ハロウィーン・パーティー (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房
3.25
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本棚登録 : 823
感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300318

感想・レビュー・書評

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  • 映画になると聞いて読んだが、全くヴェネツィアが出てこない…?名前だけ借りた別物かもしれない。
    マイケルの美男ぷりと所業の落差はすごい。ミランダが可愛いが、ほぼ元凶で驚いた。何も悪いことはしてないが。

  • ハロウィーン・パーティー
     ティーンエイジャーを集めたハロウィーン・パーティーと凄惨な殺人事件が対比になる作品。子供の無邪気さ、残酷さ愚かさを描き、また事件の真相がどこにあるのかを読者はポアロと一緒に辿る事になる。
     ジョイスというと少女が「殺人事件を見た事がある」と発言し、その後に殺害されてしまう。ポアロが調査を重ねていく中、どうやらジョイスの本質は誰かの気を惹きたい為に嘘を付く事があり、誰かが経験した事をさも自分が体験したかの様に語る事がある。という事実がわかる。
     嘘の本質が解れば今回の事件の概要が推測出来るが、僕自身は残念ながら最後まで気が付かなかった。物語の本筋を少し道をずらして読者を驚かす手法はクリスティの専売だが、今回は流石に気がつかなければならない(笑)(ミランダがジョイスに言ったことを、ミランダがパーティーに参加していない機会に然も自分が経験したかの様に語り、実際に作中でミランダの優先順位が高い理由がここにあった。)
    現在発生した殺人事件を起点に過去の4つ事件に遡る。舞台の地にスペンスが引退して住んでいる事を思い出し彼を訪ねる。ポアロは仲間にスペンスと彼の妹を巻き込み(当然、オリヴァ夫人は参加している)、過去の疑わしい事件、未解決事件を紐解いていく。そして、全く関係ない様に思われていたいくつかの事件が関連性を持っている事がわかり、事件は二転三転する。
     フィクションであるが、子供が殺害され、第二の殺人も子供(更に・・・)という事もあり、余り気持ちいい作品ではない。特に彼女達の母親と姉には同情してしまう。
     作中、神秘的な庭園と芸術家(造園師)が登場し、事件とのコントラストが巧みだ。ミランダが芸術家のマイケルと打ち解ける背景があるのだが少し情報を盛り込み過ぎと思う。この辺りはシンプルでも良かったと感じる。犯人の意外性という手でも、確かに意外ではあるが納得できてしまう範囲内だ。クリスティは衝撃的な結末をつける作品が沢山あるが今回は物語の本質に導かれるまま、真相究明、結末に至っている。
    今作はクリスティの晩年の作品という事で、ポアロシリーズではこの次が「象は忘れない」で最後が「カーテン」になるとの事だ。余り年代は気にしなかったが、意外に「象は忘れない」が実質シリーズ最後だという事は感慨深い(僕は結構早い時期にこの作品を読んだ)今作でも過去作品の回想が幾つか挟まっており、直近で読んだ作品の"その後"を知る事が出来て楽しい。(メドウバンク校が復活の兆しがある事が嬉しく思う)
    とにかく楽しむべき部分と邪悪な部分がバランスよく描かれている作品だ。少し情報量が多い事と、似通った名前が多い事(これはイギリス人でないから仕方がないだろうが)が読みづらさになってしまったが、それでも満足できるミステリーだ。

  • 積み本の中から発見。色んな所に伏線が散りばめられていて、正統派の推理小説と思わせる内容でした。ただ、ポワロの関係者からの情報収集が長過ぎて、途中で退屈に感じる事が多々ありました。

  • 星は3と4の間…面白かったと言えば、読み終えるくらいには面白かった。
    あまりミステリは読まないし、クリスティー作品も遥か昔に読んで何も覚えていない作品が1-2くらいなので笑、ほぼ初。この作品は結構マイナーなようなので、他作品も読んでいこうと思います。映画の原作になっているとのことで、そういえばその映画のトレイラー見たなと思い出しましたが、全然話が違っているようなのも逆に気になる。
    私は神田にあるサロン・クリスティのハロウィン・イブニングティーにこの前行って、それが縁で読みました。見た目が可愛すぎる!と思って行ったので、原作読まずに行ってしまったのですが、これはちゃんと読んでから行くべきでした。料理もめちゃくちゃ美味しかったので、絶対次も行くと思っているんですけど、もう早速予習するのが吉ですね(『クリスマスの殺人』)。

