メソポタミヤの殺人〔新訳版〕 (クリスティー文庫 エルキュール・ポアロ)

  • 早川書房 (2020年7月16日発売)
3.69
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784151310126

作品紹介・あらすじ

考古学者と再婚したルイーズの元に死んだはずの先夫から脅迫状が舞い込んだ。さらにルイーズは寝室で奇怪な人物を見たと証言する。だが、それらは不可思議な殺人事件の序曲にすぎなかった……過去から襲いくる悪夢の正体をポアロは暴けるか?
中近東を舞台にした作品の最高傑作、新訳で登場

みんなの感想まとめ

人間ドラマとミステリーが巧妙に織り交ぜられた物語は、看護師エイミーの視点から描かれ、独特の新鮮さをもたらします。考古学者の妻の不安や周囲の人々の秘密に引き込まれ、物語が進むにつれて緊張感が高まります。...

感想・レビュー・書評

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  • 【ポアロ】
    語り手が看護師なのが新鮮で良い。
    考古学者夫人の心身に不安があるとのことで、看護師エイミーは夫人の付き添いを依頼される。
    でもみんな何かを隠していておかしい…。
    それが何なのか先が気になり、人間ドラマも丁寧で面白い。
    ポアロの「殺人は癖になる」という言葉が怖かった。

    ツッコミどころはあったけど、ストーリーと異国情緒な雰囲気が好きだったので気にしないことにしよう(^_^;)

    オリエント急行の事件は、このメソポタミアの帰り道だったとは!ポアロの灰色の脳細胞はなかなか休めない。
    ★3.5
    Audibleにて。

    これでAudibleのポアロとノンシリーズは全部聴いてしまった(TOT)
    Audibleのクリスティー作品は、ナレーターさんの演じ分けが上手で、過剰な演技もないので物語に入り込みやすくて本当に楽しかった!

    これからAudibleにもっとクリスティー作品が増えると良いなぁ。(7月23日に『もの言えぬ証人』が配信スタート予定)←でも紙の本で読んでしまった(T_T)

    紙ではまだまだポアロを読むけど、Audibleではマープルへ!
    ミス・マープルは田舎の噂好きのおばあさんのイメージにどうしても興味が持てず、1冊も読んでこなかった。
    ミス・マープルとポアロはどう違うのか?
    違いも楽しみ(⁠•⁠‿⁠•⁠)

    • Naotyさん
      111108さん、コメントありがとうございます
      (*^_^*)
      111108さんのクリスティーレビューもいつも共感しまくりで、楽しく読んでま...
      111108さん、コメントありがとうございます
      (*^_^*)
      111108さんのクリスティーレビューもいつも共感しまくりで、楽しく読んでます♪

      私はAudibleと紙の本の二刀流なので、その分早く読めるんだと思います。2冊同時進行しているので、似てる一族同士の話だと頭がゴチャゴチャになる時があります笑

      でもクリスティーは本当に読みやすくて楽しくて飽きないので、そのおかげがほとんどです。まだまだですがクリスティーを読み終わったら次はどうしようかな…と心配になります。

      111108さんはクリスティー全制覇されてますよね⁉もう本当に尊敬です☆(⁠>⁠ ⁠ਊ⁠ ⁠<⁠)⁠☆
      攻略本でBOMB!のものまで読まれていて、111108さんのかなりのクリスティー愛を感じました。ビッグ4でダメだった私には到底読めそうもありません(^o^;)

      普段はクリスティー好きの方となかなかお話できないので、ブクログをはじめて本当に良かったです。
      これからもどうぞよろしくお願いいたします
      。⁠◕⁠‿⁠◕⁠。
      2024/07/13
    • 111108さん
      なるほど〜速さの秘密は二刀流なんですね。でも登場人物表を行ったり来たりしながら読んでる身には、Audibleだと絶対「誰?」となりそうな‥。...
      なるほど〜速さの秘密は二刀流なんですね。でも登場人物表を行ったり来たりしながら読んでる身には、Audibleだと絶対「誰?」となりそうな‥。一族同士の事件の同時進行は難易度高そう!笑
      喋り方などでキャラクター聞き分けできるのでしょうか。

      いえいえ!クリスティー制覇まだまだできてないですよ‼︎手当たり次第に面白そうなのから読んだのでポアロとミス・マープルはたぶん全部読み終えたのですが、ノンシリーズはまだ残ってます。それも攻略本低評価のがまだまだ(-.-;)Naotyさんのようにスルーしちゃうのもいいですけど、せっかくここまできたので全制覇目指します!

