スリーピング・マーダー (ハヤカワ文庫)

  • 早川書房 (2004年11月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784151300462

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

心理的な深みと独特の雰囲気を持つこの作品は、戦争中に執筆されたことから生まれた仄暗い魅力が特徴です。マープルの最終話として知られる本作では、彼女の優れたカウンセリング能力が際立ち、動揺する人々に寄り添...

感想・レビュー・書評

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  • 【マープル】
    クリスティーが37歳の時に執筆して、亡くなった後に公開された作品。
    マープルの最終話となっているけど、執筆したのはマープル作品初期の頃なので、こちらから読むことに決めた。

    戦争中に執筆しているからなのか、仄暗くて重い雰囲気。怪奇要素も入っていて、今までのマープル作品にはない感じだった。

    マープルは無理に話を聞こうとしない。
    動揺して怖がっている人には、湯たんぽと濃くて熱くて甘いお茶で精神的に落ち着かせてくれる。
    相手が話しやすい雰囲気づくりが上手い。
    この作品では、まるで心理カウンセラーのようなマープルが印象に残った。

    解説は恩田陸さん。
    まさか解説でこんなに心を持っていかれるなんて思わなかった。
    私は『ドミノ』しかまだ読んでないので、全然恩田さんのことは知らないのに一気に心を掴まれた。

    自分が心の中で思っていて言語化できないクリスティーの好きな部分を全部言ってくれた感じがした。解説のこんなに短い数ページでそれをやってしまうすごい才能。
    クリスティーを読み終わったら恩田陸さんの本ももっと読んでみたい。

    次は未読最後のマープル作品『復讐の女神』。
    ついにマープルが終わってしまう。

  • また一気読み。クリスティーお得意の過去の事件を検証していく話。今回は私でも犯人の目星が早めについてしまったがそれでも論理的な推理とかわいいお婆ちゃんキャラで上手に話を聞き出すマープルに感服。恩田陸さんの解説も良かった。

  • 初めてのミスマープルもの。
    ポアロよりマープルのがキャラとしては好きかも!

    ヒロインのグエンダが「いままで一度も訪れたことのない国の、一度も来たことのない家」を買って、張りたいと思い描いた壁紙と全く同じものがそこに張ってあるのを見つけるシーンが、なんとも言えず不可解で最高の導入。殺人を見る夢も不気味でよい。
    クリスティー作品の、これから素敵な謎が展開していくぞ、とわくわくさせる始まり方、好き!

    解説が恩田陸さんなのも得した気分。
    「ふとした瞬間に、ざわざわとした胸騒ぎを覚える小説」「ゆったりとした、語られぬ部分を余白として感じられる小説」まさに!

    • 111108さん
      ロッキーさん

      物語そのものより恩田陸さんの解説がとても好きだったのを覚えています♪
      ロッキーさん

      物語そのものより恩田陸さんの解説がとても好きだったのを覚えています♪
      2023/08/12
    • ロッキーさん
      111108さん
      コメントありがとうございます!
      恩田陸さんの解説、クリスティー作品全般に当てはまる気がして素敵ですよね♡
      111108さん
      コメントありがとうございます!
      恩田陸さんの解説、クリスティー作品全般に当てはまる気がして素敵ですよね♡
      2023/08/13
  • イギリスで新居を探していた新婚のグエンダは、理想の家を見つけて大喜び。早速改修に着手するが、次第に昔からこの家を知っていたかのような感覚に陥る。不安に思うグエンダの気を紛らわすために、ミス・マープルの甥夫婦がグエンダを観劇に誘うが、彼女は芝居のセリフからあることを思い出し、失神してしまう。それは、初めて住むはずのあの家で、自分が殺人を目撃したという記憶だった。
    ミス・マープルは、真相を知りたいと願う若い夫婦をサポートすべく動き出す。

    全く知らないはずの家なのに、なぜか昔の扉や階段の位置、壁紙の模様まで言い当ててしまうなんて、こんな気味の悪いことはない。グエンダの不安が冒頭から読者をぐっと物語に引き寄せる。
    彼女と夫のジャイルズは、真相を知るためにグエンダの家族の過去を調べ始める。しかし、埋もれた殺人を掘り起こすと、当時逃げおせた犯人が再びアクションを起こす危険性がある。無鉄砲な若夫婦が心配で、つい事件に乗り出すミス・マープル。読者としては、待ってました!という感じである。

    本書は、ミス・マープルシリーズで最後に発表された小説ではあるが、執筆されたのは1940年代前半。だからかもしれないが、ミス・マープルがすこぶる元気である。
    捜査権はないが、広大な人脈を使ってあちらこちらで過去の話を聞き取り、先回りして若夫婦の危機を助ける様子は、まさに年長者ならではの強みが生かされているし、実は警察の偉い人に一目置かれているのもかっこいい。極めつけはラストの彼女の行動で、まさに正義の女神降臨、という感じである。

