交霊 〔下〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151788567

感想・レビュー・書評

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  • (上巻より)

    霊媒師と事件、さらに真犯人と意外な結びつきは
    面白かった。
    事件の終わり方も良かったのに、
    まさかアメリカのドラマばりのクリフハンガーで終わるとは思わなかった。

    十二年前、ヨーナは殺人鬼から妻と娘を守るため、
    別人の死体を燃やし、事故死に見せかけた。
    しかし妻が死の床につき、娘はどうなるのか。
    ヨーナはどうするのか。
    -to be continued-
    そんなラスト、おかしいでしょ。

  • ヨーナ・リンナ警部シリーズ3作目。
    3冊の中で これが一番気に入りました。
    後半からがグ~ンと面白くなったような。

  • ヨーナ・リンナ警部シリーズ3作目。
    前作を読んでから大分たちましたが、この度読んでみました。
    久しぶりに読むシリーズものはストーリー展開やら設定やらを忘れていて少し戸惑う事もありますが、本作もその例外ではなく。
    とは言え、左程でもなく十分楽しめました。

    #最も登場人物間の関係を覚えておいた方がもっと楽しめたかとは思いますが・・・

    さて、前置きはこの位にして以下にあら筋をご紹介。


    様々な問題を抱え、犯罪を犯した少女たちが集められた施設において2件の殺人事件が発生する。

    警察は犯行直後に施設から姿を消した一人の少女の行方を追うが、彼女は途中出くわした車を奪って逃走。

    その車には幼い男の子が取り残されており、警察は必死に彼らの行方を追う。
    しかし、その努力の甲斐なく二人は忽然と姿を消す。

    過激派に情報を漏らしたかどで内務調査の対象となっている主人公は無事男の子を救い出し、事件の真相を解き明かせるか?


    事件の真相や誘拐された子供の安全に、かつて容疑者の少女の里親であった美貌の大富豪の苦悩。
    そしてそればかりではなく、主人公が情報を漏らした容疑で内務調査の対象となっていたり、昔死んだ(はずの)彼の妻子に関する秘密がほのめかされていたりと結構盛りだくさんな内容となっています。

    主人公が抱える因縁等、次巻以降の展開が気になる終わり方となっていますが、本作そのものは収まる所に収まるべきものが収まっており、シリーズ前作の内容をほとんど覚えていない私でも十分に楽しめました。

    #最もこの点が余りにもハッピーエンド過ぎる様にお感じになられる方も居られるかも知れませんね。

    ちょっと甘めな所もありますが、楽しめる小説となっておりますので一読されてみては如何でしょうか?

  • 犯人はどう考えてもあの人物しか当てはまらなかったのではらはらした。
    どちらかというと女性達の選択や戦いにひきつけられる下巻。
    上巻では別れた夫に縋ってぐにゃぐにゃしていたセレブ女性エリンと養父母に搾取されインチキ霊媒師で盗んだ金を補填しながら何かとうじうじしているフローラがそのままの性格で各々犯人と立ち向かうさまがいい。
    エリンは二度とヴィッキーを裏切らない、守ると決意し犯人を自分に引き寄せ反撃する。フローラは以前取り消した告発をもう一度やり直し犯人を捕まえようとする。
    あとがきにもあったように二人は対局にいながらも似た者同士だ。人間で女であることは変わりないから。

    犯人のグルーミングもきついがヴィッキーが間違って誘拐してしまった男児を息をするように当然と性虐待目的の男に人身売買する男怖い。ヴィッキーが過去自分に起きた惨い記憶を蘇らせるところとかも。
    子どもを子供として扱えない大人たちばかりが出てくるので裁判官が国連の子どもに関する条文をさっと持ち出してきたシーンはちょっとほっとした。

  • 怖い

  • スウェーデンの作家「ラーシュ・ケプレル」(純文学作家の「アレクサンデル・アンドリル」と「アレクサンドラ・コエーリョ・アンドリル」夫妻の共有筆名)の長篇ミステリ作品『交霊(原題:Eldvittnet)』を読みました。

    「カミラ・レックバリ」、「ヴィヴェカ・ステン」に続きスウェーデンのミステリ作家の作品です… 「ラーシュ・ケプレル」作品は、一昨年の7月に読んだ『契約』以来、、、

    北欧ミステリ作品は、読みだすと、どんどん読みたくなる魅力がありますね。

    -----story-------------
    【世界的ベストセラー『催眠』を凌ぐスケールの 捜索! 追跡! 悪夢! 】

    〈上〉
    2010年に発表された『契約』に続いて執筆されたシリーズ第3作。
    主人公「ヨーナ・リンナ警部」のこれまで語られなかった背景も明らかにされるなど、読み逃せない作品である。

