オリエント急行の殺人 ((ハヤカワ文庫―クリスティー文庫))

  • 早川書房
4.11
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感想 : 325
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151310089

感想・レビュー・書評

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  • 最初いつ読んだのかネタバレ前に読めたのかも忘れたが再読。どんな風に匂わせるの?とか、いつポアロが気付いた事にするの?等クリスティーの書き方に注目。いかに緻密に計算して書いたか読者を驚かせたかったかが伝わる。有栖川有栖の解説も良い。

  • 真冬のヨーロッパ大陸を横断する豪華列車・オリエント急行内で起こった殺人事件に、名探偵ポアロが挑む超有名なミステリ作品。

    あらゆる階級、あらゆる国籍、あらゆる年齢の乗客たちが偶然同じ日同じ列車に乗り込み、目的地に到着するまでの数日間寝起きを共にする。そして目的地に到着し列車を降りれば、おそらくは二度と逢うこともない。そんな非日常の空間内で起こった殺人事件。
    楽しいはずの列車の旅も、不可解な殺人事件に偶然遭遇してしまって、挙げ句に探偵からは調査目的と称してアリバイから個人情報まであれやこれやと探られて、ほんといい迷惑でしかない。
    ポアロからの度重なる尋問に翻弄される乗客たちだったけれど…。

    「事件を解決しようと思ったら、椅子にゆったりすわって考えるだげでいい」
    ポアロが常々語っていた通り、列車内という限られた空間(大雪で列車が止まったため乗客全員が列車内から出られない)で、乗客たちに尋問し死体を検分し手がかりを捜索した上で、椅子にすわって悠々と謎解きをすればいい…と思いきや、実際は一癖も二癖もある胡散臭い乗客たちに四苦八苦のポアロ。
    関係者全員が完璧なアリバイを持つ華麗なる完全犯罪に、もはやお手上げ?いやいや、そんなことはない。今回も灰色の脳細胞をフル活用してポアロが導き出した事件の真相と"解決法"。その両者に…あ然となり、初めから再読して改めて確認し直した。
    ある程度犯人の目星をつけて読み進めていた私も、またもやポアロに完敗だった。

  • 言わずと知れたミステリの古典。でも読んだ事無かった。それに気付いて改めて読んでみた。1974年版の映画は…確か見たな。けっこう映画のままだった感じがした。
    1934年に、新作として読んだ人達は度肝を抜かれたんだろうなぁ。羨ましい。
    ミステリは、『ネタバレ』したら興味を失ってしまう人が多いだろうから、まだミステリ慣れしていない小中学生にこそ、こういう"古典"を先に読んでもらうのがいいんじゃないかな。『小中学生にお薦めの本◯◯冊』とかには、ミステリはあんまり見かけないから、かえって新鮮なんじゃないかな?

  • もう有名すぎる名作。何も知らずに読めてよかったぁ。
    豪華列車オリエント急行で起きた密室殺人。
    国籍も身分も様々な乗客が容疑者だが、みな完璧なアリバイがあった。
    そんな状況下で、名探偵ポアロはどのように謎を解いていくのか。
    ずっと列車の中で場面は変わらないが全然飽きさせない。
    ポアロの軽妙な語り口とは裏腹な鋭い推理力。
    そして、まさかの事件の真相。
    え~!そんなのありなの~?!っと思ったけど、読み返すと確かにたくさん伏線は張られていた。
    さすがポアロ。いや、さすがクリスティか。
    あぁ~おもしろかった!

