七つの時計 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房
3.60
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本棚登録 : 392
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (490ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300745

作品紹介・あらすじ

ロンドン郊外のチムニーズ館に宿泊していた若い外交官が、睡眠薬を飲んで変死した。死体の枕もとには七つの目ざまし時計が…この事件と、謎めいた"セブン・ダイヤルズ・クラブ"の関連は?謎は謎を呼び、推理と冒険が入り乱れ、事件は思わぬ展開を!『チムニーズ館の秘密』に続く、波瀾万丈の冒険ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 『チムニーズ館』続編。物語初めから事件が起こり引き込まれる。事なかれ主義のケイタラム卿と正反対な性格の娘バンドルなどチムニーズに出てきたキャラクター達がより強烈になってて面白い。コダーズ(鱈)ポンゴ(類人猿)と言ったあだ名も姿をイメージできて楽しかった。

    • あやごぜさん
      111108さん♪こんにちは(^^

      『七つの時計』読了されたのですね。チムニーズ館の面々は本当、“ええキャラ”揃いで、彼らのやり取りは面白...
      111108さん♪こんにちは(^^

      『七つの時計』読了されたのですね。チムニーズ館の面々は本当、“ええキャラ”揃いで、彼らのやり取りは面白いですよね。個人的にあれからジョージ・ロマックスがどうなったのか気になりますww
      偶然にも(シンクロ?)今日、図書館から『チムニーズ館の秘密』を借りてきたので、今読んでいる本が読み終わり次第、取り掛かろうと思っています♪
      2021/08/21
    • 111108さん
      あやごぜさん、こんばんは(^^)
      コメントありがとうございます♪

      何とシンクロ‼︎『チムニーズ館』借りられたんですね〜『七つの時計』よりは...
      あやごぜさん、こんばんは(^^)
      コメントありがとうございます♪

      何とシンクロ‼︎『チムニーズ館』借りられたんですね〜『七つの時計』よりはおとなしいですが、ケイタラム卿やバンドルらの愛すべきキャラはもう確立されてて楽しかったです。

      ジョージ・ロマックス!もう今回一番びっくりしましたwwどうした⁈
      そしてそれを聞いたビルが彼を(上司なのに)ボロクソに言うところも笑いました(^o^)
      本当に後日談知りたいですね♪
      2021/08/21
  • ノン・シリーズですが、“バトル警視もの”とも言えるかもです。

    チムニーズ館に宿泊していた若者グループの一人・ジェリーが死んでしまい、数日後、今度はやはり件の若者グループにいたロニーが射殺されてしまいます。
    ロニーの死の現場に偶々居合わせたバンドル(アイリーン)は、死ぬ直前に彼が口にした“セブン・ダイアルズ”なる謎の組織について、ジェリーやロニーと行動を共にしていたお気楽な青年・ジミー、死んだジェリーの妹ロレーンと共に探り始めます・・。
    クリスティーの描く元気な若い女性に共通しているのですが、このバンドルも御多分に洩れず、無駄に行動力があり、無鉄砲なのでちょいとヒヤヒヤします。ですが、そんな彼女の行動が物語を面白くしているのですよね。そしてバンドルとバトル警視のやり取りや、ケイタラム卿とジョージ・ロマックスの会話が面白くて、特に終盤の“勘違い?ジョージ”とバンドル&ケイタラム卿親子の応酬はめっちゃ笑いました。
    ラストのどんでん返しは“セブン・ダイアルズ”の印象そのものがひっくり返るような意外さで、これは痛快でした。犯人もノーマークの人でしたしね。
    因みに、時系列的にこの作品の前となる「チムニーズ館の秘密」を未読のまま本作品を読んでしまったので、そちらも読んでおかないと!と思った次第です。

    • 111108さん
      あやごぜさん こんにちは

      またまたクリスティーのレビュー楽しく拝見させてもらってます♪
      『チムニーズ館』の続編なんですね!ケイタラム卿のキ...
      あやごぜさん こんにちは

      またまたクリスティーのレビュー楽しく拝見させてもらってます♪
      『チムニーズ館』の続編なんですね!ケイタラム卿のキャラにハマってしまったので、こちらもぜひ読みたいです!

      あと、タイムラインが変わって?レビュー読めなくなっちゃったようなので、いまさらですがフォローさせて頂きます。
      よろしくおねがいします♪
      2021/08/09
    • あやごぜさん
      111108さん♪

      ありがとうございます!
      そうなんです♪『チムニーズ館』を既読されている111108さんにはよりお楽しみ頂けるかと思いま...
      111108さん♪