      私も今さらクリスティー?と言わずに楽しくお話できるブク友さん達がいて、本当に嬉しいです!これからもレビュー楽しみに待ってます♪



      2024/07/13
    • Naotyさん
      111108さん
      Audibleにも登場人物表がPDFで用意されているので、わからない時はそれを見ながら聴いてます。
      それとキャラクターの演...
      111108さん
      Audibleにも登場人物表がPDFで用意されているので、わからない時はそれを見ながら聴いてます。
      それとキャラクターの演じ分けが本当に1人?というくらい上手なので、その点は紙よりもわかりやすいです。倍速で聴けるので超時短で楽しめます♪

      Audibleの難点は、振り返りたい時に戻りたい所に戻るのが難しいところですかね(^_^;)

      ポアロとマープル制覇なんですね!
      それはもうほぼ全制覇ですよ(⁠☆⁠▽⁠☆⁠)
      苦手なものでもスルーしないで楽しまれてて、本当に尊敬です。

      私はスパイものと冒険ものもがどうしても苦手で頭に入りません乁⁠(⁠ ⁠•⁠_⁠•⁠ ⁠)⁠ㄏ
      でもいつか克服して全制覇したいです。

      これからも111108さんのレビューを参考にさせてください。⁠◕⁠‿⁠◕⁠。
      2024/07/13
  • やっっっと読み終わったぞーーー!!やっほ~~い.+:。 ヾ(◎´∀`◎)ノ 。:+.

    読むのにずいぶん時間かかってしまった。1ヶ月?2ヶ月?どのくらい読んでたんだろう?今回、いつまで読んでも全然物語に入り込めなかった……なぜ~?人気作なのに(´・ω・`)
    でも、これだけ作品数があれば、クリスティー・ファンの皆さんにも謎に馴染みにくい作品がきっと1冊や2冊はあるはず…!(ありますか?)

    Audibleだけではなかなか進まず、結局文庫本を図書館で借りて来て、文字と朗読ダブル使いで何とか読みきった。
    大苦戦したけれど、看護師エイミー・レザランとポアロのタッグに慣れてきた辺りからようやく波に乗り、付属資料の間取り図をチェックしながら真相を聞いた。
    ……ん?ほんとに?ほんとにこれが真相かい?と戸惑ったけど、どうやらこれが真相らしい。ふむ(・з・)と思い、攻略本をチェック。★4.5とか5やったらどうしよう、いやいや感想は人それぞれ!と内心ドキドキしながら目次を見ると……★3(・з・)

    書評を読むと
    ・中東のエキゾティシズムは達者に描かれている
    ・「メソポタミアの発掘現場」という舞台ならでは、というより、この舞台が先にあってのストーリー
    こういった指摘を読みながら、ああなるほどと思う。私の中東に関する知識やイメージがあまりにも貧弱だから、今回こんなに読みにくかったのかもしれない。大作家が思い入れのある土地をどんな素敵に書き表していても、それを読む私に文字から情景を思い描く下地がなかったんだな。

    書評にあるように被害者の境遇やメソポタミアという舞台に著者が強い思いを抱いていたならば、「そんなことある?」と感じた箇所や滑らかに読み進められなかった箇所こそが、意外と著者のリアルな心情や体験が反映されている箇所なのかもしれない、とも感じた。物語よりも案外現実の方が腑に落ちないものなのかもしれないな、と。

    しんどい読書だったのが、攻略本でぐぐっと視線を高くしてもらった途端にパッと視界が明るくなった感じがして楽しかった。こういうのもなかなか良い読書体験です。

    • Naotyさん
      ゆたこちさん

      お疲れ様でした(⁠ノ⁠◕⁠ヮ⁠◕⁠)⁠ノ⁠*⁠.⁠✧
      最後まで頑張ったんですね!!

