ミスティック・リバー (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房 (2003年12月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (672ページ) / ISBN・EAN: 9784151744013

感想・レビュー・書評

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  • パトリックとアンジーシリーズと同じ作者だったので。

    映画を見たのだろうか。
    映画館で見た記憶はないが、
    少なくとも題名は知っていたし、
    幼なじみの男が三人出てくるのも知っていた。
    テレビで放映されたのだろうか。
    いづれにせよ、
    幸運なことに(?)中身は全く覚えていなかった。

    殺人事件も謎解きもあるが、
    ミステリー要素よりは、
    三人の男の人生の物語と言った方が良いかもしれない。
    全体的に暗いし、救いもないが、
    善悪を超えた命や生の脈動に魅かれた。
    特に子供の頃の描き方か秀逸。

    後半、有力情報を得た時の
    刑事のショーンと部長刑事の掛け合いが面白かった。

  • 川、それも「清流」でも「大河」でもない、田舎町に流れる普通の「川」

    「ヨイ子はここで遊ばない」と立札があり、近づくと得体のしれないものに引き込まれそうな陰鬱な「川」
    流れてはいるものの本質はいつまでも変わらない「川」

    物語は、出だしからどの場面でも「不安」「疑心」「悲しみ」「怒り」といった負の感情が、渦を巻いてまとわりつく。
    渦の陰の中心は主人公3人の少年時代の出来事。

    650ページ、ひたすら「陰」が付きまとい、主要な人物が動くたびに、感情や周りの人の状況などがこと細かに描かれる。
    また、ちょっと登場する人にも当たり前に名前があり普通に登場するので、ひっきりなしに巻頭の「登場人物一覧」を引くことに…。

    一つ一つ読み込むのに根気が必要な、重厚な人間ドラマ(謎解きではない)。

    2003年クリントイーストウッド監督で映画化された。
    ジミー役のショーン・ペンはアカデミー主演男優賞を、デイヴ役のティム・ロビンスは助演男優賞をとる。ショーン役はケビン・ベーコン。

    ア~、監督・役者を見ても……暗い。

  • この小説を一文で表すとするなら、「運命の分かれ道をたどっていくような小説」だと思います。

     主要登場人物はショーン、ジミー、デイヴ。三人で遊んでいた11歳の時、警察の名を騙った男たちによってデイヴが誘拐されます。それを機に三人の距離は遠くなり25年後。ジミーの娘が殺され、刑事となったショーンは、その捜査を担当することに。そして、当日デイヴがジミーの娘のいた酒場にいたことが分かり…

     誘拐犯の車に乗ったデイヴと、乗らなかったショーンとジミー。三人の運命はここで大きく分かれますが、それが事件を機に再び合流することになるのです。

     作中全体に漂うのはやるせなさ。愛するものを失った哀しみ、戻らない人生への悲嘆、運命への諦め。そうしたものを叙情的な心理描写や比喩を使いこれでもか、とばかりに描きます。

    そのため、展開はかなりスローテンポ。人によっては、読みにくさを感じるかとも思います。でも、この雰囲気がこの作品を、作品足らしめているとも言えると思います。

     合流した道は再び分かれ、そして三人が最終的にたどりつく場所。それは運命に抗えない人の弱さ、人生の残酷さをこれ以上ないくらいに感じさせると思います。

     読みやすいわけでもなく、読後感がいいわけでもなく…。それでもこの文体が肌に合ったならば、忘れ得ぬ物語体験ができる、そんな小説だったように思います。

    2002年版このミステリーがすごい! 海外部門10位

  •  この作者は初読。これは映画化された有名な作品だそうだ。ショーン、ジミー、デイヴの少年3人組。デイヴが少年性愛者に連れ去られるという事件が前幕。その後、長じてから事件の幕が上がる。強盗から更生して家族と暮らすジミーの愛娘が通り魔の犯行で殺され、、警察官になったショーンが捜査に当たる。一方で同じ頃に血まみれで帰宅したデイヴ。デイヴは犯人なのかあるいはというミステリだ。きちんと伏線も張られているし、結末の意外性も十分で、ミステリとして十分に楽しめる。しかし、本書は文庫判で650頁を超える大作であり、単なる犯人捜しミステリの枠を超えた人間ドラマというべきだろう。主人公3人はもとより、周囲の関係者のそれぞれの人生がからまり、運命に翻弄され、自問自答しながら、たどたどしく生きてゆくようすが克明につづられる。あちこちにちりばめられた警句めいた述懐に、思わずうんうんとうなずかされる。人がまっとうに生きることの哀しみが読み手の胸に迫る。秀作だと思う。

