もの言えぬ証人 (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 14)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300141

感想・レビュー・書評

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  • 書き出しから上手い。死者からの不審な手紙を受け取ったポアロが、またもやあの手この手で聞き込みをして真相に辿り着く。BSドラマとでは人物像などかなり違った。この結末は苦すぎる。ヘイスティングズと犬のボブとの会話?は微笑ましかった。

    • メイさん
      こんにちは、111108さん。

      私、この話最後まで犯人がわからなかったです。犯人がわかってポアロが犯人のところに行って初めてわかり、衝撃を...
      こんにちは、111108さん。

      私、この話最後まで犯人がわからなかったです。犯人がわかってポアロが犯人のところに行って初めてわかり、衝撃をうけたのを覚えてます。事件の終らせ方にも衝撃を受けました。ただ、ドラマと混ざってしまって結末があっているかは自信がないんですが…。

      こんな風に事件を終わらせていいのか?イギリスはこれが当たり前なのか?昔は許されたのか?こんなことを考えさせられた話でした。(--;)
      2022/02/22
    • 111108さん
      メイさん こんばんは。
      コメントありがとうございます♪

      私も犯人わからなかったです!
      そして事件のこの終わらせ方にはびっくりしました。ドラ...
      メイさん こんばんは。
      コメントありがとうございます♪

      私も犯人わからなかったです!
      そして事件のこの終わらせ方にはびっくりしました。ドラマでは犯人は亡くなっておらず、ポアロが一堂の前で犯人を告発してみんながどよめいた、というシーンだったのを覚えてます。

      こんな終わらせ方はちょっと‥ですよね。
      日本の昔のドラマとか小説でも、刑事が犯人を追い詰めたら断崖絶壁から犯人が身を投げるという結末があったような気がします。
      今だと責任問題とかになっちゃうのでしょうけど、昔は身を引く美学?みたいなのがあって犯人が亡くなったらもうそれ以上追及されないから良かったことにしよう、という事なんでしょうかね。もんもんとしますよね(-_-)

      2022/02/22
    • メイさん
      111108さん、お返事ありがとうございます。
      わかります。本当に悶々ですよね。この作品はアガサ・クリスティを読み出して最初ぐらいに読んだの...
      111108さん、お返事ありがとうございます。
      わかります。本当に悶々ですよね。この作品はアガサ・クリスティを読み出して最初ぐらいに読んだので、ちょっとびっくりしました。
      友人にポアロ好きがいて、私の疑問を言ったら111108さんが書いてあるみたいに身を引く美学みたいなことを言ってました。そういうものなのかーと同時に奥が深いとも思いました。(-_-)゛
      2022/02/22
  • 愛犬家としてはたまらない作品。
    依頼人の愛犬ボブが可愛らしいこと。ボブの行く末を案じていましたが、とても良い引き取り手が見つかり良かったです。

  • ポアロのもとに命の危機を訴える資産家の老婦人エミリイからの手紙が届く。しかしそれは彼女が死んでから2か月後のことで、巨額の遺産は遺言状により付添婦の女性にすべて譲渡されていた。

    資産家の老婦人と彼女の財産に群がる親族たちの話は、これまでクリスティのミステリの中で何度も描かれており、それほど新鮮なテーマではない。そして謎の解決も論理的というよりは想像といった方がよいような内容で、もやもや感がぬぐえない。ただこの話、読んでいて楽しいのである。それはなぜかというと、エミリイの愛犬ボブと、付添婦ミニー・ロウスンが心酔している霊媒師、トリップ姉妹の存在が大きい。

    この話はヘイスティングズの一人称で語られるが、ヘイスティングズが勝手にボブの思っている(であろう)ことを代弁していて、それがなんともいえずキュートなのだ。また、トリップ姉妹のうさんくささはもはやギャグといってもよいほどである。そしてこのユーモラスな一匹と二人は思いがけず事件の解決に一役買うことになる。
    ちなみにBSポアロシリーズのドラマでは、ボブとトリップ姉妹は原作以上に活躍する。影の主人公といってもよいほどである。

    ミステリとしては不完全なところがあるが、とにかく楽しいのでまあいいか、と思えてしまう魅力的な作品である。

  • 2022年のポアロの幕開け。タイトルで分かるように故人(エミリイ・アランデル)から手紙が届く。「私事の案件で力を貸してください」そこでポアロとヘイスティングスは依頼者に会いに行くがすでに亡くなっている。関係者に話しを聴くと、彼女の家政婦(ロウスン)が故人の遺書により遺産37万ポンドを相続。エミリイは生前に階段から落ちたり、体調急変により毒を盛られた可能性がある。ポアロは8人の容疑者を特定し、全員から話しを聴く。その際勿論ポアロの「仕掛け=はったり」もある。犯人は外れ~(悲)。壮絶な真相だが消化不良かも。④