    話に戻すと、筋というよりかは、時代特有の見方のようなものが面白かったですね。"精神病患者"は病院にぶち込んでおかないといけないのに、とか、近頃は若者の犯罪率が高いとか、69年だもんな発売…という感じ。クリスティってこんな感じなのか、というのもしっかり認識できたので面白かった。
    話の筋自体は、最後まで犯人わからなかったけど、ネタ明かしをされても、まあそういうこともあるでしょうね、くらいで、なるほどー?!とか、まじか!!とかには全くならなかった笑
    マクベス夫人とナルキッソスのたとえは興味は引いたけど、あくまでバラバラに形容されているだけなのでキュンというほどでもなく…。
    最後の最後の「イフィゲネイア。アガメムノンは、自分の船をトロイアまでやってくれる風を呼ぶため、おのれの娘をいけにえに捧げました。マイケルは新しいエデンの園を手に入れるために、自分の娘をいけにえに捧げようとしたのです。」…「ポアロは答えなかった。彼の心には、異常なほど美しい一人の青年の姿が形をとりつつあった。その青年は<もろ刃の斧>のしるしのある巨石のそばに横たわり、その生命のない指には、彼のいけにえを救いだし、彼を正義の裁きに引き渡すために、突如として報復の手が襲いかかったとき、とっさに奪いとって飲みほした黄金の盃が、しっかりと握られていた」という最後は好きでした笑笑
    美を体現する男の、うつくしい死で、私の目はごまかされている

  • ポアロもの。
    ハロウィーンのこの時期に読みたいと狙ってチョイスしました。

    ハロウィーン・パーティーの最中に、参加していた少女がゲーム用のリンゴを入れていたバケツに首を突っ込んで溺死しているのが発見されます。
    死亡した少女・ジョイスは、パーティーの準備の時に「以前に殺人現場を目撃したことがある」と言い張っていました。
    件のパーティーに参加していたオリヴァ夫人は、ポアロに真相解明を依頼しますが・・・。

    そういえば、先日公開された映画『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』の元ネタがこの作品とのことですが、ベネチアのベの字も出てこなかったのですけど・・(^-^;?
    映画は見ていないのですが、一体どのあたりを原作から拾ったのか、却って気になりますね。
    閑話休題。
    殺されたジョイスの発言を吟味する為、情報を集めたところ、この地域で起こった過去の犯罪や遺産相続をめぐるトラブルが浮かび上がってきます。
    そして、ポアロの住民への地道なヒアリングによって複雑な人間模様が炙りだされる中、第二の殺人が起こったり遺言補足書の件で新たな事実が判明したりと、なかなか入り組んでくる展開に。
    “一体どう収集つけるのかな・・”と、思っていたのですが、そこは我らが“灰色の脳細胞”・ポアロ。
    点と点を見事に結びつけて真相解明していく様は、毎度のことながら感心してしまいますね!
    犯人の意外さと、その元凶ともいえる人物の狂気に戦慄です。
    そして、“もう一押し”という感じでぶっこんできた、ある少女の出生の件も驚かされましたし、その伏線的な場面を読み返すと本人達に自覚は無いとはいえ、ちょっと鳥肌でした。

    因みに、本書の解説でハロウィーンのドンチャン騒ぎは“幸いにもこれだけは日本には定着しなかった”とあるのですが、多分これ約20年程前に書かれていますよね・・。
    残念ながら、令和の現在、定着どころか“渋ハロ”みたいに社会問題にもなっておりますよ~・・と、遠い目になった私なのでした。

    • アンシロさん
      あやごぜさん、こんばんは。

      アガサ・クリスティにはハロウィンにピッタリの1冊もあるんですね(^^)

      先日『そして誰もいなくなった』を読み...
      あやごぜさん、こんばんは。

      アガサ・クリスティにはハロウィンにピッタリの1冊もあるんですね(^^)

