マギンティ夫人は死んだ (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 24)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300240

感想・レビュー・書評

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  • クリスティ作品にしては珍しく、女中の殺人事件。
    登場人物が多く、読んでいてあっちこっちに色々と展開してゆき、また、他作品と比べても、いやらしいミスリードが多い作品であった印象。
    しかし、最後にスッキリ解決するのはさすが。

  • ポアロ
    ポアロ出ずっぱり。ヘイスティングズは「いてくれたらなあ」と心の中でつぶやかれるだけ。登場人物が多くて、読むのに苦労した作品。それと私とは翻訳家が合わないみたい。余りにも古くさく感じて、スムーズに読み進められない。訳者の田村隆一氏は1923年生まれ!全く関係ないが調べたら5回結婚していた。すごい!この訳者のクリスティー作品は新訳に切り替わっていっているようだが、この作品も含めまだのものも新訳で出して欲しい。「魔術の殺人」もこの作品も新訳で読みたかった。

  • 裕福でもなければ名声もない掃除婦のマギンティ夫人が殺された。
    スペンス警視は一人の青年を逮捕するが、何故か納得できない。
    そこでポアロに再調査を依頼する。
    彼女の身辺を調べる中で浮上したのは、過去の四つの事件と四人の女性。
    この事実が今回の殺人事件にどう関わってくるのか。そこを探る過程が面白い。

  • 登場人物が多く序盤は全体像を掴みにくい。物語が進むにつれて少しずつ真実が明らかになっていき、少ない手がかりからポアロが論理的思考で犯人を絞り込んでいく様子はいつもながらに痛快。ひとつ残念なのは、かなり前に翻訳されたものなので全体的に言葉の選び方が古いところ。海外ミステリの犯人に「下手人」という言葉が使われているのは今の時代には合わない。言葉は常に進化するものであり翻訳物が古くなってしまうのは致し方ない。名作だけに早々に新訳が発刊されることに期待したい。

  • ポワロシリーズを読んでいて、初めてポワロの「老い」を感じた。話の内容としては、先が気になってとまらない、というようなものではなかったし、登場人物も今までよりもそれぞれが存在が薄いような印象だった。といっても、疲れているときに読んだから、自分の想像力がそれほど働かなかったのも影響しているような。

  • 調査の為にポアロが町を終始移動し続け関係者を訪ねていくハードボイルド的展開です。犯人は意外ですし、小さな謎の解決も鮮やか。ポアロが不味い料理に悪戦苦闘する様子やミステリー作家アリアドニ・オリヴァ夫人の言動などコミカルな要素もあって楽しめましたが、死刑執行前に解決しなければならないというタイムリミットものなのに緊迫した様子を感じられないのは残念に思いました。

  • ヘイスティングズのことを懐かしんだり、若い人に自分の名前を告げても何の反応も示されなかったり、そんなポアロをみてると年をとったんだなぁ、と思う。

  • 過去の悪女たちと現在の女性関係者たちが、
    途中でこんがらがってきそうになる。

    最後に関係者全員を集めて推理を披露するくだりは、
    お約束のパターンなのだが、読んでいる方は妙な安心感がある。

    冒頭でポアロがヘイスティングスのことに言及していたが、
    相変わらず愛のある罵声で笑ってしまった。

  • 、『マギンティ夫人は死んだ』。クリスティが生み出した名探偵、エルキュール・ポアロシリーズ。それほどわたしには印象がある作品ではありません。なんでだろう?地味だから?興味引かれる登場人物がいなかったから?

    ※注意。以下、ネタバレあり!

    あらすじは例によってamazonより。


    ポアロの旧友スペンス警視は、マギンティ夫人を撲殺した容疑で間借人の男を逮捕した。服についた夫人の血という動かしがたい証拠で死刑も確定した。だが事件の顛末に納得のいかない警視はポアロに再調査を要請する。未発見の凶器と手がかりを求め、現場に急行するポアロ。だが、死刑執行の時は刻々と迫っていた。


    というわけでポアロは事件という餌を狩にいく猟犬になる。マギンティ夫人。英国のどこにでもいるようなおばあさん。彼女は何故、殺されたのか?

    この何故、殺されたのか?というところの理由ははっきりとしているのですが、そこにいたるまでの流れがそんなうまくいくもんだろうか?と思っちゃうんだよね、正直・・・汗。1952年作ということなので、クリスティが60に入った頃の作品。前後には『予告殺人』『魔術の殺人』、『葬儀を終えて』、『ポケットにライ麦を』など珠玉の作品が並んでいる。ま、全盛期にはやや劣りますが、それでもこの頃は第2の全盛期と思っちゃうぐらい、わたし的お気に入りの作品がズラリと並んでいる。

    ま、かなり強引な『バグダッドの秘密』もありますが・・・汗。ケッコー好きなのよ、コレ。

    いわば、そんな脂の乗った時期に書かれた作品、『マギンティ夫人は死んだ』。

    改めて読み返してみると若い頃には目がつかなかった箇所がストーンと頭に入り、今となってみると、「ああ、やはり、クリスティはクリスティ」と思っちゃいました。ええ、よかったです。ミステリーだけではない。ポアロの描写にユーモアたっぷり、登場人物個々の心理描写に時間がたっぷり。生意気な言い方ですが、第1次全盛期になかった余裕と軽やかさ、そして、話に空間があるように感じました。そして、それが一方で物足りなさに繋がったのかもしれませんが。今、読み返してみると、ニンマリとしちゃいました!

    冒頭はいつものように一流レストランでエスカルゴを堪能。ええ、グルメな彼ですからね。

    でも、中盤からはサマーヘイズ夫人のおよそ秩序とかけ離れた宿屋と料理に四苦八苦。腐った(?)マメやら、怪しげなプディングから逃れるために四苦八苦する彼に哀れみと愛しさを覚えます!ええ、これぞポアロ!!!

    で、肝心のミステリーですが・・・ええ、ミステリーはミステリーとしてきちんと成り立っています。すなわち、「誰が何のためにマギンティ夫人を殺したのか?」と。ただねー、そのヒントを見つけ出す手段はまー百歩譲って許すとしても、その後の犯人の動きが・・・おいおい、犯人さん、ちょっとそれは頭、回りすぎなんじゃ・・・と思っちゃうのです。

    そして、色々なことが伏線としてまかれているのですが、そんなに都合よくそんなに色々なことがこんな狭い村にくるわけー?と考えちゃいました。ま、ミステリでそれは言っちゃダメですがね・・・

    加えて、しつこいけれど、犯人がたてる犯罪のお膳立てに「?」になっちゃいましたwどんだけ、頭がまわるんだよ~ありえね~だろ・・・と。・・・ああ、正しいミステリ読みにならなくては・・・汗。ロビンはそんなに頭がまわるオトコか?と。アリアドニ・オリヴァ夫人と舞台ストーリーをも思うように動かせないオトコにそんな巧妙な設定と心理がよめるのかしらね~、と。

    とはいえ、純粋に面白かったです。また何度も読み返すことでしょう。

  • 冒頭ポアロがメチャクチャ残酷で黒いんですが。
    ヘイスティングスをモナミといいながら馬鹿(比較対象)がいないと自分の頭脳は冴えないというエゴを告白し。

    そんなポアロが大好きだ。
    ただ、滑稽な見た目のデビット・スーシェにはそぐわないけど。
    ポアロ好きだ!

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