メソポタミヤの殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

制作 : Agatha Christie  石田 善彦 
  • 早川書房
3.48
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本棚登録 : 566
レビュー : 60
  • Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300127

作品紹介・あらすじ

考古学者と再婚したルイーズの元に、死んだはずの先夫から脅迫状が舞いこんだ。さらにルイーズは寝室で奇怪な人物を目撃したと証言する。が、それらは不可思議な殺人事件への序曲にすぎなかった…。過去から襲いくる悪夢の正体をポアロは暴くことができるのか?中近東を舞台にしたクリスティー作品の最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • アガサクリスティーのポアロシリーズ。
    中近東を舞台に事件が起こる。ポアロの世界観のある、とても読みやすい一冊。それぞれの人間観察をしながら読むと面白いかも。

  •  再読。
     出来栄えは上々。キラリと光る名作。
     トリックは知ってしまえば「なあんだ」で終わってしまうかもしれない。西暦2000年をとうに過ぎた今、余りにも使い古された感のあるトリックでもある。しかし、有名なトリックというのは、思いもよらぬ「意外性」を持つから「再利用」が図られるのであり、既知だとして軽んじられるものではない。
     ストーリーも身があり、人物の思惑が交錯する様を描写する力量は、流石クリスティ。

  • 珍しく、途中で犯人はこの人かなと思った人が犯人だった。過去に読んだ記憶はないのだが、犯人を書いた何かを読んだことがあるのだろうか。 中東の情緒はないが、砂漠の中というイメージで読めた。

  •  エルキュール・ポアロとはじめて会ったときのことを、私は一生忘れることはできないだろう。
    …165センチ 肥った小男 喜劇に登場する理髪屋

     太陽がのぼりはじめた。東の空が一面バラ色とオレンジと淡い真珠のような灰色に染まっていた。
    「美しい夜明けだ!」ポアロが、低い感嘆の声をあげた。
     わたしの左手には大きなくねった川が流れ、遺跡の丘が黄金色にくっきりと浮かんでいた。南には、花の咲き乱れた木々と静かな畑が続いている。遠くから、水車のきしる音が聞こえてきた。かすかな、別世界を思わせるような音だった。北には、空に向かって鋭く突き出した尖塔とお伽話の世界のように白く輝くハッサニーの街が見えた。
     信じがたいほど美しい風景だった。
     このとき、かたわらに立っていたポアロが、低く長く溜め息をついた。
    「馬鹿だった」彼は呟いた。「真実がこんなに明らかなことだったなんてーこんなに明らかだったなんて」

     終章
     ムッシュー・ポアロはシリアにもどり、一週間後にオリエント急行で英国に帰る途中、また新しい殺人事件に巻きこまれた。

     晩年の彼女は「これがイギリスなの?」と犯罪記事の見出しを見て嘆いたが、イギリスは変わったし世界も変わった。オリエント急行の優雅な旅をバグダッドまで続けていく特権は、もはや誰にも味わうことができない。

  • バグダッド、メソポタミア遺跡の雰囲気が良い。中東に旅をしている感じが好き。トリックはもうちょっと驚くものかと思った。

  • 初めてちゃんと読んだアガサ・クリスティ長編。名探偵ポアロシリーズ。
    中東での発掘作業チームのリーダー、ライドナー博士の妻が情緒不安定なため、看護師として呼ばれたレザラン。ライドナー夫人は、他の男性と恋に落ちるたびに死んだはずの元夫から脅迫状を受け取っていた。ライドナー博士と再婚してからは脅迫状が来なくなっていたのだが、なぜか発掘現場に来てから再度脅迫状が届き、ライドナー夫人は殺されるかもしれないという恐怖にとりつかれていた。そんなある日、ライドナー夫人の撲殺死体が発見されるー。

    先に読んでいた短編集「ポアロ登場」よりも読みやすく、最後まで犯人が分からなかった。発掘チームの人達の名前は最後まで覚えられなかったけど…。それにしてもなぜポアロはフランス語を喋るのかな。

  • 最後のポアロの畳み掛けが好き。
    今だったら考えられない、中東でののんびりじっくり発掘調査。当時のイギリス人は簡単にこの地域にも足を伸ばしてたんだという事実に驚いた。事件自体は、そこまで中東色がでていない純粋なイギリス人たちを中心としたミステリー。
    あとがきの、「クリスティは普遍だ。だから世の中の流れに疲れてしまったら、クリスティを読むといい」的な言葉が好き。

  • ポアロシリーズを読んでいると、書かれた時代が時代だけに今となっては考えられないような記述に面食らうことがある。例えばこれじゃないが、犯人に自殺をそれとなく勧めてみたり、男尊女卑だったり。(またそれも味わいなのだが)そして今回のトリックは被害者の性格分析は見どころだが、犯人の正体があまりに力技過ぎな気がする。被害者がその正体にずっと気付かないって事が信じられない。驚いた。面白いことは面白いけどミステリーの質としてはどうなんだろ?

  • 遺跡調査隊が発掘作業をしていたヤリミア遺跡で起こった事件を、看護婦エイミー・レザランが記録した物語です。

    隊長である考古学者エリック・ライドナーの妻、ルイーズ・ライドナーに、死んだはずの元夫からと思われる脅迫状が届きます。周りの人はただのいたずらだと思い本気にはしていませんでしたが、ルイーズは恐怖に怯えていました。
    そしてある日、本当に殺されてしまいます。

    “外部の人間が奥さんの部屋にはいるには、入口の門を通って、中庭を横切らなくてはならないのです。だが、守衛とコックと小間使いの少年の一致した証言によれば、外からはいってきたものはいなかったというのです”よって、“犯人は外からはいってきたのではないー内部にいたのだ。(p142)”と考えられます。

    偶然ハッサニーを通ることになっていたポアロが調査を依頼され、捜査に協力することになります。ポアロは、事件は“ミセス・ライドナーの人格をめぐって発生している(p365)”と考えます。彼女は、とても魅力的で、本当に美しい女性でした。

  • ポアロ視点ではなく、レザラン看護婦視点なのが面白かった。映像も見てみよう。

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