秘密機関 (ハヤカワ文庫)

  • 早川書房 (2011年1月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784151310478

作品紹介・あらすじ

幼なじみのトミーとタペンスが挑む、極秘文書消失事件。女王初期の傑作冒険サスペンス

感想・レビュー・書評

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  • 【トミー&タペンス】
    クリスティー32歳。
    デビュー作の次に書かれた2作目。

    トミーとタペンスが生き生きしていて魅力的だけど、やっぱり冒険ものが苦手でミステリーじゃないと途中挫折しそうになる…。
    すると面白い出来事が出てきて、クリスティーに「頑張るのよ!」と励まされているかのように、またぐいぐい読める。

    世界の命運を握る秘密文書の行方を若者素人探偵が探すという、どうにもあり得ない設定。
    それについては、あ〜そうなんだ程度に深く考えない方が良さそうだ。

    「一体誰が黒幕なのか?」というミステリーの犯人当てのような楽しみ方がわかると、一気にものすごく面白くなってきた。
    2人が若さに溢れていて明るく魅力的。
    そして今までのシリーズにはないドキドキ感!
    冒険もので初めて最後まで楽しく読むことができた(゚∀゚)

    クリスティーの幅広い作品のおかげで、私の狭い偏った好みを徐々に矯正してもらってる感じがする。

    思い返せば、あんなにカタカナ名前が苦手だったのにいつの間にか慣れたし、文化は違っても人間の本質は同じなんだと外国の壁も取っ払ってくれた。
    クリスティーのおかげで読書の楽しさが大きく広がった。私にとってクリスティーはもはや先生。

    自分のクリスティー読書50冊目は、冒険ものに初めて踏み出して楽しめたので、忘れられない1冊になった。

    クリスティーの作品は100冊あるので、これでやっと半分まできた。
    色々なジャンルがあるので、全然飽きないどころか、読めば読むほど愛が強まってしまうのがクリスティーのすごいところ。

    杉江松恋さんの解説がとてもわかりやすくて、自分がどうして『ビッグ4』を途中で挫折してしまったのか理由がわかった。
    この解説を読むと、クリスティーのことも作品のこともより深く知ることができて、より作品が面白くなる。こういう解説が大好きだ。
    ★3.5

    • なおなおさん
      ご紹介をありがとうございます。
      「黒井戸殺し」=「クロイド殺し」(’∀’*??
      (≧∇≦)さすが三谷幸喜さんですね。タイトルから面白さが期待...
      ご紹介をありがとうございます。
      「黒井戸殺し」=「クロイド殺し」(’∀’*??
      (≧∇≦)さすが三谷幸喜さんですね。タイトルから面白さが期待できそうです。
      観たいです!本にはなってないんですね(;_;)
      2024/12/22
    • Naotyさん
      設定が日本なので『黒井戸』なんだと思います笑
      大泉洋さん主演なので面白そうですよね♪
      残念ながら本にはなってないんです(T_T)
      今度地上波...
      設定が日本なので『黒井戸』なんだと思います笑
      大泉洋さん主演なので面白そうですよね♪
      残念ながら本にはなってないんです(T_T)
      今度地上波再放送がある時には、なおなおさんにお知らせしますね(⁠◠⁠‿⁠◕⁠)
      2024/12/22
    • なおなおさん
      年末年始の放映に期待したのですが、残念ながらないようですね。
      情報入ったら、ぜひお知らせください(^人^)
      年末年始の放映に期待したのですが、残念ながらないようですね。
      情報入ったら、ぜひお知らせください(^人^)
      2024/12/22
  • すっっっごく面白かった。
    “ミステリの女王”とよばれるアガサ・クリスティーなんだけど、冒険小説のイメージは私のなかにはなくて。でも、これが最高に面白かった。
    それだけでなく私の好きなタイプの冒険小説だったものだから、読み終わったあともしばらく心臓はドキドキしてた。
    まず主役のふたりが好印象。トミーとタペンスのキャラが若々しくていいのだ。
    「二人の年を合計しても、四十五にならない」という年齢も若いのだけれど、性格も明るいし行動的。とにかくエネルギッシュ。

