もの言えぬ証人 ポアロ (ハヤカワ文庫)

  • 早川書房 (2003年12月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (528ページ) / ISBN・EAN: 9784151300141

感想・レビュー・書評

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  • 【ポアロ】
    犬のボブが登場する。
    ヘイスティングズがボブの気持ちを勝手に考えて代弁するのが面白かった。
    ボブはいつも元気いっぱい。犬のボール遊びはエンドレスだったなと、自分が飼ってた犬を思い出した。ボブが活躍するのかと期待したけど、思ったほどボブは出てこない。

    ポアロとヘイスティングズは関係者に話を聴きに行く。同じような話が続くので長いー。
    ひたすら聞き込みで退屈になる。
    『ABC殺人事件』同様に、ポアロが外で動きまわる作品がなぜか苦手みたいだ。

    最後は名探偵だからこその終わり方で心に残った。

  • 書き出しから上手い。死者からの不審な手紙を受け取ったポアロが、またもやあの手この手で聞き込みをして真相に辿り着く。BSドラマとでは人物像などかなり違った。この結末は苦すぎる。ヘイスティングズと犬のボブとの会話?は微笑ましかった。

    • メイさん
      こんにちは、111108さん。

      私、この話最後まで犯人がわからなかったです。犯人がわかってポアロが犯人のところに行って初めてわかり、衝撃を...
      こんにちは、111108さん。

      私、この話最後まで犯人がわからなかったです。犯人がわかってポアロが犯人のところに行って初めてわかり、衝撃をうけたのを覚えてます。事件の終らせ方にも衝撃を受けました。ただ、ドラマと混ざってしまって結末があっているかは自信がないんですが…。

      こんな風に事件を終わらせていいのか?イギリスはこれが当たり前なのか?昔は許されたのか?こんなことを考えさせられた話でした。(--;)
      2022/02/22
    • 111108さん
      メイさん こんばんは。
      コメントありがとうございます♪

      私も犯人わからなかったです!
      そして事件のこの終わらせ方にはびっくりしました。ドラ...
      メイさん こんばんは。
      コメントありがとうございます♪

      私も犯人わからなかったです!
      そして事件のこの終わらせ方にはびっくりしました。ドラマでは犯人は亡くなっておらず、ポアロが一堂の前で犯人を告発してみんながどよめいた、というシーンだったのを覚えてます。

      こんな終わらせ方はちょっと‥ですよね。
      日本の昔のドラマとか小説でも、刑事が犯人を追い詰めたら断崖絶壁から犯人が身を投げるという結末があったような気がします。
      今だと責任問題とかになっちゃうのでしょうけど、昔は身を引く美学?みたいなのがあって犯人が亡くなったらもうそれ以上追及されないから良かったことにしよう、という事なんでしょうかね。もんもんとしますよね(-_-)

      2022/02/22
    • メイさん
      111108さん、お返事ありがとうございます。
      わかります。本当に悶々ですよね。この作品はアガサ・クリスティを読み出して最初ぐらいに読んだの...
      111108さん、お返事ありがとうございます。
      わかります。本当に悶々ですよね。この作品はアガサ・クリスティを読み出して最初ぐらいに読んだので、ちょっとびっくりしました。
      友人にポアロ好きがいて、私の疑問を言ったら111108さんが書いてあるみたいに身を引く美学みたいなことを言ってました。そういうものなのかーと同時に奥が深いとも思いました。(-_-)゛
      2022/02/22
  • デビット・スーシェのドラマを見ました。
    白テリアのボブが可愛くて可愛くて。ボブに懐かれたポアロが、田舎には不釣り合いな完璧な紳士装束でボブのお散歩をする姿も可愛くて可愛くて。
    そこで原作も読みたくなりました。ボブは原作では出番は少なかったのですが、やっぱり、かわいい!
    ドラマでは、ポアロにボブを譲る話があったので「ポアロさん、ロンドンにつれて帰ろう!お散歩なら私がするから>▽<」と思ったですが、残念ながらポアロはボブを別のお宅に置いてきてしまった(´・ω・`)
    しかし原作ではボブをロンドンに連れて帰ることに!!わーい(^o^)