    • 土瓶さん
      有名過ぎて、何度も映像化されて流れているこの作品を何も知らずに読めるって、すごいです。
      ほんと、こんなトリックをかなり昔に先駆けとしてしっ...
      有名過ぎて、何度も映像化されて流れているこの作品を何も知らずに読めるって、すごいです。
      ほんと、こんなトリックをかなり昔に先駆けとしてしっかり成立させる着想と勇気と技術に脱帽ですよね。
      2023/04/14
    • ひろさん
      子どもの頃から"人が殺される話"を避けて生きてきたおかげでこの歳でこんな超有名な作品を楽しむことができました(笑)
      何事においても最初に思い...
      子どもの頃から"人が殺される話"を避けて生きてきたおかげでこの歳でこんな超有名な作品を楽しむことができました(笑)
      何事においても最初に思いついて形にする人たちってすごいです!
      2023/04/14
  • 映画が大好な作品です。ですので、結末は分かっていたのですが、それでもめちゃくちゃ楽しめました。

    「こんな失礼なことを申しあげるのもなんですがーあなたの顔が気に入らないのです、ムッシュー・ラチェット」ポアロかっこいい!笑

    殺人を正当化する訳ではなくとも、読者はポアロと同じ結論に至る人も多いんじゃないかな。私はこの結末が好きです。
    でも名探偵コナンや、他の数々の日本の名探偵は、きっとこの結論にはならないだろうなと想像できます。粋と言ってしまっては駄目だと思いつつも、粋な終わり方だなと思わずにはいられません。原作も大好きな作品の一つになりました。

  • アガサクリスティで『そして誰もいなくなった』の次に読んだのが、こちらの本。
    やはり数回読み直しています。

    本当にあった事件を、犯行の動機にしている
    被害者は誰の目から見ても、決して同情されるような人物ではなかった。

    ただ殺されても仕方がない…としてしまっても良いのか?

    ポアロは悩んだでしょう。
    そしてポアロの出した答えは…

    ミステリーとしても面白いけど、人間としての本質も問われる作品ですよね

    私はどうだろう?
    昨今のニュースを見ていても、犯人に対して少しも同情出来ない事件がいくつかある。
    他人でも許せないのに、身内だったら余計そう思うだろう。

    ただ情報の片方だけ聞いて、それで感情を決めてしまうのだけは気をつけたい。

    なかなか難しいことだけど。

  • 有名なタイトルに何だか知ってるつもりになっていたので、今回ちゃんと読んでみました。

    大雪のために立ち往生した豪華国際列車。そのコンパートメントの一室で殺人事件が起きる……
    事件を解決するには、ポアロの前で繰り広げられる乗客たちの証言のみです。場面転換がほとんどないのに、全く息苦しさや退屈さを感じることがありません。登場人物はたくさんいるけれど、国籍や身分、職業が様々なので頭のなかで描きやすかったです。まさに「国際」列車が舞台として相応しいものでした。
    エレガントな列車の旅とミステリはとてもよく似合いますね。
    絡まった糸がするするとほどけていくような、ポアロの推理ショーにはぐいぐい引き込まれました。

    クリスティー作品は「知ってるつもり」になってるものばかりなので、これからはじっくり謎解きを楽しめる時間を作りたいと思います。

  • Audible利用(9h24m)
    読了まで3日間
    登場人物が多そうな海外ミステリーは、まず登場人物一覧を紙に書き出して冷蔵庫に貼りつけてから聴き始めることにしている。この作業が結構楽しい。そういえば最近は鉛筆でコリコリ字を書く機会ってあんまりない。

    列車旅が大好きで、クローズド・サークルも大好きなので、設定だけでワクワク。犯人も動機も全部知っているのに楽しめるミステリーって、本当にすごいと思う

    最初はナレーターさんの癖が気になったが、真相が明かされる場面での、ハバード夫人の声の切り替えと深みがうっとりするほど素晴らしく、朗読の楽しみを味わった。

    ポワロたちの最終決断に私は少し抵抗を感じてしまうのだけど、正解不正解で割りきれない真相をスッと胸にしまえるポワロたちがすごいなとは思う。

    • ゆたこちさん
      111108さん、こんにちは(^-^)

      Audibleだとナレーターさんが演じ分けをしてくれるので、登場人物の混乱は意外と紙の本より少ない...
      111108さん、こんにちは(^-^)

      Audibleだとナレーターさんが演じ分けをしてくれるので、登場人物の混乱は意外と紙の本より少ない気がします。
      ただ、人間関係が絡み合っている作品はやっぱり書き出しちゃった方がよく理解できますよね。書く作業も楽しいですしφ(・ω・ )
      紙の本の時には栞がわりに使うというのは素敵ですね!
      メモを後日見返す楽しみもすっごくわかります!