    トミーとタペンスは久しぶりに(第一次世界大戦終結後)再会した幼なじみ。
    お金のないふたりは「高報酬の仕事、違法な申し出も可」を謳った〈ヤング・アドベンチャラーズ〉という会社を設立し探偵業を始めようとする。
    トミーは冒険好きの青年で、頭が切れるというわけではないが、自分の思い込みだけで突っ走ることはなく、物事をじっくりと考えて解くタイプ。
    一方タペンスはトミーの幼なじみの女性で、常識的な判断力はトミーよりは劣るけれども、直感的なひらめきがあり突っ走るタイプ。
    対照的なタイプのふたりなので、名コンビにもなるのだ。
    で、ストーリーの始めはお互いに友人以上の感情は持っていないようなんだけど……と、ほんのちょっぴりロマンス風味も加わる。

    そんなふたりに高報酬の怪しげな依頼が舞い込んできた。ところが依頼人に対してタペンスが“ジェーン・フィン”という偽名を口にしたことから、事態はさらにややこしくなる。
    なんとふたりは英国を揺るがす極秘文書争奪戦に巻き込まれてしまうのだ。
    その極秘文書を狙うのは“ブラウン”なる秘密組織の大ボス。誰も“ブラウン”の姿を見たことはないのだけど、“ブラウン”はいつも傍にいて、裏切り者は容赦なく殺されることから組織メンバーも大層恐れる人物。

    “ブラウン”よりも先に極秘文書を入手するために、そして“ブラウン”の正体を暴くために、さらには“ジェーン・フィン”の行方を突き止めるために、トミー&タペンスの冒険は始まる──

    とにかくストーリーがキャラ同様、軽やかで勢いがあって楽しい。クライマックスに向けてハラハラドキドキ感がどんどん加速していくので、本当に楽しかった。
    ミステリとして読むと粗削りな点があることは否めないのだけれど、それでもジェットコースターを途中で降りられないように先が気になって気になって、いちいち立ち止まってなどいられないのだ。「“ブラウン”は、あの人とあの人のどっち!? どっちなのーー! ぎゃあーー!!」ってな具合に叫びたくなる。

    私はクリスティー作品は冒険小説のほうが好きかもしれない(クリスティー作品の有名どころを数冊読んだくらいの現時点で……)。
    トミー&タペンスシリーズは数冊出ているようでお気に入りになりそうな予感。あと、他の冒険小説もチェック済み。

    なんだか冒険小説はクリスティーも、はちゃめちゃにしてもいいやくらいに楽しんで書いてる気がするんだよね(まだこの一冊しか読んでないけど)。

    • koalajさん
      地球っこさん
      初めまして、こんにちは!
      地球っこさんの興奮冷めやらぬ感がジンジンと伝わってくるようなレビューを読んで、私も読んでみました。と...
      地球っこさん
      初めまして、こんにちは!
      地球っこさんの興奮冷めやらぬ感がジンジンと伝わってくるようなレビューを読んで、私も読んでみました。とーっても面白かった!
      ありがとうございます♪

      アガサ・クリスティーは昔、有名なのを1、2冊読んだかなぁ?くらいで、ほとんど読んでないに等しいんです。今日早速図書館で『NかMか』も借りてきちゃいました。

      地球っこさんの本棚、いつも楽しみにしています!これからもどうぞよろしく。
      2022/12/04
    • 地球っこさん
      koalajさん 
      こんにちは、はじめまして!

      ひゃあ、私の拙い感想をきっかけにしてくださったとは、とーっても嬉しいです!ありがとうござい...
      koalajさん 
      こんにちは、はじめまして!

      ひゃあ、私の拙い感想をきっかけにしてくださったとは、とーっても嬉しいです!ありがとうございます。


      2022/12/04
    • 地球っこさん
      koalajさん

      すみません、嬉しすぎて指が投稿ボタンに触れてしまいました…

      私もアガサ・クリスティーはほんの数冊しか読んでないのです。...
      koalajさん

      すみません、嬉しすぎて指が投稿ボタンに触れてしまいました…

      私もアガサ・クリスティーはほんの数冊しか読んでないのです。
      そしてマーブルやポアロじゃなくて、いきなりおしどり夫婦にハマってしまいました。

      トミー&タペンスシリーズって勢いと明るさがあって楽しいですよね。
      クリスティーも楽しんで書いてますよね、絶対。
      でもこのシリーズは数冊しかないので、読み終わるのがもったいなくて、でも早く読みたくて。
      今年の締めくくりはおしどり探偵シリーズ制覇にしようかな、なんて思ってます。