    ===
    ポアロの事務所にエミリイ・アランデルという老婦人から手紙が届いた。田舎の古風な名家の頑固でしっかり者のオールドミスらしい。ポアロが気になったのはその手紙の日付だった。書かれたのは2ヶ月前なのだ。彼女はなぜ2ヶ月間手紙を出さなかったのか?ポアロとヘイスティングスがエミリイの屋敷「小緑荘」に向かう。
    しかしエミリイ老婦人は1ヶ月前に持病により亡くなっていた。
    ポアロは、エミリイは身の危険を感じて自分に依頼しようとしたと察し、エミリイの死の真相を探ろうとする。依頼人は亡くなっているが、ポアロの矜持なのだ。

    エミリイは莫大な資産を持っていた。本来は三人の甥と姪に相続されるはずだったが、最新の遺言状でほぼ全財産が付き添い看護師のミニー・ロウスンに引き継がれることに変更された。当然甥や姪たちは猛反発。
    果たしてエミリイ老婦人の死には、誰かの悪意があるのか…。

    ●エミリイ・アランデル:地方の名家アランデル家の屋敷「小緑荘」の女主人。エリザベス女王時代の頑固な価値観の持ち主。
    クリスティの「前時代の頑強な老婦人」っていいですよね。
    ●ワイヤへアードテリアのボブ:エミリイ・アランデルの飼い犬。いたずらっ子。この物語はヘイスティングスの一人称事件記録なのですが、ヘイスティングスはボブの気持ちを代弁しているのがまた可愛いかわいい。「犬は私を見ると『やい、見かけないやつだな。噛みついてやる。それでそのボールを投げてくれよ』というように吠え立ててきた」みたいな笑

    遺産受取人
    ●ウイルヘルミナ(ミニー)・ロウスン: エミリイの付き添い看護師。ほぼ全財産受け取ることに。
    原作では、人々から階級も教養もあまり頭の良くない女性と見られていて、こんな人がそんな大金相続してもあっという間に騙し取られそう…と思った…

    親族とその関係者
    ●チャールズ・アランデル: 20代前半のエミリイの甥。享楽家で遊蕩三昧で常に金に困っている。ちょっとした詐欺や、エミリイ叔母さんのお金をくすねている。今回も「遺産を取り戻すためなら違法行為も厭わない」と公言。
    だが人間としては魅力的で、周りからの評判は割と良い。

    ●テリーザ・アランデル:20歳くらいだっけな。エミリイの姪で、チャールズの妹。美人で派手。現代っ子らしく生きることが大好き、今欲しいものが今欲しい、遊びもファッションも恋愛も最先端のため金欠。兄と同じく「遺産を取り戻すためなら違法行為も厭わない」しかしそれは自分のためだけでなく、婚約者で町医者のドナルドスンの成功のためでもある。
    眼の前の華やかな生活を送ってきたテリーザが、真面目で堅物っぽいドナルドスンとの婚約は意外でもあるのだが「最初の男ではないけれど、多分最後の男」と言い切る。高飛車で身勝手だが潔良くて割と好感を持てる…自分の近くにいなければ(^_^;)
    ●レックス・ドナルドスン:将来有望の医者で生真面目くん。エミリイのような老婦人からは「頭は良いかもしれないけど、男としてはなっちゃいない」という低評価。
    ヘイスティングの記述では、冷静で洞察力があると案外高評価。
    読者としても、全く正反対のテリーザとドナルドスンが愛し合っているのはなんか良いのよね。

    ●ベラ・タニオス:エミリイの姪。夫はギリシャ人で子供が二人いる。子供のことで頭がいっぱいの「ハサミ虫のような女」と言われるような(^_^;) 金欠をやりくりして一生懸命レリーザのファッションを真似っ子するが、センスが悪くて野暮ったくなってしまう(^_^;) 
    どうやら夫に頭が上がらないらしい。
    なんか、半径10メートルで生きる冴えない主婦って身につまされてツラい(^_^;)
    ●ジュイコブ・タニオス:ギリシャ人医師でベラの夫。この時代ギリシャ人は差別的な目で見られたが、陽気で親切でベラを「自分にはもったいないほどの素晴らしい女性」と賛美するので、ギリシャ人だけど話してみると案外いいやつ、みたいに
    思われる。でもベラのお金で投資に失敗し、エミリイの遺産分与を期待していた。

