予告殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

制作 : 田村 隆一 
  • 早川書房
3.63
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本棚登録 : 731
レビュー : 76
  • Amazon.co.jp ・本 (486ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300387

作品紹介・あらすじ

その朝、新聞の広告欄を目にした町の人々は驚きの声を上げた。「殺人お知らせ申しあげます。12月29日金曜日、午後6時30分より…」いたずらか?悪ふざけか?しかしそれは正真正銘の殺人予告だった。時計の針が予告の午後6時30分を指したとき、銃声が響きわたる!大胆不敵な殺人事件にミス・マープルが挑む。

感想・レビュー・書評

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  • チッピング・クレグホーンという小さな村のコミュニティ誌に「リトル・パドックスで殺人があるから、お越しをお待ちします」という広告が載る。リトル・パドックスは独身の女主人ブラックロックの住む家で従妹兄、若い女、旧友の同居人がいた。殺人予告日は広告掲載日で村の住人4組がいそいそと集う。果たして予告日時の6時半に殺人は起こった。しかも殺されたのは押し入った強盗。そして女主人は耳に傷を負う。

    マープルは偶然にも隣村のホテルに滞在しており、偶然にもチッピング・クレイボーンの牧師館の妻の母が旧友・・ といういつもの知り合いの知り合いの・・ というつながり。

    書かれたのは1950年で、随所に戦前のような暮らし、世の中ではなくなった、曰く昔は村の住人の氏素性はきちっとわかったのに今は新参者がやってきて、その人の素性はその人の自己申告だ、と嘆く。この「氏素性の自己申告」がこの殺人事件の鍵であった。

    動機はいつもながら莫大な財産を築いた男の遺産の相続。相続が最初の妻と子供にいけば問題はあまりなし。だがこれが死んでしまったり、いなかったり、というと遠縁の子供たちや秘書とかいったものに遺言がなされ、それで殺人事件となる。

    これは金欠の中で育った人があわや遺産の可能性が出て金のある暮らしを夢見ての殺人だが、マープルに「お金がなくて病気であっても、彼らはどうにか幸福な人生を送っている、人を幸福にするのも不幸にするのもその人次第なのですよ」と言わせている。・・しかしマープルは小金持ち。クリスティの描くのは資産のある人々だが、ちょっと資産の無い人を描いたイギリスの小説をなにか読んでみたくなった。


    1950発表
    2003.11.15発行 2015.11.15第8刷 図書館

  •  朝刊に殺人をお知らせ申し上げます、という衝撃的な広告が載る。何かのパーティーだと思った村の人は、広告に載っていた家に実際に向かうが、その場で本物の殺人が起こる。大胆不敵な事件にミス・マープルが挑む。

     さりげない会話の中に巧みに伏線をしのばせるのはクリスティーの得意技ではあるのですが、今回はそのさりげない会話が中盤に多すぎたようにも感じます。そのためにちょっと中だるみ感を感じてしまいました。

     でもやっぱりそのしのばせ方は巧いの一言に尽きます。途中違和感を感じたところがあったのですが、それが最後のマープルの推理披露できっちりとそのモヤモヤが明かされた時の快感は、やはりクリスティー作品だから味わえるものなのだと思います。

     もう一回問題のところを読み返してみると、ああなんでもっと深く考えなかったのか、と歯噛みしてしまうんだろうなあ。それが本格ミステリーを読む醍醐味でもあると思います。

  • 最初は誤植だと思ったのに…

  • 著者:アガサ・クリスティ(Christie, Agatha, 1890-1976、イングランド、小説家)

  • 新聞に謎の殺人予告が載る…とは、なんとも魅惑的な始まり。

  • ミス・マープルシリーズ#5。

    ミス・マープルシリーズは初めて読むんだけど、あんまり人の話を聞かないタイプらしいこのおばさんとはあまり仲良くなれそうにない・・・(笑)。

  • 始まり部分をすーと流してしまって、途中から結構まともに読みだした。後から読み返してもこの本は、途中からにヒントが多かったような気が。しかし、マーブルの飄々とした感じは好み。通常以上に惑わされるけども。

  • 〈ミス・マープル〉シリーズの4番目の長編(1950年発表)。クリスティーの50冊目の著作。
    原題 “A Murder is Announced”


    ミス・マープルものは、海外ドラマで何作か見てるけど原作は全て未読。(ドラマを見た作品も結局のところ内容を覚えてない…[汗])

    この「予告殺人」は日本でドラマ化されると知って読み始めた作品。

    面白かった。

    真犯人と動機が、最後まで全く分からなかった。そして、登場人物の偽装(なりすまし)にも気づけず…。すっかりクリスティーに騙された。

    きっと各人のセリフをしっかり読み込んでいたら、色んな伏線に気づけたはず!

    事件の全貌を知った上で、最初から改めて読み返すと、1回目に読んだ時とは違った面白さが味わえそう。

    (もう一度、読み返したいけど、また別のミス・マープルものを読みたい欲求が高まっているので、再読できるか分かりませんが。)

  • マープルもの。マープルものはおば(あ)さんが中心になることが多いので、台詞が長い長い。その中にあるポイントを突いていくわけですな。

  • 娘時代のことを知ってくれている人がこの世を去ると、人はほんとにひとりきりになってしまう、っていうマープルの言葉が頭から離れない。いつか実感を伴って、この言葉を振り返るときがくるのかな。
    あと「世間に悪意や怨みを持っている人は常に危険です。その人たちは、世間は当然自分たちに償いをすべきだと考えているのです」っていうマープルの洞察が、タイムリーで辛い。70年くらい前の作品なのにね。

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