      クリスティー作品、未読がたくさんあるんですが、作品紹介を読むだけで惹かれるものが多いんですよね。設定が本当に魅力的で、原点になるのも納得です。

      111108さんは、クリスティー作品や関連本もたくさんレビューされていますよね!実はすごく刺激を受けてます(*^^*ゞ
      先日のブックリストも参考にさせていただきます♡
      2023/04/09
    • 111108さん
      ゆたこちさん、お返事ありがとうございます♪

      そうか、audibleでは演じ分けされてるから「今のセリフは誰?」とならずに聴けるんですね。声...
      ゆたこちさん、お返事ありがとうございます♪

      そうか、audibleでは演じ分けされてるから「今のセリフは誰?」とならずに聴けるんですね。声優さん達すごい!
      とはいえ、そうクリスティー長編など誰が話してるのかは分かってもそれが何家の人なのかとか誰の子かとか関係性がぐちゃぐちゃになるんですよね。やっぱりメモ書き出し続けます。
      ゆたこちさんに触発されホームズ読み直し始めましたが、逆に手に入れやすくて図書館でもまた今度でいいか、と後回しになりがちです(^^)
      クリスティーはポアロシリーズ今年中に制覇できたらなぁと思ってます♪
      2023/04/09
    • ゆたこちさん
      111108さん、こんにちは(*^-^*)

      声優さん、すごいですよね。人物によってほんの少しずつ声の調子が違うだけでも、かなり頭が整理され...
      111108さん、こんにちは(*^-^*)

      声優さん、すごいですよね。人物によってほんの少しずつ声の調子が違うだけでも、かなり頭が整理されて聴きやすいんです。
      海外ミステリー好きだけど耳読は難しいだろうなーと思ってたんですが、結構いけました笑
      でも私もメモは続けます。

      そう私もホームズ進んでなくて(^^ゞ
      というか、最近興味や読みたいジャンルがあれこれ広がりすぎて、結局どれも進んでいないという状況に陥っています。
      111108さんはポアロ制覇が見えてきてるんですね!かなり作品数ありますよね。すごいなあ。
      私もあれこれボチボチ読み進めますー(о´∀`о)
      2023/04/10
  • アガサ・クリスティーの代表作、『名探偵ポアロ』シリーズの本作を初めて読了。
    海外古典らしく、作中を通してどこか気品のある雰囲気が漂っており、世界観に没入できました。

    イスタンブールからロンドンまでを走る豪華列車のオリエント急行。
    ヴィンコヴツィとブロドの間で雪の吹き溜まりにはまってしまい、立ち往生する列車内で殺人事件が起きてしまいます。
    殺害されたのはアメリカの富豪サミュエル・ラチェット。
    雪によって動かなくなってしまった列車内で容疑者となったのは、イスタンブールからカレー行き客車に乗っていた乗客12名+車掌1名の計13名。身分や国籍、話せる言語すらまちまちのこの13名は、それぞれに確実なアリバイがあり、事件解決は難航を極めます。

    紳士的なポアロの口癖や仕草は、想像してみるとどこかチャーミング。それでいて灰色の脳細胞と自負するほどの圧巻の推理力。このギャップに打ちのめされました。
    凄惨な事件が裏に隠された殺人事件でしたが、意外にも読了感は清々しく、ミステリーの女王の放つ不朽の名作に感嘆するばかりです。他ポアロシリーズも近いうちに手に取ろうと思います。

  • むかしむかし、今はもう無くなってしまった国立市の小さな映画館で1974のオリエント急行殺人事件を観ました。雪の中の列車の風景やいい役者さんが多く出ていた印象がありますね。

    さてそういうことなので、読む前に犯人は分かっていましたが、最後にポワロ達が第一の説を採用したところは忘れていたようです。よかった。

    色々な人が訳されてる作品ですが、今回は山本やよいさん訳で読みやすいと思いました。

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