    少女の死体はベッドに横たわっていた。
    顔のほとんどがなくなっているようで、ほとばしった血が部屋中を赤く染めている―問題を抱えた少女たちのための自立支援ホームで、収容されていた少女が惨殺される事件が発生した。
    やがて収容者の一人「ヴィッキー」が姿を消していることが判明し、捜査に加わった「ヨーナ・リンナ警部」は、彼女の行方を追うが…ベストセラー『催眠』 『契約』に続き、スウェーデンで大ヒットを記録した超話題作

    〈下〉
    明らかに死んでいる少女が、彼女を見下ろして語りかけてくる―自称・霊媒の「フローラ」は、生まれて初めて見た本物の幽霊が、報道されている殺人の被害者であることに気づいた。
    警察には相手にされなかったが、「ヨーナ・リンナ警部」だけは彼女の通報に注目する。
    一方、逃走中の「ヴィッキー」の行方は、依然として不明のままだった…スリリングな追跡劇、不気味な怪現象、意表を衝く真相。
    全世界が注目する覆面作家が放つ大作。
    -----------------------

    2011年に発表された「ヨーナ・リンナ」シリーズ第3作です、、、

    相変わらず、独特の臨場感やスピード感があり、事件が解決したかと思えば、実は解決していなかった… という予測不可能な展開で、ずっと緊張感を保ちながら読めましたね。

    上下巻で約800ページという長篇作品ですが、これまでの2作品と同様にクライマックスシーンまで、飽きずに物語に引き込まれっぱなしの展開でした、、、

    これまた相変わらずの、残虐な殺害シーンだけは慣れることができないので、部分的に想像力を封印して読んでいます。

    あと、気になるのは、今回は終盤で「ヨーナ」の過去に携わった事件や、それをきっかけに妻子と別離することになったエピソードが織り込まれ、次作以降に娘が事件に巻き込まれそうな予感を漂わせるエンディングだったこと… 今後の展開が気になりますが、どうやら4作目以降は翻訳されていないようです、、、

    残念… 早期翻訳を期待しています!


    今回の事件は少女達が生活する自立支援ホームで起きた殺人事件… 被害者は収容者の一人である「ミランダ」と看護師の「エリサベト」の二人、、、

    「ミランダ」の顔は無残なほど滅多打ちにされ手を顔の前においた状態でベッドの上で死んでいた… 「ヨーナ」は前作『契約』での捜査における行動が問題で捜査担当者ではなくオブザーバとして捜査に加わるる。

    捜査が開始されてから看護師の「エリサベト」の死体が収容所の小屋で見つかる… 警察は自分の部屋に血痕や大量の血がついたシーツ、ハンマーを残した状態で収容所から姿を消した「ヴィッキー」を二人の殺害犯として捜査を開始する、、、

    その後、女性牧師「ピア・アブラハムソン」が、道路脇に車を止め息子「ダンテ」を残してほんの一瞬車から離れた隙に「ヴィッキー」と思われる少女に「ダンテ」をのせたままの車を盗まれる… 数日後、この車がダムの傍の川の中に沈んでいるのが見つかり、警察は殺人を犯した「ヴィッキー」が、「ダンテ」とともに死亡したと結論付けて捜査を打ち切ろうとするが、「ヨーナ」は状況証拠から「ヴィッキー」が怪しいとは思われるものの「ヴィッキー」の犯行とは思えず、独自に捜査を続ける、、、

    捜査を進めるうちに、「ヨーナ」は、交霊者として生計を立てている「フローラ」が、この事件に関して何度も警察に電話をしていることを知り、「フローラ」と会って話を聞く… 当初は「フローラ」の説明は虚言だと思っていた「ヨーナ」だが、何度か会って話を聞くうちに、「フローラ」が「ミランダ」の幽霊から聞いたと思い込んでいる事象は、「フローラ」が幼少時に体験した辛い記憶の一部であることに気付き、今回の事件の裏に隠された、過去の別な事件の存在が徐々に明らかになっていく。

    「ヨーナ」は人身売買グループの「トビアス」に監禁されていた「ヴィッキー」と「ダンテ」を発見し、人身売買グループとの激しい攻防の末に二人を救出… 「ヴィッキー」は収容された病院で検査官の尋問を受け、自分が「ミランダ」を殺した事を示唆する自供をして一件落着と思われたが、、、

    途中から、ソーシャルワーカーが怪しいなぁ… と思っていましたが、まさか、少年時代から残虐な殺人を犯しており、それを巧みに隠していたとはねぇ、「ダニエル」って想定以上に酷い人物でした、、、

