終わりなき夜に生れつく (ハヤカワ文庫)

  • 早川書房 (2004年8月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784151300950

感想・レビュー・書評

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  • クリスティのノンシリーズ、後期の作品。

    呪われたとされる土地で出会った美しい女性エリー。実は大富豪であるエリーと全く身分が違うマイクだが、意気投合し結婚する。
    エリーの親族や自身の母との確執を乗り越えて、幸せになろうとするマイクだが。。。

    途中まで何を読まされているのか全くわからないが、最後にガツンとやられる。事前情報をあまり入れずに読んだ方が良い作品。

    終始まとわりつく嫌な感じが傑作。時代が異なるとしても、好きになれない登場人物たち。どこか不安に感じる展開。そしてラスト。このボリュームで非常に完成度が高い。

    正直、良い意味でお勧めできない作品笑
    勧められた方はシンドイかも。
    サクッと読めるので試したい方はどうぞ。。。

  • エリーとマイクは、あの家に住んでいた時、ギターを弾いて歌うエリーを見ていた時、本当に幸せだったんだなって。

    グレタも、そんなに仕事ができるなら他のことでも成功していただろうに。んむぅ。

    思い返すと伏線だらけでアガサクリスティの手腕の凄さを見せつけられたばかりである!

  • ・最後のマイクの内面が怒涛のように開陳されていく部分の迫力がすごい。この小説のかなり長い前置きはここのために用意されたものだとわかる。

    ・終りなき夜に生れつくというタイトルが良い。マイクは夜を生きることを運命づけられている。
    全てが終わったあとにマイクがことの顛末を記したものとしてこの小説が成立しているという構造も面白い。最後のエリーを幻視するところから、段々とマイクの情緒が不安定になると共に、マイクの語り口はこの物語自体をすでに経験しているかのような口調になっていく。マイクはこの小説自体にも縛り付けられている。マイクは何度もエリーと出会い、幸せになる機会を目前で手放す。わが終りのときに始めあり


    ・ただやっぱり長いな、あと裏表紙のあらすじにエリーが落馬して死ぬことが書いてあるからどうしてもその場面を待ってしまって途中だれてしまった。

  • いつかはアガサ・クリスティーを読まなければなと思っていたので、タイトルがあまりに格好良くて気になっていた本を試す。
    面白い。しっかりと骨の太い面白さがある。文章は思いのほか質素だが、場面設定の巧みさ、印象に残るシーンの組み上げ方により読み進められる力がある。

    主人公の内面描写の薄さから「信頼できない語り手」なのでは? という疑念は早々にあったが、最終的に自分が明るい場所に行くことのできない人間だと気づき、慟哭する展開になるとは思わなかった。

    「甘やかな喜びに生まれつく人もいれば、終りなき夜に生れつく人もいる」というリフレインが作品のスパイスになっていた。王道のミステリも読みたいなぁ。

  • 若いアメリカ人大富豪と結婚した、うだつの上がらない主人公。
    地元民からは呪われた地ともいわれる「ジプシーが丘」を購入し、
    新居を建て、新生活を始める。
    しかし、乗馬に出かけた妻が遺体で発見され・・・
    という流れの、主人公の一人称で語られる作品。

    「ジプシーの呪い」というオカルト風味が足されていますが、
    クリスティ作品ではそんなものはマヤカシでしかないのは
    もはや自明の理ですね(笑)

    トリックはクリスティの有名作のアレやアレの組み合わせです。
    筋立てやトリックを知っていても楽しく読めるのが良いミステリだと思いますが、
    アレやアレに比べて、本作は読んでいて常にイマイチ感がありました。