    村の人達
    ●キャロライン・ピーポディ:エミリイの昔からの友達の老婦人。ポアロとヘイスティングスはエミリイの死を探るために嘘をついて彼女に面会するんだが見破られている。そして道で出会ったヘイスティングの脇腹をパラソルで突っついたりする。ヘイスティングは嘘ついた負い目があるし、相手は老婦人なので逆らえない笑。食えない婆さんって感じで面白い。

    ●トリップ姉妹:霊媒師の中年姉妹。ドラマでは好き勝手に楽しそうに「きゃあきゃあ、お告げよお告げよ♪」などとやりたい放題だったが、小説では割と大人しめ・笑 しかし彼女たちが目撃したエクトプラズム?とかなんとかが解決のヒントに。

    今回のポアロは「本来なら自分に依頼されるはずだった事件」として自主的に捜査しています。何の権限もないし、殺人だとしたら犯人に疑われないように(第二の殺人を防ぐため)しなければいけません。そこで関係者に身元を偽ったりします。ヘイスティングスからすると「嘘」は良くないという価値観で、ポアロは「必要な口実(要するに嘘)は別に悪くない」という価値観が現れます。なるほど。

    しかしあくまでも「亡くなった依頼人だったらこういうことを望むだろう」ということを汲み取ったうえでの捜査と、始末の付け方をします。そしてポアロが出てこなければ起こるはずだった第二、第三の殺人も防いだことに。
    犯人は身勝手ですが、最後に明かされた殺人者への「ちょっと思いがけない墓碑銘」がなかなか切ない。

    この物語ではこの時代の、外国人差別、女性軽視、職業社会的地位による格差というものも現れていました。
    ギリシア人のタニオス医師に対して「アランデル家の女が外国人なんかと結婚するなんて」「ギリシャってアルメニア人を虐殺したんでしょ。あらトルコだったかしら?」という扱い。タニオスさんは明るいし医師としても優良なのでエミリイ老婦人もちょっと見直すようですが。
    ミニーの付添婦という職業も軽んじられています。「まともな人間が就く職業ではない」くらいの扱い。ミニー自身は悪意はない人(単純な人。悪いことを考える知能もないというか…)なんですが、彼女に余るほどの大金相続は、読者としても心配に(^_^;)

    そしてあとがきで書かれていた「ポアロは120歳くらいで死んだことになる」には笑ってしまった。これって横溝正史も「ポアロは計算したら120歳くらいってことになる。現実と合うかは気にしなかったんだろう」と書いているので有名なんだろうけどさ。

    そしてボブ(^ ^)
    ヘイスティングスには犬友達が結構いることが判明。きっと犬の散歩している人を見かけたら話しかけて犬を触りまくっているに違いない 笑
    そのためかボブの吠え声や仕草を代弁するのが楽しい楽しい。「ぼくはいい番犬だろ?ぼくが吠えたって気にするなよ。これがおつとめなんだからね」「ボールがそこにはないって?何言ってんだい。ボールは同じ場所にあるって決まってるのさ」などなど\(^o^)/
    ボブはポアロへの報酬のようなもの。しかしヘイスティングスに取られちゃったみたい笑
    ボブは他のお話には出てこないけど、今後ポアロ物を読むときには「お家に帰ったらボブがいるんだよね★」って思うことにします。(いませんが、いると考える)

  • 愛犬家としてはたまらない作品。
    依頼人の愛犬ボブが可愛らしいこと。ボブの行く末を案じていましたが、とても良い引き取り手が見つかり良かったです。

  • ポアロのもとに命の危機を訴える資産家の老婦人エミリイからの手紙が届く。しかしそれは彼女が死んでから2か月後のことで、巨額の遺産は遺言状により付添婦の女性にすべて譲渡されていた。

