オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

制作 : 山本 やよい 
  • 早川書房
4.04
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本棚登録 : 1323
レビュー : 135
  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151310089

感想・レビュー・書評

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  • 「これまでに読んだどの推理小説よりも,
    こっちのほうがはるかに小説っぽい」

    同感だ。まさか,と思った。

    冬の欧州をまたぐ豪華列車オリエント急行。
    それに乗り込んだ名探偵ポアロ。

    案の定,不運にも積雪により列車は止まり,
    そして男性の刺殺体が発見される。

    容疑者は職業・国籍の様々な乗客たち。
    掃いて捨てるほどの手がかりと鉄壁のアリバイ,
    それらに絡みつく乗客たちの”嘘”。

    車内で錯綜する証言に灰色の脳細胞が挑む。

    「さあ,犯人は誰なのか」

    もうじき映画が公開される本作。

    後悔したくないのなら今すぐ読むべきだ。

    ネタバレは万死に値する。

  • すごく面白い推理小説でした❗最後の最後まで犯人が誰なのか想像できませんでした。

    流れとしては、「事件発生→推理開始→犯人追求」となっています。
    流れは、オーソドックスですが、結末が秀逸で最後の最後まで楽しめました。

    また、この時代特有の「階級や国毎の偏見に満ちた社会」も楽しめたポイントです。

    時代としては第二次世界大戦前です。ヨーロッパ諸国それぞれの国に対する偏見みたいなものが見てとれて各国の民族感にも触れられて興味深いものでした。

    ポアロの紳士然とした立ち居振舞いもこの本の面白いところです。

    「冷静で、知恵があって、慎重な頭脳の存在が感じられます。アングロ・サクソン系の頭脳とでもいいましょうか」

    節々に現れるヨーロッパ優位な考え方も前時代的で面白いですよね。

    久しぶりに小説読みましたが、面白い作品でした。アガサ・クリスティ作品にハマりそうです

  • 不朽の名作を読み直してみようと思い手に取りました。

    急行列車の中という閉ざされた空間で起きた殺人事件。犯人にも逃げ場はなく、かと言って警察サイドも応援を呼べるわけではないという舞台設定。
    個室の寝台列車という舞台が、時代背景ともあいまって趣があって惹かれます。

    犯人について、読者にとってフェアかどうかというのは意見のわかれるところではあるかと思いますが
    全く予測できないよう一切書いていないというわけではありませんし
    トリックがわかってから読み直しても、よく出来ていると感じられると思います。

    大胆なトリックはやりようによっては稚拙になりかねませんが
    丁寧に上品に描かれています。


    ネタバレになりますが

    ポアロは犯人を見つけ事件を解決したところで終え、警察には事実を伝えず犯人を引き渡しません。
    ここは賛否の分かれるところかもしれませんが、被害者を完全に悪人であるとすることで仇討ちの体を取っています。

    自分としては、ポアロの人間性を垣間見られる結論だと思うので、好きな展開です。

  • この本が1934年には出版されていた
    ということに驚きを隠せない。
    このクオリティ
    さすがミステリーの女王。

    「そして誰もいなくなった」を
    読みおわったときの
    感覚と同じ
    心地よさ

    ふわぁーっていう
    やられたんやけども
    気持ちいい
    ミステリーの良さが詰まってる

  • 前に知人にネタバレされて、ショックでなかなか手が出なかった作品ですが、ようやく読むことが出来ました笑

    閉ざされた空間で場面は殆ど動かない、でも登場人物一人一人の証言と詰めていくポワロのスリリングさ、意外な真相、ポアロたちの選択、ネタバレしてても、面白い小説でした。

  • 言わずもかな、推理小説の名作だ。
    少し前に日本でスペシャルドラマが放送されていたし、最近も海外で映画化されていた。
    そう、されいたのにも関わらず、わたしはそのどちらも見逃してしまったのだ。
    ちらちらと記憶のなかを「オリエント急行殺人事件」という文字が躍っていた。ドラマ…映画…そして書店でも映画化特別カバーをかけられ、本書は華々しく平積みである。
    平積みとなった本書をちらちらと見ながら私は何を読もうかな、と気持ちに嘘をついて次に読む本の品定めをしていた。これ面白そう…ちら(オリエント急行…)あーこれも気になるよな~ちら(オリエント急行)…。
    認めるしかない。読もう。
    前置きが長くなったが、このような経緯でついに本書を手に取ることになった。わたしにとっては「そして誰もいなくなった」に続いてアガサ作品2作目となる。正直「そして誰もいなくなった」は推理小説というよりホラーだった。「アウトレイジ」ともほんたなのレビューにも書いた。そして今作。面白い。ポアロかっこいい。

    ある急行列車。公爵夫人からイタリア人・アメリカ人など貴賎国籍問わない14人が乗り込んでいた。通常では考えられない混雑具合だった。そして事件が起きる。金持ちの紳士が深夜に殺されてしまったのだ。雪で列車は止まっている。犯人はこの13人の中にいるのだが、全員には動機もなくアリバイもなかなか崩せない…。科学捜査が入らない(入れない)なか、ポアロはその”灰色の頭脳”を駆使して犯人を突き止める。事件の裏には悲しい過去が隠されていた…。

