャー夫人とベクスヒルで殺されたミス・バーナードは、決して物語の中心人物ではない。しかし、生前の彼女たちの生活模様や関係者との人間関係が丁寧に描かれることで、謎を解くヒントを物語の中にさりげなく織り込ませると同時に、事件が解明されたときの犯人の非情さを際立たせるしかけになっている。
    また、本書では、ところどころでポアロでもヘイスティングズでもない第三者の視点から事件が語られる。この描写が事件とどう関係するのか、読者に謎を提起したまま読み進めさせる展開が見事である。

    本書は1936年の作で、1920年代から1970年代まで活躍したクリスティの中で比較的早い時期の作品である。クリスティの初期作品は純粋な謎解きミステリが多く、時代を経るに従い、事件を通した人間の複雑な感情を重視する作品が多くなっていくように感じるが、本書はちょうどその過渡期の作品にあたるといえる。初期の謎解きミステリとしての面白さと、中期以降の人間を描いた物語としての面白さの両方を味わうことのできる傑作である。

    • 111108さん
      b-matatabiさん、こんばんは。

      レビュー冒頭の「確実に楽しめるクリスティを読むに限る」のお言葉、とっても嬉しくなりました‼︎
      話の...
      b-matatabiさん、こんばんは。

      レビュー冒頭の「確実に楽しめるクリスティを読むに限る」のお言葉、とっても嬉しくなりました‼︎
      話の内容を知っていても読み返したくなるミステリって素晴らしいですよね。人間を描いた物語としても本当に面白いし、ポアロとヘイスティングズの関係が馴染んだ感じも楽しくて大好きです♪
      2022/09/25
    • b-matatabiさん
      111108さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
      私はクリスティ作品の中でどちらかというと人間の感情を重視した中期以降の作品が好...
      111108さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
      私はクリスティ作品の中でどちらかというと人間の感情を重視した中期以降の作品が好きなのですが、ABC殺人事件は別扱いというか、純粋にミステリとして面白いな、と思います。

      111108さんのクリスティのレビュー、楽しみにしています。
      2022/09/26
    • 111108さん
      b-matatabiさん、お返事ありがとうございます。

      クリスティ、私は複雑な人間模様を描いたのも、パズル的に純粋なミステリとして面白いの...
      b-matatabiさん、お返事ありがとうございます。

      クリスティ、私は複雑な人間模様を描いたのも、パズル的に純粋なミステリとして面白いのも、どっちも好きで選べません!こんな風に読んだ本をどっちのタイプかなぁなんて思い出すのも楽しいですね。

      b-matatabiさんがまたゆっくり読書できるようになってレビューされる時を楽しみにしてます♪
      2022/09/26
  • すぐれたミステリーって、目を凝らしてしっかり全部見ているのに、次の瞬間、あっと驚く玉手箱ーとなるようなマジックに似ている。拍手を送りたくなる爽快感。
    ”The A B C Murders”
    タイトルもスマート。
    ミッシング・リンク・テーマの代名詞となっている作品。

  • The ABC Murders(1936年、英)。
    ポアロ・シリーズ。ミッシング・リンク・テーマ(失われた環)の名作。無差別連続殺人ものにおける黄金パターンの1つを確立した作品。

    ポアロ宛ての挑戦状――差出人の名は「ABC」。その予告どおり、Aで始まる地名の町でAの頭文字の老婆が、Bの町でBの頭文字の娘が、Cの町でCの頭文字の紳士が、次々と殺されてゆく…。

    発想の原点はチェスタトンの「折れた剣」に遡るが、日常社会の枠組みでこのトリックを完成させたのはクリスティが最初で、以降これをABCパターンと呼ぶようになったらしい。解決が合理的なので、読後のスッキリ感を求める人にも安心して薦められそう。

  • さすがアガサクリスティー。古さを感じさせない見事な内容。ポアロの名推理が最高でした。

  • 一見、何も関係のない町の、何の接点もない人々が次々と犠牲になっていく事件のように思えますが、一気に繋がっていくのは流石です。
    また、最初からカストが犯人だと読者に知らせた上で、サスペンス調で進むのかと予感させる流れでしたが、今回も、見事に裏切ってくれました。
    個人的にはソーラが怪しいかも?と予想してましたが、今回も見当違いでした…。

