ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
- 早川書房 (2011年9月8日発売)
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感想 : 483件
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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784151792526
感想・レビュー・書評
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Audibleにて。
女性に対する暴力が多いので気になって調べたら、この作品の原題は「女たちを憎む男たち」。女性に対する蔑視および暴力がテーマだった。
スウェーデンのイメージは、自然豊かで社会保障が充実していて男女平等が進んでいる理想的な国だと思っていたので、そのギャップに驚いた。実際はどうなんだろう。
雑誌記者が大物実業家の不正を探ったり、精神異常者の烙印を押されて生きづらい生活を送っている女性のリスベットが能力を駆使して活躍したり、弱いものが強いものに立ち向かっていくストーリが痛快だった。
今まで読んできたのは英国ミステリーが多かったけど、国によって違う雰囲気も感じられて面白かった。
(残忍なシーンは苦手なのでスキップしました(*_*;)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一部完結。
スケールの大きなミステリー小説。時代も価値観も、様々なものもがミックスされ、それらを跨ぐように結末へ進む。
主人公はミカエルであるが、リスベットの物語でもある。
リスベットのキャラクターは魅力いっぱいなので読んでいても面白い。とは言え、その人格に至るまでの経緯はフィクションとは言え面白いものではない。そこもこの本の見所の一つではなかろうか。
スウェーデン社会の闇を切る内容がいくつか盛り込まれており、資本家の悪事や性犯罪、弱者救済の制度など。謎を解き明かしてゆく過程は、非常に重い内容が含まれているので覚悟が必要である。
以下、ネタバレあり。(備忘録)
最終目的の核心に迫るための情報は、ハッキングで取得みたいな展開は少々安易ではあるが、それまでの地道な取材や捜査とのギャップが良い。
インターネットなどを駆使して情報を集めるところなど、今の時代に合ったものなので全体としては違和感が少ない。
ヴァンゲル一族内で起こった凄惨な事件を追う。
目を背けたくなるような事が明らかになってゆく。作中のミカエルたちの行う性行為や描写は、事件の生々しさを際立たせる為の、いわゆるフリである。これにより、事件の惨さが際立っている。
ハリエットは生きていた。あの日、父を殺した。その後、兄から逃れた。
ずっと真実を知っていた人物も登場する。(ハリエットの)
リスベットはミカエルに恋をし、執着していたが、エリカと二人で歩く姿を見て現実を知る。最後は諦めに近い形で話は締め括られた。ミカエルへの気持ちを伝えることがあればどのような結末であったのか。
ハッピーエンドとバッドエンドが同時に訪れたような感覚だが、リスベットの健気な恋心は切ない。うん。リスベットには幸せになってほしいな。 -
面白かったけど、ラストが物足りないかな。
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ハリウッド版の映画を観て以来、いつか原作をと思って10年近く経ちました。
新型ウィルスによる自粛期間を利用していざ読んでみれば、あまりの面白さに2日間で読んでしまいました。これだったら、これまでのどこかの週末にでもさっさと読んでおけばよかったと後悔する反面、やはり面白いものは長い年月を経ても面白いということを再確認できました。
スウェーデンの孤島を舞台にした、ある一族をめぐる一人の少女の失踪事件。
と書くと、まるで横溝正史による世界のようですが、まさにそれに近いです。
しかし横溝の世界と違うのは、やはりスウェーデンという異国の地が舞台であるということが大きいです。この距離感が心地よく、そして中心人物の男女のあいだのロマンスに酔いしれない程度の距離感も心地よいです。