      クリスティーの他の冒険ものも読んでみたいです。


      koalajさんの本棚、とても素敵です☆
      私の知らない本がたくさんあってワクワクします。
      こちらこそよろしくお願いします。
      2022/12/04
  • 1922年 原題”The Secret Adversary”
    「最高に面白かった!」と熱く語るブク友さんのレビューを読んで、直ぐ図書館に走りました!
    ありがとうございます♪

    トミーとタペンスの若いコンビ。
    素人ゆえの怖いもの知らずで勇敢に突き進み、
    でも難局にはとっさに機転をきかせて。
    中盤から後半、ラストまで「えーっっ!悪者はどっちなのー⁈」と心の中で叫びながら興奮。
    私の予想は見事にはずれました…

    ちょうど100年前に書かれたんですねー。
    全然古さを感じさせない。
    とっても面白かったです!

    • koalajさん
      地球っこさん

      お返事ありがとうございます♪
      アガサ・クリスティー、大御所で何となく固いのかなぁなんて思い込んでたんですが、いやぁさすが面白...
      地球っこさん

      お返事ありがとうございます♪
      アガサ・クリスティー、大御所で何となく固いのかなぁなんて思い込んでたんですが、いやぁさすが面白いです。このブクログでも読んでる方がいっぱいですもんね。

      最後まで引っ張ってくる展開にドキドキでしたー♪イギリスらしさもいいですね〜。

      2022/12/04
    • 地球っこさん
      そうですよね、わかります!
      読んでなくても誰もが知っているクリスティーの名前や作品タイトルに気圧されるというか、私もクラシカルな固いイメージ...
      そうですよね、わかります!
      読んでなくても誰もが知っているクリスティーの名前や作品タイトルに気圧されるというか、私もクラシカルな固いイメージがありました。

      でも読みはじめると面白いし、中毒性もあるし…
      なんだかクリスティーを制覇したくなっちゃいますよね。
      ファンが多いのも頷けます。

      そういえば、「どっちなのー」で思い出しましたが、クリスティー作品をよく知ってらっしゃるブク友さんから「かっこいい人にはご用心!」がクリスティーあるあるだと教えていただきました。
      なので、推理しなくても私の好みのタイプは悪者率が高いかもしれません 笑
      2022/12/04
    • koalajさん
      地球っこさん

      アハハ
      「かっこいい人にはご用心!」ですか(笑)
      アタマの隅に入れといたら読むとき謎解きできるかな?
      今日早速『NかMか』を...
      地球っこさん

      アハハ
      「かっこいい人にはご用心!」ですか(笑)
      アタマの隅に入れといたら読むとき謎解きできるかな?
      今日早速『NかMか』を借りてきたのに、予約していた池井戸潤の分厚い『ハヤブサ』もきてしまったー!長く待っていた予約本って何かいつもタイミングが…(汗)
      2022/12/04
  • クリスティ女史の長編第2作め、つまり、「スタイルズ荘の怪事件」の次に書かれたというから驚きました。ポアロとヘイスティングズの次がトミーとタペンス、このギャップが凄くないですか? 
    プロローグは、第一次世界大戦中に魚雷を受けて沈む船の上で、問題の機密書類が手渡されるシーン。続いて、戦後の不況と就職難の中で再開したトミーとタペンスが、お金を稼ぐために会社を立ち上げようと決めます。すると、持ち込まれた怪しげな依頼。もちろん2人は恐れもせず、秘密機関が絡み国際的な混乱を産む危険な陰謀の中に飛び込んでいく! アクション映画のようなスカッとする楽しさ! やっぱりとっくの昔に映画化されていました。
    「スタイルズ荘」もそうでしたが、この時期、戦争の傷痕にまだ覆われているのを感じます。