      私も全然物語に入り込めないのあります>...
      ゆたこちさん

      お疲れ様でした(⁠ノ⁠◕⁠ヮ⁠◕⁠)⁠ノ⁠*⁠.⁠✧
      最後まで頑張ったんですね!!

      私も全然物語に入り込めないのあります>⁠.⁠<
      名作なのに2度目もダメだった『ABC殺人事件』とか^_^;
      『ビッグ4』は途中で諦めたし、冒険ものとスパイものがどうも苦手です。
      マープルは人物像が想像できなくてドラマを観るまではダメでした笑
      ここから先のクリスティーは苦手分野が多そうなので、ドラマを観てから読もうかなと考え中です。
      人によって面白いものや苦手なものがそれぞれ違っていて、それも面白いですよね(⁠◠⁠‿⁠◕⁠)
      2024/08/19
    • ゆたこちさん
      111108さん、いくらなんでも気付くでしょ!とまさに思ってました笑 。ちょっとちょっと~って感じですよね。
      気付かぬ人と言わぬ人……なんて...
      111108さん、いくらなんでも気付くでしょ!とまさに思ってました笑 。ちょっとちょっと~って感じですよね。
      気付かぬ人と言わぬ人……なんて恐ろしい日常生活(^-^; “あの人、なんで時々あんな目で私を見てくるのかしら?”なんて思ってたりしたんでしょうかね?
      2024/08/20
    • ゆたこちさん
      Naotyさーん、ありがとうございます!何とか読了しました~(ToT)ほんと、あまりにもイメージわかないものはドラマや映画の力を借りないと難...
      Naotyさーん、ありがとうございます!何とか読了しました~(ToT)ほんと、あまりにもイメージわかないものはドラマや映画の力を借りないと難しいですね(^-^; 今度から読みにくい時は先にドラマ見ちゃおうと思いました。

      確かに、面白いもの苦手なものが人によって全然違いますよね!読了後に皆さんの感想見るのも楽しみのひとつです。Naotyさんや111108さんのお話聞いてると、マープルものでも苦戦するの出てきそうな予感(笑)

      私は兄の影響で『宝島』や『十五少年漂流記』『巌窟王』なんかが小さい頃から身近にあったので、冒険小説は結構好きなんです。子供の頃の好き嫌いや馴染んでたジャンルって大人になっても根強く残るなと最近感じてます(^-^)
      2024/08/21
  • 新訳版でないもの読む。間取り図を見て犯人とトリックを思い出してしまったが、それでも人間模様が面白く読んでしまう。犯人知ってる上で読むと人物描写の凄みを感じる。看護婦の手記という形だからか物語半ばでやっと登場するポアロの影が薄い。

    • ポプラ並木さん
      間取り図をみても犯人に全くたどりつけませんでした。修行が足りません。レザラン看護師は好きなキャラでした。
      間取り図をみても犯人に全くたどりつけませんでした。修行が足りません。レザラン看護師は好きなキャラでした。
      2021/11/14
  • この犯人は思いもよらなかった!
    いつもながらミスリードに翻弄され、鮮やかな種明かしに驚かされたものの、みなさん言ってるように、よく考えたらそんなわけあるか!?笑
    ただ「ビスミラーヒ・アル・ラーマン・アル・ラヒーム」とアラビア語で始まる推理は非常にかっこいい。

  • 遺跡調査団の団長エリック・レイドナーの妻ルイーズが何者かに撲殺される。しかし目撃者はいない。ルイーズは以前婚姻歴があり、前夫は戦争で亡くなった。後夫のエリックは妻を愛してやまない。ルイーズは調査団の団員との関係性が噂されている。遺跡調査団の全員が怪しい。今回ポアロはレザラン看護師を相棒に犯行時刻のアリバイを聴取し、動機を全員から探る、またルイーズへの感情をも聞きだす。中盤、さらに1人が殺害される荒れた展開、また別件で逮捕者も。今回の犯人は外れたが、ルイーズよ!○○は覚えているだろう!と叫ぶ自分がいた。④

