- Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151300462
作品紹介・あらすじ
若妻グエンダはヴィクトリア朝風の家で新生活を始めた。だが、奇妙なことに初めて見るはずの家の中に既視感を抱く。ある日、観劇に行ったグエンダは、芝居の終幕近くの台詞を聞いて突如失神した。彼女は家の中で殺人が行なわれた記憶をふいに思い出したというのだが…ミス・マープルが、回想の中の殺人に挑む。
感想・レビュー・書評
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また一気読み。クリスティーお得意の過去の事件を検証していく話。今回は私でも犯人の目星が早めについてしまったがそれでも論理的な推理とかわいいお婆ちゃんキャラで上手に話を聞き出すマープルに感服。恩田陸さんの解説も良かった。
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初めてのミスマープルもの。
ポアロよりマープルのがキャラとしては好きかも!
ヒロインのグエンダが「いままで一度も訪れたことのない国の、一度も来たことのない家」を買って、張りたいと思い描いた壁紙と全く同じものがそこに張ってあるのを見つけるシーンが、なんとも言えず不可解で最高の導入。殺人を見る夢も不気味でよい。
クリスティー作品の、これから素敵な謎が展開していくぞ、とわくわくさせる始まり方、好き!
解説が恩田陸さんなのも得した気分。
「ふとした瞬間に、ざわざわとした胸騒ぎを覚える小説」「ゆったりとした、語られぬ部分を余白として感じられる小説」まさに!
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2023/08/12
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111108さん
コメントありがとうございます!
恩田陸さんの解説、クリスティー作品全般に当てはまる気がして素敵ですよね♡111108さん
コメントありがとうございます!
恩田陸さんの解説、クリスティー作品全般に当てはまる気がして素敵ですよね♡2023/08/13
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ミス・マープルもの。
結婚を機にイングランドへ移住し、新居を探していたグエンダは、初めて見るはずの家の内部に既視感を抱きます。さらに後日見た芝居のある場面からその家で起こった恐ろしい記憶が浮かんできて・・。
グエンダの夫のいとこがミス・マープルの甥夫婦だったという事もあり、この“回想の中の殺人”の解明にミス・マープルも手助けすることになります。
封印された記憶に眠る殺人が掘り返される過程で、グエンダの継母の人生と関わった男性たちが浮かび上がってきて、皆怪しいような怪しくないような・・。
真犯人については、そのトリックにまんまと目くらましされて、解った時は“あんただったのか!”と、我ながらクリスティーの“いい客”です。
本書はミス・マープルの最後の事件という位置づけになっている事もあり、これにて私も“ミス・マープルものコンプリート”と相成りました。
ミス・マープルものの良さは、トリックだけに走らず愛憎劇的な人間ドラマがある点で、しかも変にドロドロした感じもなく、古き良き英国の雰囲気を味わいながら楽しめるのが好きでした。
ところで、解説の恩田陸さんが、“冬に炬燵に入り、マクビティの胚芽チョコレートビスケットを食べながらクリスティーを読み耽る愉しみ”と書いておられましたが、もう激しく同意します。本当、クリスティーとマクビティのビスケットは至福の組み合わせですよね! -
解説(奥田睦氏)が共感、言い得て妙。“冬休みの午後、炬燵に入り、緑茶をすすり、マクビティの胚芽チョコレートビスケットを食べながら、クリスティーを読み耽る楽しみ”、そして“幸福な読書の象徴”…
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やはり、外国の作品を読めたことが奇跡だと感じるほど読むのが大変だった。単純に慣れてないだけなのだけれど、、
登場人物を覚えてきた、中盤からは物語に入っていけて面白かった。人間模様の複雑さが読みにくい部分もあったが、同時に面白かった。
あと、途中途中これを訳している方がすごいなと感じた。 -
ミス・マープルは話をききだすのが上手です。
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初のクリスティ作品にしてミス・マープル最後の登場作品。ミス・マープルのキャラクターが気に入った。酸いも甘いも噛み分けるしたたかなお婆ちゃん。