複数の時計 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房
3.18
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感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (501ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300295

感想・レビュー・書評

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  • ポワロおじさんはソファに座って事件を鮮やかに解く。
    スパイもののような展開もあり、その時代の、というか、語り手の?社会主義に対する目線もあり、おもしろい。
    読むのに、ちょっと時間がかかりましたか、ね。

  • ポアロはほとんど登場せず。
    おいしい所だけちゃっかりと持っていく。

    主人公の出番が少ないのは
    「バートラム・ホテルにて」と似ているが、
    それと比べると物足りない。
    ポアロもので彼の出番が少ないのはいまいちかも。

  • ポアロシリーズ久しぶりだぁ。
    でも、あんまりポアロ出てこなかった。。。の割に、面白かった。
    最初読んでたときは犯人を予想出来てたんだけど、いろんな人が次々に出てくるもんだから、頭の中こんがらがったよ。
    ほんと、ポアロの言うように真相は単純だったわけですね。
    しかし、その犯人とは別に衝撃的な真実も最後にわかってびっくりしました。あれは予期せぬことだった。
    盲目のペブマーシュさんの毅然とした態度、素敵です。
    もっと、彼女を登場させてもらいたかった。
    したら、もっと感慨深いものになったのに。。。ざーんねん。

  • 思わせぶりなタイトルだなあ。
    思わせぶりなタイトル…ということがポイントなのかな。
    あまり印象に残らない話だった。
    ポワロの出番も少ないし。

  • ポワロ作品

    【あらすじ】
    タイプ事務所に勤める女が訪ねた家で男の死体が見つかった。死体のあった部屋には複数の時計が置かれていたが、事件の後処理の最中、その1つがなくなった。別件で付近にいた情報機関の男は、警察と一緒に聞き込んだ情報を持って、ポワロの元を訪れる。

    【感想】
    今回、ポワロはあまり表に出ず、情報機関の男の目線で多くが語られている。話の構成としては、住民の聞き込みから不審な点を調査している内に、気になる動きを見せた人物が魔の手に…という展開になっている。
    序盤に興味を引く伏線が幾つか張られているのだが、あまり意味が無かったり、軽い説明で片付けられるため、全体的に拍子抜けしてしまう点が残念。タイトルの「複数の時計」もさほどトリックには関係なく、読み始めの期待が裏切られた感が残る。
    なお、本中にはポワロを通して語られる推理小説の批評があり、古典が好きな人は読んでおく価値はあるかも。

  • ポアロが安楽椅子探偵でまるでマープルみたいだった。犯人だけでなく親子関係や被害者の正体まで推理しながら読めるので面白い

  • 中学生の時から、どうしても途中で退屈になっちゃって、どうしても最後まで読めなかった。私にはまだ早いということなのだろうか……。もう二十を過ぎたというのに。

    またいつか再挑戦したい。

  • ポワロの出番が少なくて残念。意外な結末には驚いた。

  • エルキュール・ポアロ・シリーズ

    秘書派遣会社から派遣されたシェイラ・ウェッブが尋ねた家にあった謎の男の遺体。持っていた名刺からカリイという名が浮かび上がるが・・・。実在しない会社。現場から飛び出したシェイラと出会ったコリン・ラム。現場に残された4つの時計の秘密。消えた1つの時計。コリンが援助を求めたポアロ。安楽椅子探偵のポアロ。検死法廷の日に電話ボックスで絞殺されたシェイラの同僚エドナ。被害者の妻だと名乗り出たマリーナ・ライヴァル。派遣会社の所長マーティン・デール女史。殺害されたマリーナ。隣人のブランド夫人の証言に隠された秘密。

     2011年11月3日読了

  • んん、コレクターズアイテムですよね、これは。
    クリスティーは面白い小説を書く人として有名ですが、
    面白い小説を読みたい人は読まない方がいいです。
    ポアロが(つまりクリスティーが)ミステリ論をぶつ、
    いや、論というよりは寸評か、そういうところが唯一
    面白いので、第十四章だけがおすすめです。

    オリヴァ夫人は名前だけ登場。
    ポアロはこんなことを言ってます。
    「当時はまだ若かったから、無茶にもフィンランド人の探偵を登場させたりしているが、
    あのひとはフィンランド人もフィンランドという国についても、
    たぶんシベリウス以外は、全然知識がないことは明らかだ」
    わははははは。無茶にもベルギー人の探偵を登場させた
    ある若きイギリス人作家とそっくりですね。