  • 好みの問題だけど個人的には不発。同じ叙述トリックの超有名作なら、立派に見える人が、ポアロが言ったように奥深くに弱い性格があるために間がさして重罪を重ねたことに人生の恐ろしさ+大胆で悪辣な犯行のギャップに胸を締め付けられる衝撃があったけれど、本作の主人公は初めから責任感も良心の呵責も希薄、楽して得したい犯罪者タイプで「あ、やっぱり?いかにもろくでなしだからね」だし、最後にエリー…と泣かれても自業自得。この主人公らしい終始ふわふわで読んでいてイラっとさせられる拙い叙述は、紫式部が登場人物によって歌を詠み分けたような人工的な感じ。不安定感に寄与するけど、いかにも「信頼できない語り手」で真相が予定調和。若干モチーフが似ていて要点が何かと正反対な「郵便配達は二度ベルを鳴らす」の切なさや迫真感が本作には全くない。
    母親や建築家、後見人等警告したり罪を見逃さない登場人物は良かった。ただ巻き込まれ被害で手口の証拠になった被害者の友人が財産管理人の元妻で建築家の異母妹なのは単に話が散らかっただけじゃない?
    マープルの短編「舗道の血痕」のある種発展形で、短編では被害者を冴えない無人格な描写に留めたが、本作はかわいそうなお金持ちのお嬢さん。周囲が皆利益目的なことに慣れ、そこから逃れたい気持ちを利用され信頼した人達に騙されたことに途中から気づき命運悟っていた感が源実朝的悲劇ながらそこに焦点は当たっていない。
    詩の引用タイトルが素晴らしい(本作は特に邦題)のに中身が残念。

  • クリスティはなぜか10年に1度くらいの割合で読みます。
    ブレイクの詩『罪なき者の予言』をネットで見かけて
    この小説を手に取りました。

    少し長い、と感じたもののところどころ
    惹かれるセリフがあり読み切りました。

    「まるで心から愛しているような目でなぜ私を見つめるの」

  • 極上の雰囲気。
    クリスティー作品の中でも最上級。

  • ぼく(マイケル・ロジャース)は、いつか愛する少女と立派な家が欲しいと熱望する移り気な青年。
    ある日、〈ジプシーが丘〉と呼ばれ、呪われた場所と忌み嫌われる土地で、可憐なお嬢様(エリー)と出会う。

    途中、退屈かも…と思ったりもしたが、最後の巻き返しが凄かった。

  • マイクと実母との関係が、記憶に残った。
    実の母には、マイク自身も認めたくないような自分の負の部分を見透かされていた。
    クリスティはミステリーの面白さはもちろん、言葉では説明できないような人間の心理や行動を物語に落とし込むのが上手だ。

    読み終えた後、改めていいタイトルだなぁと思った。

  • タイトルに惹かれて読んだ

    ロマンスの奥の不穏さと後半の空気の変化がものすごく印象的、伏線を張りながら溜められたものが一気に放たれる感じがあった
    読み返してみるともう戻れない切なさを感じた
    前情報ゼロで読めて幸せだった

  • なぜエリーは、マイクの目的をゎかってぃるのに、何もせずただその時を迎ぇたのか。エリーミステリー。マイク(とグレタ)の思惑に気づいてた、フィルポットショウ医師マイクの母リピンコットにサントニックスたち(ひろし)ウァ、エリーを物理的にマイクKARA(コリァ歌手)引離そうとしなかったのCA4LA。エリーの願ぃ?考ぇを汲み取ってそうしたのかな。マイクは強欲すぎ(ちゃん)るし、最初の人殺しの時点で暗闇生活確定だったわょえ〜。

  • 先が気になり一気に読んだ。圧倒された。なんとも言葉が出ない。クリスティー『春にして君を離れ』とカズオ・イシグロ『日の名残り』を思い出した。愛情や良心って何だろう。いつかまた読み返すと思う。
    →翌日読み返した。凄い。深いため息が出る。

  • 2004年発行、早川書房のクリスティー文庫。前半は事件が起こらない。「春にして君を離れ」と同じパターンかと思ったが後半で事件が起きる。しかし比較的わかりやすい真相かもしれない。ここはやはり「春にして」と同じく主人公(語り手)の闇を描いた作品として味わう方が面白いかもしれない。

    解説:「無限の夜に棲む物語」(作家)真瀬もと、

  • Some are Born to Endless Night ―
    Auguries of Innocence by William Blake

    妄執と悔恨、自分でかけた呪いに囚われる悲劇。point of no return = 引き返せない地点は、不吉な丘での出逢いよりずっと以前に厳然と存在しており…。

  • 180629-0716

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    海をのぞむ美しい眺望で人々を魅了する“ジプシーが丘”。が、同時に呪われた地として皆から恐れられてもいた。この地で男女が出会い、恋に落ちた。だが、まもなく乗馬に出かけた女は馬から落ちて死亡してしまう。果たして、“ジプシーが丘”の呪いなのか?斬新な手法を駆使し、著者が自信を持っておくる異色作。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    これは新しい形の作品でしたね!
    ミステリー...なのかな...?
    ミステリー...ですよね...?