  •  クリスティは、中学生くらいのころに『そして誰もいなくなった』を読んで大衝撃を受け、それでミステリーにどハマりした…というような歴史認識でいるわりに、(その後も有名どころを何冊か読んだはずだが、)何も覚えていない。ミス・マープルやポワロもアンソロジーでちらほらとしか読んでおらず、要するにクリスティ初心者なのだが、トミーとタペンスという男女バディものの冒険小説的なシリーズがあるとブク友さんに教えてもらい、なんだか楽しそうだぞと思い読んでみることに。
     第一次大戦後のロンドンで、お金に困った若い二人の男女が久方ぶりに再会し、何でも屋とでもいうような会社を設立するところから物語が始まる。そんな無鉄砲な、と序盤から思ってしまうのだが、そのあと実際に仕事が舞い込んできて、依頼人との初めの面会でいきなりの大ピンチ。そこでタペンスが咄嗟にかますはったりが大当たりと、いきなりタペンスがかっこいいではないか。その後、やや押され気味かと思われたトミーも、ときに大胆に、ときに冷静に、様々な困難を掻い潜っての大活躍。
     正直、話のあんこである国家存亡の危機に関する策謀の細かいことは、頭がこんがらがってよく飲み込めなかったのだが、敵か?味方か?のハラハラ感や、トミーとタペンスの冒険とロマンスでじゅうぶん楽しめた。
     解説によるとこのあと二人の登場作品は四作あり、最後は七十代の老境が描かれるらしい。楽しみだ。

    • 111108さん
      akikobbさん、こんにちは。

      「歴史認識」ふふふ笑
      私もほとんど覚えてなかったので今ふたたび楽しめてます♪
      トミーとタペンス、ハラハラ...
      akikobbさん、こんにちは。

      「歴史認識」ふふふ笑
      私もほとんど覚えてなかったので今ふたたび楽しめてます♪
      トミーとタペンス、ハラハラするけど怖すぎない冒険物で二人の関係も楽しいですね。
      2022/12/19
    • akikobbさん
      111108さん、こんばんは。コメントありがとうございます。

      ふふふ、自分史ですけど、記憶による捏造があるかもしれません(^_^;)
      トミ...
      111108さん、こんばんは。コメントありがとうございます。

      ふふふ、自分史ですけど、記憶による捏造があるかもしれません(^_^;)
      トミーとタペンスって片仮名の字面もなんか好きです。あだ名が2ペンスってどういうことなのかしら…といった文化事情にも興味がわきます。
      そんな感じでお気軽に楽しんでいけそうです♪
      2022/12/19
    • 111108さん
      akikobbさん

      そうでした、タペンスあだ名ですよね。2ペンスって何だろう?ダジャレとか?日本語で言うとどんな感じなのか?その辺もわかる...
      akikobbさん

      そうでした、タペンスあだ名ですよね。2ペンスって何だろう?ダジャレとか?日本語で言うとどんな感じなのか?その辺もわかるともっと楽しくなりそうですね!
      2022/12/19
  • トミー&タペンスもの

    クリスティー作品は、最近だとミス・マープルものばかり読んでいたのですが、ちょいと気分を変えて本書を手に取りました。
    幼馴染のトミーとタペンスが、とある機密文書を託されたまま失踪した女性を巡る陰謀に巻き込まれていく冒険活劇です。
    本書は、クリスティーお馴染みの本格ミステリとは趣が異なる感じで、若い男女コンビが繰り広げるアクションに、ドキドキハラハラしながら読みました。
    (注:この“ドキドキハラハラ”は、二人の行動が危なっかしくてハラハラしていたという意味です 笑)
    で、“謎の黒幕”が誰か?という事も、話の展開で怪しい人物が挙がってくるのですが、「この人か?・・あ、でもこの人ちゃうか・・」と、見事にクリスティーに翻弄されてしまいました。
    という事で、クリスティーのこのような冒険小説も楽しいですね。今後、“トミー&タペンスもの”制覇したいと思いました。

    ※余談ですが、今回はいつもの古い方のクリスティー文庫ではなく、新訳の文庫にしてみましたが、個人的に表紙のデザインは古い方(左上に“マーク”がある方)の、クリスティー文庫が好みかな。と思った次第です。