  • ふむ

  • ともかく可哀想なデイブ!なんである。
    小学生で気持ち悪いオッサンにイイコトされて、それを乗り越えようとしたらまたあらぬ容疑をかけられて。これといって目立つところもないのに。嫌なことばかり巡ってくるという切なさ。
    もう一人のレイも、ただのレイと言われるくらい小市民で、でも何も無いが故にひどい目にあって。結局モブキャラとはそういうものか。。

    最終的には正義のヒーローたるショーンさんと、ダークヒーローのジョニーさんが、お互いにライヴァル感を出してカッコいいじゃんお前らってなって、デイブは単なる引き立て役で、ラストに至ってこの現実の厳しさに打ちのめされてもう堪らんわけですよ。

  • 「泣いてスッキリできる物語ではない」
    「娘を盲目的に愛する男の犯す罪」
    「人間の愚かさを描いた傑作」

    ‥というような評論に惹かれ、映画を先に見たのだが、登場人物のあまりの不憫さにショックを受けた。当時はまだ学生だったので、「社会がこんなに理不尽ならば恐ろしくて悲しくてやりきれない」と観賞後しばらく呆然とした。これほど衝撃的な映画の原作はどうなってるんだ、と思い読んだ本作。登場人物の心情が丁寧に描かれているぶん、映画よりずっと絶望感が強かった。

    死者は死後、家族や友人が笑っていると、自分のこと覚えてる?忘れないでくれよと叫んでいるのだ
    という文言が印象的。
    私の生涯忘れられない本のひとつとなった。

  •  ショーン、ジミー、デイヴの主人公3人の関係性がとてもおもしろかった。設定は最高だと思う。内容もまあ普通におもしろいと思う内容だった。

     話の最後、ショーンと奥さんの無言電話の謎もなかなか素敵なオチだった。

  • 映画化もされた文学的なベストセラーミステリだが読後は錘のような物が腹に残る。話は3人の少年に起こったある暗い誘拐事件から始まる。25年が過ぎ元ギャングで雑貨屋のジミーの美しい娘が公園で射殺された。過去の負の連鎖は避けられない。刑事になったショーン、当時誘拐されたデイヴ、 そしてジミー、3人はそれぞれの宿命を背負い事件に関わっていく。そして捜査線上にデイヴの名が現れた時…。人は自分の居場所をいつも探している。今の自分を招いたのは血の切なさと不幸な偶然の巡り合わせが作る宿命という愚かさ。そこに救いはないのか。すべては脳の中で起こり人は傷ついていく。人生は苦く切ない

  • ミステリ

  • この間、ルヘイン初めて、と書いたけど、実は「ミスティック・リバー」を数年前に読んでいたことに気づいた。だから再読ということになる。
    終わりの方まではとても面白かった。ストーリーというより、この人はやはりキャラクターがいいかな。心の揺れ、切なさ、辛い中での決断。運命が厳しい環境を与える中で、それでも精一杯筋を通してまっすぐに生きようとする人々の心の動きがとても牽引力があると思う。
    この本すごく厚くて、ドラマティックな設定(3人の少年の子供時代に起きたある出来事、成長した3人がそれぞれ刑事、被害者の父、容疑者かも知れない男、として再び引き寄せられる……)もすごく面白いんだけど、ストーリー自体はそれほどドラマティックに展開はしない。行間にずっと漂っているやるせない雰囲気の方が印象的。 で、そう、終わりの方まではとても面白かったんだけど、最後のところで私はついていけなくなったというか、興味を失ってしまった。確かにあれもひとつの終わり方で、実際、現実にはすべてがすっきりすることなんてめったにないのだけど、でも、あれはどうなんだろう。もう少しだけ、すっきりしたかった。救いがほしかった。でもきっとこれがルヘインさんらしさなのかも。

