- Amazon.co.jp ・本 (604ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151767012
感想・レビュー・書評
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面白かった。
ごめんよアレックス、疑って。客観的に見たら、一番気の毒な境遇なの、アレックスじゃないねー、主人公的目線で軽視してしまったよ、反省してます。幸せになってね!
どうやら出だしで、息子から見た親父さん評価を鵜呑みにしてしまったみたいで、嫁に手を出すクソッタレな人物像がかなり後半までピンと来なかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
急に再読したくなって読んでみたけれど以前読んだ時以上に面白く感じた。弁護士である父が殺害され、息子のワークは妹のジーンが犯人ではと疑う。そこの不安や葛藤と父に対してのたくさんの感情と家族、妻、大切な人への気持ちが交錯して追い詰められていく。誰かを思うことと真相を追うこと、その答えが望まないものになりそうなときに陥る絶望感。謎解きやミステリーとしての面白さはもちろんだけれど家族小説や兄妹小説の面がとても濃密で面白い。他の作品もまた再読したくなる。
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アメリカの作家「ジョン・ハート」の長篇ミステリ作品『キングの死(原題:The King of Lies )』を読みました。
「アリス・ラプラント」、「ノア・ホーリー」に続き、アメリカのミステリ作品です。
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失踪中の辣腕弁護士が射殺死体で発見された。
被害者の息子「ワーク」は、傲慢で暴力的だった父の死に深い悲しみを覚えることは無かったが、ただ一点の不安が。
父と不仲だった妹が、まさか…。
愛する妹を護るため、「ワーク」は捜査への協力を拒んだ。だがその結果、警察は莫大な遺産の相続人である彼を犯人だと疑う。
アリバイを証明できない「ワーク」は、次第に追いつめられ…。
「スコット・トゥロー」の再来と激賞されたデビュー作。
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2006年(平成18年)に発表された「ジョン・ハート」のデビュー作で、同年のアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞) 処女長編賞候補、マカヴィティ賞新人賞候補、バリー賞新人賞候補になるなど、高い評価を得た作品… 期待して読みました、、、
600ページのボリュームがあり、中盤までは、回想を交え物語がゆっくりと進むので、もどかしさが強かったのですが… 意外な事実が徐々に判明し、展開が読めないスリリングな終盤は面白くて一気読みでしたね。
ノースカロライナ州・ソールズベリー市、弁護士の「ジャクソン・ワークマン・ピケンズ(通称:ワーク)」は、依頼人と接見に訪れた拘置所で、父「エズラ」の死体が見つかったと知らされる… 頭部を撃たれており、他殺であるのは明らかだった、、、
現役の敏腕弁護士だった父の行方がわからなくなって18か月、既にこの世の人ではないだろうと覚悟はしていたものの、その知らせに「ワーク」は動揺する… 父が死んだからではない、犯人に心当たりがあったからだ。
「エズラ」は、貧しい家の出身で、裸一貫でソールズベリー屈指の弁護士にのし上がり、金と名誉に異様なほど執着し、代々裕福な同業者を激しく憎み、非情で思い遣りのかけらもない人物で、家族に対しても、まさに暴君のような振る舞いで妻子を支配していた… 父がいなくなった経緯を考えれば、殺したのは「ワーク」の妹「ジーン」でしかありえない、、、
だが、夫との破局以来、精神が不安定となっている「ジーン」を刑務所送りにするわけにはいかない、何としても守りたい、そのためには自分が身代わりになっていもいいとまで思い詰める「ワーク」は、警察が妹への疑いに目を向けぬよう、必死の抵抗を試みる… しかし、犯人は「ジーン」ではなかった。
身代わりとなる必要がなくなった「ワーク」だったが、父の遺書が明らかになり、「ワーク」に1,500万ドルの遺産が信託として相続されることが判るや事態は一転、容疑は「ワーク」に向けられる… 「ワーク」は、自らの容疑を晴らすため、旧知の探偵「ハンク・ロビンズ」に協力を依頼し、真相を探ろうとする、、、
そして、「エズラ」の性質に起因する「ピケンズ一家」における親子の確執や、「ワーク」と妻「バーバラ」との夫婦間の問題、「ワーク」が子ども時代から抱えている「ヴァネッサ・ストールン」の事件に関する罪の意識がしだいに浮彫りとなり、事件は混迷する、、、
「ワーク」は、真相を探るうちに自分が父に支配されていたことに改めて気付き、父の言いなりで結婚した「バーバラ」との生活に終止符をうつためい、その気持ちを「バーバラ」に打ち明けるが、「バーバラ」は二人は出直すことができると激しく抵抗する… 「バーバラ」を振り切って家を出た「ワーク」は、事務所で父が遺した金庫を開けることに成功、そこで発見されたビデオテープから、父と妻の関係、そして、事件の意外な真相に気付くが、そのとき犯人は目の前に迫っていた。
ホントに終盤は面白かった… 家族の在り方、親子や夫婦の在り方について考えさせられる作品でもありましたね、、、
でも、ハッピーエンドで良かった… 「ジョン・ハート」の別な作品も家族がテーマのようなので、機会があれば読んでみたいですね。
以下、主な登場人物です。
「ジャクソン・ワークマン・ピケンズ(=ワーク)」
弁護士
「エズラ」
ワークの父
「ジーン」
ワークの妹
「バーバラ」
ワークの妻
「アレックス・シフテン」
ジーンの友人
「ヴァネッサ・ストールン」
農場主
「マクスウェル・クリーソン」
浮浪者
「ダグラス」
地区検事
「ミルズ」
刑事
「ハンク・ロビンズ」
探偵
「クラレンス・ハンブリー」
弁護士 -
長編なのにそれを感じることなく
最後まで楽しめた
それだけなのに、こんなに広がるお話
凄いわ~~ -
ネットで見かけて。
情ない男の話がうだうだと続くので、
直接話し合ってきちんと確認しろよ、といらいらすること請け合い。
最終的に、
強烈な父親(=キング)の亡霊から、自立できて良かったが。
スコット・トゥローの再来と言われているそうだが、
同じく面白くなかった意味で、再来なのかも。 -
川は静かに流れに続いて読んだジョン・ハート。こっちが最初の作だがはっきりいって期待外れ。同じく家族の絆とかそういうものへの思い入れが主テーマで、前作ではそれが鼻につく部分もあるにせよ全体のバランスとしては許容範囲だったのが、こちらは常軌を逸している。前半部分、主人公ワークの延々と続く自意識過剰でひとりよがりの言動。エズラという父親がどんだけのものかそれがどれだけ重要なのか、あんたにはそうかもしれないがこっちはどうでもいいんだけど、と言いたくなる。妹との関係にしてもしかり。家族思いのうるわしい物語にどっぷりつかりたい人以外にはおすすめしない。読んでいてこれがミステリだということを忘れたころにやっと事件が動き、意外な犯人が明らかになるのだが、そこまでが無用に長く退屈すぎる。
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以前に偶然手にして、ものスゴくハマった著書のデビュー作。期待を裏切らず、最初からのめり込むように読んでしまった。
冒頭からかなりの後半まで、どうにもならない絶望と悲しみ、人の心の弱さなど、私自身も耐え難い苦しさに引きずりこまれてしまって重苦しい気持ちになっても、なお読み進めたいと思ってしまった。
私自身も救済されたいという気持ちになってしまうほど、引き込まれたということかと思う。
やっぱりハンパなくおススメの作家。 -
面白い。