そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
- 早川書房 (2010年11月10日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151310805
作品紹介・あらすじ
その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が響く…そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく!強烈なサスペンスに彩られた最高傑作。新訳決定版。
感想・レビュー・書評
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【感想】
言わずと知れた、アガサクリスティーの代表作の1つ。
・・・にも関わらず、タイトルは聞いたことがありますが、一度も読んだことがない作品でした。
(というより、洋書の小説自体あまり読んだことがない・・・)
ただ、読み始めるとすぐにグイグイ作品に引き込まれていって、気が付けば読み終えていました。
作品のエピローグにてネタバレが書かれているのですが、正直それを読まなくっちゃ、なぜこのように物語が進行していったのかさえ分からない始末・・・笑
1冊全部を読み終えて、ようやく腹落ちというか納得できた1冊でした。
なにより1番スゴイのは、この本が1937年に出版されたという事ですね。
イイ意味で、時代を感じない不朽の名作だと思います。
【あらすじ】
その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。
だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が響く…
そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく・・・
強烈なサスペンスに彩られた最高傑作。
【メモ】
p358
副警視総監はテーブルを拳でドンとたたいた。
「こんなことがあっていいものか。ありえないことだぞ。岩だけの何もない島で、10人の人間が殺害されていた。そして我々には、誰が、なぜ、どのように殺したのかも分からない」
メイン警部は咳払いをして、言った。
「実は、そうとばかりも言えません、副総監。正義にやたらこだわる異常者がいた。そいつは法律の埒外にいる犯罪者を裁こうとしたのですよ。」
p364
「島にはほかに人間がいたはずなのです。すべてが終わったあとに後始末をした人間が。しかし、そいつはそれまでの間、一体どこにいたのでしょうか?そして、どこに消えたのでしょうか?」
ため息をついた副総監は首を振ってから身体を乗り出した。
「だが、そうなると、いったいぜんたい、誰が10人を殺した犯人なのだ」
p365?
・トロール漁船〈エマ・ジェイン号〉の船長より、ロンドン警視庁に送付された証拠文書詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
助けの来ない閉ざされた空間、何かになぞらえて次々と起こる連続殺人、減っていく人形。そして最後の鮮やかな謎解き。
これまでも何度か読もうとして、最初に10人出てくるところでわからなくなってやめていたのだが、誰が誰だか状態の最初さえ乗り切れば、個性的でタイプの違う面々のことが見えてきて、一人そしてまた一人と死んでいく展開に、息つく暇もなく一気読みだった。
これまで本でも漫画でも、たくさんのオマージュ作品を読んできたのに、クローズド・サークルの本家本元のこの作品を読んでなかったなんて。
今更書く必要はないかもしれないが、簡単にあらすじを紹介する。
見ず知らずの男女8人が、海の孤島である兵隊島に招待される。そこには酔狂な金持ちの建てた別荘があり、執事のロジャース夫妻が出迎えるも、二人とも最近雇われたばかりで、誰も所有者オーエン氏の事情を知るものはいない。整えられたすばらしい寝室には、古い童謡の書かれた羊皮紙が飾られていた。
夕食後、皆が静かに寛ぐ中、突如として彼らの過去の罪を告発する声が響き渡る。
そしてすぐに、第一の殺人事件が起きる…。
赤川さんの解説にあるように、無理な恋愛や残酷描写のない、とても純度の高いミステリー。
書かれたのは80年も前だというのに、携帯電話の類が出てこないくらいで、古さは感じない。それぞれの抱えた後暗い過去、正当化しようと必死で自己弁護しながら罪に怯え、互いに信じられずに疑心暗鬼に陥っていく様には、人間の業の深さを感じるが、それらを紡ぎながら、テンポ良く進んでいく無駄のない構成と驚きの展開。
これが時代を超えて、国を超えて読み継がれていく物語の力なのかと思う。
随所で既視感を覚えたが、こちらは初読なので、後の時代に書かれた本から受けたもの。後世のミステリー界に及ぼした影響の大きさがよくわかる。
アガサの別の作品も読んでみよう。
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最近ミステリーが好きなので、いろんな作家さんのエッセイにも出てくるミステリーの名作を。まずもって80年以上前に書かれたとは思えない引き込まれ具合で、どんどん読み進められた。不朽の名作と言われる所以を身をもって体感した。読み終えてトリックを知ってから読み返し中。