    「ダニエル」が犯人と判明したとき、「ヴィッキー」は、元里親で「ヴィッキー」を更生させようとしていた「エリン」と「ダニエル」の三人で別荘に居た… 「ヨーナ」は直ぐに「エリン」に連絡するが、既に「ヴィッキー」に危険が迫っていた、、、

    「ヨーナ」は「エリン」と「ヴィッキー」を「ダニエル」の魔の手から救うことができるのか… 中盤以降は怒涛の展開で一気読みでした。

    推理だけでなく、派手なアクションも読み応えがあり愉しめましたね… 組織内の抑圧に屈せず、自分を信じて独自に捜査を進めて事件を解決する「ヨーナ」はカッコイイなぁ、、、

    でも、その「ヨーナ」が窮地に追い込まれそうな、そんな予感のする次作以降の展開… スウェーデンでは、5作目まで出版されているらしいので、早く読みたいです。



    以下、主な登場人物です。

    「エリサベト・グリム」
     ビルギッタゴーデンの看護師

    「ダニエル」
     ビルギッタゴーデンのソーシャルワーカー。エリサベトの夫

    「ミランダ・エリクスドッテル」
     ビルギッタゴーデンの収容者

    「デューラ・レーティ」
     ビルギッタゴーデンの収容者

    「ヴィッキー・ベネット」
     ビルギッタゴーデンの収容者

    「ニーナ・モランデル」
     ビルギッタゴーデンの収容者

    「アルミラ」
     ビルギッタゴーデンの収容者

    「カロリーン・フォッシュグレン」
     ビルギッタゴーデンの収容者

    「インディー」
     ビルギッタゴーデンの収容者

    「ルー・シュー」
     ビルギッタゴーデンの収容者

    「スーシー・ベネット」
     ヴィッキーの母親

    「エリン・フランク」
     ヴィッキーの元里親

    「ヨーナ・リンナ」
     スウェーデン国家警察の警部

    「カルロス・エリアソン」
     スウェーデン国家警察の長官

    「ミカエル・ボーゲ」
     スウェーデン国家警察内部調査室長

    「ヘレーン・フィオリーネ」
     スウェーデン国家警察内部調査室長秘書

    「オッレ・グンナション」
     ヴェステルノルランド県警の警部

    「ピア・アブラハムソン」
     牧師

    「ダンテ」
     ピアの息子

    「ニルス・オレン(ノーレン)」
     法医学者

    「スサン・エスト」
     検事

    「ナータン・ポロック」
     殺人捜査特別班のメンバー

    「ディーサ」
     ヨーナの恋人

    「フローラ・ハンセン」
     霊媒

  • 催眠も過去に使ってたし、ついに霊の力で事件を解決か!?とドキドキしてしまった。
    最後はそう繋がるか〜と驚きの展開でした。

  • 明らかに死んでいる少女が、彼女を見下ろして語りかけてくる―自称・霊媒のフローラは、生まれて初めて見た本物の幽霊が、報道されている殺人の被害者であることに気づいた。警察には相手にされなかったが、ヨーナ・リンナ警部だけは彼女の通報に注目する。一方、逃走中のヴィッキーの行方は、依然として不明のままだった…スリリングな追跡劇、不気味な怪現象、意表を衝く真相。

    ヨーナ・リンド警部の過去がここでようやく明らかに。次作「砂男」とどのようにつながるかはわからないが、熱心な読者はずいぶん長い間、宙ぶらりんにされていたことになる。

  • ラーシュケプレルの三作品を読みました。ミステリーは一気に読めて、最高の娯楽です。契約と交霊と、一作目の名前が出てこない…

  • 面白かったです。主人公が独特ですね。クールなようで熱い。スピード感もあるし心地よい緊張感も。あぁ、でも次作は怖そう。

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著者プロフィール

ラーシュ・ケプレル
アレクサンドラ・コエーリョ・アンドリルとアレクサンデル・アンドリルの作家夫婦が共作するときのペンネーム。国際的なベストセラーとなったヨーナ・リンナシリーズは、40以上の言語に翻訳され、1500万部以上も売れている。アンドリル夫妻は、ラーシュ・ケプレルのペンネームで執筆する以前も、それぞれが単独で書いた作品が出版され高い評価を受けている。3人の娘とスウェーデンのストックホルムに在住。

〈扶桑社ミステリーのラーシュ・ケプレル作品〉
『砂男』上下
『つけ狙う者』上下
『ウサギ狩り人』上下
『墓から蘇った男』上下

「2023年 『鏡の男 (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ラーシュ・ケプレルの作品

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