  • 亡くなったのは人からの依頼状に興味を引かれて捜査に乗り出したポアロ。
    容疑者はお金に困っている身内数人と、彼らを差し置いて故人の遺言によって全財産を相続した家政婦。

    ポアロがあっちこっちに聞き込みをするんだけど、なかなか大胆な嘘をついたりしてて面白かった。
    犯人はやっぱり最後まで分からない。
    容疑者たちの話を聞いていると皆悪人に見えてくるし…でも犯人は本当に予想外だった。
    あと、タイトルの「もの言えぬ証人」=ペットのボブはさして重要じゃなかったのはちょっと残念。
    でも最後にボブが幸せそうで良かった!

    故人を島国根性って表現している部分がちらほらあったけど、日本と通じるものがあってちょっとクスッとした。
    微妙な日本語や、ヘイスティングスの一人称の使い分けやポアロをあんたと言っているのに違和感もあったりして、ちょっと翻訳は微妙だったかな。

  • ポアロは巨額の財産を持つ老婦人・エミリイから身の危険を訴える手紙を受け取った。だが、それが届いたのは彼女が亡くなって二か月後のことだった!すでに遺言は執行され、その莫大な富の受取人は、なんと一族ではなく付添い婦・ロウスンで──?!ポアロとヘイスティングズは死者からの依頼に応えるとともに、愛犬・ボブの濡れ衣も晴らすことになる!

    過ぎてしまった殺人事件の謎を解き明かす鍵は犬?!エミリイが暮らしていた「小緑荘」でポアロたちを出迎えたのは愛犬・ボブ。「もの言えぬ証人」とはこの子のことか!と思っていたら、記述者であるヘイスティングズが犬語をそれっぽく解釈して、もの言わしていて笑ってしまった。事件の記録者なのに自由すぎる(笑) このボブが大活躍する話かとワクワクして読み進めるも、実はそこまででもないというのが惜しい。あと長い…。

    相変わらず、誰もが怪しすぎてこっちが疑心暗鬼になる(笑) ポアロ自身も伝記を書くんですとか嘘を並べて関係者と接触したり油断ならない。ただ、食い違う証言や心証を事実と照らし合わせて推理していくポアロの手腕はさすが。エミリイからの依頼と思われる手紙の回りくどさも面食らった。あれだけ長々と書いておいて、結局なんのことをお願いしたいんだよ?!と言いたくなる手紙も珍しい。それでも、そうしなければならなかった彼女の気持ちを汲んでの解決を用意するというのは、探偵としての業というか、なかなかほろ苦い味わいのラストだった。

    最後に、解説はシリーズを読破している方以外は読まない方がいいです!!とんでもないネタバレが書いてあります!!もの言えぬ読者になってしまったよ…。

    p.205
    「“彼の話では”とか“彼女の話では”といった推理は、愚の骨頂ですよ」とポアロは言った。「なんの意味もない。それは本当の話かもしれないし、あるいは“嘘も方便”のつくり話かもしれない。いずれにしてもわたしは事実だけしか取り扱わないことにしている」

    p.306
    「ヘイスティングズ。わたしは思うなんてことは、自分自身に対して絶対に許さない主義なんだよ。つまり推察するってことはしないんだね。ただ、いまのところある種の考察はしてますが……」
    「たとえば?」
    「動機の問題を考察している。ミス・アランデルを殺す動機はいったいなんであるか?いちばん明白なことは財産の取得だね。もしミス・アランデルがイースターの火曜日に死んだとしたら、だれが得するか?」

  • 遺産相続をめぐる一族のいざこざはポアロシリーズの十八番で、慣れてきたと思ってましたが、飽きを感じることなく読めました。
    ヘイスティングスによるボブの可愛い翻訳と、コメディ感がありすぎるトリップ姉妹のおかげだと思います。

    今回は、怪しすぎる犯人がやっぱり犯人だったというわけではなかった所も意外でした。
    タイトルがだんだん捻られてきていて、ストーリーと噛み合っていると感じられるようになり、アガサクリスティのセンスに磨きがかかっていると感じられて嬉しかったです。
    "もの言えぬ証人"は、表紙を見た印象だと、ボブのことを言っているのかな、と予想しました。
    しかし、読み終わってみると、命を狙われていることを知りながらも、おそらく真犯人を知らないまま亡くなっていったエミリイのことのような気もするし、狡猾に立ち回ったけれど、ポアロに暴かれた、全てを知っている真犯人のベラのことを指しているような気もしました。