    資産家の老婦人と彼女の財産に群がる親族たちの話は、これまでクリスティのミステリの中で何度も描かれており、それほど新鮮なテーマではない。そして謎の解決も論理的というよりは想像といった方がよいような内容で、もやもや感がぬぐえない。ただこの話、読んでいて楽しいのである。それはなぜかというと、エミリイの愛犬ボブと、付添婦ミニー・ロウスンが心酔している霊媒師、トリップ姉妹の存在が大きい。

    この話はヘイスティングズの一人称で語られるが、ヘイスティングズが勝手にボブの思っている(であろう)ことを代弁していて、それがなんともいえずキュートなのだ。また、トリップ姉妹のうさんくささはもはやギャグといってもよいほどである。そしてこのユーモラスな一匹と二人は思いがけず事件の解決に一役買うことになる。
    ちなみにBSポアロシリーズのドラマでは、ボブとトリップ姉妹は原作以上に活躍する。影の主人公といってもよいほどである。

    ミステリとしては不完全なところがあるが、とにかく楽しいのでまあいいか、と思えてしまう魅力的な作品である。

  • 2022年のポアロの幕開け。タイトルで分かるように故人(エミリイ・アランデル)から手紙が届く。「私事の案件で力を貸してください」そこでポアロとヘイスティングスは依頼者に会いに行くがすでに亡くなっている。関係者に話しを聴くと、彼女の家政婦(ロウスン)が故人の遺書により遺産37万ポンドを相続。エミリイは生前に階段から落ちたり、体調急変により毒を盛られた可能性がある。ポアロは8人の容疑者を特定し、全員から話しを聴く。その際勿論ポアロの「仕掛け=はったり」もある。犯人は外れ~(悲)。壮絶な真相だが消化不良かも。④

  • 振り子のようにポアロ作品に戻って本作。
    知人の勧めで順序関係なく借りられた作品から読んでます。ありがたやま。

    さて、冒頭「エミリイ・アランデルは五月一日に死んだ。」とちょっと急な掴みで始まりつつ、その後は割としずしずとポアロの捜査が進んでいく。
    ただし、エミリイの視点で死に至るまでの彼女の疑念と恐怖を読者は知るし、ポアロさんが少ない手がかりからそれを認識していく様子にワクワクする。その間ちょこまかと口を挟んだり、表情で物語ってしまうヘイスティングズの存在が相変わらず可笑しい。
    おまけに「もの言えぬ証人」たる飼い犬の気持ちまで雄弁に語っちゃったりして、なおさらヘイスティングズ〜!となるとか、ならないとか…笑

    全体的にゆったりとした話でありながら、ちゃんとこちらの予想を裏切ってくれる手腕は変わらず。今回は外さないだろうと思っていたのに意表を突かれました。

  • 亡くなったのは人からの依頼状に興味を引かれて捜査に乗り出したポアロ。
    容疑者はお金に困っている身内数人と、彼らを差し置いて故人の遺言によって全財産を相続した家政婦。

    ポアロがあっちこっちに聞き込みをするんだけど、なかなか大胆な嘘をついたりしてて面白かった。
    犯人はやっぱり最後まで分からない。
    容疑者たちの話を聞いていると皆悪人に見えてくるし…でも犯人は本当に予想外だった。
    あと、タイトルの「もの言えぬ証人」=ペットのボブはさして重要じゃなかったのはちょっと残念。
    でも最後にボブが幸せそうで良かった!

    故人を島国根性って表現している部分がちらほらあったけど、日本と通じるものがあってちょっとクスッとした。
    微妙な日本語や、ヘイスティングスの一人称の使い分けやポアロをあんたと言っているのに違和感もあったりして、ちょっと翻訳は微妙だったかな。

  • ポアロに事件の調査を依頼する手紙が届きますが、依頼人ミス・エミリイ・アランデルを訪ねると、なんと彼女は既に亡くなっており、その遺言が周囲を驚愕また狼狽させていました。遺産をもらうことになったミス・ロウスンも、もらい損ねた弟妹の子たちも、曲者揃い、この中の誰かがお金目当てに殺人を? そんな寒々しいストーリーだから、故ミス・エミリイの愛犬ボブの愛らしさが救いですね。

  • ポアロは巨額の財産を持つ老婦人・エミリイから身の危険を訴える手紙を受け取った。だが、それが届いたのは彼女が亡くなって二か月後のことだった!すでに遺言は執行され、その莫大な富の受取人は、なんと一族ではなく付添い婦・ロウスンで──?!ポアロとヘイスティングズは死者からの依頼に応えるとともに、愛犬・ボブの濡れ衣も晴らすことになる!