    • goya626さん
      トミー&タペンス、ああ懐かしい。
      トミー&タペンス、ああ懐かしい。
      2020/08/31
    • あやごぜさん
      はい。「トミー&タペンス」の第一作という事で、まだ二人が若かりし頃の話です(^^♪
      はい。「トミー&タペンス」の第一作という事で、まだ二人が若かりし頃の話です(^^♪
      2020/08/31
    • goya626さん
      本棚にあるアガサ・クリスティーの本を引っ張り出してみましたが、ハヤカワ文庫はまだしも創元推理文庫は、字が細かくてもう読む気がしません、老眼な...
      本棚にあるアガサ・クリスティーの本を引っ張り出してみましたが、ハヤカワ文庫はまだしも創元推理文庫は、字が細かくてもう読む気がしません、老眼なので。
      2020/08/31
  • 冒険物語で楽しかった!主人公2人が活動的に動き回るので敵に見つかるんじゃないかとドキドキした。ポアロマープルのようなミステリとしてではなく、トミーとタペンスの活躍を楽しむストーリー。2人が大好きになった!3作目の「NかMか」が名作のようなので早く辿り着きたい~!

  • アガサ・クリスティの初期作品を読み直してます。
    トミー&タペンスもの。

    デビュー作につぐ2作目とは気づきませんでした。
    読んだのはだいぶ後だったと思います。
    デビュー作で有名になったためか、このほうが明るくて広範囲の読者を獲得出来たのか、売り上げは倍増だったとか。

    戦争が終わって平和になり、活気づくロンドン。
    この戦争というのが第一次世界大戦。
    1922年の発行ですからね~。
    幼なじみのトミーとタペンスが、ばったり再会し、仕事がない二人で会社を始めようと「ヤング・アドベンチャラーズ」を名乗ります。

    トミーこと、トーマス・ベレズフォード。
    見た目は平凡だが感じが良く、冒険心はあるが真面目でしっかりした青年。
    タペンス(2ペンスという意味)はあだ名で、本名はプルーデンス・カウリー。
    大きな灰色の目で、勘が良く、いたずら小僧のような雰囲気があるキュートな娘。

    新聞広告をタイムズ紙に載せた所、反応があり、事件に巻き込まれていきます。
    とっさに名乗ったジェーン・フィンという名が波紋を起こすのです。
    1915年に、汽船ルシタニア号がドイツの攻撃を受けて沈没。
    そのときに、機密書類を受け取ったのがジェーン・フィンでした。
    行方の知らないジェーンを捜すいとこジュリアスも登場。
    これは写真でしか知らないジェーンに恋しているアメリカ人で、富豪なのです。

    情報局員のカーターと情報を交換しつつ、トミーは怪しい男を尾行して邸に入り込み、秘密の会合を目撃。
    国際的な陰謀が行われている様子。
    タペンスは怪しいと睨んだ夫人の元へ、メイドとして潜入。
    教会大執事の娘であるタペンスは、女中に家事を仕込む立場だったので、お手のものでした。
    その建物のエレベーター・ボーイともすぐ仲良くなったり。

    ユーモラスな書き方で、スリルもほどほどに。
    携帯どころか、まだ電話もすべての家にあるわけではない時代。
    用事の連絡は電報!という。
    レトロなテンポで~素人探偵が活躍。
    ポワロもののような綿密さはありませんが、コメディ映画を見るような気分で、楽しく読めます。

    そういえば、ドラマもテレビで見たかも…
    タペンスはフランセスカ・アニスだったそうで~原作に美人ではないと書いてある割には大美人だけど、チャーミングにいきいきと演じていました。

    この版は、2003年の新訳によるもので、一番新しい装丁。

  • 若きトミーとタペンスの冒険劇。ポアロやミス・マープルの王道ミステリとはまた別味のするスリル溢れる展開に謎。クリスティ長編2作目だという今作は隠れた名作。

  • トミーとタペンスがふとしたきっかけで大事件に巻き込まれてしまうお話。最初のお遊び感覚がなんともほほえましいが、どんなに危険な目に遭っても、2人とも懲りないのがすごい。

    「誰がブラウンか?」という興味が読者を引っ張っていく。絶対に登場人物の中にいる、と読者は思う。そして終盤、会話の中から真相が明かされる、と思ったら…

    トミーとタペンスのシリーズはこれが初めて。以後も二人の活躍する物語が刊行されている、というのを知っているから安心して読めるのだろう。電報が行き来する時代の冒険はスリリングだった。

