弁護士はぶらりと推理する (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房 (2004年1月23日発売)
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本 ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784151744518

感想・レビュー・書評

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  • イタリアの小説。弁護士が散歩をしながら思考し、事件を解決するというもの。田舎町らしく、島民も弁護士もよく訛る。しかしそこに、人柄や人情味が伺えてよかった。

  • 19世紀イタリアのサルデニア島に実在した弁護士で詩人という人物ブスティアヌが探偵役の小説。
    独特な味わいで面白かったです。
    「いかなるときでも心地よきもの」と「空から降る血」の2編収録。
    いかなるときでも心地よきものとは散歩のこと。
    食後に、人気のない丘に登り、涼しい空気と美しい自然と見下ろすことだそうです。
    ブスティアヌと知り合いだった父親から聞いた話として書かれています。

    大金持ちのペス家の娘シシッニアと村のハンサムな若者ゼノビは恋に落ちるが、ペス家の羊が盗まれ、疑いは結婚を反対されたゼノビに。
    反対されたと言っても時期を待てば良さそうだったのに。
    ゼノビは出奔し、母親が弁護を頼みに来るが、逃亡を続けるために弁護しようにもなかなか会えない。
    官吏を信じない心理、それに逃亡を続けられるような山深い土地というのが既に独特ですね。
    その上、ペス家の当主が殺され‥?
    「空から降る血」は大男を素手で絞め殺したとして逮捕された若者フィリッポ。
    無理ではないかと思うブスティアヌだが?
    大男は評判が悪く、一方、若者の方には病歴があった。
    フィリッポの病歴を隠したい一家に、それでは死刑になると説得するブスティアヌ。
    牢屋でフィリッポは自殺してしまうが、本当に自殺なのか疑うことに。

    独身男のブスティアヌが頑固な母親に手を焼いたり、フィリッポの姉の美女にときめいたり。
    サルデニアには、イタリアとはかなり違う言葉と文化があるんだそうです。
    サルデニアの風土と時代性、素朴だけど頑固、かなり変わっているけど、熱っぽく真剣に生きる人々。
    変わり種を読んでみたければ~オススメ。
    一人称と三人称が切り替わるきっかけがちょっと、わかりやすくはないので~一般的には★三つかな…

  • 描写が素敵なミステリ
    とても好きな作品

  • やけに詩的・叙情的。
    ミステリを効率的に楽しみたい向きには多分相当苛々させられるかと思う。
    自分は(自分で意外だけど)こういうリリカルな雰囲気も悪くないなと思った。

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