    • 111108さん
      ポプラ並木さんお返事ありがとうございます♪
      犯人当て1勝12敗、そうでしょうね。私もいつも結末に驚かされてます。特に動機からは絶対犯人当てら...
      ポプラ並木さんお返事ありがとうございます♪
      犯人当て1勝12敗、そうでしょうね。私もいつも結末に驚かされてます。特に動機からは絶対犯人当てられませんね!
      2021/11/14
    • panda12345678さん
      整形手術でも受けたんじゃないでしょうか。
      整形手術でも受けたんじゃないでしょうか。
      2022/11/16
    • ポプラ並木さん
      pandaさん、ご連絡ありがとうございました。
      整形手術、あり得ますね。
      クリスティの本は毎回奥が深いです!
      pandaさん、ご連絡ありがとうございました。
      整形手術、あり得ますね。
      クリスティの本は毎回奥が深いです!
      2022/11/17
  • 久々のクリスティー!
    本書はなんといっても、看護婦ミス・レザランの手記で語られるのが特徴。
    やはりクリスティー作品に出てくる、職業意識の高いご婦人は頼もしいですね。彼女目線の”ポアロ描写”にもくすっと笑ってしまいました。

    『ナイルに死す』と同じく、中東の世界観たっぷりな今作。
    生涯の伴侶となったマックス・マローワンと共にこの地を訪れたクリスティーには、どんな風にこの景色が映っていたのか……とレザランの手記を通して想像できます。余談ですが、ポアロさんはこの事件の後にオリエント急行に乗って”あの事件”に遭遇するそう。うーん、コ○ン君(笑)。

    登場人物が多いのはいつものことですが、今回は職業も国籍もバラバラということで当初はなかなか苦戦しましたが、物語も半分くらいまで進むとしっかりキャラクターの輪郭が濃くなっていくのがさすがのクリスティー。
    そして、妄想としか思えなかった犯人も、シンプルながらしっくりくる謎解きに十分納得でした。
    こちらはまだドラマ版が未鑑賞なので、「松明を持って湿地から姿を現わし、男を惑わす妖精」と評されるルイーズがどんなふうに描かれているのか、観るのが楽しみです。

  • 今回は(今回も?)愛憎渦巻くストーリーで、それぞれの人間関係が複雑でした。
    異国の雰囲気や情景も綺麗で、旅情をかきたてます。

    この作品では、遺跡調査団のリーダーである考古学者の妻・ルイーズの世話をするため雇われたレザランという女性が、ポアロの助手役として登場しました。

    ルイーズは人々の中心に自分がいなければ、注目を浴びていなければ気が済まないような美女で、"エッジウェア卿の死"のジェーンや、"ナイルに死す"のリネットにも通じるところがあります。
    女性の個性を捉えて、魅力的に描き切るのが本当に得意な作家だと改めて思いました。

    マーカドが麻薬を常習していることを裏付けるために、ポアロがこっそり彼の腕に針を刺す場面は、なかなか衝撃でした…。
    事実確認のために手段を選ばないポアロの過激な一面が見られて面白かったです。

    シリーズを読んできてこのパターンにも驚かなくなってきましたが、真相に辿り着くまでの展開が二転三転するのは毎回ながら流石でしたし、設定がとても好みでした。

  • 考古学者の妻の面倒を見るために出向いた看護婦の手記によって話が進んでいく。
    死んだはずの元夫から来る脅迫状、物音、不審な人物…

    例のごとく登場人物皆何か隠してるっていうお馴染み。
    もちろん犯人は自信あったのに当てられませんでした。

  • イラクで遺跡を発掘している調査団長のエリック・レイドナーの妻ルイーズが精神的に不調を抱えているため、看護婦のエイミー・レザランがルイーズのサポートをするためテル・ヤリミアの現場に赴くが、ルイーズが何者かに殺されてしまう。
    外部から人が入りづらいので、遺跡調査団のメンバーの中に犯人がいるらしい。。。
    そして、調査団は昨年までは和気あいあいとしていたが、この年からはメンバーが入れ替わったせいなのか、ギクシャクとしてよそよそしい雰囲気が漂っている。
    うーん。この感じが何とも言えないサスペンスを感じさせてくれる。
    もちろん、ポワロが登場して事件を解決してさすがポワロとなるのだけど、殺されたルイーズの性格設定の重要さがよく考えられているなと思いました。(ツッコミどころは目を瞑ります。)