      ありがとうございます!
      そうなんです♪『チムニーズ館』を既読されている111108さんにはよりお楽しみ頂けるかと思いますので是非!
      (私も『チムニーズ館』読みたいです~)
      お気に入りのケイタラム卿も出番は多くないですが、“いい味”だしてます(^_-)-☆
      フォローありがとうございます!とても嬉しいです(*^_^*)
      2021/08/09
  • 七つの時計
     僕は学生時代、古本屋巡りが好きでクリスティ作品は出版社等拘らずに時間をかけて全て揃えた。残念ながら全てを読み尽くす情熱は無かった訳だが、何年も経って再びクリスティへの熱が再燃し、ハヤカワ版を買い直し読み進めるに至る。
     当然、以前に読んでいて記憶しているもの、読んだがうろ覚えで何となく記憶にあるもの、全くの初見があり、今作は今回が初見だった。そして幸いにも見事に裏をかかれ、学生時代にかえった様な気分になった。ものの見事に虚をつかれた、どう分類していいかわからないミステリーを久しぶりに体感した気持ちだ。
    (ミステリーに縛られる事なく楽しめる。トリックの分類は勝手に叙述トリック、もしくは読者の先入観を逆手に取ったものだと理解している)
    何でもかんでも面白いと評価する訳ではないが、僕にとっては良作だ。楽しむ事が出来た。

     今作は「チムニーズ館の秘密」の続編にあたり、前作から主人公は変更になっている。チムニーズ館の所有者ケイタラム卿の娘、バンドルを中心に構成されている。魅力的な人物達も健在であり、多少なりとも滑稽なユーモア溢れるパートもあり、起承転結がはっきりしている。前作においては中心人物が他に存在していた為バンドルの魅力は制限されていたが、今作ではとても行動的で魅力ある女性に描かれており主人公として理想的だ。序盤はスリリングではあるが、読みにくさもあり(登場人物が多く名前がわかりにくい。職業も似ている為、手こずる)中々頁がすすまなかったが何故この様な事が起きたのか。については読者の好奇心を見事に捉えていると思う。
     前作後、チムニーズ館は他の人物に貸し出されており、ケイタラム卿達は数年ぶりに館へ帰還する訳だが、屋敷ではとある若い人物が睡眠薬の飲み過ぎで亡くなっている事件が起きる。
     物語が進むにつれて、バンドルを巻き込み広がっていく事件と、秘密結社「セブンダイヤルズ」の真実。バンドルや仲間達の冒険は魅力的だが危なっかしくてハラハラしてしまう。途中から秘密を共有する仲間が増えていきながら、そしてそれぞれが自分自身を欺きながら政治に関わる人物達との社交に携わり少しずつ謎が紐解かれていく訳だが。冒頭にも述べたが真相が明らかになった直後、空いた口が塞がらないとはこの事であり、そういえばクリスティはこうだったなぁと再認識させられた作品。前作に比べてバトル警視の役割も大きく、彼の人物像が少しだけ垣間見れる。
     途中までは「チムニーズ館の秘密」には及ばないなぁと思いながら読んでいたが、中盤から結末までで場合によってはこちらの方がいい?と思わされた作品。「カリブ海の秘密」と「復讐の女神」と並び、「チムニーズ館の秘密」と「七つの時計」は二対一組で面白さが何段も上昇する。

  • 冒険もロマンスも盛りだくさん!

    ジェリー・ウェイドが眠ったまま亡くなり、寝坊助のジェリーを驚かせるための悪戯だった時計7つが並べられているところから物語が始まる。同席していたロニーが死に、それを間近に目撃したバンドルことアイリーンは事件に首を突っ込む。ロニーが言い残したセブン・ダイアルズとは。友人ビルやその友人であるジミー、ジェリーの妹ロレーンと組んで作戦を立て、セブン・ダイアルズの秘密に踏み込もうとするバンドルだが、バトル警視も何やら作戦を実行してるようで——

    バンドルと一緒にハラハラドキドキするのがとても楽しい。秘密結社セブン・ダイアルズの集会に潜入するところなど、行動家バンドルの本領発揮。パーティーに忍び込むためのおべっかで巻き起こる求婚騒ぎや、大ピンチから突然の告白シーンなど、ジェットコースターのような展開にワクワクが止まらない。バトル警視の例のシーンなどは、驚きでいっぱいだった。仮面を取ったらバトル警視の顔がどーん! 絵で思い浮かぶほど。

    冒頭のチムニーズ館に滞在していた若者たちの1人であるジミーと、彼が熱を上げていたロレーンが悪役である。読み返してみると、ジミーが向こうサイドとして動いているからそういう動きになったのかとわかる。

    秘密結社セブン・ダイアルズは、実は覆面の素人探偵団。そんなバカなと思いつつ、それはそれで楽しい。

    小説の読みすぎじゃないかとか、小説の中に出てきたよとか、作者のセルフツッコミもあるくらい、冒険とロマンスに舵を切った作品。トミーとタペンスのように、これも映像化したら楽しそう。

  • 「チムニーズ館の秘密」の続編なので、先に「チムニーズ館…」を読んでおくとより楽しめる。バトル警視が出てくる。最後まで犯人が分からなかった!結末を知ると、あぁなるほどという感じの一冊。

