ひらいたトランプ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

制作 : Agatha Christie  加島 祥造 
  • 早川書房 (2003年10月1日発売)
3.63
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  • 本棚登録 :525
  • レビュー :67
  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300134

作品紹介

名探偵ポアロは偶然から、夜ごとゲームに興じ悪い噂の絶えぬシャイタナ氏のパーティによばれた。が、ポアロを含めて八人の客が二部屋に分れてブリッジに熱中している間に、客間の片隅でシャイタナ氏が刺殺された。しかも、居合わせた客は殺人の前科をもつ者ばかり…ブリッジの点数表を通してポアロが真相を読む。

ひらいたトランプ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)の感想・レビュー・書評

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  • これは凄まじく面白い。
    今まで、ポアロシリーズの中では
    「オリエント急行の殺人」が一番好きだったが、
    ここに来て一気に本作品がトップに躍り出た。

    なんでここまで面白いのか要因を考えてみると、
    出てくる人物のキャラが強烈過ぎる。

    なんといっても殺された人物のキャラ設定が良い。
    悪魔的容貌を持つ評判の悪い金持ち。
    この男がポアロ氏と偶然出会った時に、
    とんでもないことを思いついてしまうわけである。

    「4人の殺人経験者(警察や社会の目を誤魔化し
    見事逃げ切った犯罪者)と4人の探偵役(警察関係者や、
    犯罪や推理に関わる職業についている人間)を呼んで
    パーテイを開こう。」

    なんて悪趣味な...。
    そうしたら何も起こらないわけがない。
    楽しい会話をしながらの美味しい食事も済み、
    奇妙なパーティの出席者達が
    トランプのブリッジに興じている間、
    一人その輪から外れて暖炉でくつろいでいた、
    「悪趣味な金持ち」がいつの間にか殺されてしまった。

    さあ、探偵組は捜査開始。
    各自がそれぞれの方法で真実に近づいていこうとするが、
    そんな中でポアロは、「ブリッジの得点表」に目をつける。
    彼はこの得点表を元にして、
    どのような方法で事件を解決していくのであろうか?

    「派手な仕掛け」もない犯罪だが、
    「派手な人物」がご馳走である。

    日本ではあまり馴染みのないブリッジってトランプゲームを
    知らない人でも大変楽しんで読む事の出来る作品かと思う。
    ポアロファンの方はもちろん、
    クリステイーファン、ミステリーファンの方はぜひ一読を!

  • ブリッジを知っていたらよりおもしろそう!

  • シャイタナ氏は、“奇妙な”パーティを開き、人々から悪党と言われ、恐れられています。

    ある日、そんなシャイタナ氏が開いたパーティでは、“人殺しをやった(p16)”が、“巧みに逃げおおせた人間たち(p17)”が集められます。そして、ブリッジをしている最中、シャイタナ氏が殺されます。容疑者は同じ部屋でブリッジをしていた、過去にも殺人を犯した可能性のある四人です。

    同じパーティに来て別室でブリッジをしていた四人(ポアロ、バトル警視、諜報局員レイス大佐、探偵作家オリヴァ夫人)が、事件を捜査します。しかし、事件の手がかりになるものはほとんどなく、ポアロは一つだけあった具体的な手がかりであるブリッジの得点表を見て“心理学的可能性という角度から(p383)”事件を検討します。

    容疑者たちが過去に犯した殺人が明らかになっていったり、犯人だと思っていた人物が覆されたりと、ブリッジのルールを全く知らなくても楽しめる作品でした。もちろん、ブリッジを知っていれば、もっと楽しめるのだろうと思います。

  • 原作とドラマでは後半少し内容が違う。カードゲームのことは全くわからないけれど、殺人事件の本筋は楽しめる。カードゲームの描写がとにかく細かい。当時の日本製のカミソリってそんなに危なかったのかなぁ?そしてそんなに出回っていたのか。

  • トランプゲームの最中に脇に座っていた曰く付きの人物が殺される。犯人はゲームに参加した四人のうちの誰かであり、いずれも犯行が可能なことからポワロたちは容疑者の過去や性格を調べる。

    トランプのブリッジのルールを知らなくても楽しむことはできる。トリックなどはなく、容疑者の生い立ちなどの描写から犯人を推理する変わった作品。推理の結果には強引な部分はあるものの、その結果に至るまでの思考の流れはとても面白く引き込まれる。

  • クリスティ長編#20(ポアロ、バトル警視)

  • 怪しい主催者の元で、奇妙な晩餐会が開かれる。灰色の脳細胞を持つ、エルキュール・ポワロを始め、未亡人、医者、刑事、探検家、軍人、女流作家が集まりコントラクトブリッジをプレイしている最中に、主催者が刺殺された。犯人は、集められた5人の中の誰か。次々に容疑者の過去が暴かれていくが、全員が疑わしくなり、複雑化していく。事件現場は密室でもないし、トリックもない。容疑者の心理描写を如何に汲み取って、犯人を暴きだす作品で、読み進めていくうちに冗長だと感じたが、最後の展開で一気に引き込まれた。

  • 数あるクリスティー作品の中でも推理のアプローチがかなり変則的な作品。容疑者は明確に四人に限定された上で容疑者達は過去に別の殺しをしたことが仄めかされるため、過去に犯した殺人との類似点が創作される。
    また殺人が有ったと思われる時間帯に皆トランプゲームをしていたことからゲームの得点表から殺人を行ったと思われる者の心理を読み取ろうとする方法は素晴らしいの一言

    惜しいのはブリッジというゲームが未だによく判らないことか。一度チャレンジしてみようとしたことは有ったんだけどルールが良く判らないままに終わったんだよな……。あの得点表やゲームの流れが話されるシーンはブリッジを知っていればなお楽しめるんだろうな~

  • 二転三転。登場人物達が面白い

  • アガサ・クリスティが1936年に発表した、名探偵「エルキュール・ポアロ」シリーズの一つである。クリスティ作品の登場人物が多数出てくるほか、舞台装置にブリッジ(正式には「コントラクトブリッジ、以下ブリッジと明記」)カード(=トランプ)ゲームの一種)が登場するのが特徴である。だがブリッジというゲーム自体、ルールを含めて日本ではよく知られていないため、欧米に比べて日本での評価が低い作品になっている。1976年に文庫本が刊行され、2003年に同じ訳者による改訳本が刊行された。私が紹介するのは前者であり(こちらは絶版)、カバーデザインは真鍋博が担当している。
    ブリッジ・パーティーの主宰者が、何者かに殺された。容疑者として浮かんだのは、一癖も二癖もあるものばかり。彼はお得意の会話を駆使して容疑者を追い詰めていくが、終盤の展開は二転三転する。こいつが真犯人なのか?と思ったら別の人間が容疑者として浮上し、そして消えていく…という物語の進行をどう評価するか?問題解決の手段もブリッジに関する知識を用いているため、このゲームに関する知識がない読者には楽しめないだろう。簡単に言えば「人を選ぶ作品」であるということだ。

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