    それから犬が大好きなので、素敵なボブの引き取り手が見つかって幸せです。

  • ポアロもの。

    資産家の老婦人・エミリイから命の危険を訴える手紙を受け取ったポアロ。
    ですが、差出人のエミリイは手紙が届く二か月前に死亡していて・・。
    巨額の遺産を、親族ではなく付添婦のミス・ロウスンに残す旨遺言状変更した理由とは?そして、エミリイが死亡する前に起きた階段落下事故は偶発的なものだったでしょうか?
    ポアロ&ヘイスティングズが、真相解明に乗り出します。
    事情を探る為とはいえ、ポアロが身分詐称はするわ、嘘話はするわ、誘導尋問はするわ、盗み聞きはするわで何でもアリなやり方に、若干引き気味のヘイスティングズでしたが、彼とエミリイの愛犬・ボブとのやり取りには癒されました。(ボブの台詞部分はヘイスティングズの妄想)
    そう、今回は何といっても、ボブの愛くるしさにつきるという感じでしたね。
    真相については、印象操作的なミスリードにまんまと騙されてしまいました。
    ラストでは、ボブが良い引き取り手に託されたようで、何よりです。
    因みに、本書の解説で『カーテン』のネタバレがさらっと書かれていて、未読の私はかなりショックを受けました。
    皆さん、気をつけてくださいね!

    • 111108さん
      あやごぜさん こんばんは。

      ネタバレ、ショックですよね。解説でもそうでしたけど(私はBSドラマで先に知っちゃってたので‥)本作中でもポアロ...
      あやごぜさん こんばんは。

      ネタバレ、ショックですよね。解説でもそうでしたけど(私はBSドラマで先に知っちゃってたので‥)本作中でもポアロが今までの犯人名を言い連ねる場面ありましたよね?
      「これは読んじゃダメなやつだ!」と途中で気づき読み飛ばしました(>_<)
      ある意味危険な本ですね!
      2022/02/20
    • あやごぜさん
      111108さん。こんばんは♪

      そうですよね。
      本文中でもポアロが他作品の犯人を4人程ネタバレかましてましたね(汗)
      解説といい、...
      111108さん。こんばんは♪

      そうですよね。
      本文中でもポアロが他作品の犯人を4人程ネタバレかましてましたね(汗)
      解説といい、そういった意味で確かに要注意本ですね!
      2022/02/21
  • ひとりクリスティ祭継続中。
    いくつか読んでみてわかったけど、クリスティってけっこうネタの再利用…と言うのは少しキツすぎるか、「モティーフの変奏」てことをやっている。こないだ読んだ某作も、彼女の超有名な2作の合わせ技(と言えなくもなかった)し。
    それがいかんというのではない。そうでもなければ、水準以上の作品をこんなにも量産できなかっただろうし。いろんなテクニックやテーマを、何度も自覚的に試行錯誤していたのだということがよくわかる。
    というわけで、本作にも他作と共通するテーマが流れている。ラストはかなり衝撃的だが、その他作を先に知っていたために若干の既視感はあった。そちらを未読の人なら、「!!!」レベルに驚愕するかもしれない。
    いろんなレビューでとっくに触れられていることだろうが、コメディチックな味が楽しい1本。安心して読める、安定のクリスティ。おすすめ。

    おっと、解説は飛ばされることをおすすめする。大御所の評論家らしいが、いろんなネタバレを盛大にかましている、とんでもないものなので。

    2018/7/13〜7/14読了

  • だいぶ好きな作風でした。故人から届いた依頼から動き始めるポアロの調査。関係者を一人ずつ訪問し調査を進める中で、見えて来る人物像からの推理。ボブの心の声も可愛げがあって、アガサクリスティはこんな事もするんですね〜。
    ヘイスティングズがいるから安心して、一緒になんでなんでと、楽しめました。

    • 111108さん
      sundayさん、こんばんは。

      この話私も好きです!結末が悲しいのですが、ボブとヘイスティングズのおかげで救われて明るい雰囲気になってます...
      sundayさん、こんばんは。

      この話私も好きです!結末が悲しいのですが、ボブとヘイスティングズのおかげで救われて明るい雰囲気になってますよね♪
      2023/05/07
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