ジャーナリスト出身による本作は、反ユダヤ主義や性犯罪に関する内部告発の要素も含まれています。『プラダを着た悪魔』の作者などもそうですが、ジャーナリストというのは文筆家だけあって、小説を書くのも上手いことが少なくないですね。 -
強烈なキャラクターのリスベットと、いよいよ深まっていく半孤島の謎解き。ミステリー好きには最高の小説です。
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再読。
北欧の陰鬱な雰囲気と、雑誌発行に関するプロセスと、主人公二人の魅力。いずれも一級品と言える出来で、ページをめくるたびに知識の面でも物語の面でも何らかのよろこびがあり興奮が止まらなかった。テーマとして女性蔑視と性暴力が描かれるため、ある程度覚悟して読む必要があるのだが、男性であるミカエルのポジションを「お姫様役」とし、女性であるリスベットのポジションを「荒くれ者の騎士」とすることで、テーマの掘り下げに成功しておりすばらしい。二人の関係性をホームズとワトスン的なわかりやすい相棒とすることは無く、かといって恋人や友人や家族という言葉に置き換えられるようなものにもせず、この二人にしかあり無いであろう距離感としている点もハートを掴まれてしまう部分。
ミステリとして見るならば、いわゆる館ものであり孤島ミステリーでもあり、何十年も前に起きた未解決事件を追うというもの。このため、ゴシックでおどろおどろしい怪事件に対し、現代的なテクノロジーを使った捜査を行うという理想的な状況設定も出来ていて、ドラマ作品『SHERLOCK』と似た楽しさがある。
作者は本業がジャーナリストであったことから、その経験や知識が物語の各所に反映されていて、1日や1週間といったスパンでは容易に事件を解決させないし、雑誌を復刊させるようなこともしない。奇蹟はひとつひとつの小さな成果の上に成り立つものだと証明するように、丹念な筆致で物語は紡がれる。
ここ数日で読んだミステリの中でいちばん面白かったし、いちばん好きだった。通読は2回目だけどね。 -
上下巻を読んで、
下巻は、謎解きや殺人鬼と対決するシーンは時間を忘れるくらい没頭してしまった。
翻訳も読みやすくて良かったけど、登場人物の多さには辟易。
内容もすごいんだろうけど、社会問題やマスコミ、ネットの世界など高度すぎて気後れぎみ。 -
面白かった!上巻は2回読み直さないと誰が誰か分からんと言う自身の読解力の無さ…でしたが、下巻を読む頃にはもうミレニアムの大ファンになり、そして最後まで楽しめました!
リスベット、カッコ良いなぁ。 -
一気に読んでしまいました。いつも面白い本を読んでいると終わりを迎えるのが淋しく感じるのだが、まだ同じ分厚さで2上下巻と3上下巻と計4冊ある。4の単行本も入れれば更に嬉しい悲鳴がでそう。色んな要素が絡み合い、全ての事件が収束していく中、ラストにちらりとリスベットの人間くささが垣間見えて切ない思いを抱きつつ、2へ突入。しかし!ミカエル、何人の女をそんな悲しませるんだ〜。天然すぎる。
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この作品にはレイプも動物殺害も含まれているので、苦手な人は本当に読まないほうがいい…
リスベットの言ったように、なぜかこの世界は、加害者の立場を理解しようとする。
けど所詮、情状酌量の余地もないただのクソ野郎でしかなくて、育ってきた環境がどんなに劣悪であれ、そうなるのを選んだのはそいつだ。
リスベットがこの作品にいることが、読者には救いな気がした。
それにしても、ミカエルのヒロインっぷりと、ヒロインを助けに来たときのリスベットの発言には笑った。
うーん、、すっきりはしたんだけども、それでよかったのかなあとも感じる。
生きてる人間と、死んでる人間に対する扱いの差。
多いほうをとる数の理論。
難しいなあと思うけど、でも一番に考えられるべきは被害者であって、被害者や遺族は何があったのか知りたい人だっているだろうし、そこに伝えないのはやっぱり罪じゃないかなあ。
然るべき補償を とは言ったものの、実際に誰が行ったのかってことは恐らく伝えないんだろうし……
理解できない女性や思い通りにならない女性に対して、すぐ「売女」って言うのやめろ。
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2022.2.16 読了
面白かった!
