閉じられた棺 (クリスティー文庫)

  • 早川書房
3.25
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本棚登録 : 25
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151301056

作品紹介・あらすじ

面識のない貴婦人からパーティーに招かれたポアロと相棒のキャッチプール。なぜ? と訝しむ二人の前で殺人事件が発生して……。

感想・レビュー・書評

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  • ソフィー・ハナ版2冊目。前のより面白かった。ポワロとして、と言うのはもう置いておくことにした。
    ちょっと独特のユーモアと言い回しの癖というか否定の否定みたいな複雑にしようとするきらいがあるけど、これって訳の問題かなあ。
    話として面白かったな。

  • ミステリ作家で元子爵夫人のレディ・プレイフォードの屋敷に招かれる。彼女の遺言が変更され、全財産を秘書のジョセフに遺すと発表される。そしてその晩にジョセフは殺害される。クリスティの世界観を踏襲してポアロの推理が展開される。犯人は意外のようで意外でもない人物だった。推理は多少強引なところもある。もっと推理にキレが欲しかった。ポアロがもっといやらしいほど自信家であったならもっと良かったかもしれない。ポアロが前面に出ている感じがしなかった。改めてクリスティの人物造形などが優れていたことに気がついた。作品としては及第点だが、クリスティの域には達していない。

  • 2017/08/17読了

  • 評価は少し辛口にしましたが、前作『モノグラム殺人事件』に比べれば面白く、星4つの評価にも相応しいと思います。(それを星3つにした理由は後述。)
    『モノグラム〜』に出てくる登場人物が揃いも揃って魅力がない、というより嫌悪感を感じる人達ばかり(その最たるものが、今回も語り部を務めるキャッチプール)に比べれば、『閉じられた棺』の登場人物はどこか憎めず、アガサ・クリスティーが描いてもおかしくないようなキャラクターが集まっています。語り部のキャッチプールも、前作のようなこちらが辟易するような独白は今回控えているので、その分少しは読みやすくなっていると思います。
    『モノグラム〜』のメイン・プロットがクリスティーの《十八番》の応用で興味深いものでありながら、他にも色々盛り込みすぎたために、話が散漫となったのに比べれば、『閉じられた棺』のプロット自体はシンプルであり、
    謎その1「なぜ被害者は殺されねばならなかったのか」
    謎その2「なぜ被害者の死体はあのような状態であったのか」
    という2つの謎で構成されており、その真相もなかなか意外性があります。
    さて、ここからは本作の欠点です。相変わらず作品全体が冗長であるのは否めません。1つ1つについて丁寧に書かれてはいるのでしょうが、書き込み過ぎのような感じがします。クリスティー文庫に換算して、前作『モノグラム〜』の487ページ、本作490ページという文量は、クリスティーのポアロ・シリーズの中では格別長いわけではありません。(『ナイルに死す』が573ページ。)しかしながら、クリスティーの諸作に比べて簡潔な文体ではないので、読むのが一苦労です。

    《以下、直接的なネタバレではありませんが、物語の構成に関して少し触れているので、ご注意下さい。》

    例えば、第34章(405ページ)から事件関係者を集めたお馴染みの《ポアロ劇場》が始まるのですが、第36章の最終行(456ページ)にて「謎その1」が解明し、そこまでの流れは問題ありません。問題は、その後の第37章(エピローグの1つ前の最終章)において「謎その2」が解明するのが474ページ付近、謎その1とその2の解明の間に17ページも費やしているのですが、そこで《ポアロ劇場》の主導権を握っているのは、ポアロさんではなく犯人側。そのせいもあって、謎その2が解明されたときのカタルシスが減弱しています。
    これが、本当のエルキュール・ポアロであれば、(すなわち、本当のアガサ・クリスティーであれば、)謎その1とその2の真相をもっとテンポ良く披露することで、劇的な効果を場内に(読者に)与えることを狙うはずです。そういうこともあって、この作品の評価を減点しました。

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