    本書は再読だったため、グエンダが過去を思い出すシーンの劇的な効果や、犯人が分かった時の衝撃はさすがに薄かったが、ミス・マープルの魅力たっぷりで十分楽しめた。

  • ミス・マープルもの。

    結婚を機にイングランドへ移住し、新居を探していたグエンダは、初めて見るはずの家の内部に既視感を抱きます。さらに後日見た芝居のある場面からその家で起こった恐ろしい記憶が浮かんできて・・。
    グエンダの夫のいとこがミス・マープルの甥夫婦だったという事もあり、この“回想の中の殺人”の解明にミス・マープルも手助けすることになります。
    封印された記憶に眠る殺人が掘り返される過程で、グエンダの継母の人生と関わった男性たちが浮かび上がってきて、皆怪しいような怪しくないような・・。
    真犯人については、そのトリックにまんまと目くらましされて、解った時は“あんただったのか!”と、我ながらクリスティーの“いい客”です。
    本書はミス・マープルの最後の事件という位置づけになっている事もあり、これにて私も“ミス・マープルものコンプリート”と相成りました。
    ミス・マープルものの良さは、トリックだけに走らず愛憎劇的な人間ドラマがある点で、しかも変にドロドロした感じもなく、古き良き英国の雰囲気を味わいながら楽しめるのが好きでした。
    ところで、解説の恩田陸さんが、“冬に炬燵に入り、マクビティの胚芽チョコレートビスケットを食べながらクリスティーを読み耽る愉しみ”と書いておられましたが、もう激しく同意します。本当、クリスティーとマクビティのビスケットは至福の組み合わせですよね!

  • 職場の同僚からお借りしました。

    比較的簡単に犯人の予想がつく話、と言われていたのですが、私が予想したのは全然別の人でした。。

    予想のあたり外れに関係なく、ミステリを読んでもなんだか以前より楽しめなくなってしまいました。
    なんだか設定にわざとらしさを感じてそれに白けてしまうんですよね。
    そして誰もいなくなったを初めて読んだときの衝撃はものすごかったのに・・・今読んだらあの名作さえも白けてしまうのだろうか。怖くて再読できない(笑)

    イングランドでの普段の優雅な感じの生活が垣間見れ、そういう方で楽しめました。

  • 解説(奥田睦氏)が共感、言い得て妙。“冬休みの午後、炬燵に入り、緑茶をすすり、マクビティの胚芽チョコレートビスケットを食べながら、クリスティーを読み耽る楽しみ”、そして“幸福な読書の象徴”…

  • やはり、外国の作品を読めたことが奇跡だと感じるほど読むのが大変だった。単純に慣れてないだけなのだけれど、、
    登場人物を覚えてきた、中盤からは物語に入っていけて面白かった。人間模様の複雑さが読みにくい部分もあったが、同時に面白かった。
    あと、途中途中これを訳している方がすごいなと感じた。

  • ネタバレ読んでから、本編読んでみた。
    うーん、妹への愛が凄すぎる…シスコンも行き過ぎるとこうなるのか…。
    登場人物多すぎてまたもや混乱した。
    まぁまぁ面白かったけど、被害者のヘレン、船上ロマンスし過ぎじゃない…?少し引いてしまったので★4にした(笑)

  • ミス・マープルシリーズの最終巻。
    もっと続きが読みたかったなあ。
    グエンダの記憶が鍵を握る回想の殺人モノ。
    当時の関係者に話を聞くうちに少しずつ核心に迫っていく。
    だけど最も重要な部分は最後まで分からない。
    まあ本当は、物語の初っ端に伏線が敷かれていた。
    ただいつもの事ながら完全にスルーしていた。
    「何故その可能性に思い至らないのか」と毎回不思議に思うのも、クリスティ作品における楽しみの一つでもある。

    さて、次はどれを読もうかな。

  • 回想の中の殺人
    久しぶりに犯人あてに成功
    ブランデーくらいでやっと怪しみ始められたが
    ミス・マープル初めて読んだけどこれが最後の事件らしい
    信用しやすい人間の目を通して事件が描かれると全く違ったものになってしまう
    恩田陸が解説なのもよかった

