ホロー荘の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

制作 : Agatha Christie  中村 能三 
  • 早川書房
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本棚登録 : 505
レビュー : 61
  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300226

感想・レビュー・書評

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  • ホロー荘で催された一泊の集まり。持ち主夫妻の縁戚6人とホロー荘近くに別荘のあるポアロが招かれていた。一夜明けた翌日、医者のジョンがプール際で血を流して倒れ、そのそばにはピストルを持ったその妻が立っていた。その姿をポアロはじめ客が目撃する。見た通りの状況なのか、だが銃痕は持っていたピストルとは違っていた・・

    医者の夫と妻、夫のかつての婚約者の女優、現在心を奪われている彫刻家の女性の三角関係。しかし夫が本当に愛していたのは妻だという。三人の性格を読む小説か。妻は周りからは愚鈍と思われているが、自身ではそれはカモフラージュで本当は利口だと思っている。彫刻家はジョンとの愛に生きているが、しかしジョンの死さえも彫刻の糧にする。女優は15年前に婚約破棄されたがいまだにジョンを思っていてお互い離婚して一緒になろうという。3人の女性どれにもクリスティ自身が投影されているのではないか、とも感じた。

    冒頭がホロー荘の持ち主夫人ルーシーの描写。ルーシーは思考があちこちに飛ぶ人で、その思考の飛び具合を文章で読むのは実際に面と向かって会話するより数倍疲れるのではないか? これを乗り越えるのが大変だった。


    1946発表
    2003.12.05発行 201.9.15第5刷 図書館

  • 以前読んだときは、「暗くて重くて、ぜーんぜん面白くない!」としか思いませんでした。………まったく、どこを読んでいたのか。
    この本は、ガータ、ヘンリエッタ、ミッジ、三人の女の物語です。だれに感情移入するか? それが問題だ。
    そしてジョン・クリストウ。クリスティーが一人の男をこれほど立体的に描いたのは、きわめて珍しいことなのではないでしょうか。
    じっさい『ホロー荘の殺人』は全然クリスティーらしくない。P・D・ジェイムズあたりにも通じるんじゃないかと思ってしまうほど現代的です。
    旧版の中村能三さんの訳者あとがきは遠慮しすぎていてもどかしすぎる。これは新版の勝利かな、と思ったらはやみねかおるさんのこれは………感想文?いったいなんなんでしょうこれは。
    どちらもよくない。引き分けです。

  • タイトル通り、ホロー荘という場所で殺人事件が起こるお話です。

    ポアロシリーズの一つなのですが、ポアロ作品と思って読むとつらいかも。

    どちらかというと登場人物の心理描写がメインの作品で、ポアロは脇役です。

    人間ドラマ部分がしっかりしているのがクリスティ作品の魅力の一つですが、この作品はその部分がメイン。

    人間の嫌な部分というか、うんざりする部分をキャラクターそれぞれにのせているという感じで、キャラクターの書き分けが秀逸でした。

    クリスティは、人間のいろんな面が見えていて、大変だっただろうな。。。

    ミステリが読みたい!という人や、人間関係に疲れているような人は、今は積読しとくのがいいと思います。

    ◇おすすめポイント
     ・登場人物の心理描写がメイン
     ・人間ドラマ(テーマは主に恋愛)
     ・キャラクターの書き分け

    ◇こんな方におすすめ!
     ・人間ドラマを楽しみたい
     ・現実の恋愛でちょっとモヤモヤしている
     ・心理描写の多い作品が好き

  • 確かにポワロが出てきて殺人事件を解決するんだけど、
    推理小説じゃないな、これは。人間ドラマだ。
    あと、割とハッピーエンドが多いなか、これは
    ビターエンドですな。

  • ホロ―荘の女主人は、週末にやってくる親戚たちのことで早朝からそわそわし通しだった。みな素敵人なのだが、一緒にしてはまずい組み合わせなのだ。そして昼食会に招かれてポアロが屋敷に入った瞬間、まるで何かの余興のように事件が起こる……。モラハラ夫と妻、理知的な女性彫刻家、彼女に片思いをする男、その男を想い続ける女など、複雑な心理描写はさすが。水面下で錯綜していた心理の軌跡が姿を現す時の、目が覚めるような感じと苦い味がおみごと。あと、唐突で行動が読めないアンカテル夫人、本当は平野レミみたいなスゴ腕で実に素敵。(1946)

    ※これ、事前情報ゼロ(ドラマも観ていなかった)という状況で読めてラッキーでした。改めてクリスティの巧さを堪能できたました。

  • すっ、と読めた作品。すっ、と読みすぎたのか、殺人の場面が印象に残りすぎ、その後の周りの人たちの攪乱部分に意識がいかず、最初の印象の犯人候補が犯人だと最後まで思い込んでいました。

  • 被害者の目線で、被害者が死ぬまでのことが書いてあるのがなんとも切なかった。被害者目線でかかれていたせいか、そこまでひどい人には思えなかった。
    しかし、なぜみんながみんな真犯人をかばったのだろう? 面白半分というのが理由なのかな?いまいち腑に落ちなかった。しかし、ルーシーの会話など、モデルはいたのかしら。架空の存在であんな頭のぶっとんだ人を書いたのだとしたら、すごすぎる。
    エドワードとミッジが結ばれたのは、ほっこりしたー。

  • 再読。初めて読んだ時は印象が薄かった。恐らくポワロの活躍が少なくて推理らしい推理が見られなかったから。しかし、再読すると、ミステリーの要素よりも人物描写の素晴らしさが際立って思えた。愛には色々な形があり、そのどれもが理解できるからすごい。

  • ◆◆ ベッドでミステリー ◆◆
    ・・・ 第一回 「ホロー荘の殺人」 ・・・

    今年から短編に相変わりまして、ミステリーの長編のご紹介をしたいと思います。
    なんか最近、手応えのある小説がなーい~、夜寝る前になんか読みたい~、と思ってるかた、ぜひどうぞ。


    アガサ・クリスティーの作品のなかでも、ほぼ無視されてるだろう一冊ですが、そして確かに地味ですが、おまけにわかるひとにしかわからないだろう一冊ですが、物語読みなら一度は読んで損はないですよ、の一冊です。
    犯人はすぐわかっちゃう。
    この話のテーマは、動機です……。
    なんで殺したの?
    です。

    でもって、これ以上説明できない。
    でも女性なら、わかるよなぁ、になるだろうと思います。
    クリスティーって、こんなのも書けたんだ、ときっと思うと思います。
    たいした作家だったんだよ、彼女は……。
    差別と偏見がなきゃ、もっとよかったんだけどね。

    2018年02月06日

  • 誰も自分自身がとても大切にしている人について気づきにくいものであり、大切にしているからこそ何においても守りたい。願いを叶えたいのだと思いました。
    推理する作品というよりは、一人ひとりの足跡や思惑を辿って、一つ一つ前へ進んでいくための作品であると感じています。

    作品関係ないのですが、自分の中で一番びっくりしたのが、解説書いている人が「はやみねかおる」氏だったことなんですよね。はやみね氏作品→クリスティ氏作品の順に読んだので、私にとってミステリの入り口付近にいた人の感想を読めたことが内容ぶっ飛ばして印象的でした。

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