風景が目に浮かぶようだし、最初覚え辛いかなと思った登場人物たちも個性豊かで読み進めていくうちにスッと入ってきた。
アガサ・クリスティーを知らずしてミステリ好きは名乗れないから、他の作品も少しずつ読んでいこう。 -
超有名なタイトルと作者なので、度々ブックガイドなどで見かける機会が多くて、なんとなく読んだ気になってました。が、今回読んでみてもっと早く読んどけばよかったなと後悔するほど面白く一気読みでした。
古い童話の歌詞通りに1人ひとり殺されていきます。過去に犯した罪を皆の前で暴かれ自分を正当化しようとする自分自身との葛藤、逆に達観してる者、罪だと思っていないもの、次に殺されるのは自分かもしれないという恐怖、あの人が犯人かもしれないと疑心暗鬼。そして驚きの結末。夢中で読みました。
解説に赤川次郎さんが、無理な恋愛や展開が使われていない、人が次々に死んで行くのに、少しも残酷さや陰惨な印象を与えない、この作品の後味のいや味のなさを、残酷描写や暴力描写を過激にすることが「読者サービス」であると思い込んでいる、一部の作家に学んでほしいと書かれています。そうですね、何だかわかります。私も途中で気持ちが悪くなって読むのをやめてしまったことがありました。その作家さんのミステリはそれ以後手を出す勇気がありません。相性が悪かったと思うことにしてます。でも、ほとんどのミステリ作家さんもミステリが面白いと思われた出発点には、クリスティー作品があったんじゃないかなと思います。
ミステリはもともと「知的で粋な」娯楽であったはずと赤川さんは書いておられます。うん、そうだろうなとこの作品を読んで納得しました。 -
アガサクリスティの代表作。世界で1億部以上を売り上げる。タイトル通り、人が一人ずついなくなる。推理モノなので、それ以上は、読んで!!
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職業や年齢も様々な十人の男女が、とある孤島に招かれた。たがいに面識もない彼らは、無気味な童謡の歌詞の通りにら一人ずつ殺されてゆく…。アガサ・クリスティー の超有名ミステリー。
読み始めの頃は、登場人物の職業や名前を覚えるのに時間がかかったが、会話文も多く描写が巧みなので彼らのキャラクター性が掴みやすく、途中からはスラスラと読めるようになった。
一人、また一人と登場人物たちが殺されてゆくのだが、「犯人は誰なのか?」と推理しながら読んでいる私たち読者は終盤まで作者に騙され続ける。
長く多くの人々に読み継がれている理由が、読んでみれば理解できると思います。この人の他の作品も、読んでみたくなりました!
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舞台を日本に変えてドラマ化されたのを見て、久しぶりに読んでみたくなった物語である。
すでに展開も結末も知っていたのだが、それでもやはり面白いと感じた。
初めて読んだときにはまったく内容を知らなかったので、結末には「えっ?そんなことって・・・」とかなり衝撃を受けたことを覚えている。
閉ざされた孤島を舞台にしたクローズ・ド・サークルもの。
マザー・グースの童謡「10人のインディアン」をモチーフとした点。
そして意外過ぎる犯人とその動機。
どれも新鮮で夢中になって読んだものだ。
おかげでその後、すっかりアガサ・クリスティーばかり読んだ時期があったほどだ。
時が経ち、内容をすべて覚えていたにもかかわらず面白いと感じることの出来る物語。
細かな矛盾や突っ込みどころはあるけれど、やはり名作と呼んでいい物語だと思う。 -
最初はひとりひとりの紹介も兼ねて、順番に出来事が語られていくのだが、そこで外国の名前を覚えるのが苦手な私は、誰が誰だか分からなくなってしまった。登場人物のところを見ながら、なんとか読み進めたが、途中で飽きそうになり読むのをやめようかと思ってしまった…。が!!我慢して読み進めていると、先が気になってきて止めようにもやめれない。結局眠い目を擦りながら最後まで一気に読んでしまった。兵隊の童謡になぞらえてひとりずつ殺されていくのは恐怖と緊張感があった。
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ちょっと期待しすぎた、、、
十角館の殺人この本に影響受けすぎやろ笑
あとオチの衝撃度も個人的にそこまで大きくなかったかな。
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【再読】
前回読んだときの記憶がすっかり抜け落ちてからの再読。孤島に集められた人々、童謡に沿った殺人、などなど、今読むとベタな状況が揃っている。でもそれが面白い。面白いからこそ、ベタになっていったのかな。犯人の目星をつけながら読んでいても、深く考える間もなく読み進めてしまうから、翻弄されっぱなしだった。人間ドラマも、犯行のトリックも、ちょうどいい濃さ。探偵役がいないミステリも新鮮だった。最後の最後にようやく真相が分かり、1冊の始めから終わりまで、存分に楽しむことができた。
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