そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

制作 : Agatha Christie  清水 俊二 
  • 早川書房
3.97
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  • (40)
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本棚登録 : 4644
レビュー : 633
  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300806

作品紹介・あらすじ

さまざまな職業、年齢、経歴の十人がU・N・オーエンと名乗る富豪からインディアン島に招待された。しかし、肝心の招待主は姿を見せず、客たちが立派な食卓についたとき、どこからともなく客たちの過去の犯罪を告発してゆく声が響いてきた。そして童謡のとおりに、一人また一人と…ミステリの女王の最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 10人の男女が仕事の依頼や招待を受けて、オーエン夫妻の所有するインディアン島を訪れる。そこには夫妻はおらず、夕食の後にくつろいでいると、突然レコードから声が流れ、10人が犯した罪を暴露するのだった。
    彼らは直接手を下したわけではないが、作為的な誘導や冷たい仕打ち、仕事上の地位を利用した合理的な命令などにより、結果的に人を死に至らしめた。法により裁かれることはない彼らを何者かがオーエン夫妻の名を語り、裁きを下そうとしているようだ。
    部屋には古い詩が飾られていて、それは「10人の少年が一人ずつ欠けていき最後には誰もいなくなった」というものだった。彼らもその詩のとおりに一人ずつ殺されていく。島には10人の他には人はいない。どうやらオーエンと名乗る犯人はこの中にいるようだが、それはいったい誰なのか?


    ミステリーは好きでけっこう読んでいるけれど、日本のミステリーとはずいぶん趣が異なっている。
    ミステリーの古典の傑作なんだろう。清水俊二訳の美しさもあって、かなりおどろおどろしいはずなのに、情緒的ですらある。
    好んで読むタイプのミステリーは謎解きに重きがおかれ、また、殺意に同情的な面があったりして、犯人や探偵役、その周りの人たちに感情移入できるけれど、この話には、それがなかった。
    あくまで、こちら側からスクリーンを見ているような感じで。
    TV版で観たポアロって鼻持ちならないなと感じていたのを話の最後に思い出したけれど、クリスティーはどこかに人の虚栄心みたいなものを匂わせているよう。

    最初に10人の履歴の説明があるけれど、これがなかなか頭に入らず、途中何度も表紙の裏側の人物紹介を確認しながら読む。
    TVドラマのように丁寧すぎるおさらいがないから、ちょっと読みなれない感じではあった。あちこちに散らばっていた伏線が最後に回収されるようなすっきり感はないけれど、却ってそのあっさりしたところが、映画を見終わった後の余韻のようで気になって、もう一度最初から流し読み。
    ここでようやく、なるほどね、と。

    読みたい新刊も多いけれど、たまにはいわゆる傑作もぜひ!

  • 有名な作品だし何度も何度も読もうと思っててやっと読んだ。いやぁー今でこそこの手のトリックや閉鎖された空間で殺人事件の話は沢山あるけど、その元祖!素晴らしい!!!
    単純に面白かった。
    最後まで犯人がわからないし、ワクワクするし素晴らしかった。古典派もっと読みたくなった。

  • 1939年に刊行されたアガサ・クリスティの長編推理小説。名作に触れたくなり読了。
    孤島に招かれた面識のない10人の男女。古い童謡、暖炉の上の10体の人形、静寂を破るレコードから発せられる戦慄の声、一人また一人と殺され…逃げられない空間で精神的に追い込まれていく招待客に読み手も疑心暗鬼にならざるを得ません。ラストまで一気に読ませる魅力が詰まっていました。
    ハヤカワ文庫からは青木久惠氏の新訳版も出ているそうですが、より原作に忠実な訳を読むなら清水俊二氏訳の本作がオススメ。

    綾辻行人さんの『十角館の殺人』は本作をオマージュした作品。ベースは似通っていますが、やはりこちらも唸るものがあります。

  • 言わずと知れたミステリーの金字塔。
    アガサ・クリスティーの傑作 孤島連続殺人の原点。
    久々に読書の世界に引き込まれた。
    最後は次のページをめくるのももどかしいくらい一気読み。
    実写化ドラマを見てから原作を読んだので結末がわかった状態で読んでしまった。
    何もわからない真っ白な状態で読んだら衝撃を受けもっとどんでん返しを楽しめただろう。その点は少々悔やまれる。
    結末がわかってから読むのもまた違った視点で物語が見えてきてそれはそれで面白かった。
    小説だからこその魅力が詰まっている重厚なミステリー。

