死への旅 (ハヤカワ文庫)

  • 早川書房 (2004年8月18日発売)
3.42
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784151300905

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プレミアム

みんなの感想まとめ

死を望んでいた主人公が、運命の偶然から新たな人生を歩み始める冒険譚が描かれています。ヒラリーは、亡くなった科学者の妻として失踪事件に関わることになり、彼女の成長と再生の物語が展開されます。クリスティ特...

感想・レビュー・書評

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  • 死への旅
    クリスティの長編スパイスリラー。若い女性がアクティブに行動するスパイスリラーはクリスティのなかでもたくさんあるが、今回の様に死を望んでいたヒラリーが特殊な事から亡くなった科学者の妻を演じ、失踪した科学者を探す冒険をする作品。

     クリスティのスパイスリラーを幾つか読んであるが、ヒラリーの冒険は面白いが、彼女が悪の親玉を暴く、大立ち回りをする様な作品ではなく、彼女自身の活躍はあるが、どちらかと言えば諜報部員たちの傀儡の様に行動している場面が多い。
     終盤に立って、彼女の強さや賢さ、魅力が表現されるのだが、その場面が少なく少し物足りない。
    反面、夫と別れ、子供とは死別してしまったヒラリーの再生の物語としてもおもしろい。クリスティは最初に試練をあたえ、それを乗り越え成長する女性を描くのが上手いが、今回でいえばヒラリーにもっと危機的な状態があってもよかったし、もっと彼女に目立って欲しかった。

     彼女の冒険の途中、いく人かの特徴ある人物達が登場しているが再登場は少ない。もっとキャラクターが素敵だったらもっともっと面白い作品になっていただろう。
     起承転結、いずれも既視感があり、今までに読み終えた作品を確認する予定だが、内容はとても面白かった。昔ながらのトリックも古典としての味がある

    クリスティ作品の中では比較的有名ではない作品だが、決して侮れない作品だ。最後にミステリーとロマンスで締めるあたりがクリスティらしい。

  • 主人公の女性が「死への旅」から生還する冒険譚。

    アガサらしいというか、女性らしいというか、イギリスらしいというか、派手なアクションシーンはないけれど、鋭い視線で描かれた心理描写が面白くて、最後まで目が離せませんでした。

    非力な女性が知恵と勇気で事態を打開していき、しかも主人公が自力で解決していくのではなく、解決のヒントを力のある人たちに伝えることで人々を救うのです。ミス・マープルを生み出した作家ならではの発想でしょう。その独自の発想に舌を巻きました。

    冒険譚より、人間の本性を暴き出すアガサ・クリスティーの鋭い視線が一番スリリングです!

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    東西の冷戦でふたつに引き裂かれているヨーロッパ。その西側陣営で科学者たちが次々に失踪していた。いままた、めざましい成果をおさめた科学者ベタートンが行方不明となる。東側の陰謀なのか?英国情報部はベタートンの妻に瓜ふたつの女性スパイとして適地に放つが…会心の冒険スパイ小説、新訳で登場。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    これまたクリスティのスパイ小説ですよ。
    そしてまたしても勇敢で元気のいい女性が活躍します!

    ただ、今回の女性はいつもと違う...
    人生に絶望して、死を望んでいた主人公のヒラリー。
    運命の偶然で、死にたかった彼女が乗るハズだった飛行機が墜落して違う飛行機に乗った彼女は助かってしまって...

    でも赤毛だった彼女は、その事故で亡くなってしまった女性とすり替わり、冒険の旅に出るのです。

    一度死んでしまった彼女はすっかり生き生きして、本来の姿を取り戻し。
    身代りになった女性よりも魅力を発揮しちゃいます。

    大富豪が世界の頭脳を集めて研究をさせる...
    そして今回は時代背景から共産主義者として亡命させる形で科学者を集めています。

    共産主義に傾倒していた科学者は、失望しないのかな?
    鉄のカーテンの向こう側に行けなかったことは研究を進める上では特に問題ではないのかしら。

    荒唐無稽なようで意外とあったりして...
    あった方がよかったりして...

    にしても、費用の心配なく好きな研究に没頭できるのは素晴らしい!
    きっとこの環境下だったらSTAP細胞も見つかるはず!
    あ、違う、存在を証明できるはず!
    (ブラックですか...?)

    これはね、わざとらしくなくて面白かった。
    ちょっとSFチックな面もあるし。

    にしても、クリスティの繰り出す女性主人公は、みんなモテモテですねぇ...
    最後にはちゃっかり運命の人をつかめちゃうところも(笑

    でもね、この作品は最後まで読んでくださいね!
    終りの方で謎は解決して、この後は蛇足だろうと思わせておきながら...
    まだ最後にもうひと展開ありますからね!