    名作にふさわしい論理的な推理もいい。
    日本の作品だとなかなか見られない国際的なところもいい。「イギリス人は心をなかなか開かない」とか「フランスとベルギーの女性はコケティッシュ」などのそれぞれの国の表現も面白かった。事件の解決の仕方については異論もありそうだけど個人的には気に入っている。ポアロという主人公もよかった。フェアかどうかは分からないけど、少なくとも論理的だ。
    こうなると気になるのは日本で作られたスペシャルドラマだ。日本ではあのトリックはどうなっているんだろう?出演者は全員日本人だったから舞台は日本のはずだ。気になる…。

    余談だが、このハヤカワ文庫はあとがきが有栖川先生なので2度美味しい。先生いわく「この作品は、ある程度(ほんの少しでも)ミステリに予備知識がある人間に対してこそ効果を発揮する」トリックという。私もそのとおりだった。気持ちよく「あー!だまされたー!!」とうなれる作品だった。

  • 超有名なミステリー小説。
    恥ずかしながら初見でした。

    面白い本って、こういうものの事を指すんだなぁ、と。
    ゆったり読み始めたはずが、だんだんとページをめくるスピードが早くなり、止まらなくなる。

    ポアロの観察力と推理力に脱帽し、結末に唖然…
    悔しいのは、犯人を知ってしまったので、この緊張感と驚きをもう味わえない事。

    次は映画版を観てみるかな。

  • ちょっとずつ読み進めているアガサ・クリスティー。
    超有名すぎる本書は、他の作家のいくつものミステリー小説の中でも言及され、時にはネタバレちっくなこともある模様。幸いにして、そういったネタバレには遭遇してこなかったので(「そして誰もいなくなった」は遭遇しましたが…)、新鮮な気持ちでよみすすめることができました。

    確かに探偵小説の土台を崩しかねないような結末。物語の後半からうっすらと感じてはいましたが、まさか本当に起こってしまうとは。アガサさん、大胆ですねぇ。

  • 犯人が誰かを知っていて読むフーダニットだ。

    子供の頃、アガサクリスティ原作の映画はしょっちゅうテレビで放映していた。オリエント急行をやった翌日、同級生が「犯人て◯◯なんだぜ!」と吹聴していたのだ。
    わかっていても面白い作品と、そうでない作品があると思うが、オリエント急行は後者だろう。

    とはいえ、今度、再映画化されるし、映画館に行く前に読んでおこうと思った。
    外界と閉ざされた客車内での殺人事件。たまたま名探偵ポアロが乗車していて……
    古典中の古典で、いまさら語れることは多くないが、教養の一つとして読んでおいて損はないかもしれない。

    今となってはそれくらいの価値しかなさそうだ。

  • 恥ずかしながらミステリ苦手で、アガサクリスティー作品も何から読めばいいんだろ、と迷いに迷って、このたび映画化するらしいこれを手に取りました。ミステリ好きの方、ご容赦ください。

    そもそもの話、あまり「名作」と名高かったり、少し古めのみんなが認める傑作、みたいなのを選ばずに来たもので、百年ほど前の作品を読むにあたり、トーク帽とはなんぞ?とか紙巻きタバコが出たころ?アスピリンはもうあった?ミネラルウォーター?ペリエ?クリスチャンネーム?とクラクラしながら読んでたのですが、殺人事件が始まった途端に一気に引き込まれました。
    特にポアロ氏を挑発するように彼の荷物の中に添えられた赤い着物の描写が出てきた時はゾクゾクしました。
    第三部に入ってバンバン出てくる新事実、でもそれが全部おや?と思った箇所ときちんとつながっている。
    オチはなんとなくどこかで聞いてた気がするので、新鮮な驚きがなくて残念だった。オチを知らずに読みたかったー!
    犯罪心理学とかDNAとかがない時代のミステリと、今の時代のカミーユ刑事シリーズとかはきっと書き方が変わるんだろうな。どちらも脱帽です。
    ロシア語でNはHと綴るとか知識がないのでうわわわわわ、としか言えなかった。予想の遥か上を飛んでいかれた。すごかった。語彙力がなくなる。
    トリックに使われた小道具があまり馴染みのないもので、自分の知識が追いつかなかったのがとても悔しい。
    ハバード夫人が苦手だなーと思ってたのですが、それも演技とは!やーらーれーたー。
    解説も興味深かったです。リンドバーグ事件、知らなかった。当時の人には常識だったんでしょうね。当時の人になって一緒にこの作品を驚きたかった。

    本筋に関係ないいろいろ。
    ヒゲをカールさせるためのコテなんかがあった時代なんですね。シャレオツ。ヘアアイロンを持って行くようなもんなのか。
    不思議ですね。シリアのアレッポとイギリスのロンドンを結ぶ列車が走っていたなんて。そして車掌さんがベッドメイクするなんて。乗ってみたかった。見ず知らずの他人と上下に寝るのどんな感じなんだろ?確か中国にもこんな感じの寝台車あるらしいけど?と本題と関係ないところに感心していた。
    百年前だから、自分の倫理観的にウッとくる表現はたくさんある。こんな刺し方するのは女しかいないだの醜い女性だの○○人はああだこうだ頭が良さそうじゃないだの。仕方ないね。
    ミス・デブナムは「怖い絵」シリーズでよく出てきたガヴァネスでしょうか。仕事にありつけず結婚も難しい…みたいな。それを考えると色々背景が深く考えられそう。

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