- 早川書房 (2004年2月13日発売)
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感想 : 54件
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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784151300738
みんなの感想まとめ
波瀾万丈の冒険活劇が展開される本作は、第一次世界大戦後のイギリスを舞台に、さまざまな人々が集まるチムニーズ館で繰り広げられる謎とサスペンスに満ちています。登場人物たちの複雑な人間関係や、石油利権を巡る...
感想・レビュー・書評
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波瀾万丈の冒険活劇。初めの方はいろんな人や出来事が入り乱れなかなか話にのめり込めなかったが、3分の1位過ぎたら立て続けに起こる事件とクリスティーらしい会話の応酬を楽しむことができた。ケイタラム卿とバトル警視がかわいらしくて好き。
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バルカンの小国・ヘルツォスロヴァキア。と聞いただけできな臭いサスペンスの気配が! その期待は、流血革命、国家の財宝盗難、革命派と王政復古派の隠れた闘争、石油利権を狙う大国…と、高まるばかり! 昔ジュブナイル版で読んだ「ゼンダ城の虜」とか思い出してわくわくハラハラしながら読み進めました。故スティルブティッチ伯爵の回想録は、何故狙われる? チムニーズ館で王位継承予定の王子を射殺したのは誰? ヘルツォスロヴァキアのダイヤは誰に盗まれ、今何処にある? 宝石泥棒キング・ヴィクターとは? 入り組んだ謎に取り組む主人公アンソニーの活躍が痛快です。ラストには驚愕の種明かしが!
二十世紀初頭のヨーロッパ情勢をおさらいすると、当時の読者にはきっと、決して遠い国の絵空事とは受け取られなかったことでしょうね。
ところで、せっかく「チムニーズ館」とタイトルにもなっているのに、お館とその主である侯爵ケイタラム卿と令嬢は、完全にチョイ役にされていますね。 -
クリスティの長編スパイスリラー(こういうジャンルがあるかは不明)だが、シリアスになり過ぎずに読みやすい。リアリティよりもエンタメに近い作品だ。読了に至り、最初の感想は「疲れた(笑)」が率直な感想だ。通常であればスパイスリラーはシリアスになる為物語は重くシンプルな道筋という得意が一般的なイメージだが、「チムニーズ館の秘密」では頭を抱える程複雑な事柄をこれでもかと言わんばかりにぶち込んでいる為、絶えず、あれがこうで、これとそれがどうなって、と整理しながら読まなければならなかった。しかしエピローグではクスッと笑ってしまう演出がされており、その時点で抱えていた問題が全て片付けられており、完璧に伏線回収してみせた気持ちの良い作品だ。大風呂敷を広げた訳だが、クリスティはたたみかたもものすごく上手だ。
とにかく様々な要素がある。
主人公は旅行ガイドをしている青年アンソニー。彼は仕事上人気がある一方で現在の生活に満足していない。友人のマグラスと再開し、彼からお金儲けが出来るが少し危険な仕事の話を聞き依頼を受ける事にする。自身がマグラスと名乗り。とある国の要人が残した回顧録を巡り、様々な組織があの手この手で奪いにくる。
ヘルツォスロバキア国の政治利権を巡る各国の思惑。要人が集うのは「チムニーズ館」。
秘密結社、フランス、イギリスの名刑事、アメリカの名探偵、キング・ヴィクターと呼ばれる宝石泥棒、暗号解読、謎の死体と殺人事件。更には登場人物達も怪しげな人達が多く、誰かが変装していたり、正体を偽っていたりと序盤、中盤は誰を疑うかも考える必要がある(とある人物だけは流石に気づく事は出来なかった。やはりクリスティは面白い。)程、多数の人物が登場する。
バトル警視の役割もいい塩梅で、あくまでアンソニーが中心になる為、彼より目立つ探偵約がいると引き立たないし、かといって今作では優秀な警察や探偵が必要となり、バトルの登場が一番素晴らしいバランスになる。名探偵の共演という文句は心躍るが、それぞれ個々の活躍のバックボーンが無いので一登場人物に見えてしまう(フランスの刑事がジローだったら最高だった(笑)開いたトランプはもっと後?)。
今作の様に広い世界が舞台になり、それが「チムニーズ館」に集約されていきながら、見識者が集まり事件が解き明かされていく流れは爽快感で(ケイタラム卿には完全に感情移入できた(笑))少し陽気な描写も混ぜる事でとっつきやすい世界になっている。(登場人物達のユーモアや難解な名前等)
今作には続編があり、チムニーズ館での冒険はまだ続くようだ。とても面白いので、このまま「七つの時計」を読む事にする。 -
ノン・シリーズ(“バトル警視もの”)の冒険ミステリ。
