秘密機関 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房
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レビュー : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (526ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300479

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  • 第一大戦直後、幼馴染のトミーとタペンスが地下鉄の出口で再会。
    お金のない、若い(二人合わせて四十五にもならない!)二人は、
    青年冒険家商会なるものを結成し、一儲けしようと企むが、
    それがいつしか国家すら揺るがす陰謀の世界へと巻き込まれていく。

    平凡な一組の男女が体験するにしては、
    とんでもないスケールで展開していくストーリー。

    最後に解説を執筆した評論家さんも指摘しているが、
    クリスティ女史には政治音痴なところがあるので、
    なんだか悪役達にも違和感も覚えるし、
    「こんなことぐらいで国家権力にダメージを与えられるのかな。」と
    事件の発端になる秘密文書の内容にも首をかしげたくなるし、
    最後でその存在が明らかになる陰謀の黒幕が持つ、
    屈折した内面が吐露される場面は正直とってつけたような感じがして、
    主人公達が巻き込まれる設定がいまひとつ納得出来ないな、と思う
    気持ちも否めない。

    しかし、作中のある人物が
    「速度とスタミナの名コンビ」と評価する、
    慎重派のトミーと直感型のタペンスのカップルの恋愛模様は、
    読んでて、途中結構ドキドキするし楽しい。

    やっぱり自分はポアロが好きだと思いつつも、
    この後の続編も読んでみたいと思う。

  • 「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」とこの「秘密機関」を平行して読んでいて、両方とも、大当たりのおもしろさで、どっちを読みすすもうかちょっと迷ったぐらいです。

    クリスティー文庫で、「ポアロ」1冊、「マープル」1冊ときて、この「トミー&タペンス」という順番に読んできたわけですが、わたしの中では、このシリーズが今ところ1番おもしろいです。

    これは、あきらかにわたしの好みが、「本格推理」ではなくて、「エスピオナージュ」の方に傾いているためだと思います。
    うーん、部屋の中を歩き回って、

    「うーむ、この毒ワインはいったい誰が……」

    とやっているよりも、冒険に飛び回っている方が、楽しく感じます。

    そういう意味で、この素敵な2人組の活躍は、メチャクチャ気持ちのよいものでした。

    もちろん、推理の要素もあって、ブラウン氏さがしもおもしろかったです。
    2人の人物が疑わしくて……わたしは、見事にだまされてしまいました。まさか、あそこで、あんなふうに大どんでん返しがあるとは……。

    あの謎の身元不明の死体。
    「そうだったのか!」と思わせておいて……。

    けっこう、手に汗握る。多分、だから後には残らない。
    でも、その瞬間、瞬間に、とても価値がある。
    これは、そんな物語です。

  • プロローグの舞台は1915年イギリス。
    戦争の勝敗を決めてしまうという重要書類を運んだ船が沈没。
    託された女性 ジェーン・フィンは行方不明。

    うって変わって主人公トミーとヒロインタペンス、
    秘密めいた何でも屋を始める。
    ジェーンフィンを追ういくつかの組織から情報を得て…。

    始めは「頭に浮かんだ」が万能で物語が転がっていった。
    フィクションってこれ位の仮定を入れたほうが面白い。

    解説の
    ・二人を冒険に駆り立てた真の理由は「退屈」だろう。
    ・実際のクリスティ夫妻を投影している部分あり。
    ・クリスティ作品初の映画化。ドイツで。
    ・コンビ探偵のきっかけになった。
    などなどクリスティ作品についてよく説明していてGood!

  • クリスティーの中で一番好き。トミーとタペンスシリーズの最初のもの。これはKINDLE用の無料パブドメも存在したから英語版も読めてラッキー。KINDLEの日本サービスが早くローンチしないかなー。

  • 何度目だ再読。

    クリスティの中ではトミーとタペンスのシリーズが一番好きだ。
    何年かぶりに読んだら、また犯人が誰か分からなくなっていた(笑)
    やっぱりドキドキワクワクで面白い!大好きです!

  • トミーとタペンス、いいコンビ。
    気丈なタペンスに最初は押され気味に見えたトミーも、後半では男らしいところを見せます。かっこいいです!
    展開が読めないところも面白い。
    まさに冒険活劇。

  • 昔のアルバムを見ているみたい……。
    若いころの、ちょっと恥かしい写真を。
    あのトミーとタペンスが、独身同士なんですからね。

    単体で考えると、
    この作品はあまり高く評価できない。
    特に、たいして面白くもない独白を
    長々と続けるのは大減点。
    あと十年たてば、ちょっとした会話にも
    いろいろ弾みをつけてくるはず。
    読者を飽きさせない技術を、
    まだこの作者は体得していないようです。
    最後のどんでん返しも、
    クリスティーの水準からすれば
    たいしたことはない。

    ……でもねえ、それが若いってことなんですよ!
    『スタイルズ荘の怪事件』の次、
    たった二作目だもん。
    そして、あの夫婦探偵の前日譚と思えばね。

    「でも痛快だったわね、トミー?
     あたしたち、もっとたくさん冒険がしたいわ」

    トミーとタペンスだもん、
    なんだって許しちゃうよ。

    旧版は田村隆一さんの訳者あとがき。
    文章には張りがないし、解説としてはおざなり。
    田村さんの悪いときの見本。

    新版は杉江松恋さんの解説。
    第一声が「トミーとタペンス、若いなあ!」で、
    そう、本当に若い。
    初期のスパイスリラーを
    かなり高く評価しているようだけど、
    それでも『ビック4』だけは
    傑作といっていないところがおかしい。
    主役がポアロだからそぐわなかったのだ、
    というけど、
    それ以前の問題じゃないかなあ。
    本作の問題点も指摘。
    「共産主義者とアイルランド独立運動と
    労働党を横並びで一つの悪とみなしている
    箇所があって、これはいくらなんでもひどい」
    そうそう、ここひどいよねー。
    こういうの読むと、
    大英帝国なんて没落して当然だと思えてくる。
    (ここ十年ほどは好景気らしいけど)
    でもクリスティーは没落を見とどけ、
    60年代の革命の季節まで体感してしまっている。
    そして彼女の筆は幻想へと向った。
    大英帝国衰亡史。
    それを思うとあんまり責める気はしない。
    クリスティーの私生活や映像化にもふれていて、
    かなり水準は高い。
    新版の勝ちです。

  • トミーとタペンスの第一章。

    誰が味方で誰が敵なのか分からないまま進んでいくストーリーに、
    はまりました。

    次々展開する内容に惹かれました。

  • 以前読んだのは別の出版社から出たもので、クリスティー文庫では初めて読んだ。
    やはり若い二人の活躍は胸がスッとする。
    そしてなんともいえず初々しい(笑)
    最後の方はニヤニヤしながら読んでしまった。

  • まったく素晴らしい創造的な冒険でした。最初の接点は些か強引すぎる所があったが、テンポ良く進むストーリーに引き込まれてしまった。犯人候補!?にこれ程までに揺さぶられるとは…
    離れてから気付く気持ちもそりゃありますよね。もしかしたらアガサはそんな切ない感情を抱いていたのかもしれない。

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