オリエント急行の殺人 ((ハヤカワ文庫―クリスティー文庫))

  • 早川書房
4.11
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本棚登録 : 2839
感想 : 221
  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151310089

感想・レビュー・書評

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  • おぉー!!
    おおぉー!!

    もはや陳腐な感嘆詞しか出てこない(笑)
    一気読みでした、面白かった〜♪

    その前に読んだ『青列車の秘密』は、なんだかぼんやりした印象だったのだけど、同じく列車内の殺人であるこちらのポアロはキレッキレでした!

    イスタンブールからロンドンまでを走る豪華列車のオリエント急行。
    雪に閉ざされ、動かなくなってしまった列車内で殺人事件が起きる。殺されたのはアメリカ人の大金持ちラチェット。死体は10数箇所を刺されるという無惨なものだった。
    同じ列車に乗り合わせたポアロは、殺される前の日、ラチェットから身辺警護の依頼を受けて断っている。

    「こんな失礼なことを申し上げるのもなんですがーーあなたの顔が気に入らないのですよ、ムッシュー・ラチェット。」

    ↑のポアロのセリフが失礼すぎて笑ったのだが、ポアロのその直感は正しくて、ラチェットは、アメリカで起きた幼児誘拐殺人事件の犯人として逮捕されるも、莫大な金を使って最終的には無罪放免となったいわくつきの男だったのだ。
    犯行現場であるラチェットの部屋の窓は開いていたが、雪の上に痕跡はなく、犯人はまだ列車内にいる。しかも部屋には鍵がかかってた。
    容疑者となる乗客らは国籍も身分も性別も様々で、特に接点はありそうにない。しかも犯行時刻、全員に何らかのアリバイがある…。

    閉ざされた列車内の殺人というクローズド・サークル!
    今まで読んだポアロシリーズは、大体誰かは怪しい感じがしたものだけど(中には全員怪しいんじゃない?というものもある)、今回は、ほんの少しずつの引っ掛かりはあれど、誰も怪しいと思えないのだ。
    殺されたラチェットの大悪党ぶりから、犯人は誰でもいいんじゃない?なんて思ったりもするけど(笑)、ポアロは真相を突き止めるため、小さな綻びを見逃さない。

    でも今思うと最初から伏線はあったのだな…
    見事な構成に痺れました。最後の解決まで全部ひっくるめて感嘆のため息。

    登場人物がとても多いので、時間のある時に一気に読むのが良さそうです。是非!

  • 最初いつ読んだのかネタバレ前に読めたのかも忘れたが再読。どんな風に匂わせるの?とか、いつポアロが気付いた事にするの?等クリスティーの書き方に注目。いかに緻密に計算して書いたか読者を驚かせたかったかが伝わる。有栖川有栖の解説も良い。

  • アガサクリスティで『そして誰もいなくなった』の次に読んだのが、こちらの本。
    やはり数回読み直しています。

    本当にあった事件を、犯行の動機にしている
    被害者は誰の目から見ても、決して同情されるような人物ではなかった。

    ただ殺されても仕方がない…としてしまっても良いのか?

    ポアロは悩んだでしょう。
    そしてポアロの出した答えは…

    ミステリーとしても面白いけど、人間としての本質も問われる作品ですよね

    私はどうだろう?
    昨今のニュースを見ていても、犯人に対して少しも同情出来ない事件がいくつかある。
    他人でも許せないのに、身内だったら余計そう思うだろう。

    ただ情報の片方だけ聞いて、それで感情を決めてしまうのだけは気をつけたい。

    なかなか難しいことだけど。

  • 有名なタイトルに何だか知ってるつもりになっていたので、今回ちゃんと読んでみました。

    大雪のために立ち往生した豪華国際列車。そのコンパートメントの一室で殺人事件が起きる……
    事件を解決するには、ポアロの前で繰り広げられる乗客たちの証言のみです。場面転換がほとんどないのに、全く息苦しさや退屈さを感じることがありません。登場人物はたくさんいるけれど、国籍や身分、職業が様々なので頭のなかで描きやすかったです。まさに「国際」列車が舞台として相応しいものでした。
    エレガントな列車の旅とミステリはとてもよく似合いますね。
    絡まった糸がするするとほどけていくような、ポアロの推理ショーにはぐいぐい引き込まれました。

    クリスティー作品は「知ってるつもり」になってるものばかりなので、これからはじっくり謎解きを楽しめる時間を作りたいと思います。

  • 言わずと知れた不朽の名作。原点回帰。

    クリスティーを知り、海外ミステリに傾倒していった自分。
    特に本作と『そして、誰もいなくなった』、『アクロイド殺し』の構想には度肝を抜かれた。
    とはいえもうそれは20年以上も昔の話。

