死者のあやまち (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房
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本棚登録 : 347
レビュー : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300271

感想・レビュー・書評

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  • 真相はなかなか大胆ですし、細やかな伏線、ある人物の証言がダブル・ミーニングになっているところなどクリスティの巧さが光ります。
    ただ、犯人と対峙し徐々に追い詰めていくというポアロの見せ場がない、全てを知っている人物が最後どうなったのか分からないなどカタルシスを感じられない展開がいまいちな印象を与えています。

  • 腐臭の漂う佳作です。

    『葬儀を終えて』で大英帝国の弔辞を読み、
    『ヒッコリー・ロードの殺人』で若者を描いて
    無残にも失敗したアガサ・クリスティー。
    本作で彼女の現実嫌悪は最高潮に達する。

    話の展開そのものは軽やかでスピーディー、
    謎解きもこの時期(1956年)はまだしっかりしています。
    (特に冒頭の大胆な複線には驚かされる)
    章の終りごとに意味ありげな一言をつぶやかせ、
    読者の気を引くテクニックはさすがの貫禄。

    けれどそこに流れる空気の重苦しさといったら!
    明らかにクリスティ-好みの老婦人が
    「ほんとに腐りきった世の中ですわ……」とつぶやき、
    現在どころか過去まで怪しくなる。
    「昔はよかった」さえ通用しなくなり、
    老人は内堀を埋められてゆく。

    そんな陰鬱な雰囲気を救うのが
    三度目の登場、アリアドニ・オリヴァ夫人。
    今回はポアロを現場まで呼びつけて大活躍します。

    彼女が考えた謎解きゲームにただ一人正解した
    「なんだかものすごくねばるお婆さん」
    もしかしたらミス・マープルだったりして!?

    ポアロが同時代と接点を持つのはこれが最後。
    『鳩の中の猫』以後はファンタジーに傾斜する。
    老いとの闘いは、そう、ミス・マープルに一任され、
    『鏡は横にひび割れて』『バートラム・ホテルにて』では
    あのすばらしい……いや、これはまた別の話。

    旧版は解説なし。
    解説があったりなかったりする不公平感に
    くじ引きのような面白さを感じないでもないけど、
    やっぱりちょっと残念ですね。

    新版は横井司さん。
    二代目ワトスン役オリヴァ夫人、
    あらすじ、
    ピーター・ユスチノフ主演のテレビ映画、
    別の作品との関係。
    解説の役割をきちんと果たしている。
    新版の勝ちです。

  • ブックオフ。少し読みづらいが、筋には直接関係ないポアロのセリフ回しがよい。ジグソーやりたくなってきた。

  • ナス屋敷で屋外パーティが開かれ、余興に殺人犯探しゲームが行われる。筋立ては小説家のオリヴァ。ポアロは賞金渡し役にと呼び寄せられる。ところが犯人役の少女が本当に殺されてしまう。そしてナス屋敷の主人の妻、ボート小屋の老人までも殺される。

    書かれたのは1956年で、お屋敷が売られてユースホステルになっている、とか、ユースホステルの客が皆外国人で北欧とかイタリアとかでしかもショートパンツ姿、などという当時の状況が興味深い。そして古くからあるナス屋敷の女主人は息子二人が戦死して相続税で家を失ったが、新しく買った人の好意で庭さきの番小屋に住んでいる、という設定。戦後の社会の変化を取り込んだ作品。

    これはドラマの記憶がわりと残っていて、読んでいてもそのパーティの情景とか、ヒッチハイクの少女とかボート小屋とか、占い小屋、なによりオリヴァの衣装が頭の隅にあった。が、犯人はまったく覚えていなかった。実は○○は△だった、ということがあったようだったかな、とおぼろげな印象はあったのだが。

  •  被害者に、殺される理由がまったく見当たらず、警察の捜査も、ポアロの推理も一向に進展しない、ていうのは、結構珍しい展開??
     ポアロ自身も、何が何だか??? て感じになってるのが、何か珍しい感じがした。

     最後まで読んでみて、いろいろと作り込まれている作品だと実感した。


  • 中編のポアロとグリーンショアの阿房宮 の後、再読。
    骨子は中編と大差はないが、物語の流れや結論に行き着くまでの経緯は、本編の方が面白かった。

  • エルキュール・ポアロシリーズ#30。

    後で知るとタイトル(原題)の中に既に核心が含まれていて、ヤラレタ!って感じ。

  • 平成最後の正月に読了。

    ポアロににいつもの”冴え”が無いように感じ、冒頭のオリヴァ夫人の登場や事件が起こる前のワクワク感?を過ぎたあたりから正直面白く感じられなかった。

    ただ!残り10パーセント位で、、怒涛のようにバラバラに見えた伏線が活き始め、形を成し、パズルがガチッとハマって1つの画が現れるのは凄いとしか言いようが無い。
    それまで警察とほぼ並行してた(ように見えた)ポアロが一気に解決に向かって動く様は見事!
    素晴らしかった。

    今回の主役とも言えるフォリアット夫人の苦悩に心が痛んだ。
    毎回思うけど、アガサクリスティーは事件を描いてるというより、人の内面を描いているのだと思う。ポアロが、彼女の分身と言われるオリヴァ夫人のことを、人の性格を一目で正確に言い当てることができる、と評しているのも面白い。

    しかし、阿房宮という意味も初めて知ったし、過ち、という英語との二重の意味合いも言われないと気付けないのは言語が違う限界か、、

  • どうも登場人物が把握しきれないうちに事件が起こり、よくわからないうちに終わってしまった。なんとか解決部分から事件部分は理解できたような気がした。さて、最後の画面から次はどうなるのだろうか。犯人の自殺とかで終わりそうにはないような気がするが。

  • 2018/04/20読了

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