    過ぎてしまった殺人事件の謎を解き明かす鍵は犬?!エミリイが暮らしていた「小緑荘」でポアロたちを出迎えたのは愛犬・ボブ。「もの言えぬ証人」とはこの子のことか!と思っていたら、記述者であるヘイスティングズが犬語をそれっぽく解釈して、もの言わしていて笑ってしまった。事件の記録者なのに自由すぎる(笑) このボブが大活躍する話かとワクワクして読み進めるも、実はそこまででもないというのが惜しい。あと長い…。

    相変わらず、誰もが怪しすぎてこっちが疑心暗鬼になる(笑) ポアロ自身も伝記を書くんですとか嘘を並べて関係者と接触したり油断ならない。ただ、食い違う証言や心証を事実と照らし合わせて推理していくポアロの手腕はさすが。エミリイからの依頼と思われる手紙の回りくどさも面食らった。あれだけ長々と書いておいて、結局なんのことをお願いしたいんだよ?!と言いたくなる手紙も珍しい。それでも、そうしなければならなかった彼女の気持ちを汲んでの解決を用意するというのは、探偵としての業というか、なかなかほろ苦い味わいのラストだった。

    最後に、解説はシリーズを読破している方以外は読まない方がいいです!!とんでもないネタバレが書いてあります!!もの言えぬ読者になってしまったよ…。

    p.205
    「“彼の話では”とか“彼女の話では”といった推理は、愚の骨頂ですよ」とポアロは言った。「なんの意味もない。それは本当の話かもしれないし、あるいは“嘘も方便”のつくり話かもしれない。いずれにしてもわたしは事実だけしか取り扱わないことにしている」

    p.306
    「ヘイスティングズ。わたしは思うなんてことは、自分自身に対して絶対に許さない主義なんだよ。つまり推察するってことはしないんだね。ただ、いまのところある種の考察はしてますが……」
    「たとえば?」
    「動機の問題を考察している。ミス・アランデルを殺す動機はいったいなんであるか?いちばん明白なことは財産の取得だね。もしミス・アランデルがイースターの火曜日に死んだとしたら、だれが得するか?」

  • 遺産相続をめぐる一族のいざこざはポアロシリーズの十八番で、慣れてきたと思ってましたが、飽きを感じることなく読めました。
    ヘイスティングスによるボブの可愛い翻訳と、コメディ感がありすぎるトリップ姉妹のおかげだと思います。

    今回は、怪しすぎる犯人がやっぱり犯人だったというわけではなかった所も意外でした。
    タイトルがだんだん捻られてきていて、ストーリーと噛み合っていると感じられるようになり、アガサクリスティのセンスに磨きがかかっていると感じられて嬉しかったです。
    "もの言えぬ証人"は、表紙を見た印象だと、ボブのことを言っているのかな、と予想しました。
    しかし、読み終わってみると、命を狙われていることを知りながらも、おそらく真犯人を知らないまま亡くなっていったエミリイのことのような気もするし、狡猾に立ち回ったけれど、ポアロに暴かれた、全てを知っている真犯人のベラのことを指しているような気もしました。

    それから犬が大好きなので、素敵なボブの引き取り手が見つかって幸せです。

  • 犬のボブがかわいい。ボブにアテレコするヘイスティングズがかわいい。ヘイスティングズと軽口を言い合うポワロさんがかわいい!