    でもルイーズは哀れだなぁ(美人だからなおさらか)

  • 時折垣間見える中東の景色や発掘現場の様子などの描写は活き活きとして、目に浮かび上がってくるようでした。
    ただ、中東の描写や発掘現場の描写が盛りだくさんというわけではないのでご注意を。
    事件が起きた場所が、発掘チームだったという程度で思っていた方が楽しめそうです。
    今作、ルイーズという美人がかき乱す人間模様が描かれた作品。
    ルイーズの人となりの把握から始まり、周りの人物がルイーズにどんな感情を持っているのか?から犯人と動機をあぶりだしていきます。
    登場人物それぞれのルイーズに対する捉え方、抱いている感情の書き分けが素晴らしくゾッとする。
    アガサ・クリスティー作品の中でライトに読めて、うまみを感じられる作品じゃないかと思います。

  • 最初から最後まで読みやすくてスラスラと読了。手記として書かれた形式なのも客観的な視点で面白かった。ポアロの事が改めてわかりやすい。
    最後の推理の披露が長くて読み応え◎そして、わかりやすい。

  • バグダッドを旅していた看護婦レザランは、イラクの遺跡発掘現場を指揮する考古学者レイドナー博士のたっての希望により、死んだ前夫からの殺害予告に怯える魅惑的な夫人ルイーズ・レイドナーの世話を引き受けます。他人行儀すぎる雰囲気と奇妙な緊張感の漂う遺跡調査隊のメンバーたち。そして調査隊メンバー以外は加害者となりえない調査団宿舎内という限定された空間において、ついに殺人事件が発生します。解決に向けて召喚されたのは、偶然付近を旅していた名探偵ポワロ。今回はミス・レザランをワトスン役に迎えて事件に挑みます。

    ところで本作は英国による間接統治下の1930年代のイラクを舞台にしているものの、政治や歴史にまつわる描写はなく、地域性もほぼ感じさせません。基本的に遺跡調査により財宝発掘が可能な場として背景に選ばれているに過ぎず、仮にアフリカやインドを舞台にしていたところで物語としては支障なく成立するでしょう。そのためタイトルから紀行文的な異国情緒も味わえるのではないかと期待したのであれば、その点が満たされる作品ではないことは挙げておきます。

    また、通読したうえでルイーズと、ある人物との関係性に無理を感じる部分もあるのですが、いずれにせよ本作が安心して楽しめるクリスティのミステリ作品のひとつであることには変わりありません。

    作品の本筋とは全く関わりがありませんが、レザランが最後まで独身であることに何か意味があるのか、少し気にかかりました。

    • panda12345678さん
      はっきり言ってレザランが独身で終わったのは意味は全くないと思いますよ。
      はっきり言ってレザランが独身で終わったのは意味は全くないと思いますよ。
      2022/11/16
  • 事件に居合わせた看護婦の手記、という設定が面白い。
    事件前からの人間関係をしっかり追え、クリスティーの人間描写を味わえる。
    その分、事件が起きてから来るポアロの出番が少ないのはさびしいのだけど…。

  • この手の類いはだいたい見破れない。

    そしてアガサ・クリスティの描く女性とその関係はリアルで魅入られてしまう。女をよく見るよなぁ、、と感心してしまった。

  • エルキュール・ポアロの作品でメソポタミヤが舞台になっていました!
    考古科学者と再婚したルイーズの元に死んだはずの先夫から脅迫状が届いて、ルイーズは奇妙な人物を見たと周囲に言って、、、というハラハラドキドキのサスペンス物語です!
    ぜひ読んでみてください!