  • 二作目の長編でこのクオリティか。
    ミステリーというよりは冒険小説だけど、めちゃくちゃ面白かった。
    滅多に読まないジャンルなのに楽しめてしまったから正直驚いてる。
    伏線は随所に散りばめられているし、事件の黒幕は最後まで分からない。
    もちろんロマンスも忘れない。
    もう最後の数頁なんてニマニマしながら読んだわ。
    ホント読者を飽きさせないな。
    さすがは女王です。

  • The Secret Adversary

    冒険の喜びと危険を少しだけ感じてみたい、
    退屈な生活をおくっているすべての人たちに


    戦争も終わり平和が戻ったロンドンで再会した幼なじみのトミーとタペンス。
    ふたりはヤング・アドベンチャラーズなる会社を設立し探偵業を始めるが、怪しげな依頼をきっかけに英国を揺るがす極秘文書争奪戦に巻き込まれてしまう。

  • 小説に対してのコメントにはふさわしくないかと思うが、映画のようなドキドキ感・満足感が得られた。トミー&タペンスの他の活躍が気になる、そんな思いを持たせてくれる良い作品。

  • 前作のスタイルズ荘の怪事件があまりに難しく読むのに苦労したので、しばらく避けていたアガサ・クリスティー作品。
    図書館でふと目に留まり、なんとなく読めるかもしれないと2作目を借りました。

    スタイルズ荘よりスラスラ読めて驚きです。スタイルズ荘の怪事件は図書館の貸出期間中には読み終わらなくて、購入したほど……

    しかし、本作は読み終われました。
    自分の個人的見解ですが、よく読む日本人ミステリ作家さんのとあるシリーズを読んでいるかのようでした。今は、ポアロシリーズが一段と難しいのかな?という印象です。

    トミーとタペンス、最初は一緒に行動をしていたものの、途中からは別行動。
    トミーが頭に強烈な一撃を受けて気を失ったところから、タペンスに場面は移ってから物語はタペンス編みたく進んでいき、トミーの命の安否を心配します。助かっていないのではないかという絶望感の最中にトミーからの電報を見て出ていきました。そして次はまたトミーへと物語の目線が変わるという構成でした。
    トミーはどうなったの?タペンスはどうしたの?と気になって仕方なく、どんどんと読み進めていきました。残りのページ数が少なくなっていくまでに時間がかかり、この作品もなかなか終わらないと思いましたが、捜査が大きく動くようになってからはそんなことも気にならなくなりました。
    別々に行動していたからこその、トミーとタペンスの恋心に気づき、まさかの2人の関係の進展。

    トミーとタペンスがブラウンに騙されていたように、自分もジュリアスが怪しいと思っていました。まさかの黒幕の解明に驚いて、興奮してしまいました。

  •  クリスティの長編スパイスリラー。トミータペンスシリーズ。記念すべきトミータペンスシリーズの一作目であり、クリスティの長編作品二作目にあたる作品だ。
     「若さ」についてとてもエネルギッシュで魅力に満ち溢れた作品で、「若い」事はこんなにも無謀で何でも出来る様な気でいるが、実際人生はそんなに甘く無いとクリスティに釘を刺されている様な気がする(笑)トミーとタペンスの単純な考えで結成したヤングアドベンチャラーズ。戦争の不安が残る中、仕事を見つける、お金を稼ぐ方法がとても大変な世の中。そんな中、幼馴染の二人は再会し、勇敢に(今の時期から見れば余りにも無鉄砲だ)新しい世界に立ち入って行く。
     クリスティの冒険ミステリーはいくつかあるが、作品解説にてスパイスリラーとあり、カテゴライズされている。それぞれクリスティの探偵達には得意分野があり役割分担が上手く、探偵然としたポアロ、安楽椅子のマープル(意外に行動力があり、僕の捉え方は間違えているだろうなあ(笑))
    そしてトミータペンスは冒険物だ。それぞれが各々に適した物語があるし、誰を登場させるかで解決や世界観も違って見える。
     今作はトミータペンスシリーズの一作目なので最後の二人の関係が落ち着く様子は見ていて気持ちがよい。タペンスはお転婆で溌剌としており何にでも無謀に突撃して行く様なパワフルな人物だし、トミーは落ち着いているがカッカしやすい、楽観的な人物だ。
     作中、ある意味、そんな事あるかとにやけてしまうストーリー展開なのだが、バカバカしい感じが少なく、面白く読む事が出来るのはこの作品の世界観が見事だからで、カフェでヤングアドベンチャラーズの結成を宣言した矢先からきな臭い依頼が舞い込み、瞬時に謎と危険の中に紛れていく。トミータペンスの持ち前の行動力を活かし、諜報部員からアメリカの女性に引き継がれた機密文書を巡る冒険。無謀な考えで飛び込み、様々に訪れる危機を乗り越えていき・・・。謎の人物ブラウンとはだれなのか。フーダニットの面白さも盛り込まれ。犯人当てはドンデン返しを巧みに用いている。全体を通してあっという間に読んでしまった、魅力的な作品だ。
    (スパイスリラーの様なジャンルはぼやかしている部分が多く余り得意ではないが、このシリーズは別物だ!!秘密主義の作品の筈だがぼやかしはなく何から何まではっきりしすぎている。明るい作品だ。)