    ということで、話の展開としては”いつものクリスティー作品”なのですが、”ボブ”というアクセントが加わることでほっこりした印象が強かったです。
    それに、犯人に対する裁きもちょっとビックリというか……。まあ、ポワロさんはコ◯ン君と違って犯人であっても必ず生かす主義ではありませんからね。

    にしても、”お金のためならなんだってする放蕩息子”、”この世は自分のためにあると信じて疑わない美人な妹”が毎回出てくるのに、その度疑ってしまう自分をなんとかしたいものです。笑

  • ポアロもの。

    資産家の老婦人・エミリイから命の危険を訴える手紙を受け取ったポアロ。
    ですが、差出人のエミリイは手紙が届く二か月前に死亡していて・・。
    巨額の遺産を、親族ではなく付添婦のミス・ロウスンに残す旨遺言状変更した理由とは?そして、エミリイが死亡する前に起きた階段落下事故は偶発的なものだったでしょうか?
    ポアロ&ヘイスティングズが、真相解明に乗り出します。
    事情を探る為とはいえ、ポアロが身分詐称はするわ、嘘話はするわ、誘導尋問はするわ、盗み聞きはするわで何でもアリなやり方に、若干引き気味のヘイスティングズでしたが、彼とエミリイの愛犬・ボブとのやり取りには癒されました。(ボブの台詞部分はヘイスティングズの妄想)
    そう、今回は何といっても、ボブの愛くるしさにつきるという感じでしたね。
    真相については、印象操作的なミスリードにまんまと騙されてしまいました。
    ラストでは、ボブが良い引き取り手に託されたようで、何よりです。
    因みに、本書の解説で『カーテン』のネタバレがさらっと書かれていて、未読の私はかなりショックを受けました。
    皆さん、気をつけてくださいね!

    • 111108さん
      あやごぜさん こんばんは。

      ネタバレ、ショックですよね。解説でもそうでしたけど(私はBSドラマで先に知っちゃってたので‥)本作中でもポアロ...
      あやごぜさん こんばんは。

      ネタバレ、ショックですよね。解説でもそうでしたけど(私はBSドラマで先に知っちゃってたので‥)本作中でもポアロが今までの犯人名を言い連ねる場面ありましたよね?
      「これは読んじゃダメなやつだ!」と途中で気づき読み飛ばしました(>_<)
      ある意味危険な本ですね!
      2022/02/20
    • あやごぜさん
      111108さん。こんばんは♪

      そうですよね。
      本文中でもポアロが他作品の犯人を4人程ネタバレかましてましたね(汗)
      解説といい、...
      111108さん。こんばんは♪

      そうですよね。
      本文中でもポアロが他作品の犯人を4人程ネタバレかましてましたね(汗)
      解説といい、そういった意味で確かに要注意本ですね!
      2022/02/21
  • うわあああああああ!!!
    ほんっとに人物描写が上手いな、ここなんかめっちゃリアル、と思っていたところが真相に繋がっていて、声が出そうになった。
    クリスティー最高!
    謎解きとしてはちょっと弱いかと思うけど、人物の描き方の巧みさを味わえてとても満足。

  • だいぶ好きな作風でした。故人から届いた依頼から動き始めるポアロの調査。関係者を一人ずつ訪問し調査を進める中で、見えて来る人物像からの推理。ボブの心の声も可愛げがあって、アガサクリスティはこんな事もするんですね〜。
    ヘイスティングズがいるから安心して、一緒になんでなんでと、楽しめました。

    • 111108さん
      sundayさん、こんばんは。

      この話私も好きです!結末が悲しいのですが、ボブとヘイスティングズのおかげで救われて明るい雰囲気になってます...
      sundayさん、こんばんは。

      この話私も好きです!結末が悲しいのですが、ボブとヘイスティングズのおかげで救われて明るい雰囲気になってますよね♪
      2023/05/07
  • ひとりクリスティ祭継続中。
    いくつか読んでみてわかったけど、クリスティってけっこうネタの再利用…と言うのは少しキツすぎるか、「モティーフの変奏」てことをやっている。こないだ読んだ某作も、彼女の超有名な2作の合わせ技(と言えなくもなかった)し。
    それがいかんというのではない。そうでもなければ、水準以上の作品をこんなにも量産できなかっただろうし。いろんなテクニックやテーマを、何度も自覚的に試行錯誤していたのだということがよくわかる。
    というわけで、本作にも他作と共通するテーマが流れている。ラストはかなり衝撃的だが、その他作を先に知っていたために若干の既視感はあった。そちらを未読の人なら、「!!!」レベルに驚愕するかもしれない。
    いろんなレビューでとっくに触れられていることだろうが、コメディチックな味が楽しい1本。安心して読める、安定のクリスティ。おすすめ。