アフリカで再会した友人から、ヘルツォスロヴァキア国の元首相の“回顧録”と某貴婦人の手紙を託されて、イギリスにやってきたアンソニー。
彼が持ち帰った“回顧録”を巡って様々な思惑や陰謀が動きだしますが・・。
政治と利権、盗まれた宝石の謎、そして殺人・・もう色々要素が盛り込まれて何だか複雑ですが、バトル警視とアンソニーの駆け引き的なやり取りのように、個性的なキャラクター達の応酬が面白くて楽しく読めました。
メインキャラのアンソニーは、イケメンで度胸があって頭も良いというまさに漫画の主人公のようですが、話の中盤から彼の“正体”への予測がたち、終盤で明らかになった時に“やっぱり!”と納得でした。
今回のヒロインといえる、美貌の未亡人・ヴァージニアも、全然身に覚えのない手紙をネタに“強請”にきた男に“ちょっと強請られてみたかった”的な理由でお金をあげちゃうような、“とんでもレディ”なので、彼女とアンソニーは本当お似合いだと思います。
ところで私は、本書の続編といえる『七つの時計』を先に読んでしまったので、ビルが美女に弱いことは“うん、知ってた”という感じなのですが、本作でバンドルには目もくれず、ヴァージニアにお熱だったのは意外でした。
ハッピーエンドで読後感もよい本作ですが、個人的に副題をつけるなら<ケイタラム卿の憂鬱>というところでしょうか(笑)。-
あやごぜさんこんばんは♪
『チムニーズ館』読まれたんですね!〈ケイタラム卿の憂鬱〉、すごい‼︎まさにぴったりの副題だわ(≧∀≦)
アンソ...あやごぜさんこんばんは♪
『チムニーズ館』読まれたんですね!〈ケイタラム卿の憂鬱〉、すごい‼︎まさにぴったりの副題だわ(≧∀≦)
アンソニーとヴァージニアの恋話やバトル警視との駆け引きも面白かったですが、ケイタラム卿のぼやきなど細かい笑いが随所に見られて楽しいですよね♪
そうなんです、この時点ではビルがバンドルに夢中になるなんて感じられなかったので『七つの時計』では意外でした。2021/08/27 -
111108さん♪ ありがとうございます(^^♪
副題にご賛同頂いて、嬉しいです~。
ケイタラム卿の絶妙なぼやき、いいですよね~。私もめっ...111108さん♪ ありがとうございます(^^♪
副題にご賛同頂いて、嬉しいです~。
ケイタラム卿の絶妙なぼやき、いいですよね~。私もめっちゃ好きです♪
ビルは“セブン・ダイアルズ”の事も含めて何気に意外性の男でしたね。そしてある意味ジョージ・ロマックスもww
こういった事からも『チムニーズ館』と『七つの時計』をセット読みできて楽しかったです♪2021/08/28
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ある小国の元首相の手記を南アフリカからロンドンの出版社に届けてほしいと旧友から頼まれたケイド。
実は頼み事はもうひとつあった。イギリスでも有数の大邸宅チムニーズ館に滞在中の婦人に、あるものを届けてほしいというのだ。折しもチムニーズ館では政府の高官や経済界の大物が集まるなか殺人事件が発生、ケイドも巻き込まれるが……。
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ポアロの推理が楽しくて、ポアロ登場する作品を好んで読んでたのだけれど、ふと、有名な探偵が出てないクリスティー作品も読んでみようかと思いつき、この「チムニーズ館の秘密」を図書館で借りました。
スパイものってちょっと小難しいっていうフィルター持ってしまってて、普段はなかなか物語に入り辛いのだけれど、この物語はそれがなかった。
冒頭シーンの友人ジミーからある頼まれ事を受ける事になったアンソニーとのやりとりからなんかワクワクしてしまって、すんなり物語に入っていけた。
とは言え、物語背景(革命からみ)が複雑。
読後、あとがきを読むとこの作品が書かれた頃の時代の知識があればもっと楽しく読めたらしいけれど。
さらに、話が進むにつれ、登場人物があちこちから登場し、場面展開も早い。
誰と誰が、どこで話してるのか、どこで何が起こっているのか・・・などなど。
大切なものが盗まれたり、殺人事件が起こったり。
怪盗(盗賊だったっけ?)なんかも存在するらしく、それを追う事だけに全パワーだしてる刑事も現れて・・・。(まるで銭形警部!)
話はどんどん迷宮入りしてるじゃないかー!!!(笑)
いや、でも面白い。
このハラハラ感が癖になる展開。
何かカッコいい女性、ヴァージニアと、物語のメイン視点者であるアンソニーとのやりとりも心地よい。
ヴァージニアの好奇心旺盛で行動的なのも良いね。
ハラハラ感と同時に、ワクワク感が話から漂ってくるのはこういう冒険っぽさかな。
終盤まで事件が拗れたままで、誰が主犯者がまったく分からない。
まさかこの2人が?
もしくはどっちかが???
とか、何度か疑心暗鬼になって読んでたよ。
さて一体犯人は誰!?・・・って感じ。
ホント、面白かったです!!
読み応えありました。
楽しかった!!
でも!でも!!