  • 久しぶりの再読。作者の熱量が感じられる力作。重厚な人間ドラマだ。少年時代に深い傷を負った3人の少年ショーン、ジミー、デイブが、大人になり再びリンクすることになる。ジミーの娘が殺され、刑事となったショーンが捜査し、デイブが容疑者となる。辛い子供時代を送った彼らがどのように成長し、どのような生き方をするようになったのかが丁寧に描写され、読者の胸に迫ってくる。憎しみや恐怖を心にしまい込み続けると人はどうなっていくのかがよく分かる。わずかにショーンの結末に光が見えるが、それにしても暗澹とさせられる最後だった。

  • 大人になって同じ町に住み続ける幼馴染み三人組を中心に
    昔の事件と今の事件が錯綜する。この、一つの町に住み続ける人たちの話ってのが、転勤族の子だった私には、うらやましいような、ピンとこないような。複雑。

    フォークナーの世界というには底が知れてるし、阿部和重の世界よりは節度があるってとこかしら。シャッターアイランドの前にと思って読んだけど、なーんかなー。

  • 私が読書に、はまるきっかけにもなった作品ですね!
    映画化にもなった作品ですが、あまりにも切ないミステリー作品で、読んだ当時かなりの衝撃を受けたのを憶えています。海外ミステリー作品としては個人的には、いまだにナンバー1作品です!でも、あまりも切ない内容なだけに映画を観る気持ちになれないのでした。

  • 内容の割には書き込みが異常に多く、やたら時間をかけて読了......。
    映画は大好評みたいだけど、原作は名作でも傑作でもないな......。
    まず、解説にもあるように、三人の少年時代に胸熱くする友情がなかったことが痛い。だから、後の彼らの運命に感動が全く生まれない(>_<)。
    真犯人の「動機」も雑すぎ......。
    「勘違い」殺人も、犯人の自己弁護に客観的な説得力ゼロ......。
    被害者の妻もクズだし、まともな人間は刑事ひとりくらいなものか......。
    あと、訳文にも違和感。自分の娘を「彼女」と呼ぶかね、ふつう......?
    期待が大きかったぶん、ガッカリ感も倍増。ゆえ、星三つ( ´ ▽ ` )ノ。
    このあと、映画を観てみるけど、原作を超えてるかな?( ´ ▽ ` )ノ。
    2015/08/12

  • 期待して読んだ割には平凡だったので厳しい評価。読みながらツインピークスを思い出してしまった。話は違えど雰囲気は似てる。

  • 父が面白いと言って貸してくれたので読んでみました。ちょっと文章が硬いなあと思いながら読みました。章によって主役が変わるのでその人物の心情を理解するまで多少時間がかかるなあと思ったり。

    可哀想な人は結局可哀想なままで終わるのか。人間は話し合いで物事を解決することは出来ないのか。暴力的な人は最後まで暴力で物事を解決するのかなあ。そんなことを思いながら読みました。作中のどの人物にもあまり感情移入できなかった感じです。

  • どんな展開が待っているのか、小出しにされる真実に急かされるようにして読み進めました。結構大胆に伏線張ってたんですね。気づかなかったのが悔しい。しかし本当の読みどころは事件の真相より登場人物たちの心の動きです。幼い頃の事件で負った傷、自分の人生を変えてくれた娘が殺された怒り、変わりゆく町への愛情、自分のあり方への問いかけ…。途中までは登場人物の気持ちや考えがまるで見えてこなくて、日本人の感覚では分からないことも多々ありましたが、最後の方に出てくるミスティック・リバーでの場面以降でやっと気づける部分も出てきました。読み返すともっとよくわかってくるかも。

  • かなり前に読んだ本です。

    内容はうろ覚えなので、今度時間がある時に
    もう一回読んでみようかな。

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