NかMか (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房
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感想 : 48
  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300486

感想・レビュー・書評

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  • トミーとタペンスシリーズ第二弾。『秘密機関』の2人が中年になってる事にショックを受けたが、前作同様敢えて危険に身を晒しながらも楽しんでるのが痛快。タペンス格好いい!大人になったアルバートのいい働きぶり。子供達とのやりとりも素敵。

  • トミー&タペンスシリーズ。今回の話し、タペンスやりすぎ~。ドイツ・ヒトラーの進行、それに伴う恐怖。イギリスでもその恐怖が蔓延る。内容はイギリスにドイツのスパイ(NとM)がいるのではないか?それをトミーとタペンスが「無憂荘」に潜入捜査する。怪しい住人が複数。トミーとタペンスが住人から話しを聞き、色々トラップを仕掛ける。住人の幼女誘拐、トミーが拉致されるなどドキドキの展開。そこで犯人予想。Mを完全に当てた!久しぶりにクリスティーに勝利。戦時中ならではの暗い内容だが、トミー&タペンスの温かい夫婦に癒された。

  • トミー&タペンスもの

    まず、トミーとタペンスが40代になっているのに驚き。時の流れの速さを感じます。
    さて、ナチのスパイを探り出す密命を受けたトミーが、タペンスには内緒で指定されたゲストハウスを訪れたところ、“ブレンキンソップ夫人”という偽名で、タペンスが何食わぬ顔で既に滞在しているのにはびっくり。さすがタペンス!この辺の掴みもバッチリですね。
    というわけで、いつも通り協力し合いながら探索に励む2人。年をとっても仲の良さは相変わらずで、ドキドキの冒険サスペンスを堪能させてくれます。
    中盤で、ゲストハウスに滞在中のベティーちゃんという女の子が誘拐されてしまう場面があるのですが、物語の終盤に、その誘拐の真相が解った時は胸が痛みました。本当、戦争は悲しみしか生まないですね。
    因みに、あのアルバート青年も結婚してパブの亭主になっていましたが、トミーの危機を救うため、ちょっぴりですが登場してます。

  • トミー&タペンス、今度は大物スパイの正体を暴く!

    いつのまにか双子が大人になっていても、トミーとタペンスは相変わらず国際的陰謀に首を突っ込んでいる。とはいえ、冒頭で二人は、自分たちがまだまだ役立ているはずなのに、必要としてくれない社会に不満をこぼしている。舞台は第二次世界大戦のイギリス、1940年の春といえば、なかなかに厳しい状況である。パリが落ちるかもしれない、ロンドンも直接攻撃されるかもしれない。そんな不安の中の話である。サスペンスというよりもアドベンチャー寄りのトミー&タペンスも、どことなく緊迫感を帯びている。それでも、トミーがタペンスにしてやられるところは面白いし、冗談を言いながらもお互いのことを思いやる二人の姿に心がくすぐられる。トミーが踏み込みすぎて生命の危機に陥るのも、単独行動のタペンスが勇気を示して大きな成果を得るのも、このシリーズのお約束。

    舞台となる〈無憂荘〉は高級賄い付き下宿、ゲストハウスということで、管理人も含めここに滞在している人の中に大物スパイ〈NとM〉がいるらしい。この時代の典型的イギリス人とか様々な国の人々のステレオタイプをあまり知らない私でも、どの人の怪しく、その姿は演技ではないかと疑い、誰が祖国を売る卑劣なスパイなのかわからないまま、はやる思いでページをめくった。

    近所の〈密輸団の巣窟〉という建物に住むヘイドック海軍中佐は、パターンでいうと、ちょっとブラウン氏に似ていて、信頼できる人と思っていたのに実は、という展開。トミーに関して、切り抜けた、と油断したところでやられるのは、ちょっと見えていたかも。

    スプロット夫人に関しては、タペンス同様、子ども連れでスパイ活動はないだろう、という前提を崩せずにいたので、銃撃の腕には絶対素人じゃないと引っかかりを覚えたのに活かせなかった。言われてみれば、ぼろぼろの絵本に重要な機密を隠すってありそうな手だ。誘拐犯を撃てた理由は、そちらが本当の母親で、ベティは実の子ではなかったから。タペンスが母親の愛情を強調していて、それこそ証明はないけど諸々のことに対して雄弁な理由づけになると思っていたけど、こういう形で出てくるか。でも、顔が似ているって小説では示しにくい伏線では。それともどこかにそういう描写があったのかな。

    私はこの第二次世界大戦の結末を知ってこの話を読んでいる。コピーライトが1941年とあるので、まだ大戦中に、クリスティーはこの話を発表したということだ。戦争批判ともとれるし、政府への批判と読まれそうなところもあるし、愛国心についての台詞もあるのが、なかなかロックだなと思った。この話が封じられる世界でなくてよかった。

  • クリスティーらしいスパイ・スリラー……
    というのは珍しいんです、案外と。

    いつものスパイ・スリラーでは
    大風呂敷を広げすぎる彼女ですが、
    今回は舞台を「閉じられた環」に限定。

    (一見平凡な下宿≪無憂荘≫ に潜む
     大物スパイは誰だ?というもの)