上巻は登場人物の多さとその名前の複雑さに翻弄されっぱなしで読み進めるのが大変だったけれど下巻でミカエルとリスベットが合流してハリエット失踪事件の新たな手掛かりを発見をしてからはハラハラドキドキ手に汗握る展開で一気読みしました
女性を物のように扱い蔑み嫌悪し凌辱する男たちの描写は胸糞悪さしかなかったけれど北欧社会の抱える問題の数々をジャーナリストの視点で糾弾していくとともにリスベットの破壊的な思考と巧みな技で巨悪を追い込む痛快さには胸のすく思いがしました
本格・社会派・歴史と様々な要素がたっぷり詰まっていてしかもそのどれもがミステリーとしてもとても面白かったけどミカエルに出会って変わっていくリスベットの姿がとてもキュートで魅力的に描かれているところにも心惹かれました
この先リスベットがどう変わっていくのか(変わらないのか)続巻を読むのがとても楽しみです -
映画化されアカデミー賞編集賞も受賞した作品。
世界的に売れに売れた本の一つだが、著者は最後まで見ることなく死去。
手元にある情報だけでは限界が見えてきたと思えたところで、
ドラゴンタトゥーの女、類稀なる才能を持つ調査官が加わる。
二つの才能が狂気の霧をはらい、真実に日の目をあてることになる。
以下抜粋
- 悪党にもプライバシーを守る権利はある。他人の生き方を攻撃するのは、その人を傷つける安易なやり方なんだ。(P.118) -
このミス海外編2010年版2位。この年大評判となった3部作の第1作目。
出版会社を経営する主人公がある実業家の不正を暴く記事を出版したが名誉棄損で訴えられ実刑を受けるところから話が始まる。会社が窮地に陥ったところで、会社の援助と交換条件で約40年前失踪事件の再調査を依頼される。事件発生後に警察を中心に丹念に捜査されたが未解決で40年経過しており関係者を含め絶対無理という雰囲気で調査が進められる。案の定、上巻は全く捜査が進展せず膨大な数の登場人物の紹介にさかれていく。読者も無力感に引き込まれ、非常に退屈で読み進めるのがかなりしんどい。その中で、唯一、もう一人の主人公である「ドラゴン・タトゥーの女」は個性が輝いており、この人が登場してくる箇所は突然物語が活性化し目が覚める。
下巻に入ると調査が進み始める。徐々に調査の進行が加速していき、事実が判明していくにつれて物語の展開の速度が速くダイナミックとなって行き、性犯罪、連続殺人、経済犯罪、サイバー犯罪、サスペンス、アクション、恋愛と様々な話題が目まぐるしく展開していく。そういった展開やミステリーとしての完成度が本書の魅力の大きな部分を占めるが、その中でも、登場人物の造形の素晴らしさが他に類をみない。特に主人公女性の設定が素晴らしい。唯一無二の個性を持っているが、きちんとDNAから設計したように、いろいろな突飛な反応や心の動きがリアリにシミュレーションしたように深みを持ち納得感がある。
前半我慢を強いられる小説はあんまりお勧めはしないのですが、この本はそれを補ってあまりあるぐらい良くできた本で傑作です。 -
本当に面白かった。
いいミステリーを読んだ!って思えるスピード感もあって、とても惹きつけられるストーリーだった。
次のシリーズを読みたいと思う反面、これを超えられるのかとも思っちゃう。でも読みたい!
2012/3/6 -
こちらは展開が早くなり
読むペースが一気に早くなる(笑)
おどろおどろしかったり
リスベットが可愛かったり
頼もしかったりで大活躍
評判通りの面白さだった(^o^)/ -
スウェーデンに行く途中の機内でよみ、モンテリウスベーゲンの高台で最後のエピローグを読んだ。
スウェーデンって、自然豊かで人は優しくて、ほんわかしてる国だと思ってたが、この本に書かれてるのは、男性が女性を憎んで起こす女性への暴力であったり、経済界の汚職であったり、私が持つスウェーデンのイメージとはかけ離れていた。
どちらも本当のスウェーデンの姿だったとして、私が見てきたのは、前者のほんわかしたスウェーデンだった。それなら、後者は隠れたスウェーデンの世界なんだろう。
綺麗な街並みに潜む裏の文化背景は、どんな国にもあるだろうし、それを知って見に行くのもおもしろい。
リズベットが果てしなくかっこいいのと、孤島殺人、暗号、 1家の確執など盛りだくさんのミステリー作品 -
読み始めはこれ名前?地名?やっぱり洋書無理や〜と挫けそうになり、とても読みにくかったけど、上巻後半から止まらなくなった。さすがこんなにも有名になる本だ!!!ミカエルとサラディンがかっこよすぎる!最悪すぎる結末だけど最高にスッキリ!!最後は切ない。もう一回映画観たいと思った。
スティーグ・ラーソンの作品
