五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房
4.18
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本棚登録 : 495
レビュー : 65
  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151310218

作品紹介・あらすじ

16年前、高名な画家だった父を毒殺した容疑で裁判にかけられ、獄中で亡くなった母。でも母は無実だったのです-娘の依頼に心を動かされたポアロは、事件の再調査に着手する。当時の関係者の証言を丹念に集める調査の末に、ポアロが探り当てる事件の真相とは?過去の殺人をテーマにした代表作を最新訳で贈る。

感想・レビュー・書評

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  • 評価に迷った。世評の結構高い作品のようだが、はっきり言って物語として面白くないのだ。ポアロが何人もの人に同じ事件の話を聞きに行き、さらにその人物たちの手記まで読まされるという退屈なもの。それぞれの人物の視点によって見えているもの、その人物自身の事件への解釈が違うところにこの作品の眼目があり、そこからポアロが真実らしきものを導き出すのだが。殺人犯として断罪されたキャロラインが堂々としていることや、5人の中に犯人がいるはずなのに皆なんの動揺もなくやって来るところから、真犯人の想像はつくのだが、そのキャロラインと真犯人の人物像の描き方は見事かもしれない。

  • ドラマの美しい映像を思い出しながら(結末は思い出さないように)読む。過去の事件の真相解明に向かうポアロ。関係者達の証言が何を意味するか第三部の頭まで全く解らずにいたが、そこからの急展開が本当に素晴らしい!攻略本イチオシも肯ける。

  • 16年前の事件を紐解くという動きが少なく静かなストーリー。ところがこれが面白く、一気読みしてしまった。

    同じ事実でも人によって捉え方が違ったり、前後の文脈から勝手に不足している事実を補って解釈してたり、無意識のうちにバイアスがかかっていたりといった事がうまく混ぜあわされ、さも事実らしい結論に落ち着いているあたりは流石の展開。

    一般的な知名度はあまり高くない気もするが『杉の柩』にも通じる雰囲気でクリスティの傑作として挙げられるのも納得です。

  • ポアロシリーズは、ポアロの存在が途中まで薄れて結末で急に出てくる。容疑者の些細な言動(言葉遣いや無意識の行動)の全てに意味がある、という前提のもとで推理する様子が泥臭く人間的である意味で合理的だ。
    ポアロが事件の本筋には関係のない唐突な推理をするときは、置いてけぼりにされた気分になりちょっと悔しい。そうやって自分も事件の当事者となり、指を咥えてポアロの推理ショーを待ち侘びている構造が出来上がる。それがクリスティーの巧さであると思う。

  • クリスティーと言えば『アクロイド殺し』や『オリエント急行殺人事件』や『そして誰もいなくなった』が有名だけれど、どうして今までこの本を読まずにいられたんだろう…どれよりも面白かった。
    結局お前かい!みたいな、ある意味裏切られました。

  • クリスティーの作品が好きだと再確認。クリスティー作品お気に入りのトップ3に入る。

  • 十六年前、妻によって一人の画家が毒殺される。故人となった母親から「私は無実です」と手紙を遺された娘は、事件の再調査をポアロに依頼するが……という話。過去に起きた事件を扱った「回想の殺人」ものの傑作であり、クリスティの名著に挙げるファンも多い。物的証拠のない状況で、関係者五名(各人がマザー・グースの童謡から子豚に喩えられる)の証言だけを手がかりに様々な事実が紐解かれていく。多元的視点から「事件当日の出来事」が語られる構造は、芥川龍之介の『藪の中』を思わせる。『藪の中』は客観的事実をぼかしたまま終わる未完結性が魅力だが、本作では多元的視点に惑わされることなくポアロが隠された真相(ダブル・ミーニング)を指摘する過程が実に心地よい。読後の余韻も素晴らしい。

  • 過去の殺人事件について、当時の関係者への聞き込みで、ポアロが推理していく展開。
    特別嫌ではないけれど、すごい大好き!てほどの展開ではないな。
    読みづらくはなかったけど、読んでて疲れた。

  • 今まで読んだクリスティ本の中で、不動の№1作品です。

    絵的に美しい描写、トリックでもアリバイでもなく人間性にスポットを当てた話づくり、同じセリフなのに取り方ひとつで物語全体がガラッと姿を変える衝撃。何もかも素晴らしすぎて文句のつけようがありません。

    特にラストが圧巻です。絡んだ糸を丁寧にほぐすようにポワロが謎を解いていき、そしてすべての誤認を取り除くと、そこには犯人の痛切な嘆きがありました。セリフの一つ一つがドラマチックで胸を打つので、読み終わって本を閉じた後、しばらく余韻にひたって動けなくなります。

    ちなみに私はミスリードにまんまと引っ掛かって別人が犯人だと思っていました。しかし作者の手のひらの上でコロコロ転がされるのって楽しいですね。
    長編にしては容疑者が少なくて読みやすかったのもポイント高いです。

    ただ一つ、妹が読んでた本が『月と六ペンス』だとポワロが当てた理由が私には分かりませんでした。あらすじはざっと見たんですけど、やっぱり『月と六ペンス』本文読まなきゃ分からないのでしょうか。

  • アガサクリスティの作品ランキング1位に推す人が多い作品。確かに人物ドラマとして面白い。グイグイと引き込まれて読み切らないと寝られない感じですね。いやぁ良かった。

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