    ポアロは、ミステリの古典については実名を挙げ、
    同時代の作家は名前を変えて論じています。

    古典でいうと『レブンワース事件』(『隠居殺し』)
    『アルセーヌ・ルパンの冒険』『黄色い部屋の謎』
    そして『シャーロック・ホームズの冒険』。
    「シャーロック・ホームズではない! その作家だ。
    アーサー・コナン・ドイル卿にわたしは敬意を表す」
    なんてあたりはさすが負けず嫌いのポアロ。

    名前を変えた作家が実際は誰なのか、考えてみます。
    まずアリアドニ・オリヴァ。
    これは某ミステリの女王以外考えられませんね(笑)。
    シリル・クェイン。アリバイの巨匠。
    てことはクロフツか。
    秩序好きのポアロはお気に召したようです。
    ギャリイ・グレグソン。スリラーものの多作家。
    流血が多い。つまりエドガー・ウォーレス。
    ポアロは「わたし向きの紅茶ではないね」と切って捨てた。
    フローレンス・エルクス。アメリカの女流作家、
    陽気で活気に満ちていて「酒類にとりつかれている」
    ということはクレイグ・ライスでしょうね。
    ルイーザ・オマレイ。
    フランスの犯罪小説を代表する女流作家。
    カトリーヌ・アルレーのことでしょうか。
    「実にたくみなものだよ」
    ジョン・ディクスン・カーだけは実名で出ました。
    しかし論じる前に聞き手が逃げてしまう。残念!

    「ハードボイルド派についてはどうお考えですか?」
    と聞かれたときの答えがおかしい。
    うるさいハエか蚊でもはらいのけるように手を振って
    「暴力のための暴力かね? いったいいつからあんなものが興味を持たれだしたのかね?
     わたしなどは警察官をしていた若い頃に、じゅうぶん暴力を見てきているよ。ばからしい。
    医学の教科書でも読むほうがましだよ」
    チャンドラーへの意趣返しかな?

    事件はなんのひねりもなくダラダラと続く。
    被害者の身元が延々と分らないままという点では
    『チャイナ・オレンジの秘密』や『ながい眠り』に
    似ていなくもない――なんていったら
    クイーンとウォーに失礼なくらい退屈。
    これが五十頁くらいだったらまだ読めたかも……
    と改訂を試みたところで詮ない話。

    しかしあの『寒い国から帰ってきたスパイ』と同じ年に
    こんな気の抜けたスパイものが書かれていたとは。
    (そうなんですよ、一応スパイ的な要素もあって)

    物語の青年主人公はコリン・ラムという名前。
    彼はスパイなので、ラムというのは偽名ですが、
    この話は『ラム君、奮闘す』なわけで、
    もしかしてポアロはバーサ・クール?
    そういえばポアロはいよいよ浮世離れしてきて、
    全然動いてないんですよね。
    ラムの父親はポアロとオリヴァ夫人の友人であり、
    「あれだけ活躍した警視さん」。
    ということは、彼の父親はバトル警視?
    (スペンス警視だったら笑えるけど)


    旧版は橋本福夫さんの訳者あとがき。
    「正直なところわたしは子供ぎらいであり」と打ち明け
    作中で引用されている『鏡の国のアリス』に少しふれて
    汽車の中で三人の少女と偶然仲良くなったことを報告し
    「わたしがチョコレートをポケットにしのばせていたりしたことは、
    わたしを知っている人にとっては謎だろうが、
    推理愛好家のためにそれは謎のままに残しておくことにする」
    橋本さんって変な人だなあ。
    たしかサリンジャーの“The Catcher in the Rye”を
    日本で最初に訳した人でしたね。
    (そのときの邦題はなんと『危険な年齢』!)

    新版は柿沼瑛子さんの解説。
    イギリス人にとっては子供より犬の方が地位が高く
    いつでもどこでもチョコレートをぱくつくということ、
    なぜかサラ・コードウェルがクリスティーと並んで
    「もっともイギリス的」な作家だといういきなりな断定、
    女王の後期は幻想小説の要素が濃くなるという指摘。
    しかし1926年発表の『アクロイド殺し』を中期の円熟期
    に分類するのはちょっと乱暴すぎやしませんでしょうか。
    ん~、柿沼さんも変な人だなあ。
    ゲイ小説ややおい小説(いや、今はBL小説か)を
    早くから翻訳してきた先駆者です。

    今回は……珍対決ですね。
    どう比べたらいいのやら。
    橋本さんも柿沼さんも我が強そうな人で、
    この二人を研究するといろいろ面白そうなんだけど
    解説としては、さて?
    え~、こりゃ引き分けしかない!

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