      先日『そして誰もいなくなった』を読み終えました。世界で長く愛されている作品を大人になってから初めて読んだような気がします。時代背景や翻訳で難しい表現もありましたが、すごく楽しめました(^^)別の作品も読んでみます!
      2023/10/31
    • あやごぜさん
      アンシロさん。こんばんは♪

      はい☆彡クリスティーはハロウィーンやクリスマスといった、英国ならではの雰囲気が楽しめる作品があるので、その...
      アンシロさん。こんばんは♪

      はい☆彡クリスティーはハロウィーンやクリスマスといった、英国ならではの雰囲気が楽しめる作品があるので、その時期に狙って読むのも楽しいですよ。

      『そして誰もいなくなった』を読まれたのですね~。
      確かに訳の関係で古い言い回しや表現だったりするのですが、それを凌駕する秀逸なプロットですよね!
      ぜひクリスティーの他作品も読んでみて下さいませ(^^♪

      あ、先日アンシロさんに教えて頂いた、東野圭吾さんの『秘密』読みました~。面白かったです~♪
      2023/11/01
    • アンシロさん
      こんばんは、あやごぜさん。

      ハロウィーンやクリスマスも(^^)英国の雰囲気ですか、素敵ですね〜!時期を意識して読んでみますね。いい事を聞き...
      こんばんは、あやごぜさん。

      ハロウィーンやクリスマスも(^^)英国の雰囲気ですか、素敵ですね〜!時期を意識して読んでみますね。いい事を聞きました(^_^)v

      とても読みやすかったです。タイトル通りにみんないなくなったので、ん?犯人は??えぇ〜どういう事??って感じでした笑。70年近くも前からこんな作品が存在してたなんてすごいなと感動しました!

      『秘密』楽しんでもらえて良かったです(^^)娘の体に魂が宿るっていうあり得ない設定なのに、日常の描写にはリアルさがあって。そっか、そうなるか〜って納得してました笑。(同級生と恋愛に発展しそうな場面、それに対しての嫉妬。いくら家では夫婦として過ごしていても姿は娘で、触れる事さえ躊躇うなどなど)
      2023/11/01
  • 推理作家のオリヴァ夫人を迎えたハロウィーン・パーティで、少女が突然、殺人の現場を目撃したことがあると言いだした。パーティの後、その少女はリンゴ食い競争用のバケツに首を突っこんで死んでいるのが発見された!童話的な世界で起こったおぞましい殺人の謎を追い、現実から過去へと遡るポアロの推理とは。

    映画化されるというのでこれは予習せねば!と読みました。新訳版が出ていたのに気づかなかった。小さな子供が犠牲になるのは悲しいんだけど、ある意味自業自得な面もあって余計にぐさっとくる。嘘つきや脅しは良くないですね。犯人は種明かしまで全然分からなかった。読み返すと伏線があってクリスティのすごさに毎回感動する。昔の事件と今の事件がつながるって面白い構造で、最近増えてますけど当時は少なかったんじゃないかな。
    ちなみに映画はあまりに違い過ぎて原作とは完全に別物と思った方がよいです。。。ホラーっぽいし舞台も登場人物も違いました。

  • 映画の公開の前に原作読みたくて、読んだ☆彡
    女史の作品は登場人物が多いしカタカナ(当たり前)だから、何度かこれ誰だっけ?となりながらも、、なんとか読了!

  • ミセスオリヴァ
    p64マギンディ夫人
    りんごの水
    ディンドンベル子猫は井戸の中
    ギリシャ
    生け贄
    マクベス夫人とナルキッソス

  • ポアロシリーズ31作め。
    映画が公開されたということで、鑑賞前に原作に触れることにした。やっぱり視覚からの情報はインパクトがありすぎるから、映画観てからの読書という順番がよい。
    個人的には星2.5に近い。過去の話が長すぎた…。パーティーの夜に起こった事件の解決のために過去の事件を解かないといけないのはわかるけども…。途中から執念で読んだ感じ。ラスト数ページで伏線が一気に回収されていくのでそこが救いだった。

  • ハロウィン・パーティの最中、少女が殺されるところから物語が始まる。その殺人の調査を探偵作家のオリヴァがポアロに依頼する。そしてその村の人々や過去の事件を探って真実を明らかにしていく。読み終わって、なるほのあれが伏線だったのかと楽しめた。

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