    クリスティの色あせない魅力に乾杯です☆
    (いみふ...)

  • 惹かれなかったけど全巻読破したかったので読んでみた。
    さすがクリスティ、謎はなくスパイに振り切った作品だけどページを捲る手が止まらなかった。
    ハッピーエンドで良かった!1人の命を救ったねー。

  • 自殺をしようとしていたヒラリーが、ひょんなことから女性スパイとして別人になりすまし、敵地の施設に潜り込む。ミステリーの女王クリスティが描く、冒険スパイ小説。

  • 1954年発表のノンシリーズものの一作。クリスティ初期の作品ではお馴染みのスパイ・冒険ものが帰ってきた。とはいえ、スパイ・冒険はあくまでも味付け、純粋なミステリーとしても控えめで、骨子は人生を悲観した女性ヒラリーの波乱に満ちた旅物語。それ以上のものはないが、なくてもよいそれがクリスティ。

  • クリスティー文庫その90。冒険スパイ小説と謳われてるけど、かなり冒険寄りだった。しっかりとミステリー要素も加えてるところは流石だと思った。

  • 2004年発行、早川書房のクリスティー文庫。解説は中辻理夫(文芸評論家)。解説によるとスパイ冒険小説。自殺願望がある女性がスパイに仕立て上げられる。途中から死というものを全く考えなくなるが、解説のいうとおりやはり新しい環境に順応してしまっているのだろうか。最後になぜかロマンスになってしまうところはアガサらしいかな。

  • 死にたかった彼女に与えられたのは決死のスパイ任務。

    相次ぐ科学者失踪の謎を探るために、白羽の矢が立ったのは飛行機事故で命を落とした女性と同じ赤毛のヒラリー。彼女は失踪した科学者ベタートンの妻になりすまして中東に滞在する。旅の目的地がどこにあるのかわからないまま。

    クリスティーあるあるの国際的陰謀に素人が挑む冒険小説ちょっぴりロマンス付き。いきなり素人がスパイ任務は無理だろうと思うけどヒロインに自分を重ねてみれば、これ以上楽しい設定もない。旅の途中で出会うさまざまな人物の裏を考えつつ、ロマンスだと思えば意気投合した若い男性がお相手なのは明白。夫の科学者が犯した殺人までは読めなかった。共産主義やソ連に対する態度がとても時代を感じるが、そこももはや作品のエッセンス。

  • スパイ物も面白いですね。
    これはなかなか読後感も爽やかでよかった。

  • クリスティーの冒険物の中では一番好き。
    他のと違って、行き当たりばったり感が少ないからかな?

    オリーヴの最後の言葉がそういう意味だったとは…。

    お決まりのロマンスも良い。
    最初はジェソップが相手かと思った。

  • 非公式正誤表あります(登録 1 件)
    http://public-errata.appspot.com/errata/book/4-15-130090-2/

  • アガサクリスティの推理小説をたくさん読んできたので、
    だんだん類型化して読むようになってきました。

    最初の見開きの人物紹介で、誰が死に、誰が犯人かを予測するようになりました。
    半分以上は当たりません。

    第1章を呼んだところで、次の予測をするようにしています。
    本書では、すぐにその予測も外れました。
    第2章で、予想外の方がなくなられたからです。

    主人公は、死なない。主人公だと思われる人は死んでしまう。
    結局、本筋の主人公は、人物紹介の下の方にある人になったところで、がっくりしました。

    このがっくり観を味わいたくて、アガサクリスティを読み続けています。
    本書も、第3章までで、半分は満足しました。

    最初の方に出てくるモロッコは行ったことがないので、ちょっとピンときていません。
    モロッコを舞台にした映像作品を見てから、もう一度読み直そうと思いました。

  • (2010-10-03)

  • /?day=20071207

  • クリスティのスパイ小説もの。自殺願望のヒラリーが、ミセス・ベタートンに扮し、潜入するというもの。バクダッドの秘密に近い感じの作品ですが、この作品にはサスペンスがあり、はらはらしましたし、後半の部分が印象的で、楽しかったです。

  • 東西の冷戦でふたつに引き裂かれているヨーロッパ。その西側陣営で科学者たちが次々に失踪していた。いままた、めざましい成果をおさめた科学者ベタートンが行方不明となる。東側の陰謀なのか?英国情報部はベタートンの妻に瓜ふたつの女性スパイとして適地に放つが…会心の冒険スパイ小説

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著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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