    おっと、解説は飛ばされることをおすすめする。大御所の評論家らしいが、いろんなネタバレを盛大にかましている、とんでもないものなので。

    2018/7/13〜7/14読了

  • 犯人がまさかの既に死んでいるという真相。捕まって裁きを受けるが当たり前だと認識してしまっているから、ここの展開は少し驚いた。
    作中で登場人物のことを「全くセンスはないが着飾るのが好きな人」と評していたのがなぜか妙に印象に残っている。多分作者の身の回りにこういう人がいたんじゃないかなと思う。他作品にも、服装についての描写はよく出てくるし、アガサクリスティー自身の観察眼の鋭さがあったからこそ、いろんな作品にそれが活かされたのかなとも考えた。

  • ポアロは巨額の財産をもつ老婦人エミリイから命の危険を訴える手紙を受けとった。だが、それは一介の付添い婦に財産を残すという問題のある遺言状を残して、彼女が死んだ二カ月後のことだった。ポアロとヘイスティングズは、死者からの依頼に応えるとともに、事件に絡む愛すべきテリア“ボブ”の濡れ衣も晴らす。

    ある一族の老婦人が病死かと思いきや殺人未遂があって間もなく死亡していて、しかも遺産は家族には全く与えられず付き添い婦に、という衝撃の展開。最初は半信半疑のヘイスティングスですが、ポアロに引っ張りまわされながらだんだんと事件性に気が付いてあれこれ考えをめぐらせるところが読者と同じ目線で非常にいいです。ボブという犬の度々の登場も心がなごむ。怪しさ満点の登場人物だらけですが、やっぱり犯人は意外性のある人でした。全然分からなかった・・・。最後がちょっと消化不良な終わり方でしたが、読み応えのある作品だった。

  • ポアロシリーズ14作目。今回は久しぶりにヘイスティングズの語り。

    なんか……面白かった!!(笑)ポアロがいろんな役に化けて情報収集するんだけど、それがもう面白くて!!ニヤニヤしながら読んだ。

    以下ネタバレ



    ただ、ラスト犯人がわかった状態でポアロが犯人が自殺するのを止めないのがなんか違和感なんだよな〜と思ってたんだけど(過去のポアロはたとえ殺人犯人でも、自死を許さないタイプだったような記憶がある)ラストを読み直して納得。
    今回ポアロは、依頼人であるエミリイが望むことをやったんだな、と。
    エミリイが望むこと→一族の恥を晒さないこと。事件を公にしないこと。
    だから、犯人には消えてもらわなきゃならなかったんだ!と私の中ではストンッと納得できた。
    そう考えたら、めちゃくちゃ綺麗な終わり方だし、すごいまとまった物語だわ。


    いやぁ。クリスティ、当たりが続いていて嬉しい。
    さ、次は「ナイルに死す」だな。

  • 一人のお年寄りを死を巡ってポアロが調査を行う物語。結構な分量にもかかわらず動きが少ないが、個性豊かな登場人物により最後まで楽しめる。

    怪しいと言えばみんなあからさまに怪しい人達ながら、何となく憎めないキャラが集結していてるが、今回はトリックがちょっとしっくりこなかったかな。文章の中に色んなヒントが散りばめらているという意味ではフェアな探偵小説であるとは思うけど。

    それはそうと解説は他の人の言う通り見ない方がいい。大したこと書いてないのに色々と他の話のネタバレさせとる…全員が一度クリスティの代表作を全て読んでる前提のような文章はないだろう…

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著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アガサ・クリスティの作品

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