私は犯人が「こいつだったのかー!」っていう気持ち以上に、ある人物の、ある正体に、ビックリで。
何か物語の全部、“持っていかれ”ました(笑)
この作品の続編・・・というか、チムニーズ館で、また事件が起こるお話があるらしい。
「セヴン・ダイアルズ 」というタイトルで最近「新訳版」が発売されたそうなので図書館で予約しようと思います。 -
殺人あり、大泥棒の登場あり、政権のいざこざあり。波瀾万丈の冒険ミステリ。謎解きが面白い作品が多いアガサ・クリスティだが、本書のような冒険が絡む物語も良い。
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バルカンの架空の小国の王位継承問題を背景に、
王族・貴族・外交官・貴婦人・令嬢・無頼漢・刑事・怪盗などが入り乱れる作品。
盗まれた文書の在処、盗まれた宝石の在処、その人物は本物か否か、
といったものを、とっかえひっかえ繰り返し提示して興味を引っ張ります。
ミステリとしていますが、活劇風味を少し加えたコメディとして、
深く考えず楽しく読めばよいと思います。 -
トリックとかは想像もつかなかったけど、登場人物の素性とかはヒントも多く途中で分かった。クリスティーらしい展開だったと思う。
解説にもあったが、当時の英国や欧州の情勢が漂った作品だった。 -
最初数ページの会話がちょっと退屈に感じたが、アフリカはジンバブエで出会った旧友に主人公のアンソニーが仕事を頼まれるあたりからおもしろくなり、ロンドンに移ってからは謎の手紙の女性ヴァージニアに会う、そこに死体が、そして鍵となるチムニーズ屋敷に向かう、そこでまたもや殺人事件、しかも殺されたのはバルカンのさる国・ヘルツォスオスロヴァキアの王子だった、と短い時間に立て続けに事件が起きて、現実感はあまり感じない話ながらどんどん惹きこまれた。
事件の背景にはそのバルカンの国の石油採掘権をめぐりアメリカ、イギリスの政界、経済界がからみ、さらにチムニーズ館の歴史ある宝石をめぐる盗賊もからむ。登場人物は主人公アンソニーは爽やかで颯爽とした見眼もいい好男子、として描かれ、そこに20代後半の才色兼備の貴婦人、そして館のおきゃんな娘バンドルが登場。クリスティの冒険物の役者がそろっている。バトル警視が登場。登場人物ほとんどが裏の顔があるというあたり、最後まで飽きない。
井家上隆幸氏の解説ではヘルツォスロバキアを「ユーゴスラビア」に変えてみると、書かれた当時のセルビアの状況とだぶるという。ヘルツォスロバキアの描写で人口の半分は山賊などの表現もあるが、1925年という第一次大戦後、さらに混迷しているヨーロッパにクリスティは敏感だったのか、と感じる。クリスティは35歳、まだまだ人生始ったばかりの時期なのだ。
「バルカン超特急」や「海外特派員」を見たすぐ後読んだので、ヒッチコックあたり映画化してたらおもしろかったのではないか、と思った。
これでクリスティの犯罪ものの長編短編は読み終わった。あとは戯曲。
「七つの時計」1929はチムニーズ館が舞台。そこの娘としてバンドルが出てくる。
1925発表
2004.2.15発行 図書館 -
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読み終わってすぐ最初のページから読み直し始めたら布石がしっかりしていてビックリ!殺人、変装、泥棒、恋愛、パーティー、海外と何でもありでほんと幕の内弁当食べてるみたいな楽しさだった。バトル刑事ものは区の図書館に無いので買うしかないというのだけが残念……。
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前半はなんだか繋がりがわかりにくくて、少しずつしか読み進められなかったが、後半からは急に読みやすく、面白くなった。終盤は次の流れが気になってやめられない面白さがあった。最後はスッキリ気持ちの良い終わり方で、最後まで読んで良かった^ ^
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ポアロシリーズでもミスマーブルシリーズでもないミステリー。
誰が誰なのかっていう問題がずっとあって犯人推測できなかったし、主人公の正体も見破れなかった。本当にアガサクリスティーの頭脳には完敗だ。 -
ミステリーだけでなく色んな要素が盛り込まれていたためか、前半はあまり集中できず。しかし後半の謎が解けていくパートは予想外の部分もあり面白かった。
個人的にはミステリーに集中している作品の方が好みだと思った。 -
ノンシリーズの冒険活劇。旅行ガイドとして働いていたアンソニー・ケイドは友人の頼みでヘルツォスロヴァキア元総理の回顧録を出版社へ届けるためにロンドンへ。石油利権が絡んだ陰謀系事件に巻き込まれていく。殺人あり、大怪盗あり。目まぐるしく変わっていく展開にわくわくしながら読んだ。
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2004年発行、早川書房のクリスティー文庫。ノンシリーズの冒険ミステリーですが、話は他のクリスティーの冒険ものに比べて単純ではない。正直読んでいる時、話が整理できていなかった。解説がうまく説明しているので、解説を見て「こういう話か」と知ってから読んだらよいかもしれません。「クリスティー文庫」で時々ある「解説でネタバレ」は大丈夫。というか、この本の解説は「正統派の解説」だと思う。
解説:「解説」(評論家)井家上隆幸、 -
ドラマだとミスマープルものに変わっていた。
色々変わっていたらしく別物として楽しめた。
著者プロフィール
高橋豊の作品