  • 真犯人は「やっぱりね……」という感じ。
    ただ「情報をコントロールする」その巧みさには、全く気が付かなかった。

  • やったー犯人当てられたーっ
    といっても、別にトリックで当てたわけでもなく、仕込んであったアリバイ操作を見破ったわけでもない。
    多分クリスティなら、コイツを犯人にするだろうなあという、そういう推理小説を読み解くのにそれはどうよという……いわゆる当てずっぽう的なものである。それでも毎度毎度外しまくっていた身としては、それなりに嬉しい。
    ミス・マープルシリーズでは一番最後、完結作品としてクリスティの死後に発表された本作は、ある意味思いっきり作者の書き逃げ的なものなんだろうと思う。なんせ感想を持ったとしても、書いた本人はもうこの世にいないのだ。ただ最後のポアロ作品で同じく死後に発表された「カーテン」に比べると読後感は良くて、最後の完結作品であるという感覚はない。むしろ、ミス・マープルに恩義を持ったであろう若夫婦が、彼女の後継者として活躍してくれるんじゃなかろうかと、そんな予感をさせてくれる。

  • 恩田陸さんが勧めていて気になって読んだ1冊。
    前に読んだ「五匹の子豚」も回想ものだったけれど、今回は主人公の女性が段々と思い出していく描写があって新鮮だった。マープルの活躍も良かった。あと、アガサ・クリスティ作品に出てくる「言葉」はめっちゃ重要なんだと改めて気付かされた!!

  • 若妻のグエンダがイギリス南部に買った趣のある家。訪れるのは初めてのはずなのに、なぜか見覚えがある。
    ある夜ミス・マープルと彼女の甥夫婦とともに観劇をしていたグエンダは、かつてその家で起きたと思われる殺人のシーンを唐突に思い出し、それと同時に幼少期にやはりこの家に住んでいたということを確信する。分別のあるマープルは、殺人事件の真相を暴くと意気込むグエンダ夫妻を諌めるものの、二人の好奇心を止めることはできない。経験則から知らない方がいいこともあると知っているマープルと、知らずにはおれない若い二人の対比がクリスティらしくて非常に良い。
    結局はマープルも夫妻をサポートするため動き出す。グエンダ夫妻とマープルはそれぞれにかつての関係者たちを訪れ、殺害されたと思しき女性はヘレンという名のグエンダの継母だということが判明する。ヘレンはグエンダの父と離婚してどこか外国へ行ったと思われていたが、本当は殺されているのかもしれない。だとすると犯人は一体誰なのか。三人は「彼女の生涯における男たち」を辿っていく。
    普通のフーダニットと異なり、そもそも殺人が本当に行われたのかということがスタートでありゴールでもある。
    「若い男女を優しく見守る」スタンスは、ポアロにもマープルにも見られるクリスティの持ち味。

  • 出版社と著者の契約に基づき、クリスティの死後に出版されたミス・マープル・シリーズ最後の一冊。犯人探しの楽しみはもちろん、そこに描かれる時代がかった風景、冒頭のホラーにも似た展開、様々な性格の登場人物たち、そして控え目に大活躍するマープルと、マープルシリーズの魅力を詰め込んだ、まさに大団円にふさわしい一作。恩田陸の解説(というか随想)も良い。

  • ミス・マープルは話をききだすのが上手です。

  • 初のクリスティ作品にしてミス・マープル最後の登場作品。ミス・マープルのキャラクターが気に入った。酸いも甘いも噛み分けるしたたかなお婆ちゃん。

  • アガサ・クリスティの中でも、クリスティらしい作品だと思います。
    まず、この設定を思いつくのがすごいと再読にもかかわらず、脱帽。記憶の中の、過去の犯罪。
    クリスティは、他にもいろいろ有名な作品がありますが、この作品は落ち着きもあり、また凝った構成、恐怖感情だったり、この1作品で多くの感情が詰まっており、とても面白く読めました。読み終えたあと、なんとも言えないような胸が締め付けられました。

  • 記憶もないほど幼い頃に過ごした海辺の快適な家、おぼろげながら幸福な印象にそぐわない惨劇の場面…曖昧な中から浮かび上がる明暗のコントラストが魅力的。オカルト的な要素は珍しいけど、心地よさと怖さを結びつけるところがまさにアガサ。クレプスキュールレーベルのfrom Brussels with loveというアルバムに入っていたHelen’s songというきれいだけど背筋が寒くなるような曲を思い出した。謎解きは定番的なため、リリーが手紙を書く時点で死亡フラグ+相談相手=犯人確定。この犯行のトリックも読めた。テニスネットのエピソードで元の事件も確信。新たな死者が出たのは気の毒だけど、若い命を断たれ汚名を着せられたヘレンのためにはせめて真実が明らかになってよかった。復讐の女神と同じ話で、今の時代ジェンダー問題になるけど、こういう事件は犯人が男性ならしっくりくる(女性ならライバルを襲う)。ミス・マープルはおとり捜査が好きみたいだけど、動く指のミーガンの時みたいに事前調整してあげたほうが良かったと思う…ウォルター・フェーンの家に死人がいる気がすると言うグレンダの直感はガセだったのか、「マギンティ夫人は死んだ」のアリアドニ・オリヴァ的なオチはなかった。

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著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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