    ヘイスティングズが登場してくれ、ポアロとの会話がとてもテンポ良く、心地よかったです。
    ただ、いつもは自信に満ちているポアロが、殺人が次々と起きてしまう度に落ち込む場面が多く、少し可哀想にもなりました。

    体調不良でなかなか読書できなくても、ポアロシリーズはいつも楽しくさせてくれます。
    文章を追っているというより、そこに登場した人物達と同じ目線で町を歩いたり、会話しているようで幸せです。あと22冊、思いっきり沼に浸りたいです。

  • いま見ているスーシェ版ポワロで「ABC殺人事件」があるので、およそ10年ぶりに再読。
    いやはや、面白い!たいへんにエンタメ的な作品だと感じます。

    ポワロに予告状が届き、Aのつく町でAのつく名前の人物が殺される。そして次はBの町で――。
    不謹慎にもワクワクしてしまうこの設定に、ページをめくる手が止まらない。またこのハヤカワ版は翻訳も違和感が少なく、それもあって一気読みしてしまった。
    クリスティーといえば『そして誰もいなくなった』が一番好きなのだけど、これはまた違ったベクトルで面白い。
    本命の殺人を隠すために連続殺人に見せかける、というのは今ではよくある手だけども、この時代にここまで完成されているのが素晴らしいです。
    しっかり復習を終えたので、ドラマ版もじっくり楽しもうと思います!

  • ポアロもの超有名作品。

    ポアロのもとに“ABC”なる人物から挑戦ともとれる警告状が届きます。その予告通り、“ABC”順にそのイニシャルが頭文字の土地と人物が次々と殺害されていきます。
    その殺害現場には「ABC鉄道案内」が残されていて・・。

    まさに“ミッシング・リンク(見えない繋がり)テーマ”の代表作にふさわしい展開で、ミステリの真髄を堪能させて頂きました。
    ヘイスティングズ視点の一人称パートと、謎の行商人が登場する三人称パートが並行して進むというプロットが巧妙でぐいぐい読ませます。
    件の行商人が、どうみても連続殺人に関わっていそうな流れにみえるのですが、“もしこの男が犯人だとしたら、クリスティーらしくないな・・”と、思っていたので、終盤にポアロが明かした真相に納得したと共に、行商人の彼に少し同情しました。
    『三幕の殺人』とかでもありましたが、“ダミー”で殺人を犯すのって、マジで理解不能ですよね(まぁ、ダミー云々以前の問題かもしれませんがね)。
    因みに、ヘイスティングズがいるとポアロも“舌好調”になるようで、二人のやりとりも楽しかったです。

    • 111108さん
      あやごぜさん こんにちは

      そうなんです、〝ダミー〟で殺人って本当どういうこと⁇って感じですよね。『三幕の殺人』では最初の事件のぶっ飛んだ動...
      あやごぜさん こんにちは

      そうなんです、〝ダミー〟で殺人って本当どういうこと⁇って感じですよね。『三幕の殺人』では最初の事件のぶっ飛んだ動機に唖然としてしまいました(@_@)
      『ABC』はドラマでも観たし内容も知ってるからなーと思ってたけど、ポアロとヘイスティングズとの掛け合いを楽しみに読もうかなと思います♪
      2021/11/05
    • あやごぜさん
      111108さん こんばんは♪

      いや、もうホントに“ダミーで殺し”ありえへんって感じですよね。
      私も『三幕の殺人』の第一の殺人の動機には、...
      111108さん こんばんは♪

      いや、もうホントに“ダミーで殺し”ありえへんって感じですよね。
      私も『三幕の殺人』の第一の殺人の動機には、お口あんぐりでした( ゚Д゚)
      おお♪ドラマで『ABC殺人事件』観られているのですね~。内容ご存じでも、ポアロ&ヘイスティングズの原作ならではの味のあるやり取りはお楽しみ頂けると思いますので、是非お読み下さいませ♪

      2021/11/05
    • 111108さん
      お返事ありがとうございます♪
      ポアロの舌好調、楽しみです〜
      お返事ありがとうございます♪
      ポアロの舌好調、楽しみです〜
      2021/11/06
全368件中 1 - 10件を表示

アガサ・クリスティーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×