幻の特装本 (ハヤカワ・ミステリ文庫 タ 2-2)

  • 早川書房
3.60
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本棚登録 : 475
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (598ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151704024

作品紹介・あらすじ

警察を辞めて古書店を営むクリフは、元同僚の依頼に愕然とした。存在するはずのない、エドガー・アラン・ポー作『大鴉』の1969年限定版を盗んで逃亡中の女を連れ戻してくれというのだ。その本は限定版専門の出版社の特装本で、見つかれば莫大な価値がある。興味を惹かれ、事件を調べ始めたクリフの前に、やがて過去の連続殺人の影が…。

感想・レビュー・書評

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  • 警察を辞めて古書店を営むクリフは、元同僚の依頼に愕然とした。存在するはずのない、エドガー・アラン・ポー作『大鴉』の1969年限定版を盗んで逃亡中の女を連れ戻してくれというのだ。その本は限定版専門の出版社の特装本で、見つかれば莫大な価値がある。興味を惹かれ、事件を調べ始めたクリフの前に、やがて過去の連続殺人の影が…。

  • 古書店主のクリフォード・ジェーンウェイは、元刑事だった。本好きが高じて古書店主をしている。元同僚のスレイターが会いたいとやってきた。好きになれない奴だったが仕方ない。女性を一人シアトルからデンバーまで連れてきて欲しいという。本を捜しに空き巣に入ったが家人が帰ってきてあわてて銃を発射したという。祖父の遺産の土地を担保に保釈金を払らったが、指定の日までに裁判所に出頭しなかったという。その女が捜していた本はエドガー・アランポーの「大鴉」という詩集だという。グレイスン・プレスが出した特装本で、大変な値段が付くだろう。本に目の無いクリフはその依頼を受け入れたが…。

  • 再読。

    前作と比べると満足度はやや落ちるが、それでも面白い。
    活字、印刷に情熱をかけた職人を描いてる場面は実に興味深い。
    女性が悪漢に誘拐された後の主人公の取った行動はなんだか余裕あり切羽詰まった感が感じられず少しダレてしまった。

    この先のシリーズがどうゆうものか読み進めたいところ。

  • 2023/09/17読了。
    邦題の通り、限定特装本専門の出版社による、幻のポー『大鴉』を巡る事件。“存在し得ない”完璧な本作りを目指す内に正道を踏み外してしまった男達が居て、周りの人々も大なり小なり巻き込まれ、そこから更に次の悲劇が生まれていく。そんな曰く付きの本でも、希少性から金に糸目を付けずに入手しようとする者もいる。いずれも、人の業ってやつか。

  • 警察を辞めて古書店を営むクリフは、元同僚の依頼に愕然とした。存在するはずのない、エドガー・アラン・ポー作『大鴉』の1969年限定版を盗んで逃亡中の女を連れ戻してくれというのだ。その本は限定版専門の出版社の特装本で、見つかれば莫大な価値がある。興味を惹かれ、事件を調べ始めたクリフの前に、やがて過去の連続殺人の影が……。
    原題:The bookman's wake
    (1995年)

  • 本好きには打って付けのミステリー。

  • 先日再読した「死の蔵書」同様、懐かしさに駆られて594ページの長編を再読。

    「死の蔵書」で刑事を辞めて古本屋になった「クリフォード・ジェーンウェイ」がいよいよ宝物(古本)探しの旅に出る。

    どんな冒険の果てにどんな素晴らしい宝物を見つけるのだろう?!と高揚感につつまれる。

    続編とはいえ、前作から引き続き登場するのは、クリフの書店で働く「ミリー」と、刑事時代の相棒「ニール・ヘネシー」と行方不明の「リタ・マッキンリー」くらいで、前作を読まないと理解できないくだりはないので、本作から読んでも十分に楽しめる。

    限定版専門の出版社創業者ダリル・グレイスン
    電気がまだなかった時代に
    オリジナルの美しい書体をいくつも考案し、
    自ら活字を鋳造し、版を組み、
    手作業で紙にインクのついた版を密着させて印刷し
    こだわりの装丁を施して製本した特装本とは
    どんなに素晴らしい逸品なのだろう・・・
    と、想像力を掻き立てられる。

  • 翻訳物は、登場人物の名前が覚えられなくて、苦手です。

    海外の古本事情のことはよくわかりませんが、面白かったです。

  • 大崎梢さんの『平台がおまちかね』より

  • 古書業界?印刷、製本のディテールが随所に盛り込まれ、それが謎解きの鍵に繋がる。面白かったです。リグビー家の人達が最初、素朴で暖かく描かれていて、終盤とのギャップが有りすぎる。もう少し影の部分や不可思議な行動が有ってもと思う

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