    サスペンスの要素も相当にあり...
    文学の要素も大いにあり...
    ラブロマンスのようでもあり...

    と、いろんな要素がぎゅっと詰まった、珠玉の作品だと思います!

    ともかくノン・シリーズとは言え、なんとなくいつもの作風とは違うような。
    なんだか背後から誰かがじっと見てるような、
    そんな不吉な影すら感じる作品でしたぁ。

    そしてこの作品、邦題の付け方も秀逸ですね...
    原題は「Endless Night」これもかっこいいけどね、
    「終わらない夜」よりは興味引くよね~

    作中の詩を使用したセンスに惚れ惚れです♡

    でもこれ、私結末分かりましたよ!
    途中で!
    って今回の作品は割りと分かりやすかったかな。

    ジプシーが丘、と呼ばれる風光明媚な場所にまつわる不思議な話。
    そしてそこに魅せられた主人公の青年。
    思えばそこから、不吉な影は付きまとって...

    で、その丘のある村にはやっぱり占いをしたりするジプシーのおばあさんがいるのですけど。

    クリスティの作品には、時々ジプシーが出てきますよね。
    今回のようにおばあさんだったり、奔放で美しい女性だったり。

    イギリスの、クリスティの生きた当時で、ジプシーってどういう存在だったんでしょう。
    と言うかジプシーって具体的にどういう人たちを指していたのかな?

    イギリス人ではない、移民のことだろうとは思うのですが...
    具体的にどこの人で、どういった人種だったのでしょうか。
    (イメージでは西アジア系のオリエンタルな雰囲気の)
    そして今もジプシーと呼ばれる人はいるんでしょうかね...

    途中にふと挿入され、最後に何度も繰り返される、
    主人公の青年と結婚した大金持ちの娘の会話。

    思い返すと少しだけ、背筋が寒くなるような。
    胸が痛くなるような。

    そして悲しい結末...

    悲しいけどこの結末でよかったな、と思っちゃう。
    あの女性がこのまま生きていたら、と思うとぞっとする。
    いずれにせよ平和な未来は絶対ないからね!

    ほんとはちょっと読むのを迷っていた作品だったのですが、
    結果今回手に取ってやっぱりよかったです。

    これは舞台を変えて日本とかでも、そして現代に置き換えても、違和感なく映像化出来そう。

    ぜひさわやかイケメン(三浦春馬とか...東出昌大とか...)に演じてもらって、驚かせてほしい!

    あーそれいいな。
    東出さんと杏ちゃんの夫婦で。
    で大金持ちの娘は有村佳純さんとか!
    志田未来さんとかもいいかも!
    わーやばい。見たい。

    ...ってくらい一人でも盛り上がれる作品です。
    皆様も、ぜひ(笑

  • これは怖い
    クリスティーの中でもダントツの読後感の悪さ
    うーん

  • ロジャーが本性を出した瞬間に「ああ、そうだよな」って納得してしまった。頭のすみっこにあった違和感がさっと晴れた感じ。
    客観的に見たら主人公たちの結婚は金目当てでしかないんだけど、一人称に騙されて「おかしいな」と思いながら読み進めてしまう。実の母に軽蔑されている時点でろくでもない男と気づくべきだよね。エリーがなんとなくロジャーとグレタの企みに気付いていそうだったのがまた泣けた。

  • 最後の最後に「やられた!」と仰け反りたくなる小説。
    なんだかよくわからないけど、読んでいて背筋がぞわぞわした。

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著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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