  • トミー&タペンス
    第一作。若々しい感じで楽しく読めた。ただこんな素人にこんなことさせるかな?という疑問は最後まで残った。

  • クリスティ長編第2作、トミーとタペンス第1作。ジェーン・フィンという女性をめぐっての冒険活劇といったところ。都合良く事が起こり都合よく協力者が現れ都合よく物事がいい方に進む。うまくゆきすぎという感じがするがなぜか読むのを止められない。1922年発表とあってトミーは第一次世界大戦で従軍退役し職探しをしている所。

    幼馴染の二人だが、1916年の野戦病院で患者と看護婦として再会し、さらに戦後地下鉄の入り口で再会。二人合わせて45才に満たないと書いてある。タペンスは牧師の娘。


    1922発表
    1982.11.15発行  図書館 (読んだのは田村隆一訳のもの。表紙は真鍋博でこの画像のとはちがう)

  • ブラウンはジュリアスだと思ってた騙された!

  •  <トミー&タペンス>シリーズ。第一次世界大戦終結後のロンドンで再会した幼馴染のトミーとタペンスは、失業中でお金が無いし退屈だからと軽いノリで「ヤング・アドベンチャラーズ」なる万屋みたいな会社を起こすも、怪しげな依頼をきっかけにヒッチコック映画さながらの陰謀騒動に巻き込まれてしまう。
     クリスティーが本作のような冒険小説を発表していたこと自体に驚かされた。ポアロやマープルや『そして誰もいなくなった』のようなミステリー小説のほうが馴染み深いぶん読むのに苦労したが、楽しめた。ただトミーとタペンスの向こう見ずでお金に意地汚い部分は少し苦手。

  • いくつか名探偵ポアロシリーズを読んできたので、ポアロの老練な推理や、何かしら影のある登場人物たちや犯人の過去の人生模様がクリスティの推理小説の面白さ、という勝手なイメージを持っていましたが、いい意味でそれが裏切られた小説でした。

    第一次大戦終了後のロンドン。戦争が終わり、少しずつ平和な世の中で生きていくことへの希望を持ちつつある若者が主人公。少しお転婆だけれど聡明なタペンスと、慎重にじっくり考えるけれども行動力もあるトミーの二人が、自分たちらしい仕事で荒稼ぎしよう!と、ちょっと怪しげな何でも屋を立ち上げたところ、妙な依頼が舞い込み、国家を揺るがす陰謀に巻き込まれ…というお話です。
    こんなに都合よく事は運ばないだろうとは思いつつも、主人公二人の、あくなき好奇心と、何事にも臆せず飛び込んでいく、無鉄砲だけれでも若者らしい純粋な責任感や正義感もある、そんな冒険譚に引き込まれました。
    黒幕は誰なのか…誰もが怪しげにもいい人にも見える、でも、最後までにそれらもきちんと回収されていくのはやはりクリスティのストーリーテリングの上手さでしょうか。クリスティがこんな爽やかな冒険小説を書いていたなんてという新鮮さもありました。

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著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アガサ・クリスティの作品

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