    真相こそ憶えているけれど、そこに至るまでの過程は見事にすっぽりと忘れ去っていた。
    なるほど、そうそう、クリスティーの魅力は名探偵と関係者たちの会話、間の抜けた助手の介入による緊迫感の強弱、抑揚、メリハリが織りなす空間。

    知っているからこそだとは思うが、思っていたよりあっさりとした大団円の印象。
    随所にちりばめられた真実のかけらにも、「あれ、そんなに衝撃度大きくないかも」と思いつつも、リンドバーグ事件との関連など当時は琴線に触れなかった部分に新鮮味を感じ、再読の魅力を実感。

  • 最高に面白かった。ポアロの人情を感じて、更にポアロシリーズが好きになった。ミステリーの定番作と言われる理由がわかりました。

  • 「ミステリの女王」の異名をもつ20世紀イギリスの推理小説家アガサ・クリスティー(1890-1976)の代表作、1934年。

    ミステリに詳しくない私だが、読後に感じたのは、クリスティーという作家は推理小説という枠内でやれることのかなり多くを、既にやり尽してしまっているのではないかということ。本作品がその細部において本格推理としてどこまで詰められているのかは判断しかねるが、真相と結末の迎え方は見事だと唸るしかなかった。傑作。

    『アクロイド殺し』の仕掛けを事前に知らされて歯噛みした者としては、まっさらな状態で読むことができて幸運だった。こういう作品に出会うたび、やはり名高い古典や名作というのは読んでおくものだとつくづく思う。

  • クローズド・サークルものになるのだろうか。
    半分も読み進めない内に犯人の特定はできたが、
    時代背景や、文化・習慣などを理解できていなかった為、
    細かい筋道は立てられなかった。
    凡そ100年前の小説とは思えない質の高さ。
    名作と呼ばれる意味をしっかりと理解しながら、
    名だたる小説家やミステリー愛好家の方が畏敬の念を抱くのも納得できた。
    もっと他の作品にも触れてみたいと思う。

  • 真冬の欧州を走るオリエント急行で、いわくありげな富豪が刺殺された。偶然にも乗り合わせた名探偵ポアロが事件解決に動き出す。大雪で止まった列車内で起きた惨劇に秘められた真実とは。

    止まった列車が舞台とは思えないほどの疾走感あふれる展開。テンポよく繰り広げられる会話劇は舞台を観ているような気持ちよさ。現場を確認し、客たちの証言を聞き、その真実と嘘を選り分けて推理する。オーソドックスな筋書きなのに自然と引き込まれ、ラストには予想外の衝撃が待ち受ける。名作と呼ばれているだけある面白さ。海外ミステリながら訳がわかりやすいし、話の筋も整然としていてミステリ初心者に薦めたくなる一冊。あまりに有名な作品なので、ネタバレを踏む前に読んでほしいというのもある(ぼくは最後の方で思い出したけど楽しめた)。

    魅力は事件の謎だけではなく、心理描写にもあると感じる。客たちが証言の中に紛れ込ませる嘘。その嘘はなぜ生まれたのか。その心の機微を描くからこそ、ラストの展開に説得力が生まれる。人々の影という名のパズルのピースを重ねることで、真実が浮き彫りになっていくところが見事。ポアロが推理で魅せるだけではなく、心情に寄り添った答えを用意しているのも憎い演出だと感じた。

  • じ、人物多すぎてわかんねえ〜!!
    というのが最初の感想です。

    内容自体は非常に面白く、登場人物や列車内の様子が想像しやすかったです。そのためかスラスラと読み進んでいき、あっという間に読み終えました。
    個人的にハンカチのイニシャルの推理が結構好きですね。

    正義とは何か?
    犯罪を見逃すという決断をしたポワロ。
    12人の情には勝てんよなあ。

    実際自分がポワロの立場だったらだったらどうしたでしょうね…。

    悪人は死んでもいい。死ぬべき人間だった。
    どんな理由があっても殺人はいけない事。

    この二つは一生の課題だと思うけど、実際自分の大切な人が殺された事のある人にしかわからないものなんだと思います。
    でも次の被害者が出ないためにも…って思ってしまうのも理解できます。それがたとえ自分が納得したいだけの、正当化するための理由かもしれないけど。
    ひたすら法に訴え続けるかもしくは、殺してもちゃんと罪を償って捕まるか。
    これが個人的には世の中の秩序として、正しいと思います。


    とにかく、今まで22年間生きてきて、実際に本を読むまで犯人を知らないまま過ごせて良かったなと。
    そう一言思いホッとして本を閉じました。

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