  • ポアロシリーズ12作目。1936年の作品。

    テル・ヤリミア遺跡調査団宿舎の間取り図が出てきたところで、前に読んだことがあると気がつきました。そのあとで犯人も思い出しだので伏線とミスリードを確認しながら読んだのですが、これがなかなか楽しかった。
    アガサ・クリスティーはやっぱり犯人がわかっててもおもしろいなあ。

    遺跡発掘現場が舞台で、考古学者と再婚した美しきミセス・レイドナーが調査団たちに巻き起こす不協和音が事件の発端となるというのが、設定からして皮肉めいています。
    アガサ・クリスティーが考古学者と再婚したのが1930年。とうぜん、彼の発掘調査に同行したこともあるでしょうし、その時に現場で敬われると同時に邪魔者扱いされたこともあったのかもしれません。
    発掘現場である中東を美化していないところもいいです。

    (15ページ)
    でも、バグダッドの不潔さと混乱ぶりは信じられないくらい。『千夜一夜物語』から想像されるようなロマンチックなものなんてどこにもない。

    (76ページ)
    本当にがっかりだった。発掘現場は土と泥の山で、大理石もなければ、黄金もない。美しいといえるようなものは何もない。これなら、クリックルウッドにある叔母の家のほうが、まだ見栄えのする遺跡になるはず。

    90年近く前の作品で、イギリスの上流階級の人々を中心とした登場人物といった違いはあるものの、ミセス・レイドナーをめぐる女性たちの嫉妬と羨望の視線は現代にもあるあるな感じで、こういうところがアガサ・クリスティーの普遍性だなと思います。

    性格の悪さを隠そうとしないシーラが特に好き。

    (221ページ)
    「死んだひとの悪口を言っちゃいけないというけれど、それはちがうとわたしは思うの。事実はあくまで事実よ。言っちゃいけないのは、むしろ生きてるひとの悪口じゃないかしら。生きてるひとは傷つく。死んだひとは傷つかない。でも、死者がなした悪は死後も生きつづける。とかなんとか、シェークスピアも言ってるでしょ。」

    クリスティーはいろんな出版社からいろんな訳が出てますが、どの訳でもいいなら、ハヤカワの旧装丁旧訳で満足なので、あえて新訳で読むというルールを自分に課していて、今回は2020年出版の新訳版を選んでいます。

    旧訳と比較はできませんが、固有名詞が解説もなく結構でてきます。

    「P・G・ウッドハウスの小説」とは美智子皇后が言及したことで日本でもちょっとブームになった『ジーヴス』シリーズあたりですね。

    「セイリー・ギャンプ」はディケンズの『マーティン・チャズルウィット』に出てくる看護婦。wikiの訳ではセアラ・ギャンプ。

    「イアーゴー」は有名だけどシェークスピアの『オセロ』の登場人物。

    ミセス・レイドナーの本棚のタイトルも調べてみました。
    『相対性理論序説』はベルグマン著。
    『ヘスター・スタノップの生涯』
    日本語訳だと法政大学出版の『オリエント漂泊
    ヘスター・スタノップの生涯』が見つかりました。
    『思想の達しえるかぎり』はバーナード・ショーの作品。
    『リンダ・コンドン』も実在の小説のようです。
    『クリュー列車』は日本語訳が見つからず。
    どれもなかなか難しそうな本ですが、すらすらと説明しているポアロは読んだのか。

    ミスター・エモットとの会話で『雪の女王』が出てきますが、カイ少年のことはおぼえていてもゲルダを忘れてるのが驚き。ゲルダ、主人公なんですけど!
    (こういう視点で見ると雪の女王とカイ少年の関係って未成年誘拐みたいなもので結構ヤバい。)

    (278ページ)
    「子供のころ読んだ北欧の童話で、雪の女王とカイ少年が出てくる話があります。ミセス・レイドナーはその雪の女王です。いつもカイ少年を連れて歩いていました」
    「ええ。ハンス・アンデルセンの童話ですな。たしか少女も出てきたはずです。ゲルダでしたっけ」

    あと、「ヴァン・アルディン」は『青列車の秘密』に登場する大富豪「ヴァン・オールディン」のこと。

    (137ページ)
    「エルキュール・ポアロという人物をご存じでしょうか、博士」
    「ええ、聞いたことはあります。ヴァン・アルディンという人物が高く評価していました。たしか私立探偵でしたね」