    島に集められた客人たちが童謡になぞらえて1人、また1人といなくなっていく…
    残された客人たちは恐怖と闘いながらも翻弄され そして誰もいなくなった…
    淡々と進んでいく不気味な物語の中で登場人物が感じる恐怖、緊張感、猜疑心がひしひしと読者に伝わってくる。
    その心情の変化の描写が秀逸。その殺し方は無理があるのではと思う部分もあったが、客人たちは皆追い詰められて
    正常な判断ができる状態ではなく次第に狂っていく中で何が起きてもおかしくはないかもしれない。
    最後に謎が解き明かされた時の伏線回収の仕方は見事としか言いようがない。
    唯一犯人の動機だけは理解できないし むなくそ悪い奴だと感じた。狂ってる。
    読み終えてみると世に出てる数多くの推理小説、ドラマ、漫画が
    アガサ・クリスティー小説の影響を受けていることがよくわかる。
    遥か昔の作品なのに古臭さを感じさせず時代を越えて長く愛されるのも納得だ。

  • 初めて読んだアガサ・クリスティー。
    推理小説に最近興味を持ち始め、とりあえず某探偵漫画で知った有名な作品を読んでみたくて、図書館で借りた。

    推理小説初心者だからか、普段海外文学をあまり読まないからか、文章が独特でカタカナの人名が覚えにくく、最初は少し読みにくさは感じた。けれど中盤あたりからは文章に慣れたし、タイトル通り“誰もいなくなっ”ていくので人名もすんなり頭に入るように。

    島の邸宅に招かれた10人だけというクローズドサークル、不吉なインディアンの詩を再現する見立て殺人。次に誰が死ぬ?犯人は誰?などと考えながら読むうちに、「そして誰もいなくなった」…
    人数が随分と減ってからは、本当に驚いた。
    実はクローズドサークルではなくて、外部犯、もしくは11人目がどこかに隠れているのでは?と素人ながらあれこれ考えて、最後の種明かしでなるほど!と。

    後味が悪いとか、グロいとか、そういうのはなく、読んでる間はドキドキするし、種明かしまで読み終わるとスッキリした。
    他のアガサ・クリスティーの作品、推理小説、海外文学をもっと読んでみようと思った。
    2016/12/01

  • ★4.5
    再読。以前の読了から時を隔てているため、覚えていたのはタイトルのままにラストを迎えるということ。序文にも書かれている通り、確かにあり得ないことが多々あったかもしれない。が、孤島という非日常な舞台に加え、童話に準えた殺害方法、時が経つにつれて膨らむ疑心暗鬼に、ただただ魅せられるばかり。全てが種明かしされる“告白書”まで犯人の検討がつかず、最後まで楽しませてくれた。そして、10人それぞれが個性的で、その描き分けがお見事としか言いようがない。極上のエンターテインメントで、長く読み継がれているのも納得!

  • 言わずと知れたミステリーの古典的傑作。孤島に招かれた見ず知らずの客8人と使用人夫婦2人、計10人が一人ずつ殺される、あるいは自殺へ追いやられ、タイトル通り“誰もいなくなる”。

    最初は登場人物が多いこともあり、ページを戻り確認しつつの箇所もあったが、それもまだ読書の醍醐味だろう。特に後半は読み進まずにはいられない。からくり、真相の提示もお見事。脱帽、の一言だ。

  • 仲間由紀恵のドラマで見ました。有名なタイトル、こういう話か!を知れて満足。渡瀬恒彦さんの鬼気迫る演技、息を呑みました。

  • 言わずと知れた名作を再読。
    初読時の衝撃はもの凄かったんだけど。知ってて読んでも面白くてぐいぐい引き込まれるさすがの一冊です。クローズドサークルの孤島でマザーグース見立て殺人で、と好きなものてんこ盛り。そして本当に誰もいなくなっちゃう衝撃の展開。やっぱり凄いとしかいいようがありません。
    再読でも、このサスペンス感はまったく衰えませんでした。展開知ってるのにどきどき。そして犯人も覚えていたので、そのあたりの伏線を探ろうとしたけど。やっぱり犯人らしいと思えるあからさまな伏線が見つからなくて。見事だなあ。

  • 何を今更…? と自分でも思います。そしてこの評価──でしょうねといった感じです。

    今春、原作ドラマが二夜連続放送。なんでも国内初映像化なんだとか。俳優陣も豪華なので俄然興味がわき、約三十年前に読んだ名作を復習の意味で再読しようと思った次第。

    「こんなに面白かったっけ」と初読の記憶を辿りつつの一気読み。過不足のない必要にして十分な描写を備え、一気読みできる頁数も文句なし。内容豊かな長編ミステリながらスピーディーに展開し、多くの登場人物の描き分けがしっかりしているので混乱することもない。サスペンスフルな展開にうはうは言って、知的で粋な印象をキープしたまま読後は快い余韻に浸る。

    現実逃避できるシアワセな読書時間に大満足。時代を超えた面白さってこーゆーことよね。

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