    おしゃべりの裏のサスペンス、
    うまいこと読者の目をそらすスケープゴートたち、
    持ち味をうまく発揮できました。
    なんでほかのスパイ・スリラーでは
    この手を使わなかったのか、不思議でなりません。

    とにかく会話がうまい。
    「まあまあ、主人がこの話を聞いたらなんと申しますやら」
    「ヒルという姓は三ページにわたっていてよ」
    そして「があがあがちょうのお出ましだ!」

    クリスティーの単純な愛国心はよく批判の種になりますが、
    書かれたのは戦争中ですから、割り引いて考えます。
    敵は日本じゃなくドイツなんであまり複雑な感情は湧かないし。
    (本当はそれじゃいけないんだろうけど……)

    「敵国人のスパイには敬意を払うが、
    祖国を売る裏切り者は軽蔑する」
    というのが、作者の基本的な立場。
    グリーンの『ヒューマン・ファクター』のような境地は
    分からなかっただろうな、と思うのですが、
    意外とそうでもなかったかもしれない……と、
    これはまた別の話。

    そして、本書はトミーとタペンスの
    「四十八歳の抵抗」でもあります。
    (トミーは46歳だけど)
    二人を動かすのは、若い者に負けてたまるか、という対抗心。
    アガサ・ミラー嬢も、もう五十代だしね。実感こもってます。
    しかしアイルランド独立運動への無理解はひどいね。

    成人した二人の子供、デリクとデボラも登場。
    (十二年前にはまだお腹の中にいたはずだけど…)
    この時点では若者に信頼を寄せています。

    旧版は(T)さんの匿名解説。
    夫妻探偵の嚆矢は、クイーンによると
    (と、わざわざ断っている)
    マクドネル・ボトキンのポール・ベックとドーラ・マール。
    30年代のアメリカで夫婦探偵が増えたのは
    ハメット原作の映画「影の男」が大ヒットしたから。
    天才的な名探偵には独身が多いが、
    地道な捜査活動には暖かい家庭が必要なのだろう――。
    簡にして要を得た夫婦探偵の説明。
    『ノース夫妻殺人に会う』とか『黄色いスミレ』とか、
    聞いたこともない本が次々に出てきて面白い。

    新版は渡辺武信さんの解説。
    前半は「トリックではなくプロット重視だからいい」というもの。
    つまりクイーンやカーをトリック派とみなしているわけですが、
    でもクイーンも中期からは物語的要素が強くなるし、
    カーの語り口のうまさは、瀬戸川猛資さんが熱弁していたところ。
    この手の比較は、ちょっと単純すぎるんじゃないでしょうか。
    後半はあらすじ。
    旧版の勝ちです。

  • トミー&タンペス・シリーズ

    情報機関員が残したダイイングメッセージ。「NかMか」「サン・スージー」の言葉。『サンスーシー』という名の屋敷に集まる人々。旧友の依頼で『サンスーシー』に潜入したトミー。トミーを出し抜き「サンスーシー」にやってきたタンペス。戦争中スパイの潜入している「サンスーシー」。「密輸団の巣窟」を買ったドイツ人のスパイ容疑。逮捕され売りに出された「密輸団の巣窟」を購入したヘイドック海軍中佐。スパイ容疑のかかるドイツ人青年カール。誘拐されたスロップ夫人の娘・ベティ。犯人の女を射殺したスロップ夫人。トミーとタンペスの娘デリラに好意を寄せる青年トニー登場。スパイの正体をつかんだトミーの監禁。

     2011年1月21日読了

  • トミー&タペンスシリーズ大好き!\(^o^)/
    かっこいいかっこいい!

  • トミーとタペンスが下宿に潜入し、敵国のスパイを探り出す冒険もの。
    この二人の活躍する話では、謎ときは偶然によるものが多く、推理はいまいち。

  • トミー&タペンスの夫婦探偵が活躍する、冒険ミステリー小説。
    わたしはクリスティの冒険小説が大好きで、この作品もしかり。
    終盤が唐突なのがクリスティの常ですが、そんなところもわたしは好きです。
    わたしはどうやらスローな世界の人間らしく、昨今の息もつかせぬミステリーより、ツッコミどころがあってものんびり解決にむかう一昔前のミステリーが好ましいのです。
    列車の旅や船の旅、紅茶を飲みながらのおしゃべりや噂話・・・
    そんなイギリスの雰囲気も大好物です。

  • 「そうですわ。あたしは愛国心が大嫌い。おわかりになって?なんでもかんでも、祖国、祖国、祖国!祖国を裏切るとか――祖国のために死ぬとか――祖国に奉仕するとか。そもそもなぜ人間にとって、祖国がそんなにたいせつなんでしょう!」

    トミー&タペンス、おしどりスパイ夫婦作品。
    第二次世界大戦をバックに、上記のような台詞まで書いてしまうクリスティに脱帽。
    不穏な空気と、ウィットに富んだユーモアとが非常に上手く掛け合わさっていることにも驚き。

    最近はクリスティの本を読んでも、もう全員を疑いたくなっちゃうので、最後にこの人が犯人だって言われても、どこか納得というか、そんなびっくりするほどの驚きはなかったなー。
    それでも、面白かった!

    【11/23読了・初読・大学図書館】

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