    「人生は戦場なんです。ピクニックじゃない。」とか名言も多い。

    (206ページ)
    「わたしもよく冗談を言って笑います、マドモアゼル。でも、冗談ではすまないこともあります。わたしは仕事で多くのことを学んできました。そのなかでもっとも恐ろしいのは、殺人は癖になるということです」


    以下、引用。

    35
    駅に着き、プラットホームにおりたって、まわりを見まわしていると、ひとりの青年が近づいてきた。顔はまん丸で、頬っぺは真っ赤。P・G・ウッドハウスの小説の登場人物のようだ。

    41
    パーティー会場で全部の男性からダンスを申し込まれないと気がすまないひとを、わたしはこれまで何人も見てきた。

    48
    「お待たせしました、みなさん。セイリー・ギャンプのお見えですよ」と、コールマンはディケンズの小説に出てくる看護婦の名前を出して言った。

    59
    部屋はきれいで、家具は簡素だけど、ベッド、整理だんす、洗面スタンド、椅子など、一通りのものは揃っている。
    「お湯は朝とお昼と夕食のまえに持ってきてくれます。それ以外の時間なら、廊下に出て、手を叩き、使用人が来たら、こう言うのよ。ジブ・マイハール。覚えられる?」

    68
    〝ドナルドが(アーサーでも誰でもいいが)いまも生きていたら〟という言い方をする者は多い。でも、もし本当に生きていたとしたら、ごくありきたりの太った、気むずかしい、ロマンチックなところなどかけらもない中年男になっているにちがいない。

    76
    本当にがっかりだった。発掘現場は土と泥の山で、大理石もなければ、黄金もない。美しいといえるようなものは何もない。これなら、クリックルウッドにある叔母の家のほうが、まだ見栄えのする遺跡になるはず。

    137
    「エルキュール・ポアロという人物をご存じでしょうか、博士」
    「ええ、聞いたことはあります。ヴァン・アルディンという人物が高く評価していました。たしか私立探偵でしたね」

    142
    「あなたはわたしを見くびっていますね、お嬢さん(マ・スール)。プティングの味は食べたらわかる、といいますぞ」
    〝プティングの味は食べてみないとわからない〟、という諺のつもりだろう。

    172
    ポアロは手紙を受けとると、注意深く目を通しはじめた。指紋をとるための粉末を振りかけるでもなく、顕微鏡を持ちだすでもないので、少しがっかりしたが、考えてみれば、お年もお年なので、新しいものにはついていけないのかもしれない。普通に見て、読んでいるだけだ。

    187
    コールマンの立ち居振るまいは、血のかよった生身の若者のものというより、P・G・ウッドハウスの小説のなかの滑稽な登場人物のもののように思える。

    206
    「わたしもよく冗談を言って笑います、マドモアゼル。でも、冗談ではすまないこともあります。わたしは仕事で多くのことを学んできました。そのなかでもっとも恐ろしいのは、殺人は癖になるということです」

    209
    ポアロは紅茶に角砂糖を五つ入れて、スプーンでゆっくり掻きまわした。

    221
    「死んだひとの悪口を言っちゃいけないというけれど、それはちがうとわたしは思うの。事実はあくまで事実よ。言っちゃいけないのは、むしろ生きてるひとの悪口じゃないかしら。生きてるひとは傷つく。死んだひとは傷つかない。でも、死者がなした悪は死後も生きつづける。とかなんとか、シェークスピアも言ってるでしょ。」

    222
    「いわば女性版のイアーゴーといったところよ。あのひとにはドラマが必要だった。でも、自分が舞台に立つことはなかった。いつも裏で糸をひき、それを眺めて楽しんでいただけ。」

    230
    大人の男は子供のように保護され、守られているわけじゃない。ときには性悪女に出くわすこともある。あちこちでいろいろな女性と出会うはずです。スパニエル犬のように忠実な女性もいれば、〝死ぬまであなたのもの〟と誓う情の深い女性や、おせっかいで口やかましい鳥のような女性もいるでしょう。人生は戦場なんです。ピクニックじゃない。

