杉の柩 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房
3.77
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本棚登録 : 586
レビュー : 84
  • Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300189

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭から緊迫感のある裁判シーン、何故こんな状況?ってところから一気に物語に引き込まれる!展開も早く途中手紙のやり取りだけでの語りなど、話の展開にも工夫を凝らしてここまでのクリスティからすると新鮮で、いつものドラマとしての魅力がいつも以上に際立つ。

    クリスティを全巻読もうとクリスティ文庫を前から読んで18冊目、タイトルさえ知らなかったこの作品が、ここまでで一番良かった!

  • エルキュール・ポアロシリーズ#20。

    法廷の場面から始まる、冤罪を晴らす物語。タイトルの寓意が今いちわからなかったけど、これまで読んだポアロシリーズの中で一番よかった。

  • ポワロシリーズを2/3くらい読んでいるが、この作品はミステリーではなくラブロマンスモノと認識している。ラブロマンスとしての評価で★5。たまに読み返したくなる。

  • メアリイを殺す動機とチャンスがあったのは被告人一人しかいない――被告席に座るエリノアは自分に対する起訴内容を冷静に聞いている。事の発端は叔母の財産を狙う女がいる、と警告する匿名の手紙だった。彼女が描いていた婚約者との安定した将来は美しく善良な娘メアリイによって脅かされ…。激しい感情を表に出さず、罪に問われても多くを語らないエリノアを始め、恋より人生設計を真剣に考えていたメアリイ、ウエルマン夫人等に比べると、男性陣はシンプルで影もなく随分と落差があるような。1940年作品。目録を見るとこの時期のクリスティは傑作揃いなのがすごい。



    読了日・感想を編集

  • クリスティっぽい真相ではあったけれど、構成がちがったので、大いに楽しめた。まず、冒頭が裁判から始まる。殺人容疑をかけられた女性。被害者は殺される要素もないような善良な美しい若い女性。
    そこから事件発生までポアロ抜きで話は進み、遺産相続人の女性が逮捕される。彼女を救うべく、彼女に一目惚れした医師がポアロに捜査を依頼。真犯人はラスト15%くらいまでわからず。お見事!(ノ゚∀゚)ノ

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     婚約中のロディーとエリノアの前に、現れたメアリイ。メアリイの美しさにロディーは心奪われてしまう。婚約解消され、エリノアは、メアリイに憎悪を募らせる。ある日メアリイはエリノアの作った料理を食べた後、亡くなる。この事件の前、モルヒネの紛失騒ぎがあり、エリノアの叔母で病身の未亡人ローラ・ウエルマンも謎の死を遂げた。

     裁判が開かれることになり、彼女の無実を信じるロード医師は、ポアロに、調査を依頼。無実を証明しようとしても、どうも、エリノアの黒に結びついてしまう。しかも、相続上の問題も絡んで。看護婦ホプキンズは証人として証言した時も、エリノアに罪をなすりつけたが、誰でも持ち出せる場所に置くってどんな杜撰な管理してたんですかと、逆に叱責されてるのが、胸がすく思いだった。看護婦同士で、他人の個人的な秘密暴露するとか、いけ好かない医療従事者って、よくある話だわ。しかも、悪びれなく意見できる人だし、ポアロさえも騙されかけたって…しかも、お尋ね者だったとは。

     結局のところ、犯人がエリノアあるいはメアリイを、一方または同時に亡き者にしようと、物色していたら、サンドイッチ作ったから食べましょって。それこそ、カモがネギ背負って現れたのだから。でも、エリノアが、水しか飲まなくて、良かった。
     
     余談だけど、 極端に不利な状況とかでなくても、自信がないと発言する時、つい伏し目がちになりそうでも、エリノアがロード医師の方を向いて証言したように、自分の話を聞いてくれそうな人を、見つめ呼びかけるように話すだけで、自信がみなぎってくるってのは、本当なのかもしれない。自分も話せる人が欲しいものだと思った。
     
    2017.12.22読了

  • ローラの姪エリノアと義理の甥ロディーは婚約していました。しかし、門番の娘メアリイを見たロディーは、一目惚れしてしまいます。そのため、ローラが亡くなった後、二人の婚約は解消されます。

    エリノアはロディーを情熱的に愛していたため、「メアリイがいなかったら(p100)」と考えます。そんななか、エリノアの作ったサンドイッチを食べたメアリイは、毒を盛られたことにより死んでしまいます。

    ポアロは事件の真相を捜査しますが、“証拠はすべて彼女の黒をさしていた(p388)”のです。本当にエリノアが殺害したのでしょうか。エリノアのロディーに対する恋心を考えると苦しくなって、エリノアの無実を信じたくなりました。エリノアの無実を証明してほしいと、ポアロに願う気持ちになりました。

  •  このお話はクリスティーの中では比較的登場人物が少なく、また舞台があちこち移動しないのでわかりやすい推理ドラマだと思う。犯人は当てることはできなかったが(^_^;)また、出てくるキャラクタも善良な人が多く、変な言い方だがおだやかな殺人であった。そうしておだやかな結末であった。

     お金持ちの老人の遺産をめぐる殺人事件なのだが、悲惨な財産の奪い合いは一切なく、また遺産のために人を殺すまでの動機もみなさん弱い。いや、ほとんどない。

     物語が進むと隠されていた真実がはがされていくのであるが、それでも犯人にはたどり着くことはできない私。

     この物語が書かれたのは1940年。戦争に突入する頃ですね。モルヒネがもうがんの鎮痛剤として使われていたのか。戦前、日本ではがんはお金持ちの病気だったらしい。貧乏人はがんになる前に栄養が悪くて違う病気になってしまっていたのだろうな。ヨーロッパの豊かさがかいまみえる。また法廷ものでもあるので、やはり緊迫した空気はおもしろかった。

     しかし題名は謎。

  • 2020/01/09読了

  • 著者:アガサ・クリスティ(Christie, Agatha, 1890-1976、イングランド、小説家)

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