  • チムニーズ館の秘密に続きこちらも上流階級の言葉遣いが悪すぎてドン引き。まあ若手エリート外交官達が見たままの「ぼんくら」揃いでなかったのには安堵した。ダイイングメッセージでこっちが犯人だな目星をつけた状態で読んだので格闘も自作自演感がわかりやすかった。途中で自分が絞首刑になる運命とか言っているし。セブンダイヤルズの会合でロニーを事故死に見せかける噂が流布されて、それなら心配ない、と言うようなコメントが出ていたのは矛盾に見えるけど…
    ポンゴが地味に好き。「私はなんと言われようと平気ですが」と平然と言ってのけるバトル警視の渋いキャラクターが好きだったのに、最後の現実離れした派手派手展開に驚愕。バンドルは本作の時点で爵位も継いでいるようだし、才気煥発な美女と恵まれすぎ設定だが、非モテ系に好かれ(前作に続き)そうでない人にスルーされたり、前作の初登場場面は「動く指」のミーガンを彷仏とさせ、終始とんちんかんな努力をしながらも憎めない感じだった。

  • 原著は1929年刊行。初期の作品である。
    ウッドハウスぽいクリスティー、ということで、クリスティーに詳しい方から紹介していただいて手にとった。
    以前に読んだかも、とドキドキしたが、それはポアロの『複数の時計』のほうだった。
    こちらはノンシリーズ、一応前段にあたる《チムニーズ館の秘密》があるそうで、それを飛ばして読んだけど、特に問題はなかった。

    ジャンルとしては、スパイアクション。初期ぽい。
    このジャンルはあついファンからはナメられているけど、私はけっこう好きで本作も楽しく読んだ。
    冒頭の事件、なかなか起きない青年への友人たちのいたずらで、たくさんの目覚まし時計を置いてやる、って陽キャ大学サークルのノリだ。
    本編は、向こう見ずの金持ちお嬢様・バンドルが、謎にとりくむストーリー。
    愛車イスパノを駆って、ロンドンの謎の秘密結社のクラブや、郊外のお屋敷をめぐって謎に挑んでいく。
    金持ちライフ、恋や友情、社交にゴルフに政治パーティー、執事と秘書など、確かにウッドハウスばりにキラキラしている。

    怪しいキャラだらけのなか、成り上がりのクート夫妻がいい味を出していると思う。

    私が一番こわかったのは、最後のシーン。
    黒幕がわかり、今までの謎もとけ、大団円。
    主役のバンドルたちが、近くにしゃれたレストランがありますよ、ちょうどいいわ、お腹ペコペコだったの、と言い合うところ。
    え、ちょっと待って、、、いま、盛大に☓☓が☓☓だったとわかって、ショックうけてないの?
    平然とご飯を食べられる神経が怖いな、となりました。
    いやあ、さすが金持ちは違うねー、ハハッ。
    かつての雇用主、というだけで、相手に対して居丈高なバンドルにもびっくり。

    あと、全体に訳が古風な気がする。
    ・ライオンのあぎと
    ・とつおいつ
    ・ヒヤ!ヒヤ!(←『黄色い本』のチボー家の人々シーンだと《謹聴!》って訳されるシーンですよね。和む)

    • 111108さん
      mario3さんこんばんは

      さっそく読まれたんですね!
      お気楽スパイ物?で私は好きなノリだったので、mario3さんの「ウッドハウスばりに...
      mario3さんこんばんは

      さっそく読まれたんですね!
      お気楽スパイ物?で私は好きなノリだったので、mario3さんの「ウッドハウスばりにキラキラしてる」との感想でますますウッドハウス読むのが楽しみです♪

      そうか、訳が古風だったんですね‥「とつおいつ」とか「ヒヤ!ヒヤ!」とか何か意味わからないけど読み飛ばしてました(笑)ソックス嬢の「おもむきのある」連発は好きでしたけど。
      2021/12/04
    • mario3さん
      111108さん
      おすすめ、ありがとうございました
      111108さん
      おすすめ、ありがとうございました
      2021/12/04
    • mario3さん
      すみません、またフレッドおじさんのときと同じく、↑のコメントが途中で切れています
      すみません、またフレッドおじさんのときと同じく、↑のコメントが途中で切れています
      2021/12/06
  • タイトルからはあまり想像できなかったが、秘密結社の話。主役のお嬢様が秘密結社に挑む形だが、秘密結社は悪役ではないのではないか、という予想があった。しかし、最後の秘密結社の首領は意外だし、実は犯人も想像つかなかったし、楽しい作品だった。

  • ラストのどんでん返しに驚いたが、
    犯人の動機にあまり納得できなかった。
    伏線もあまりなかったように思う。
    アガサ・クリスティ不調の頃の作品とのことなので
    これから他の作品も読んでみたい。

  • バトル警視モノ。他のバトル警視もの同様に、バトル警視自体の働きはいまいち見えにくい。
    犯人は、アガサ・クリスティのよくあるパターンの1つ。だが、表題の「7つの時計」の部分がなかなかに良くできた話であった。この部分に関しては正直、作者の手中にそのままハマったような感じに騙されてしまった。さすがはアガサ・クリスティ女史、といったところだろう。

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