    278
    「子供のころ読んだ北欧の童話で、雪の女王とカイ少年が出てくる話があります。ミセス・レイドナーはその雪の女王です。いつもカイ少年を連れて歩いていました」
    「ええ。ハンス・アンデルセンの童話ですな。たしか少女も出てきたはずです。ゲルダでしたっけ」

    344
    それは本棚に並んでいた本のタイトルを見てもあきらかです。
    『ギリシア人とは何者なのか』、『相対性理論序説』、『ヘスター・スタノップの生涯』、『クリュー列車』、『思想の達しえるかぎり』、『リンダ・コンドン』等々。
    そこからわかるのは、第一にミセス・レイドナーが現代科学と文化に大きな関心を持っていたということ。つまり、それだけ知的な女性であったということです。『リンダ・コンドン』や『クリュー列車』という小説を読んでいたということは、男に束縛されない、自立した女性に共感を寄せていたということでしょう。レディ・ヘスター・スタノップにはその人間性に魅せられていたにちがいありません。『リンダ・コンドン』は女性による女性の賛美の書であり、『クリュー列車』の主人公は情熱的な個人主義者です。『思想の達しえるかぎり』は、感情的にではなく知的に生きよと説いています。

  • ポアロ作品。
    メソポタミアの発掘現場で起こる殺人事件で、何故メソポタミアなのかというと、クリスティ本人の再婚事情にあるらしい。
    当然悪くないのだが、他作品と比較しても解決はちょっとあっさりめであった印象。

  • 1936年の作品。
    エルキュールポアロシリーズ長編12巻。


    あらすじ
    イラクのアッシリアの遺跡調査団を率いるレイドナー博士は、美貌の妻、ルイーズの付き添いとして看護婦のミス・レザランを雇う。ルイーズはとても美しく聡明な女性だったが、亡くなった前夫のフレデリックボスナーから「他の男と結婚したら殺す」と脅迫状が何度も届いたことで常に怯えていた。
    果たして、ミスレザランが雇われてまもなくルイーズは何者かに殺されてしまう。たまたまバグダッドに旅行中だったエルキュールポアロはこの事件の捜査を依頼される。犯人と思われるのは、ルイーズの亡くなったはずの夫フレデリックボスナーと、その弟のウィリアム。そのどちらかが調査団に紛れ込んでいると見て捜査を始めるが…。



    感想
    今から90年前の遺跡調査団の様子が伝わってきて、異国情緒溢れる作品です。
    が、、肝心の殺人事件に関しては…自信満々のポアロに思わず「そんなわけあるかーい!」とつっこんでしまった。
    クリスティ作品はどれも大好きですが、たまにそんなバナナなオチ?のものもありますね笑。
    看護婦さんが語り手となってるのも珍しい。もしやアクロイド殺しパターン?!と思ったら違った。いつも助手をコケにしまくるポアロですが、女性相手だから優しめな感じがします。

  • 犯人は最後まで全く分からず。騙された感は楽しめた。

    でも、いくら時間が経ち、変装していたとしても、前の夫と今の夫が同一人物だったら妻ならば分かるんでないの?

    もうひとつ言うと、一つ目のトリックが少々物理的過ぎるかなあ。あの状況で鉄格子から頭出すかな。。

    と、ツッコミどころはあるけど、面白いです。

    • 111108さん
      鴨田さん
      そう、ツッコミどころで言えばクリスティーのNo.1かもしれないですね!そういう意味では忘れられない話です。
      鴨田さん
      そう、ツッコミどころで言えばクリスティーのNo.1かもしれないですね!そういう意味では忘れられない話です。
      2022/11/06
    • 鴨田さん
      111108さん、コメントありがとうございます。ですよね、ですよね。ツッコミたくなりますよね。
      111108さん、コメントありがとうございます。ですよね、ですよね。ツッコミたくなりますよね。
      2022/11/06
  • ポアロシリーズ第12巻
    舞台は中近東であり、時系列的にはオリエント急行殺人事件の前になります!
    クリスティーの旦那が考古学者だからか、結構細かく遺跡調査の実態を書いてある
    犯人はなんとなくそうかなと思ったけども、トリックが分かりませんでした
    うーん、と唸った作品です!

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